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トヨタ自動車「ミライ」
トヨタのミライ発売で注目の燃料電池車、重大な問題とは?本当に「究極のエコカー」か
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150110-00010000-bjournal-bus_all
Business Journal 1月10日(土)6時0分配信
昨年12月、トヨタ自動車から世界初の量産型燃料電池車(FCV)が発売され、話題になっている。開発者が「ユーザーを選ばず、公用車として使われる可能性も考えて、このボディ形態にこだわった」と説明する4ドアセダン型で登場したこのニューモデルの名は、ずばり「ミライ」だ。
実は「世界初の量産型FCV」というフレーズは、今から6年前に本田技研工業(ホンダ)が官公庁や一部の企業のみを相手に「FCXクラリティ」のデリバリーを始めた際にも聞かれた文言だ。それは、そもそも「量産」という言葉に定義がないこと。そして、メディアがとかく「世界初」とか「量産化」という言葉をありがたがるゆえの現象だったかもしれない。
それでも一般ユーザーは蚊帳の外に置かれた上に、日米合わせても3年間で200台程度という販売計画にすぎなかったFCXクラリティに比べれば、「希望する人は、誰もが全国のディーラーで手に入れられる」と少なくとも建前上はそのように説明されるミライのほうが、より量産という言葉がふさわしく聞こえるのは確かだ。
ところでそんなFCVが、実は電気自動車(EV)の一種ということは、なかなか理解されていない。燃料電池とは、燃料としての水素と酸素を化学反応させて電気をつくり出す、いわば発電機。この発電機が生み出した電気エネルギーを用いて走行するEVがFCVなのだ。
そのため、「この先、生き残るのはEVかFCVか」といったよく耳にする議論は、そもそもその設問自体が矛盾をはらむ。同時に、FCXクラリティもミライも、主に減速回生したエネルギーをためる目的で2次バッテリーを搭載することから、FCVは既存のハイブリッド車(HV)のエンジン部分を、燃料電池へと置き換えたクルマと理解しても間違いではないのだ。
トヨタやホンダなど古くからHVを手掛けるメーカーが、特にFCVに熱心な理由もこれで納得だろう。
●乗り心地は「EVそのもの」
では、排気ガスは一切出さず廃棄物は少量の純水のみ、という点から「究極のエコカー」ともてはやされるミライの乗り心地はどのようなものだろうか。
水素との化学反応を促進するため、空気を圧送する小さなコンプレッサー音がアクセル操作に応じて耳に届く以外の印象は、実は「EVそのもの」といっても過言ではない。異次元のクルマを期待した人には申し訳ないが、それがFCVの真実。加速感も、ピュアなEVである日産自動車「リーフ」などと当然類似。そこに段付き感などはなく、静粛性がすこぶる高いのも同様だ。
後部座席に座ると、全長が4.9mに迫るボディサイズの割に足元がちょっと狭い。そこには背もたれ後方に水素タンクを積みつつ「ゴルフバッグ3組が載せられる広いトランクスペースを確保」という、いかにも日本的な理由も影響しているに違いない。
少し妙な、良くも悪くもインパクトの強いルックスについては、「とにかく話題となって、現状ではゼロに等しい水素の供給インフラを牽引していけることを狙ったデザイン」と、開発者は秘話を語る。
●水素ステーション整備より重大な問題
ミライの発売でいっそう注目を集めるFCVの普及には、水素ステーションの整備が不可欠と指摘されることが多い。しかし、水素をどうやってつくるのか? というほうが、はるかに大きな問題であるはずだ。
水素は無尽蔵である一方、実は自然界には存在しない物質。そして、その製造には石油やガスを改質する方法、水を電気分解する方法など多数が存在する。こうした多様性は大きなメリットだが、その製造段階で有毒物質を含む排気ガスを発生してしまえば、いくら「走行時」の廃棄物が水だけでも、「究極のエコカー」という謳い文句は水泡に帰してしまう。
こうしたさまざまな事情を踏まえれば、現在のFCVが置かれた状況は、実は「ようやくにして一丁目一番地にたどり着いただけ」だということが理解できるはず。
ガソリン車やディーゼル車にはそれぞれの得手不得手があり、HVやEVにもやはり得手不得手がある。だからこそ、FCVも決して“夢の自動車”ではなく、ユーザーの選択肢がひとつ増えただけ、と冷静に受け止める必要があるはずなのだ。
河村康彦/モータージャーナリスト、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
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