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■韓国の20大財閥グループ ※韓国公正取引員会の2014年4月時点のデータから。公企業は除く
韓国、財閥企業ついに破綻か 負債比率深刻…平昌五輪を直撃の様相
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150108/frn1501081550001-n1.htm
2015.01.08 夕刊フジ
大韓航空の「ナッツ・リターン事件」をきっかけに韓国の「財閥」と呼ばれる企業グループに厳しい視線が向けられるなか、大手財閥「東部(トンブ)グループ」の傘下企業が法的処理の手続きを申請した。同社は2018年に平昌(ピョンチャン)で開かれる冬季五輪会場の工事も施工しており、準備がさらに遅れる恐れもある。韓国財閥をめぐっては、創業家のやりたい放題ぶりが明らかになる半面、負債比率が深刻な「危ない」グループも少なくない。朴槿恵(パク・クネ)政権も経済政策で目立った成果がなく、韓国経済は低迷が続きそうだ。
昨年12月31日に裁判所に法定管理(日本の会社更生法に相当)を申請したのは、東部グループ傘下の東部建設。韓国メディアによると、同社は平昌五輪のそり会場などの施工にも参加しているという。
平昌五輪をめぐっては資金不足や準備の遅れなど混乱続きで、問題のそり会場については一時、日本開催の観測も出たほど。東部建設の法的処理を受けて、さらなる工期遅延も懸念されると現地では報じられている。
東部グループは昨年4月時点で総資産額が約18兆ウォン(約1兆9000億円)と韓国財閥で18位。系列企業は建設や半導体、証券、保険など64社にものぼる。
しかし、東部については、聯合ニュースが昨年7月、負債比率が400%(負債額が自己資本の4倍)を超える過剰債務のグループ企業が24社あると報じるなど、グループのリストラが急務だった。中核企業だった東部製鉄も取引銀行など債権団の管理下に入ったが、新たに東部建設も切り離した形だ。
これについては、東部グループ側が優良部門である金融関連事業を守るため、東部建設に追加支援を行わず、法的処理を選んだとの見方もある。財閥を守る一方で、東部建設と取引のある約1700社の中小企業が連鎖倒産の危機に瀕したと批判されているのだ。
韓国の財閥をめぐっては、朴政権発足後の2013年5月にはSTXグループが銀行の管理下に入り、10月には東洋グループが破綻した。
さらに金融当局が財務改善を約束させた「危ない財閥」は14年時点で、東部のほか、「ナッツ問題」で揺れる大韓航空を傘下に抱える韓進(ハンジン)、アシアナ航空で知られる錦湖(クムホ)アシアナ、現代商船などを抱える現代(ヒュンダイ)など14グループにのぼっている。
為替のウォン高や内需の不振という逆風も強まっており、新たな財閥破綻が起こってもおかしくない情勢だ。
一方で、政権の財閥優遇の構図も浮き彫りになっている。米ウォールストリート・ジャーナル紙は今月1日付で「ソウルの財閥執着症」とするコラムを掲載した。そこでは、韓国与党から脱税や横領などで立件された財閥出身役員の仮釈放や優遇措置を要求していると指摘、「韓国の財閥依存が、大企業オーナーらの免罪符文化につながっている」と批判した。
そして、前政権の財閥優遇を批判してきた朴大統領も「財閥の呪いにかかっているようにみえる」と評している。
韓国経済に詳しい週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は、「韓国の財閥制度の非効率性は大きな問題だ。戦前の日本が採用し戦後に放棄した制度を韓国は採用した結果、寡占経済体制が市場競争を阻害している。債務繰り延べや利払いの減免で生き延びている“ゾンビ企業”の割合が13年時点で資産規模ベースで15・6%と高水準なのも、放漫経営の後遺症だ」と財閥依存の問題点を分析する。
ナッツ事件以降、世界的な注目を集める財閥の闇はまだまだ深そうだ。
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