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プーチン大統領の「氷の微笑」にメルケル独首相は・・。1998年のロシアの破たん時よりも、欧州とロシアの関係は格段に深まっている。本当に怖いのはギリシャなどではない(写真 RIA Novosti/ロイター/アフロ)
2015年、本当に恐いのはロシア危機だ ダウ急落、原油安値更新が示す不気味な兆候
http://toyokeizai.net/articles/-/57246
2015年01月06日 ぐっちーさん:投資銀行家 東洋経済
みなさま、明けましておめでとうございます。年明け第1号ということで、ズバリ2015年の世界経済はどうなるのか?こうしたテーマで始めさせていただきたいと思います。
実は昨年末、この連載担当であり「ヤバい日本経済」(東洋経済新報社刊)の筆者でもあるわれわれ3人で、トークショーなるものを行いました。その時にも一部お話をしましたが、改めて、今年の重要なトピックをとりあげてみたいと思います。
■アメリカが、実力をフルに発揮する環境が整った
まず第1に、そして最も重要なことは、いよいよアメリカがその実力をフルに発揮する環境が整ったということに尽きるでしょう。
どうもオバマ大統領はあまり評判がよくなく、中間選挙でも負け、しかも民主党の候補者の中にもオバマ大統領と距離を置いて当選した連中も多く見られ、すでにレイムダックだ、とのコメントもあちこちで目にします。
しかし、こと経済に関していうと、オバマ大統領はとんでもないブッシュ前大統領の負の遺産(就任早々富裕層への大幅減税を実施し、さらに8年間にわたりアフガン・イラクと戦費を使いまくって借金が史上最大に膨らんだ)を背負って始まりました。
しかも2008年のリーマンショックという戦後最大、もしくは大恐慌にも匹敵すると言われる経済危機に直面しつつ国家経済を運営するという、戦後大統領としては間違いなく一番の経済危機に直面した状態で政権がスタートしたわけです。これらのどれ一つとしてオバマ大統領の責任であるものが一つもないという、どちらかというと悲劇のヒーローのような役回りだったわけです。
それが、ダウはすでに1万8000ドルを一時突破し、昨年、ずっと回復が遅れていた雇用者数も、ついにリーマンショック前までのピーク数を上回るまでに改善させたわけです。
さらにその間に、リーマンショックでほぼ破綻しかけていた金融機関を再生させ、GM,フォードの再生も果たし、さらには数々の困難を乗り越えていわゆる「国民皆保険」まで成立させ、昨年末には長年の懸案であったキューバ承認を行い、さらに大胆な不法移民合法化まで達成したわけですから、これだけ見れば成果としては素晴らしいの一言に尽きるわけです。
にもかかわらず・・・えらく評判が悪いと言うのは不幸と言うしかないわけですが、少なくともこれだけの成果を上げている訳ですから、経済面に関しては100点満点と言っていいでしょう。他の大統領だったら今のアメリカはない、と断言できるでしょうね。
その意味では、ブッシュ時代のツケをようやく払い終わったアメリカがまさに世界の先頭に立って経済を引っ張る、というのが今年の世界経済のポイントになるわけです。シェール革命もあり、原油価格は大きく下がるという追い風が吹き、さらには若年労働人口が2030年にかけて増え続けるという、なんとも素晴らしい環境が今のアメリカ経済にはある訳です。
そして強いドルが復活し、財政赤字もGDPの3%内に収めつつあるという、まさにアメリカ経済に死角なし、と言ったところでしょうか。今年は世界経済の中心にアメリカが再び復活した年、と後世にわたり記録されることになるでしょう。
■欧州危機再燃に注意せよ
第2は欧州危機の再燃です。ギリシャがくすぶっていますが、金融市場というのはサプライズで大きく動くわけであって、だからこそ最初のギリシア危機の時には大騒ぎになりましたが、今となってはこの問題はもはや完全に織り込み済みで、ユーロから離脱しようが倒産しようが、今さらびっくりする人はいないわけで、その意味では、金融市場的には消化済みの「終わった」材料です。
むしろ欧州にとって厄介なのは、ロシアです。
欧州は未だにNATOで軍事的にもロシアとの対抗軸になっている一方で、ロシアとの経済関係の深度は1998年にロシアが破たんした時とは比べ物にならないほど、深まっています。ワタクシは恐いのは「プーチン大統領の金融自爆テロだ」、と呼んでいるのですが、冗談ではなく、経済制裁が効きすぎて本当にロシアが1998年のように破たんするならば、欧州の打撃は冗談では済まされません。対ロシアの貸出金が自己資本の50%を超えるなどという欧州の大手銀行もあるくらいで、その他、これまでの対ロシア投資の金額を考えれば破たんした時の衝撃は計り知れません。欧州にとっては、ロシアは実に厄介な存在になりつつあるのです。
しかも、さらに中南米という問題があります。アルゼンチンはもはや破たん同然であり、原油価格の下落によりベネズエラも同様、ブラジル経済もおかしい、となると歴史的背景もあってこれらの国に膨大な債権を有する欧州の金融機関が直面する問題は実に大きいと言えます。
もし中南米に何かが起きれば、それは即欧州直撃、ということになりかねません(特にスペインやイタリアの金融機関は関係が深く、またぞろ「南欧危機」などと言われかねません)。ということで、欧州は今年は実に怪しいという情勢です。
■日本経済も前途多難、処方箋は?
そして最後に日本経済。
これはまさしく、前途多難と言うべきでしょう。黒田バズーカ緩和を含め、財政再建を尻目に膨大な公共投資をつぎ込み、GPIFの株式購入増額と日銀直接引き受けで無理やり株価を引き上げているわけですが、これだけ見てもやれることはすべてやってしまった・・・と言えるのではないでしょうか。
それが消費税の一撃ですべて水泡に帰した、ということです。その「消費税爆弾」は2017年までには再び炸裂することが確定しており、さらに言えば実際の消費税支払いは、実はまだ始まっていません。
企業にしてみると、売り上げの減少に直面しているものの、いまはまだ消費税分を消費者からお預かりしている状況ですから、消費者は毎日買い物をするたびに、こりゃ高いな、とびっくりしてすでに財布のひもを締めているわけですが、これをいざ納税し、おい、こんなに持ってかれるのかよ、という事態に企業側(供給サイド)が直面するのは4月なのです。
ワタクシは一方で投資銀行という仕事をやっておりますので、クライアント企業などを見ているとその衝撃度はかなり激しいと予測され、今起きている需要サイドの縮小が供給サイドの縮小(設備投資の後退、企業再編、従業員のリストラなど)に4月以降つながっていくことになると見ています。
これらを合わせてみますならば、ビジネス的には比較的単純な対応策で済むことがわかります。Go to America!! でありますよ。これまでも中国、東南アジアと大きな新興市場を目指してアジアへ進出してきた日本企業ですが、肝心なアメリカをお忘れになってはいけません。アメリカこそ、次のビジネスを成功させねばならない重要市場と言えるでしょう。
投資についても同じことが言えるのではないでしょうか。そもそも読者の皆様はあまりにもあらゆる資産(人的資産も含む)が日本という国、及び円という通貨に集中しすぎていませんか?
日本の企業に勤め、日本国内需要のおかげでその企業の売り上げが上がり給料が出て、日本国内に家と言う巨額の資産を有し、さらにお子様の学校は日本の学校に通わせて、教育、医療、年金とあらゆるものが日本という国に集中していると考えられるわけです。
かねがね申し上げているのですが、自分という人的資本まで考えるなら、わずか数百万程度の外貨預金を持つことは、ポートフォリオの分散上決して間違っていないのです。さすがに今すぐ持ち家をニューヨークに持ちましょう、とかお子様をイギリスで教育させましょう・・・と言うわけにはいかないでしょうから、せめて手元の現金くらいはドルにしておく、というのは実にあり得る投資戦略ではないでしょうか?
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