02. 2015年1月09日 20:45:33
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【日本株週間展望】値固め、欧州緩和と米決算期待−原油警戒 (ブルームバーグ):1月2週(13−16日)の日本株は、日経平均株価 が1万7000円台前半で値固めの展開となりそうだ。欧州の追加金融緩和観測の広がりから、年末年始にやや強まった世界的なリスク回避姿勢が和らいでいる。テクノロジー、金融セクターを中心に発表が本格化する米国企業決算への期待感も相場の下支え要因になる見通し。 みずほ信託銀行の浅岡均シニアストラテジストは、「22日までは欧州の緩和期待が続き、相場は上がりやすい」と言う。米決算については、「エネルギー系企業の業績下方修正が続き、今は悲観的な方向に振れている」としながらも、直近の株安でこうしたショックを吸収、ほかのセクターの業績が予想を上回ってくれば、株高につながるとみる。 第1週の日経平均は、週間で1.5%安の1万7197円73銭と続落。国際原油市況の急落やギリシャの政局不安などを背景に投資家心理が悪化、2015年相場は大発会と翌日の2営業日で500円以上下げる波乱の幕開けとなった。ただし、欧州の低調な経済統計を受け、欧州中央銀行(ECB)による追加緩和観測が浮上、政策対応への期待感から週後半は持ち直しの兆しを見せた。 昨年12月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)は速報値で前年同月比0.2%下落とインフレ率は09年9月以降で最低となり、ドイツの11月製造業受注指数は前月比2.4%低下と3カ月ぶりに減少した。こうした中、ECBのドラギ総裁が欧州議会のフラナガン議員に宛てた書簡で、ECBが今後実施する景気刺激策措置にはソブリン債購入が含まれる可能性もある、とコメントしたことも明らかになっている。ECB理事会は22日に開かれる。 アルコアやインテル、ゴールドマン ストックス欧州600指数が5日に2%超下落、米ダウ工業株30種平均は300ドル超急落したが、足元では持ち直し、株式投資家の恐怖心理を示すシカゴ・ボラティリティ指数(VIX )も低下基調だ。市場参加者が冷静さを取り戻しつつある中、日本に先駆けて米国では企業決算の開示が本格化するため、堅調なマクロ景気に支えられた明るい収益見通しが明らかになれば、日米株式市場の支援材料となりそうだ。 主要企業の決算発表予定は、12日にアルミ生産最大手のアルコア、14日にJPモルガン・チェース、15日にバンク・オブ・アメリカ(BOA)やシティグループなど金融セクター、半導体世界最大手のインテルがあり、16日はゴールドマン・サックス・グループが控える。ブルームバーグ・データによると、米S&P500種株価指数採用銘柄の向こう12カ月の1株利益は11%増 が想定されている。 いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、投資家のリスク選好姿勢が今後本格的に回復する条件として米景況感や昨年10−12月期の米企業決算の堅調、欧州の追加緩和決定、ギリシャの総選挙通過を確認することが必要と指摘。「それらがうまくいかないと、低迷が続く」としている。 株式需給面でも、日本株は出直りやすい状況にあるようだ。東京証券取引所によると、空売り比率は6日に37.8%と08年のデータ公表開始以来で最高を記録した。リオリエントのセールストレーディングヘッドのデビッド・ウェルチ氏(香港在勤)は、安倍政権の成長戦略の具現化に対する期待値の低下を理由に挙げている。一方で、「高水準の空売りの状況では短期的には買い戻しで相場が安定的になる」と話す。このほか、年明けからは少額投資非課税制度(NISA)の口座を通じ、新たに非課税枠を得た個人からの資金流入期待もある。 1バレル=50ドル割れ これに対し、09年4月以降で初めて1バレル=50ドルを割り込んだニューヨーク原油市況は、エネルギー輸入国にとってはコスト低下を通じて今後の景気押し上げ要因になる半面、目先はリスクマネーの動向を不安定にさせる可能性があり、引き続き警戒が必要だ。 パインブリッジ・インベストメンツの前野達志マネージングディレクターは、「原油価格の下落は本来景気にとってプラスだということが分かっていても、金融市場の観点からは怖さがあり、リスクを抑えてきた」と言う。ただ、「米経済も強く、日本経済もこれから良くなっていくという中期的なファンダメンタルズの部分も見えてきている」とし、日本株に対する強気スタンスを崩していない。 第2週に公表される経済統計は、米国で14日に昨年12月の小売売上高と地区連銀経済報告(ベージュブック)、16日に鉱工業生産など。ブルームバーグ調査の予想中央値で、米小売売上高は前月比0.1%増(前回0.7%増)の見込みだ。国内では、13日に12月の景気ウオッチャー調査、15日には11月の機械受注があり、機械受注は予想中央値で前月比4.6%増(前の月は6.4%減)となっている。 記事についての記者への問い合わせ先:東京 竹生悠子 ytakeo2@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net 院去信太郎 更新日時: 2015/01/09 19:03 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NHWHH96KLVR501.html 好循環実現へ経済の脆弱な部分に的を絞った=補正予算で官房長官 2015年 01月 9日 18:29 JST [東京 9日 ロイター] - 菅義偉官房長官は9日夕、臨時閣議後の会見で、この日決定した2014年度補正予算について、経済の好循環を確かなものとするため、経済のぜい弱な部分に的を絞り、スピード感のあるものにした、と述べた。 菅官房長官は今回の補正予算について「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策を実行するためのもので、3.5兆円の歳出を盛り込んでいる」としたうえで、「地方にアベノミクスの成果を広く行き渡らせ(るため)、生活者、事業者への支援、地方が直面する構造的問題への取り組みを通じた地方活性化、災害復旧や復興加速などに重点的に配分した」と説明した。 また規制改革や行政改革についても「極めて大事だ。全力で取り組む。確実に成果を出すように努めていく」と語った。 (石田仁志) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KI0QN20150109 14年は国内年金勢が日本株最大の買い手、外人買い95%減 2015年 01月 9日 17:56 JST [東京 9日 ロイター] - 2014年の日本株式市場で、年金資金のフローを表すとされる信託銀行の買い越し額が年間で2兆円を超え、最大の買い手となった。安倍晋三政権下で国内年金による日本株比率の引き上げが進むなか、信託銀行を通じた資金流入が強まった。
一方、海外投資家の買い越し額は1兆円に満たず、15兆円買い越した13年から95%減少。個人投資家は3兆円超の売り越しとなった。 <年金の国内株引き上げが寄与> 東京証券取引所と大阪取引所が9日に発表した14年の投資部門別売買状況によれば、信託銀行による日本株の現物と先物合計の売買は、2兆6708億円の買い越しとなった。13年には3兆5635億円の売り越しと個人投資家に次ぐ2番目の売り手だったが、14年は一転買い越しとなった。買い越しは3年ぶり。 信託銀行の売買動向は、その大部分を年金資金が占めるとされる。10月末には年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用資産における国内株式の割合を12%から25%に引き上げており、今年10月に一元化が予定されている3共済とともに年金資金が流入したとみられている。かんぽ生命保険による株買い増しも寄与した。 野村証券・ストラテジストの柚木純氏は「15年も引き続き信託銀行が日本株の買い手を担う」とみる。野村証券の試算では、GPIFと3共済の資産ポートフォリオ変更に伴う日本株の買い需要は約13兆円。すべてが15年に流入するわけではないが、「14年と同規模以上の買い越しが見込める」(柚木氏)との見方を示す。 <海外勢は買い鈍化、個人は売り継続> 一方、13年に15兆円以上の買い越しとなった海外投資家は、14年には6967億円の買い越しにとどまった。米量的緩和の縮小(テーパリング)に加え、ウクライナ危機や米国によるイラク空爆、エボラ出血熱の感染拡大などがリスク許容度の低下を招いた。4月の消費増税に伴う国内景気の低迷も、買い手控えにつながった。 ドル建ての日経平均の年間パフォーマンスが13年末比5.7%減とさえなかったことも、海外投資家による日本株買いを鈍らせた。 個人投資家は、年間で3兆6337億円の売り越し。規模は13年の8兆4291億円から大幅に縮小したものの、14年の最大の売り手となった。投資信託も売り越しに転じた。「NISA(少額投資非課税制度)の開始によるプラス寄与よりも、たび重なる日本株の急落が、個人投資家の警戒姿勢につながった」と大和証券・投資戦略部マーケットアナリストの熊澤伸悟氏は分析した。 現物の株式委託取引に占めるシェアは、海外投資家が63.8%(13年は58.1%)、個人は26.4%(同32.1%)、信託銀行は3.8%(同3.5%)だった。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KI0NM20150109 視点:2015年の景気に2つの好材料と3つの懸念=武田洋子氏 2015年 01月 9日 19:34 JST 武田洋子 三菱総合研究所 チーフエコノミスト [東京 9日] - 2015年の日本経済は、主に2つの理由から、下半期に向けて回復基調を強める可能性が高いと三菱総合研究所・チーフエコノミストの武田洋子氏は予測する。 同氏の見解は以下の通り。 <底固い所得環境、設備投資も回復へ> 足元で強弱まちまちの指標発表が続き、先行きの見通しを立てにくい日本経済だが、2015年は基本的に下半期に向かって回復のペースを強める可能性が高いとみている。根拠は主に2つある。 まず、所得・雇用環境が底堅く推移している点だ。厚生労働省が昨年12月26日発表した11月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.02ポイント上昇の1.12倍と、1992年5月に1.13倍となって以来22年6カ月ぶりの高水準となった。また、経団連が同月19日に発表した大手企業の年末ボーナス最終集計によれば、平均妥結額は前年比5.26%増の84万8405円と、1990年以来24年ぶりの伸びを示した。 最大の焦点は今春の賃上げだが、大企業を中心に実現の機運は高まっている。2015年春闘でのベースアップ(ベア)妥結や定期昇給(定昇)により、2014年度(2.07%)並みの賃金上昇が実現し、さらにすそ野広く中小企業に波及していく見通しが高まれば、冷え込んでいた消費マインドも改善し、消費も緩やかながら増加していく可能性が大きい。 第2の根拠は、4―6月期、7―9月期と前期比マイナスが続いた設備投資も、今後は回復が見込まれることだ。老朽設備の更新は2008年のリーマンショック以降進んでおらず、今や製造業の設備ビンテージ(平均年齢)は15.8年と過去最長となっている。2014年度上半期に設備投資が上向かなかったことは、むしろ驚きであった。さすがに10―12月期か、遅くとも2015年1―3月期以降は増加に転じるとみられる。12月の日銀短観においても、2014年度下期の企業の設備投資計画は上方修正されている。 円安進行は、コストプッシュ要因として主に内需・輸入系企業の経営を圧迫する点は否めない。だが、グローバルに企業活動を行う大企業の収益改善には大きく貢献する。確かに、円安の輸出数量の押し上げ効果は過去に比べ弱まっており、経済へのプラス効果は逓減傾向にあるとみている。10円の円安による実質国内総生産(GDP)の押し上げ効果は、リーマンショック前の0.3%程度から0.1%程度へ低下した可能性がある。しかし、日本全体としてみれば依然プラスだ。グローバル競争がさらに厳しくなる中で、生産性向上に向けた新規投資は、収益機会を逃さないためにも欠かせない。 また、2012年11月以来、2年にわたり円安基調が定着したことで、一部の企業からは新規投資先として国内立地を再評価する声が聞かれている。同様の企図は、日本政策投資銀行が毎年実施する「全国設備投資計画調査」からも読み取れる。 同行が、各企業に対して2014年度の資金計画において、前年度対比で資金配分を高める項目を聞いたところ、製造業では「国内設備投資」との回答が半数近くを占め、最大となった。すでに海外で構築された生産拠点を国内に戻すという動きにはつながらないとしても、増産や新規投資の一部が国内に振り向けられる可能性が、ここ数年間で最も高まっている状態なのは確かだろう。 原油価格の大幅下落も追い風である。2014年秋以降の円安(対ドルで約20円下落)と原油安(約40ドル下落)により、実質GDP成長率は0.3%ポイント程度押し上げられると予想する。 以上のことから、2015年度は前年比で消費が1.5%(2014年度はマイナス2.7%)、設備投資が5.0%(同1.7%)の伸びを示し、実質GDP成長率は1.6%(同マイナス0.7%)へ回復すると見込んでいる。 <消費者マインドの「自己実現的」悪化リスク> とはいえ、上記の景気回復シナリオを崩すリスク要因も少なくない。大別すれば、3つあると考える。 1つ目は国内の消費者マインドの冷え込みが今後も続く可能性だ。 消費動向調査などで消費者マインドの推移をみると、実は増税直後から7月までは着実に改善に向かっていた。増税や物価上昇の影響をダイレクトに感じたというよりは、おそらく夏場以降の天候不順や景気回復の遅れを示すニュースなどを受けて、消費者の心理が自己実現的に冷え込んでいった可能性がある。 その背景には、将来に対する根強い不安や景気回復の実感欠如もあろう。有効求人倍率が職種全体で大きく改善しているとはいえ、建設関連が3倍近くであるのに対し、一般の事務職は依然1倍を切っている。また、大企業の賃上げにばかり注目が集まるが、国内就業者の7割が属する中小企業に好循環が着実に波及しているとは言い難い。 大企業の就業者にしても、果たして将来にわたる所得のパス(すなわち恒常所得)が上がったと感じられる人がどのくらいいるのだろうか。その意味で、2015年は、所得回復の「持続性」と「すそ野の広がり」がアベノミクスの成否を握る大きなテーマとなるだろう。 <ロシア発・欧州経由・中国行きリスク> リスクの2つ目は、金融市場が不安定化する可能性だ。その潜在要因はいくつかあるが、ひとつが米国の金融政策の転換だ。 足元で気になるのは、長期金利が落ち着きすぎていることだ。原油安もあってインフレ率は当面上がりそうになく、長期金利が織り込む期待インフレ率も相当下がっているのは事実だ。だが、米金融政策が正常化プロセスに入る際に、長期金利が急に上昇に転じる可能性には留意が必要だ。 原油価格続落の金融市場への影響も懸念される。資源国経済への悪影響もさることながら、ここまで原油価格が下がってくると、損失を被った投機筋によるポジション巻き戻しが加速する恐れもある。その巻き戻しはすでにある程度は顕在化しており、これが米国株の大幅な下落を招くようなことがあれば、世界の金融市場に混乱が広がる可能性は否めない。米国の投資不適格債の社債スプレッドが、すでに拡大している点は気がかりだ。 3つ目のリスクは、世界経済の下振れだ。上記のようなリスクシナリオが顕現化し、金融混乱によって世界経済の足を引っ張る可能性もある。あるいは目下懸念されるロシア経済の混乱が、ドイツなど欧州経済に飛び火し、貿易などの経路を通じて、世界経済に伝播する恐れもある。 実際、ロシア経済の前途は予断を許さない。12月には通貨ルーブルが急落し、資本流出が進行した。確かに1998年の前回危機時と比べれば、ロシアの対GDP比でみた対外債務は小さく、外貨準備も4189億ドル(2014年11月)と前回危機前(1997年末178億ドル)に比べ潤沢だ。一方で当時よりも民間部門の借り入れが多く、完全に危機が起きないとは言い切れない。 欧州経済に目を転じると、ギリシャのユーロ離脱懸念が再燃しているが、スペインやポルトガル経済はひところより立ち直ってきている。一方、今までユーロ圏をけん引してきたドイツでは、ロシア経済失速の影響もあって、海外受注や生産の伸びが鈍化するなど回復のモメンタムが弱まっている。原油安の影響とはいえ、12月のユーロ圏の消費者物価指数(HICP)が5年2カ月ぶりにマイナスに陥り、ユーロ圏の「日本化」は現実味を増している。 こうした状況下、特に心配なのは、ロシア経済失速が欧州を経由し、中国経済の一段の減速につながりかねない点だ。2012年の欧州債務危機の教訓は、対岸の火事とみられていた債務危機の影響が、中国経由で世界に波及したことである。現在の世界経済は、好調な米国経済によって支えられているが、中国が崩れ、米国に飛び火すれば、日本も無傷ではいられないだろう。 <成長基盤確立こそが外的ショックへの最大の防御> このように、日本経済は国内では今後の回復を示唆する材料がそろっているものの、外に目を向けると、厳しい状況が待ち受けているともいえる。外的要因は制御しがたいが、日本としては第3の矢である成長戦略とそれに付随する必要な改革を早期に実行し、自らの成長基盤を盤石なものにしていくことが重要だ。 必要な改革には、第4の矢ともいうべき社会保障制度改革も含まれる。日本経済がデフレ脱却に向かえば、長期金利には上昇圧力がかかるだろう。その前に、中長期の財政健全化プランを策定し、社会保障制度改革に着手しておかなければ、長期金利に上乗せされるリスクプレミアムが高まり、国の財政運営はもとより、企業活動にも支障をきたそう。 その意味で、この夏にも提示されるという財政健全化計画は重要だ。外的要因への脆弱性を減らすためにも、増税案だけでなく、特に社会保障費に関して具体的な歳出抑制案を盛り込んだものにする必要がある。 *武田洋子氏は、三菱総合研究所のチーフエコノミスト。1994年日本銀行入行。海外経済調査、外国為替平衡操作、内外金融市場分析などを担当。2009年三菱総合研究所入社。米ジョージタウン大学公共政策大学院修士課程修了。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KI0S620150109
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