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2015年の東京株式は14年と同様、値下がりのスタートとなったが……(撮影:尾形文繁)
2014年末発表の指標から15年の日本経済を占う
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150106-00010000-shikiho-biz
会社四季報オンライン 1月6日(火)16時40分配信
14年末に発表された経済指標から15年の景気を占ってみましょう。年の瀬も押し迫った12月26日はいつも以上に指標の発表が集中しました。その結果は総じて冴えないものでした。
まず11月の鉱工業生産指数は前月比0.6%の低下となりました。市場の予想は0.8%上昇だったので、かなり意外でした。鉱工業生産指数は2014年4月以降、低迷が続いていましたが、9月、10月と2カ月連続で前月比プラスとなって持ち直しの兆しが見えていただけに、少しがっかりさせる結果でした。
消費者物価指数も前年同月比2.7%上昇(消費増税分を除くと0.7%上昇)にとどまり、上昇率が一段と鈍化。もっとも、これは予想通りでした。
一般家庭の消費支出の動向を示す実質消費支出は前年同月比2.5%減少で、14年4月以降8カ月連続のマイナス。現金給与総額も前年同月比1.5%減と9カ月ぶりのマイナスになるなど、景気低迷の基調が続いていることを示しました。
こうしてみると、15年も停滞が続くかに思われそうですが、実はよく見ると明るい兆しも垣間見えます。11月の鉱工業生産が悪かったのは、前月の10月に大型機械が一時的に伸びた反動が出たもので、先行きを示す生産予測調査では12月が前月比3.2%上昇、15年1月が5.7%上昇となっています。
実質消費支出もマイナスではあるものの、マイナス幅が徐々に縮小傾向を見せており、11月は消費増税後で最もマイナスが小さくなりました。売り手側から見た小売業販売額は前年同月比ではわずかながらプラスとなっています。
■足元の雇用改善は好材料
11月の指標で最も心強かったのは、有効求人倍率が1.12倍になったことです。これも、この数字を見るだけではよくわからないかもしれませんが、過去の数字までさかのぼると現状が理解しやすくなります。アベノミクスが打ち出されるまでは0.82倍程度でしたが、13年以降は徐々に上昇し、14年6月に1.10倍を記録。これは実に22年ぶりの高水準でした。
その後は横ばい傾向が続きましたが、11月は一気に0.02ポイント上昇して1.12倍となりました。これは22年半ぶりの水準です。有効求人倍率がこのように雇用の改善ぶりを示しており、これはやがて消費の回復につながる可能性があることも意味しています。
経済指標はこのように単月の結果だけを見るのではなく、過去数カ月あるいは1年程度さかのぼって動きを把握する必要があります。トレンドから景気の現状と先行きを判断することが大事なのです。また、個別指標をバラバラに見るのではなく、指標同士の関連や影響の波及など、経済活動の循環的な動きとしてとらえる必要があります。私はこうした見方を「経済を“縦”と“横”でみる」と呼んでいます。
“縦”とは過去の時系列の動き、“横”とは他分野の指標との関係で、それらのつながりを見るものです。実質消費支出(前年同月比)の時系列を“縦”に並べると、13年になってアベノミクス効果で消費が伸びたことがわかります。月によってはマイナスになることもありましたが、14年3月までは消費が伸びていました。しかし2014年4月以降は消費増税の影響で落ち込み、マイナスが続いています。ただ、そのマイナス幅が縮小傾向にあることは前出の通りです。
消費動向は生産、雇用に連動します。これが“横”の動きです。各指標を総合すると、アベノミクスが打ち出された13年初めから目に見えて景気が回復し、14年4月以降ははっきりと落ち込んだことが裏付けられます。次の焦点は再び景気が上向くか、です。おそらく15年はその変化をはっきりととらえることができるはずです。
この場合、“横”に並べる指標はもちろん多ければ多いほどいいでしょう。しかし、特定の分野に偏ることなく、消費、生産、雇用など経済を構成する各要素をバランスよく並べる必要があります。こうして見ていけば、景気の変化をある程度は俯瞰することができます。
■国内景気は上向き始めている
実はこの手法は、政府が正式に景気を判断する際にも用いられているものです。景気の現状を敏感に示す11の指標を選び(一致指数)、それぞれの指標ごとに毎月の結果を並べてトレンドが転換した月を特定します。つまり“縦”の動きを見るわけです。これらの指標には鉱工業生産指数や有効求人倍率などが含まれています。
次に“横”の動き、つまり月ごとに上向きの指標がいくつあるかを数えます。大雑把にいえば、11のうちプラスの指標が半分以下なのか、あるいは半分以上かで景気の良し悪しを判断します。プラスの指標が6つ以上ある月が続いていれば、その期間は「景気拡大」、5つ以下の月が続いていれば「景気後退」の目安になります。
正式の景気判断はもっと厳密に分析しますが、基本は“縦”と“横”なのです。
政府はこの方式をもとに、最近の景気について12年5月〜同年11月を「景気後退期」とし、13年12月から景気回復が始まったと認定しています。
14年4月以降については、同年8月までの5カ月間、上昇した指標が半分以下にとどまっていますが、9月以降は再び半分以上になってきています。この点を踏まえると、やはり景気は上向き始めているといえそうです。15年はこの傾向がはっきりしてくることに期待しましょう。
岡田 晃
おかだ・あきら●経済評論家。日本経済新聞に入社。産業部記者、編集委員などを経てテレビ東京経済部長、テレビ東京アメリカ社長など歴任。人気番組「ワールドビジネスサテライト」のプロデューサー、コメンテーターも担当。現在は大阪経済大学客員教授。ストックボイスのメインキャスターも務める。わかりやすい解説に定評。著書に「やさしい『経済ニュース』の読み方」(三笠書房刊)。
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
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