02. 2015年1月05日 23:02:00
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当方はかつて国鉄に勤務していたが、JRに移行する時に助役は次のように言っていた。「もう整備新幹線もつくらないし、リニアも開発しない。」上越新幹線、東北新幹線の建設を財政投融資に頼った結果、借金がうなぎのぼりに増えた。これを反省して、今後は大規模プロジェクトはしないと言っていた。助役は更に、「現在、継続中の青函トンネル、本四備讃線(瀬戸大橋線)については、完成間近なので、このまま工事を継続するが、これを最後に大規模プロジェクトは行なわない。」とも言っていた。この約束は僅か1年後に反故にされるのだが、その助役はJRに行かなかった。まだ定年まで数年残っていたが、退職金が割り増しされたので潔く仕事をやめた。 その後、山形新幹線なるものが建設された。奥羽本線の福島〜山形間の標準軌化だったのだが、貨物列車はどうなるんだと我々は問題提起した。すると「仙山線経由にします。」との回答が。確かに仙山線経由になったが、貨物の減少で数年たって廃止された。 長野新幹線の建設も、この時期である。長野で冬季オリンピックが行なわれるので、これに合わせて建設すると発表されたが、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだった西武資本のために建設されたのは明白だ。これにより在来線の信越本線は、横川〜軽井沢間の66.7‰(パーミル)特殊急勾配区間が廃止された。 これらの新幹線は、福島〜山形間の板谷峠で運用されていた本務機ED78形交流機関車と、補助機関車F71形交流機関車(最急勾配38‰)。横川〜軽井沢間で運用されていた本務機EF62形直流機関車と補助機関車EF63形直流機関車が老朽化し、高価な機関車の代替をやりたくないJR東日本が、一挙に新幹線化することにより、問題を解決しようとしたのである。 これにより横川〜軽井沢間は、青春18きっぷで乗車できなくなった。いわゆる、全国ネットワークの崩壊である。JRは営利企業だから、儲からないことはやらない。国民生活の向上に資する国鉄とは、企業体質が丸っきり違うと言うことを思い知らされたのであった。 その後も在来線の分断は続き、九州では九州新幹線の全通により、在来線は「肥薩おれんじ鉄道」になった。この肥薩おれんじ鉄道。電化されているのに、ディーゼルカーを走らせているのである。交流電化のため、電車の価格が高くて買い替えできない。貨物列車は通るので、貨物のために電化設備は残しておき、旅客はディーゼルなどと言う、実に馬鹿げたことをやっているのである。案の定、肥薩おれんじ鉄道は毎年、膨大な赤字を計上しており、沿線自治体は負担の大きさに悩んでいる。 当方が日本を離れてから、まさか東北本線が第三セクターに移管されるとは夢にも思わなかった。盛岡から青森まで、今やIGR銀河鉄道と、青い森鉄道になっているのである。行ったことないから聞いた内容を基に書くが、701系ロングシートの電車を2輌編成で走らせているらしい。この区間、かつてはED75形交流電気機関車が長い編成の客車を引いていたものだ。これがたったの2輌 ? 開いた口が塞がりません。 そして今度は、北陸本線の第三セクター化ですか。聞くところによると、何でも富山から東側が経営分離されるらしい。雪国だから学生など利用客は多いのに、また短編成化ですか。おまけに定期代50%値上げは確実ですよ。東北本線の盛岡から北側が、運賃値上げで大変らしいのに。高校生を持つ親は、通学費だけで家が破産ですね。何とも酷い社会だ。日本には、福祉と言う考え方がないね。こう言うことをしているから、原発事故で国が滅びていくのだろう。 その北陸新幹線も、金沢への延伸は近いのですか。何でも、原発大好きの福井県の自民党議員どもが、早く敦賀までつくれとハッパかけていると言う。これに乗り気なのがJR西日本。西日本にしてみれば、赤字でたまったものではない北陸本線と、それにつながっているローカル線も丸ごと処分して撤退できる。確か福井県は、かつて京福電鉄が事故を起こして廃止されることになった時、地元が引き受けて京福電鉄か切り離して運営しているとか。この場合も、京福電鉄が撤退したがっていたことが背景にあるね。 北陸三県は自動車の普及率も高いし、鉄道は乗客の減少に悩んでいる。儲からないから、どこの鉄道事業者もやめたがっている。整備新幹線は、やめたがっている鉄道事業者にとって、紛れもなく援軍だ。在来線から撤退する口実になる。だからどんどん建設される。JR各社も自民党議員に献金しているんだろう。もう、どこまでも腐りきった日本。日本において、もはや鉄道の未来は暗い。この現状を、尊敬する国鉄の父、井上勝先生はどのように思っておられるであろうか。あの先生、気が短かったそうだから、怒鳴るくらいでは済まないだろうな。 |