http://www.asyura2.com/14/hasan92/msg/556.html
Tweet |
普通の生活もできず、狭い空間の中で生きる事を強いられる人もいる。日本には、年収200万円以下の人が、もう1119万人もいる。
貧困の拡大が他人事だと思っているうちに、手遅れになる
http://www.bllackz.com/2014/12/blog-post_29.html
2014年12月29日 Darkness - ダークネス
2014年、金融広報中央委員会が「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯調査)平成25年」で発表したデータによると、20代の45%が金融資産をまったく持っていない層であると発表している。
金融資産というのは「預貯金・株式資産」を意味しているが、日本人で株式資産を持っている者はごく少数なので、このデータでは、大雑把に「貯金があるかないか」を読み取るものであると考えてもいい。
だから、分かりやすく言うと「20代の45%は貯金がない」ということだ。では全年代で見るとどうなのか。2人以上の世帯では、「31%は預貯金がない」となった。これは、過去最悪の数字となっている。
何しろバブル期の1987年、日本人で預貯金を持っていない世帯は3.3%だったのだ。バブル崩壊以後、いかに日本に貧困が拡大しているのかが分かるデータでもある。
もっと悪いのは、リーマン・ショック以降、その落ち込みは加速しており、20代がもっとも悪影響を受けていることだ。その理由は言うまでもなく、企業が若年層を正社員として雇わなくなったからでもある。
■3人に1人は非正規雇用になっている時代
厚生労働省によると、すでに日本で働いている人たちの36.7%は非正規雇用となっている。分かりやすく言うと3人に1人は間違いなく非正規雇用だ。
非正規雇用の内容は、パート、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託等だが、今や非正規雇用は若年層だけでなく、すべての年代で増えており、55歳から64歳までの年代では47.8%、大雑把に言えば2人に1人は非正規雇用者である。
その結果、どうなったのか。
2014年9月26日、国税庁は「民間給与実態統計調査」を発表したが、そこには衝撃の事実が記載されていた。
「年収200万円以下の人が、1119万人となった」
「年収100万円以下の人は、421万人だった」
年収200万円と言えば、1ヶ月16万円程度である。1ヶ月16万円で生活をしようと思うと、相当切り詰めなければならない。
日本の就業者は2013年で6311万人と言われているので、今や6人にひとりは年収200万円以下の「ワーキング・プア」である。かなり厳しいことになっているのが分かる。
ワーキング・プアに落ちると、仕事に追われているだけで、働いても働いても豊かになれない。預貯金も増えないので、いったん病気になったり精神的に追い詰められたら、一気に生活が破綻する危機をはらんでいる。
日本で、そんな層がどんどん増えているのが、いろんなデータが指し示している。日本の底辺でじわじわと、まるで真綿で首を絞めるようにゆっくりと、確実に広がっている。
■格差の開きはこれからもさらに広がっていく
では、日本人は全員まとめて貧しくなっているのか。どうもそうではない。
2014年11月18日、野村総研は富裕層についてまとめたデータを発表している。
それによると、富裕層は2011年から2013年の2年間で25.4%増えた。資産が5億円を超える「超富裕層」も8%増えているという。金持ちが、さらに金持ちになった。
彼らはみんな株式資産を持っている。2013年の株式上昇で彼らは資産を大きく増やした。安倍政権は、円安・株高を推し進めたが、たしかに富裕層がこれによって大きな恩恵を受けていることが分かる。
もちろん、株式資産どころか預貯金もない人たちには何の恩恵もない。
恩恵どころか、2014年4月1日には消費税が8%にアップした上に、円安で物価が上がり気味になっているわけで、不利益の方が大きい。
この流れは2015年も引きずっていくわけで、格差の開きはこれからもさらに広がっていくことになる。株式資産を持っている人間と持たない人間の差は、極限的なまでに開いていくことになる。
実は、これこそが現在の資本主義の本質だ。現在の資本主義はマタイの法則さながらに、「富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる」を極限まで推し進める政策となっている。
格差は是正されるのではなく、むしろ拡大されていくのが、現代の資本主義の姿である。
なぜ、この動きが規制されないのかというと、すでに現代社会は多国籍企業が国家をしのぐ能力と影響力を持ち、多国籍企業のロビー活動が政治を動かしているからだ。
■どんなに格差が広がっていっても是正されない
多国籍企業は、ヒト・モノ・カネが何の規制もなく、自由に国境を越えて、儲けには税金がかからない方がいい。また人間の解雇も自由に行えて、賃金はどんどん下げられる方が有利になる。
だから、多国籍企業の意向を汲んで、資本主義を縛るような規制はどんどん撤廃されていき、どんなに格差が広がっていってもそれは是正されない。
資本主義社会は弱肉強食になり、すでに資本を持つ者が、持たない者から根こそぎ奪っていく構造になった。
これは、日本のシステムの構造というよりも、現在の世界を動かしている「グローバル社会」の構造なので、グローバル化が進んでいく限り、格差が是正されることは絶対にない。
賃金の低下、労働条件の悪化はもっと進んでいき、それが格差をさらに決定的にする。じわじわと働く環境は悪化しているのは、さすがにもうすべての日本人が状況が悪化していることに気付いているはずだ。
グローバル化をそのまま受け入れた結果であることも日本人はもう知っている。
しかし、「じわじわ」と環境が悪化していると、まわりが少しずつ悪くなっていっても、いつしかそれに見慣れてしまう。異常が異常であることが分からなくなる。
だからこそ恐ろしいとも言える。
急激に貧困化が起きると、多くの人が激変に声を上げて自衛も働く。これが「じわじわ」だと、何となく受け入れてしまう。そんなことは自分は関係ないと思って無関心でいるうちに、自分がその当事者になる。
日本人が何の抵抗もせずに、まるで蚊が蚊取り線香で落ちるように貧困に落ちるのは、他人事だと思いながら社会の動きを放置した結果であるとも言える。他人事ではないと思ったときは、もう手遅れになっている。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。