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2015年4月は政府が日銀にタオルを投げる最後の好機  小黒一正(法政大学経済学部准教授)
http://www.asyura2.com/14/hasan92/msg/830.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 1 月 12 日 09:23:05: igsppGRN/E9PQ
 

        異次元緩和の司令塔:日本銀行


2015年4月は政府が日銀にタオルを投げる最後の好機
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kazumasaoguro/20150111-00042158/
2015年1月11日 19時48分 小黒一正 | 法政大学経済学部准教授


今年(2015年)の4月4日は、日銀が黒田バズーカ第1弾、いわゆる「異次元緩和」を導入した2013年4月4日から丁度2年目となる節目である。残り数か月で、2%インフレ目標の達成を目途とする期限が到来する。


では、2%インフレ目標は期限までに達成できそうか。結論から言えば、昨年(2014年)10月末に黒田バズーカ第2弾を実施したが、それは無理そうだ。


そもそも、日銀の展望レポート(正式名称は「経済・物価情勢の展望」で、毎年4月と10月に日銀が発表する今後数年間の経済や物価の見通し)等において、インフレ目標は「コアCPI(生鮮食品を除く消費者物価指数)」で設定しており、バブル期(1985〜89年)のインフレ率でも、コアCPIの対前年平均は1.2%に過ぎない。


また、最近の原油価格の下落もあり、総務省が2014年12月下旬に発表した11月のコアCPIは、4月の消費増税の影響(約2%)を除くと、前年同月比で約0.7%でしかなかった(詳細はこちら)。


インフレ目標の指数を、原油価格の下落の影響を受けない「コアコアCPI(食料・エネルギーを除く消費者物価指数)に変更すればよいという意見もあるが、以下の図表のとおり、現在のところ、「コアコアCPIのインフレ率」は「コアCPIのインフレ率」よりも低い。



このような状況の中、日銀は強気の姿勢を維持しつつも、裏側でインフレ目標の達成期限を徐々に後退させている。


まず、2013年の異次元緩和直後、インフレ目標の達成期限について、日銀の黒田総裁は「2年で2%」を強くアピールしたが、既に2013年4月下旬には「2年程度で2%程度」というように、「程度」という表現が加わり、同年10月には「14年度後半から15年度にかけて2%程度」に修正させてきた。


また、2014年10月の黒田バズーカ第2弾後の展望レポートでは、「2015 年度を中心とする期間に2%程度」に変化した。


このような修正や「玉虫色」の表現は、官僚が多用する霞ヶ関文学と同様、日銀文学というもので、当初の達成期限であった2015年4月4日に2%インフレ目標を実現できると、もはや日銀自身も確信していないことを意味する。


しかし、このような変更を国会(特に野党)が容認するか否かは定かではない。なぜなら、前々回のコラムでも説明したが、2013年3月5日の国会で、日銀の岩田副総裁は就任前の所信聴取にあたり、就任から2年後のインフレ率が目標の2%に達しない場合、辞職することを明言したからだ。


それと同時に、「増税延期は誤った判断−財政と異次元緩和の背後に潜む“2つの限界”」や拙著『財政危機の深層 増税・年金・赤字国債を問う』(NHK出版新書)で詳細に説明しているように、異次元緩和の限界も明らかである。


簡単な計算で分かるように、もし異次元緩和を続けた場合、約12年間で日銀はすべての国債を保有し、国債市場が干上がってしまう。


であるならば、「2年で2%」というインフレ目標の当初の達成期限(2015年4月4日)は、政府が日銀にタオルを投げる最後の好機かもしれない。


もしこのタイミングで政府がタオルを投げない場合、日銀の総裁・副総裁の任期は5年(注:黒田総裁の任期は2018年4月8日、岩田副総裁の任期は2018年3月19日)であるから、日銀は2018年まで異次元緩和を継続することになる可能性が高い。


その場合、日銀の総資産は2016年末にGDP(国内総生産)比80%超に達することが見込まれる。米国のFRB(連邦準備理事会)や欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(BOE)の総資産(GDP比)が20%台の範囲にあることを考えると、これは明らかに異常な規模であり、金融政策の出口戦略をより困難にする。


その前に、異次元緩和の見直しを行う必要がある。上記の図表のとおり、異次元緩和以降、インフレ率(コアCPI)は消費増税の効果を除き2%の目標を達成していないが、概ねプラスで推移していることは事実だ。このため、2%という数字に縛られている日銀に自由度を与えることが重要で、タオルの投げ方は色々ある。


例えば、政府がデフレ脱却は概ね達成しつつあり、アベノミクスの今後の課題は財政・社会保障改革や成長戦略である旨のメッセージを発してはどうか。


中央銀行には法的に政治的独立性が付与されているが、立法権をもつ国会や予算編成等の行政権をもつ内閣との関係で、実態上は完全に政治的に独立であることは不可能であり、「中央銀行は政治そのものである(Central Bank is Politics)」という言葉も存在する。


上記のような政治的メッセージが、日銀に異次元緩和の見直しを促す好機となるはずだ。


 

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コメント
 
01. 佐助 2015年1月12日 20:59:15 : YZ1JBFFO77mpI : 439YTZK3Rc
「経済学も政治学も世界恐慌から脱出することを学んでいない」
汚れたタオル投げてどうするのですか,世界恐慌を沈静化させるのが経済学ではありませんか。そしてドイツとイタリヤと日本が第一次世界恐慌から、いち早く脱出できた教訓を、経済学も政治学も何も学んでいない。

「日銀の失態」
世界の基軸通貨が金とのリンクを維持すれば、世界の通貨交換(為替)は安定する。だが、金とのリンクを停止すると、世界の通貨交換は金の枠組みから自由となり、為替はフロートになる。すると、各国の通貨は膨脹しバブルとなる。従って通貨は再び金とリンクさせ、固定為替にもどさないと大パニックになります。しかも日銀は明治の政府と同じ金銀比率配分の大失態をこれからやります。

「政府の失態」
そして政府は2008年のリーマンショック後も、世界の政治と経済の指導者は、自国の農業畜海産と対外競争力の低い中小企業を犠牲にしても、関税障壁を低くし、外資を導入し、土地や円安で株のバブルを復活させれば、恐慌にはならない、と確信したのです。しかも格差を拡大させ国民に耐乏を押し付ける政策しかしない。

「世界恐慌の違いと共通性」
1930 年代の世界信用恐慌は、農業信用縮小恐慌(自作農の破産)と株式信用縮小恐慌(大暴落)からスタートした。 2010年代恐慌は、住宅土地信用縮小恐慌と債券信用縮小恐慌からスタートした。 2012年、ついにブラジル・中国・インドの住宅土地バルブが弾け、同時に、欧州各国の債券バブルが弾けたのです。しかも世界信用恐慌はどの国も対策しないので20年は進行し続けます。

「通貨はキンとリンクし多極化になると収束するが残念だが指導者は拒絶・黙殺する」
ユーロ危機は、ユーロ通貨発行、又はユーロ債券の発行を、世界の25%を所有しているキンとリンクすると宣言すれば収束する。ドルとユーロと円が世界の75%のキンとリンクさせると、通貨の信用縮小は収束する。そして、第二次産業革命を、10 年前倒しさせるなら、高度成長路線を復活できる。そうなれば、過去のように、世界大戦という巨大な殺人消費需要の助けを借りなくても、恐慌から脱出することができる。

2008 年のリーマンショック発生で、世界信用縮小恐慌の収束を、古い経済学の常識にまかせたので、三年ごとに三段階で世界と各国の信用が縮小し、2016年前後には、株式市場・為替市場・銀行窓口の一時閉鎖が避けられなくなること。その世界経済の傷口が回復するのに、2025年までかかる。

中国は80年目に大革新させ一党独裁・多民族・多部族国家を解消しないと収束しません。日本の財務官僚と政府日銀は、明治の官僚と同様、キンの役割を過小評価し日銀の失態でキン争奪競争に遅れをとり、円が世界通貨の三極の一つにならない可能性もあるかもしれない。

ニクソンのキン離れによる為替フロート制は終わる。そして、世界の為替システムは、まず、ドルとユーロ通貨に各


02. 2015年1月14日 17:39:12 : nJF6kGWndY

>日銀の総資産は2016年末にGDP(国内総生産)比80%超に達することが見込まれる。米国のFRB(連邦準備理事会)や欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(BOE)の総資産(GDP比)が20%台の範囲にあることを考えると、これは明らかに異常な規模であり、金融政策の出口戦略をより困難にする

こんな理由で、政府と大衆が財政赤字膨張を可能にするQEを諦め、再び、デフレ不況へと戻るのを容認するとは考えない方がいい

インフレが加速して2%を超えるまでは(超えても)QEは止まらないと見るのが正しく

日銀保有国債0という完全な出口が来るのは、まだまだ、かなり先になるだろうな



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