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日経平均の大幅下落
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52671580.html
2015年01月06日 在野のアナリスト
日経平均が3%以上も下落し、17000円を割れました。きっかけはギリシャ政情不安、原油安などと挙げられますが、急激に情勢が悪化したわけではありません。昨日の大発会も一時大きく下げましたが、欧州系が昨年末に買いを積み残していた分をはきだした結果であり、年末年始のご祝儀相場期待が剥落したことによります。しかもこの傾向、今年一年のトレンドになりそうです。
昨年、外国人投資家はやや売り超となりました。黒田バズーカ第2弾で一旦は買い上げましたが、買いは一ヶ月しかもたなかった。そして仮に第3弾があったとしても、さらに買いの期間は短くなると想定されます。サプライズ効果も小さくなり、また規模も限られ、瞬間風速が吹いたとしても1〜2週間しかもたない。そしてそれ以外の週は、総じてポートフォリオの見直しで、一昨年買った分を吐き出してくると予想されます。15兆円の半分としても日銀、GPIF、かんぽ生命などの公的な買い支え分を超えてきます。つまり外国人投資家の売りが焦点となってくるのです。
一部で、原油安は日本にとって神風、なる言葉も聞かれますが、大きな懸念は米国経済です。米国は、金融緩和とシェール革命の二本柱でリーマン後に復活してきましたが、それが今年は二つとも剥落します。米国がそれに耐えられなければ、日本の輸出企業が苦境に陥ることになり、超金融緩和と公共工事、それに円安に伴う輸出企業の業績改善で支えられる日本も同じように失速します。米国も産油国になったのですから、原油安は功罪ある材料にすぎません。
また欧州系金融機関による、産油国への貸付、その焦げ付きも意識されます。これは資源獲得に、なりふり構わず金をばら撒いた中国も同様。資源の資産価値の低下は、思わぬ事態を引き起こすことになるのです。それは神風どころか、暴風となって世界全体を襲うかもしれない。その恐怖心が落ち着くまではもう少し時間もかかりますし、解消される頃にはふたたび原油が騰勢を強めているかもしれない。1$80円のころの1バレル100$と、120円のときの50$では、実は手放しで喜べるほどの効果は出ない、ということも考慮しておかなければいけないのでしょう。
市場関係者の間では、今年は2万円という声が大半です。しかし今年、ユーラシア・グループが発表した十大リスクは欧州政治、露国、中国経済減速、金融の兵器化、イスラム国、指導力のない指導者、戦略部門の拡大です。ばらばらのようでいて、根っこは同じ。超肥大化してしまった金融により格差が広がり、欧州ではナショナリズムの台頭と独立機運が、露国、中国などの新興国は金融の動きで揺さぶられ、金融制裁などの武器とともに世界は極めて脆弱になりつつあります。その間隙に、イスラム国などの新たな勢力が入りこみ、猛威を振るっている。今年、こうしたものの一部でもクラッシュすれば、世界は未曾有の混乱に陥りかねません。
個人的には、成長を期待されていた分野が、逆に足枷となってくる。それが今年最大のリスクだと考えています。それは金融に始まり、資源であったり、新興国であったり、これまでの牽引役がそうでなくなることでもあります。日本も株高を背景に、指導力のある指導者とみられてきましたが、株安がつづくと十大リスクの仲間入りとなってしまう。官製相場の持続性とともに、外国人投資家の見切り売りの水準を見極めることで、日本のリスクも浮き彫りになるのかもしれませんね。
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