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失われた20年:1997年以降の巨額の財政出動の行方、
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2015-01-07 12:59:47 いかりや爆氏の毒独日記
財務省の統計資料によると、
“日本の借金(国債及び借入金並びに政府保証債務現在高)は、平成26年9月末時点で1038.9兆円”ですが、
”平成26年度末(本年3月末)には、1143.6兆円になる見込みである。”
と財務省は補足説明を付け加えています。
消費税増税による税収増を見込んでも、半年後には借金はさらに100兆円以上も増えるというのである。
国の借金の大きさを国際比較する場合しばしばGDP比で比較します、
1997年末は国の借金のGDP比は約70%程度だったものが、H26年度末(本年3月末)には、日本の借金はGDP比で約238%(1143.6/480)になります。1997年以降の17年間にGDP比は3倍以上に膨らませたことになります。
財務省のHP「日本の財政を考える」の中に、債務残高の国際比較(対GDP比)というコーナーでOECD主要7カ国の対GDP比(OECDのデータ)を紹介しています。それによると、2014年における日本の債務残高の対GDP比は断トツ229.6%となっています。
前回の記述(最後部分)でおわかりの通り、今後経済成長率が高くなったとしても経済成長(名目GDP)分以上に借金は増え続け、また経済成長率が悪くなっても借金は増え続ける、どっちに転んでも借金は増え続ける構図ができあがって、対GDP比は拡大する一方である。
国(政府)は当たり前のことですが、営利事業をやっていないので借金の返済手段を持っていないので、
今後とも借金は増え続けるばかり(対GDP比も増大するばかり)・・・日本の財政と経済は、「借金」というレベルで見る限り、にっちもさっちもいかないどんづまり状態になっているのです。
蛇足ですが、名目GDP(国内総生産)とは何のことや?と聞かれることがあります。国内で新たに生産されたサービスや商品の付加価値の総額と言われても、いまいちピンとこない。筆者は、厳密な言い方ではないけれど、「企業で言えば総売上、家庭の場合で言えば、一家の総収入と思ってください」ということにしています。
国の借金について別の見方をしてみます、
日本の借金の対GDP比は、諸外国に比較してダントツに高く今後も増大し続ける仕組みになっています。だが、そもそもGDP比が極めて高いことを以って、危険性を煽るのは見当違いだと思うがどうだろうか。
この国の借金を家計に例えると、家計を共にするお父ちゃん(政府)がお母ちゃん(国民)からカネを借りて、期限がきたら金利をつけて返済しているので、この家庭全体で考えれば、資産が増えている・・・個人金融資産は1997年約1300兆円だったが300兆円以上増えて1645兆円(H25年末)となっている。
つまり、借金が国内で消化されているかぎり、その金は国内で金利分を含めて循環する仕組みになっているので、そういう意味では財政破綻はあり得ない。
又、日本の借金を対GDP比でみるよりも、借金の財源になっている個人金融資産比で見る方が妥当性がある。2013年末の借金1018兆円に対する個人金融資産1645兆円でみれば62%程度であり、全く心配する必要はない(但し格差拡大の要因になっている)。
蛇足ですが、世間では借金の増大に対してハイパーインフレを懸念する人たちがいる。ハイパーインフレが起きるのは、対外債務の支払い不能(デフォルト)を起こした時、もしくはデフォルトを起こしそうなときである。例えば日本の対外純資産残高はH25年末の時点で、過去最大の325兆円である。当面、対外債務支払いに支障を来たす恐れは全くない。
問題は、今後このままグローバル化が進むと同時に貧富の格差が益々大きくなることだろう。
格差拡大による社会不安、特に財務省が主導していると思われる経済成長抑制策(国民所得、特に若年層の所得を抑えながら、消費税増税圧力)をこのまま長引かせることにより社会が疲弊(荒んだ社会化)して、犯罪が多くなる・・・真面目に働くことがバカバカしくなり、犯罪でカネを稼ぐ方へ走る、その典型はオレオレ詐欺である、いつまでもなくならないどころか悪質化している。
話を元に戻します、
この世の中は資本主義経済ですよね。資本主義経済は基本的にゼロサム構造になっています。わかりやすく言えば、どんなバランス・シート(貸借対照表)でも左側(資産の部)と右側(負債の部)は、必ずイクオール(同額)です。つまり、プラ・マイゼロ構造になっています。
したがって、1997年〜2014年の17年間に国が使った巨額のお金(財政出動分:522兆円)と乗数効果分(GDP増分)は、ドブにでも捨ててなくさない限り、貸借対照表で言えば資産の部に必ず存在するはずですが誰もこれについて追及するものはいない。1997年〜2014年の巨額の使途不明金の解明がなされない限り、日本の経済成長は見込めないと思うのだがどうだろうか。
次回もこの続きです。
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