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スズキ、鈴木社長退任観測とトヨタ買収案浮上 軽1位でも窮地か 悩ましい提携先選び(Business Journal)
http://www.asyura2.com/14/hasan92/msg/740.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 1 月 08 日 08:45:05: igsppGRN/E9PQ
 

                 スズキの鈴木修会長兼社長


スズキ、鈴木社長退任観測とトヨタ買収案浮上 軽1位でも窮地か 悩ましい提携先選び
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150108-00010002-bjournal-bus_all
Business Journal 1月8日(木)6時0分配信


 スズキは独フォルクスワーゲン(VW)との資本提携解消をめぐる裁判が大詰めを迎える中、“ポスト訴訟”の布石を打った。昨年12月9日、発行済み株式数の20%に当たる1億1221万株を上限に、自社株の取得枠を再び設定すると発表した。新たな取得期間は同月10日から今年12月8日までである。

 スズキとVWは2009年12月、環境技術や小型車開発で提携。VWはスズキの発行済み株式の19.9%を取得し筆頭株主となったが、提携がなんの果実も生まないことから両社の関係はこじれた。スズキは11年11月18日に資本提携解消を決め、自社株の売却を求めたがVWはこれを拒否。そのため同月24日、国際商業会議所国際仲裁裁判所(ロンドン)で仲裁手続きを開始した。スズキはVWが保有するスズキ株式を、スズキまたはスズキが指定する第三者に売り渡すことを求めた。

 今回自社株取得枠を再設定したのは、VWが保有するスズキ株式の受け皿をつくる狙いがある。自社株取得枠の設定をしたのは今回で4度目。それだけ裁判が長期化したということだ。

 お互いが一歩も譲らず長引いていた仲裁は、いよいよ大詰めを迎えた。争っていた3年間に自動車業界の地図は大きく塗り替わった。このまま資本関係を続けていても両社にとってなんのメリットもないことがわかったからだろう。スズキがVWと提携したのは、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)などエコカーの技術開発で取り残されるのではないかという恐怖感からだった。だが、HVやEVはいまだに自動車の主流になっていない。
 
 スズキが主戦場としている新興国市場では、安いエンジン車をどう売るかで勝負が決まる。スズキは自前の高性能なエンジンの設計技術を使って、負けないクルマづくりができるようになった。小型車の「スイフト」は、他社の追随を許さない低燃費を達成した。一方、VWはスズキの低コストの小型車開発ノウハウが欲しかったが、今や自前でコストを引き下げていいクルマをつくれるようになった。両社は、お互いに利用するメリットが薄らいできたのである。

 こうした両社の事情もあって、1株当たりの買い取り価格を上積みするなどスズキ側がペナルティーを払い、VW側から株式を買い戻すことになるとの見方が強まっている。買い戻しに備えて、スズキは自社株取得枠を再設定したわけだ。

●鈴木社長退任への花道

 スズキの鈴木修会長兼社長は、今月1月に85歳を迎える。最後の大仕事であるVWとの紛争が決着すれば、社長を退任するとみられている。引退の花道は整っている。14年(暦年)にダイハツ工業から軽自動車販売の首位の座を奪還した。軽自動車の14年1〜12月の累計販売台数は、スズキが前年比13.9%増の70万9083台。一方、ダイハツは7.0%増の70万6288台。2795台の僅差でスズキがダイハツを上回った。12月の販売台数はスズキが前年同月比51.8%増の7万1830台。対するダイハツは同39.6%増の7万4304台。12月はダイハツが激しく追い上げた、両社が激しい首位争いを展開したことを数字が物語っている。

 軽自動車市場は消費増税前の駆け込み需要で13年は211万台強と過去最高を記録したが、14年は一転して1割前後落ち込んだ。消費増税後の需要の冷え込みの対策として、スズキはSUVとワゴンタイプを融合した新型車「ハスラー」を投入し、一気に攻勢をかけた。ハスラーが販売を牽引し、14年通年で軽販売トップになった。8年ぶりの首位奪還である。スズキは軽のシェアで06年まで34年間トップだった。首位の椅子への返り咲きと裁判の決着を花道に、社長の座を息子の俊宏副社長に譲り、会長職に専念するとみられている。

 8年ぶりに軽の王者に返り咲くというのに、スズキ社内には高揚感はない。裁判が終われば、新たなパートナー探しが待ったなしでやってくる。相手としてイタリアのフィアット・クライスラー・オートモービルズの名前が挙がる。セルジオ・マルキオンネCEO(最高経営責任者)が、スズキとの提携拡大に意欲的だからだ。持ち株会社として傘下に伊フィアットと米クライスラーを置き、マツダとも提携している。フィアットはディーゼルエンジンをスズキに供給しており、フィアット、クライスラー、マツダの連合にスズキが加わるという筋書きだ。

 かつて資本提携していた米ゼネラルモーターズ(GM)と、よりを戻す可能性もある。GMは業績が回復、インド市場を押さえているスズキに魅力を感じている。VWにスズキ株式の継続保有を認める裁定が出れば、防衛策を講じる必要が出てくる。友好的な買収先であるホワイトナイト(白馬の騎士)の最有力候補はトヨタ自動車との見方も強い。トヨタも成長が期待できるインド市場に魅力を感じている。トヨタは1970年代後半にスズキが排ガス規制への対応が遅れた際、ダイハツを通じてスズキの窮地を救ったことがある。

 国際仲裁裁判所からどんな裁定が出てもスズキが独立を維持できるかどうか、予断を許さない。

編集部

 

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コメント
 
01. 2015年1月08日 23:25:11 : 9RQWRqU7tg
イタリアのフィアットは手ごわいぞ。1968年当時、ここの会長だったジョヴァンニ・アニエッリ氏が衝撃の発言をした。「将来、世界に生き残る自動車メーカーは10社程度だろう。」それ以来、フィアットは世界の自動車メーカー再編劇の主役であり続けた。1968年10月だったが、当時のフランスのシトロエンを買収しようとしたものの、ドゴール大統領の猛反対で失敗。代わりにミシュランと共同経営することにした。

このフィアットだが、1973年に提携が効果を挙げていないとして一方的に株式を売却。その直後に第一次石油危機が西欧社会を襲い、膨大な設備投資で巨額の負債を抱えていたシトロエンが1974年4月に倒産。6月に政府の仲介でプジョー傘下に押し込められた。

フィアットは輸出先がことごとく日本車に市場を奪われたこともあって、西欧の自動車メーカーの中でも特に日本車嫌いのメーカーとして有名であった。当時のECに対し、強力な日本車規制をかけるよう政治的圧力をかけていた。1980年代はスウェーデンのサーブと提携し、対米輸出用の高級車を共同開発したが、日本車に勝てなかった。この頃はフィアットの守りの時代で、同じイタリア国内の国営アルファ・ロメオを政府から買収した。1969年に買収したランチアとの統合を進めた。

1990年代になるとフェラーリを事実上吸収し、またマセラティをデトマソから買収した。これにより、イタリア国内では事実上、自動車メーカーは一社体制になった。それが可能なのも、イタリアには独占禁止法がないためである。

長期低迷が続いていた名門マセラティが、世界(特にアジアと中近東)の富豪に注目されるようになり、2000年代以降復活した。この自信は大きい。かつて日本車に苦しめられていた時代も過去のものとなり、敵対心が薄れてきたのである。

フィアットはフランスのPSAプジョーシトロエンと商用車を合弁生産しているし、ドイツのフォルクスワーゲンやダイムラーとも長年、技術面で協力している。元々、他社との提携に熱心な自動車メーカーであり、東欧にも早くから積極的に進出してきた。

そのフィアットが、まさか経営破たんしたアメリカのクライスラーを買収することになろうとは、夢にも思わなかった。このクライスラーだが、かつて同社を劇的に再建したアイアコッカ会長が、イタリア系なのである。前述のデトマソとの交友もある。(デトマソは、元アルゼンチンのレーサーであり、実業家に転じた。)このイタリアン・コネクションが、フィアットのクライスラー買収として具体化したと言えるだろう。

自信を深めるフィアットだが、スズキはハンガリーで自動車を生産している。マジャール・スズキと言うが、ここがフィアットのディーゼルエンジンを購入して小型車に搭載している。このつながりが、フィアットによるスズキとの資本提携に発展する可能性も大きいのではないか。だが、彼らがホワイトナイトなどと言う幻想を抱いてはならない。

フィアットは世界の自動車メーカーの業界再編劇の立役者なのだ。それは1968年以来、今日までずっと続いている。彼らは自分たちの利益にならないと思えば、前触れなしに切り捨てる。1973年のシトロエンもそうだし、最近では鉄道車輌部門をフランスのアルストムに丸ごと売却してしまった。スズキも捨てられないよう、充分に気をつけることだ。

最後に日本国内の計自動車市場でスズキがトップの座を奪還したことについて。大したものだと思うが、日本国内の軽自動車市場はもはや成長できない。人口は減るし、所得も減っている。最近では他社が軽トラックから撤退しているので、スズキのOEM車が増えているが、市場全体では減少している。ジリ貧状態なのだ。これではお祭りどころではない。

スズキが幸運だったのは、タカタのエアバッグ騒動に巻き込まれていないことだ。スズキにも売込みがあったと思うが、それを拒否したのは多分、スズキの社長だろう。鈴木修社長は、スズキは中小企業だと言って憚らないが、今や規模で見ればスズキは世界の巨大自動車メーカーのひとつになっている。小さな自動車メーカーをここまで成長させた鈴木修社長の手腕は驚くべきだが、その社長が引退したら、後継者に代わりが勤まるのか、大いに不安である。

昔から世界の自動車メーカー間の企業抗争は、生き馬の目を抜くほどの激烈なものであった。つぶれていったメーカーは多い。もう誰も知らないだろうが、かつてドイツにはボルクヴァルトグループと言うメーカーがあったが、1961年に倒産した。その頃、BMWやアウディは、倒産の危機に瀕していた。そのBMWとアウディは、今や世界に冠たる高級車である。スズキがうまく生き残ってくれることを望む。


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