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不吉な乱高下/(C)日刊ゲンダイ
ロシアは対岸の火事じゃない 株乱高下は「経済恐慌」の兆候
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156062
2014年12月31日 日刊ゲンダイ
総選挙で与党が圧勝し、アベノミクス継続が“信任”されたのに、市場は不穏な動きを見せている。選挙後の東証株価は連日、乱高下だ。
「アベノミクスが景気回復に効果がないことは、GDPの2期連続マイナスで明らかになった。この先も上がり目はなく、株価の吊り上げもそろそろ限界です。それを察知した海外ヘッジファンドが手じまいに向かっている。株価の乱高下は、まるでマネーゲームの断末魔の様相で、年明け早々に大暴落しても不思議はありません」(経済アナリスト・菊池英博氏)
世界全体を見渡しても、マネー資本主義の行き詰まりは深刻さを増している。特に日本は「世界経済の足を引っ張る」と名指しされているほどで、IMFによる2015年の経済成長の見通しも下方修正の連続だ。辛うじて堅調な米国は、FRBが15年のどこかで金利の引き上げに踏み切ることを表明しているが、これが日本経済にトドメを刺す可能性もある。
「米国がドル高政策に転じたことで、これまで新興国や資源国に流れていた緩和マネーがどんどん米国に逆流している。FRBの利上げは、ますますドルへの資金シフトを加速させます。米国が金融緩和縮小を決めた際も、通貨下落などの危機に見舞われる国が続出しましたが、その時は黒田日銀が異次元緩和で支えた。そして今度は、日本が世界経済のリスクを負う立場になったのです。その日本市場で、いったん投げ売りが始まれば、今の日本経済はひとたまりもない。アベノミクスでバブルだけを膨らませ、実体経済が体力を失ってしまったからです。ドルの利上げは一層のドル高・円安を誘うし、そこに日本国債の投機的な売りが重なれば、一気に円安、株安、債券安のトリプル安に見舞われる。本格的な経済恐慌になってしまいます」(菊池英博氏=前出)
資源国でもない日本が、異次元緩和で円安政策を続ければ、どうなるか。ロシアのルーブル急落は、対岸の火事ではない。
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