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2015年は円安加速も「輸出主導の高成長」は望めない(DMMニュース)
http://www.asyura2.com/14/hasan92/msg/599.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 1 月 02 日 01:10:15: igsppGRN/E9PQ
 

          今年1年の日本経済はどうなるのか?


2015年は円安加速も「輸出主導の高成長」は望めない
http://dmm-news.com/article/906244/
2015.01.01 09:50 DMMニュース


 アベノミクスの是非が争点となった昨年末の衆院解散・総選挙では、大方の予想通り与党が大勝を収めた。国民の信任を得て、アベノミクスは今年から第2幕へと突入する。アベノミクスの政策が加速する中、2015年の日本経済はどのような姿になるのだろうか。新年最初の今回は、2015年の経済見通しについてまとめてみた。

 まず、今年の海外経済を展望すると、米国経済だけは順調な回復が続くとみられるが、それ以外の地域では多くのリスク要因があり、日本経済を取り巻く外部環境は決して良好とはいえない。

■円安でも世界消費は低迷して効果なし?

 リスクのひとつは中国経済だ。最近の中国経済は減速傾向が明確となっているが、その最大の要因は住宅市場の不振である。もし、政策当局から住宅市場に対して有効な政策が打ち出されなければ、中国の住宅市場の冷え込みは一段と深刻化し、場合によっては来年に住宅バブルが崩壊→中国発の世界不況という最悪のシナリオが現実味を帯びてくる。

 もうひとつのリスクは、エボラ出血熱の流行である。世界銀行の試算によると、エボラ出血熱の感染者が多い西アフリカのギニア、リベリア、シエラレオネでは2015年に巨額の経済損失が発生する見込みだ。早期の封じ込めに失敗するなどしてエボラ出血熱の感染が各国へと広がった場合には、世界経済に強い下方圧力が生じる。

 さらに、欧州経済にも不安材料が残る。巨額の財政赤字や政府債務残高を抱えたPIIGS(ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペイン)の問題は各国が緊縮財政政策をとることで徐々に改善しているが、最近では新たにFISH(フランス、イタリア、スペイン、オランダ)の問題が深刻化している。FISHの4カ国はいずれも中長期の成長率の足かせとなる構造的な問題を抱え込んでおり、しかもこれら4カ国はPIIGSに比べるとEU経済に占める比重が高く、FISHの問題が深刻化することになれば、欧州発の世界不況の可能性もあるだろう。

 昨年10月末に打ち出された黒田バズーカ砲第2 弾の効果で外国為替市場では1ドル=120円〜130円程度の範囲で円安傾向が続くとみられるため、日本の輸出企業の国際競争力は高まるが、上述したリスク要因で世界需要が鈍化する可能性が高く、2015年に日本経済が輸出主導の高成長を実現することは難しい情勢だ。

■2015年の日本のGDP成長率は1.5%増と低迷か

 やはり、アベノミクスの「トリクルダウン効果」で、個人消費を中心とした国内需要がどこまで持ち直してくるかが、今年の日本経済を展望する上では最大のポイントとなってくるだろう。

「トリクルダウン効果」というのは、たとえば円安効果で輸出関連の大企業の業績が回復したり、株高効果で富裕層の資産が膨んだりすると、大企業や富裕層が積極的にお金を使うようになって経済が活性化し、最終的には中小企業や低所得層にもその恩恵が行き渡り、社会全体が豊かになるという理論である。トリクルダウン理論がアベノミクスの基本的な考え方となっている。

 2013年から2014年までのアベノミクス第1幕では、日銀の金融緩和で円安・株高の流れを演出し、大企業や富裕層がその恩恵を受けるところまではたどり着いたが、中小企業や低所得層まではその恩恵は波及しなかった。今年1年の間に「トリクルダウン効果」がどこまで波及するかで、アベノミクスの成否が見えてくるだろう。 

 安倍政権が2015年10月に予定されていた消費税率の10%への再増税を見送ったことで、家計の実質購買力は維持されることになり、消費の大幅な落ち込みは避けられる可能性が高い。また、2015年の春闘では賃上げの波が昨年に比べてさらに広がるとみられる。大手企業だけでなく中小企業でも賃上げが相次ぐことになるだろう。

 財政再建が一時的に遠のくことで、失望した外国人投資家が日本株を売り、株価下落による「逆資産効果」が現れる恐れもあるが、実質購買力の改善による消費持ち直しのプラス効果がそれを上回るとみられる。

 また2014年度の補正予算では、3.5兆円規模の緊急経済対策を実施することが決まった。地域商品券構想などが中心なので、巨額の財政支出に見合うほど大きな経済効果は期待できないものの、財政面からの支援策がある程度は国内需要を下支える役割を果たすことになる。

 これらを踏まえて、筆者が主宰するBRICs経済研究所では2015年の日本の実質GDP(国内総生産)成長率を前年比1.5%増と予測した(2014年の見込みは前年比マイナス0.5%減)。 

 日本が持続的な経済成長の好循環を実現するのに必要とされる+2%には届かないが、今年の景気は緩やかな回復傾向を辿ることになるだろう。

著者プロフィール

エコノミスト
門倉貴史
1971年、神奈川県横須賀市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、銀行系シンクタンク、生保系シンクタンク主任エコノミストを経て、BRICs経済研究所代表に。雑誌・テレビなどメディア出演多数。『ホンマでっか!?』(CX系)でレギュラー評論家として人気を博している。近著に『出世はヨイショが9割』(朝日新聞出版)

公式サイト/門倉貴史のBRICs経済研究所


 

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