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財部誠一:世界経済の命運握る原油価格はどこまで下がるか?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150107-00000000-fukkou-bus_all
nikkei BPnet 1月7日(水)7時54分配信
■50ドルを割り込んだNY原油価格
原油価格の下落が止まらない。
ほんの数年前、新興国の爆発的な人口増加によって、資源や食料が世界的に深刻な供給不足に陥り、価格が急騰すると警鐘を鳴らしたアナリストもいた。たしかに、ニューヨーク原油価格(WTI=ウエスト・テキサス・インターミディエートの指標)は昨年6月1バレル107ドルと歴史的な高値をつけたが、その後は一転、暴落。11月に石油輸出国機構(OPEC)が減産見送りを決めるや下げ足がさらに速まり、12月11日には60ドルを下回った。
そして迎えた新年1月5日、原油価格は遂に50ドルを割り込んだ。この日、ニューヨーク株式市場も331ドル安となり、「原油安につられて株式市場も暴落」と解説した欧米メディアもあった。
そうなると日本では俄然、原油安が世界経済にとってとんでもない悪材料であるかのような流言が飛び交う。
■なぜこれほどの暴落が起こったのか
だが、原油価格暴落の影響は国によってまるで違う。
たしかにOPEC加盟国やロシアのような資源産出国にとっては致命的なダメージとなるが、資源の大半を輸入に頼る国にとっては追い風だ。なかでも、原発が全停止し電力供給を全面的に火力発電に依存している日本には、原油暴落は慈雨以外の何物でもない。
それにしてもなぜこれほどの暴落が起こったのだろうか。
一番の理由は米国のシェールオイル出現に伴う需給構造の変化だ。世界最大の資源輸入国であった米国が、シェール革命によってエネルギー自給を実現したことで、世界のエネルギー事情は一変した。
そこに中国やインドなどの景気減速が重なったことで原油価格が下落。さらに、従来なら減産して価格下落に歯止めをかけるはずのOPECが、サウジアラビアの強い意向で減産を見送った。それらが複合して暴落が起こったというのが概略だ。
■対応分かれるサプライヤー
さらに詳しくみていこう。
「そもそも世界の石油生産者は、中東等の大規模油田を有する伝統的な低コストサプライヤー、深海等採掘条件が困難若しくは小規模埋蔵量の高コストサプライヤー、米国シェールオイルに代表される新技術ベースのサプライヤー、の3つに大きく分けられます」
資源の最前線に立つベテラン商社マンはサプライヤーによって事情が異なるという。
「これまで需給調整・価格維持を優先してきたサウジアラビアのような大規模・低コストサプライヤーが方針を変えて、マーケットシェア維持に軸足を移しているようです。一方、高コストサプライヤー、新技術ベースサプライヤーの一部には、採算性悪化により、減産・新規探鉱中止の動きも出てきていますが、価格の動きがあまりに急であったため、価格下落がどこまで、どの程度続くのかを見守っている状況だと思います」
サウジアラビアのような低コストサプライヤーが減産を見送り価格下落を放置しているのに対して、その他のサプライヤーたちは様子をうかがっているというのだ。
■異常値は長続きしない
だが「こんな状況がいつまでも続くわけではない」と資源のプロはいう。
「Oil & Gas業界では1−12月決算の企業が大多数を占めますが、既に策定した2015年の探鉱・開発・支出計画を現在の油価ベースで見直す動きが出てきており、2015年前半〜半ばには減産・需給調整が行われるのではと見ています」
昨年6月に107ドルをつけた原油価格(WTI)が1月5日には49ドル台まで値下がりするというのは常軌を逸している。真空状態の中で価格だけがストンと落ちてしまったというべきだろう。
マーケットは常に行き過ぎる。値上がりするときも、値下がりするときも、過剰な価格形成をするのがマーケットだ。しかし異常値は長続きしない。もう一段の価格下落があるのかもしれないが、OPECが減産を通じて異常値の修正に動くという見立ては説得的だ。
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