01. 2014年12月30日 23:03:53
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北朝鮮より韓国人を怒らせたソニーピクチャーズ 低俗なB級映画がノイズマーケティングのおかげで大成功したが・・・ 2014年12月30日(Tue) アン・ヨンヒ 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)の暗殺を題材にしたハリウッド映画『ザ・インタビュー』がクリスマスに米国で公開された。この映画は、公開される前から話題にこと欠かなかった。オバマ大統領の激怒を誘発、興行は大成功 北朝鮮題材の『ザ・インタビュー』、米で劇場公開 米国で25日に劇場公開された『ザ・インタビュー』〔AFPBB News〕 まず予告編が公開されると、これを見た北朝鮮が強力に制作会社のソニーピクチャーズを非難した。様々なルートを使って米政府に対し映画が公開されないように働きかけてくれるよう要請した。 その後、平和の守護者(Guardian of Peace)と名乗る組織がソニーピクチャーズをハッキング。未公開の映画や内部情報、個人メールなど膨大な情報が流出した。 GOPは、映画を公開すれば同社だけでなく、公開した劇場にも攻撃を仕かけると宣言し、大手の映画劇場チェーンが上映に怖気づいた。同社も映画の公開を中止する方向で考えていると、意外なことに米国のバラク・オバマ大統領が激怒した。 FBIの調査により、ソニーピクチャーズへのハッカー行為の背後には北朝鮮がいると知らされたからだ。 オバマ大統領は、記者会見を通じて「北朝鮮のハッカー攻撃は米国にとてつもない損失を被らせた。米国はこれに比例して対応する」と言った。またソニーピクチャーズに対しても「公開を取り消したのはミス」だと指摘した。 こうしたオバマ大統領の発言を追い風に、ソニーピクチャーズは急きょ大手チェーンの劇場ではなく、小さな劇場での公開を進め、さらにはオンライン上でも劇場公開に先駆け12月24日から公開を始めた。 韓国では、配給会社(ソニーピクチャーズ・コリア)の判断により劇場公開はしないということだったが、オンライン公開により多くの人たちが見た。最初は無料公開という噂も流れたが、そんなことはなく有料での公開となった。 大成功した愛国マーケティング 北朝鮮でまたインターネット接続が不能に、新華社 こちらは本物の金正恩第一書記〔AFPBB News〕 さて、そんなすったもんだがあった「ザ・インタビュー(The Interview)」の上映が始まり、蓋を開けてみると、クリスマス連休の間劇場で280万ドルを稼ぎ、オンラインではその5倍の1500万ドルの収益を上げた。 こうしてみると、ソニーピクチャーズのマーケティングの勝利のような気がしてならない。 まずは、巧妙に北朝鮮を刺激する予告編を発表し、北朝鮮がまんまとそのノイズマーケティング戦略にはまったこと。そして、GOPのハッカー事件により大手チェーンの劇場は退いてしまったが、オバマ大統領の発言を引き出し、愛国マーケティングに成功した。 愛国マーケティングというのは、映画を直接劇場で見ることこそが、国を守り、国家的利益や安保、国威を高めることになると思わせるマーケティングのことである。 さて、ネットを通じてしか見ることができない韓国人たちもさっそく不法ダウンロードを利用した人たちがいたようだ。 韓国インターネット振興院(KISA)は28日、映画「ザ・インタビュー」のファイルになりすましたスマホのウィルスが個人間でのファイル共有プログラムであるトレントを通じて配信されたとし、スマホユーザーたちに注意を促した。 このウィルスは、韓国のスマホ・バンキングに必要な金融情報を流出することを確認したという。KISAは、ウィルスの配信地および情報流出地へのアクセス経路にISPを通じて緊急に遮断した。 肝心なのは見た人たちの感想だが、劇場で見たという米国人たちのリアクションは、面白い映画だ、ちょっとえぐいところはあるけど、面白かったというリアクションがほとんど。 「日本海」「犬を食べない国」に韓国内で強い反発 しかし、韓国のネットでは、主人公たちが暗殺後に脱出するルートを話すとき「じゃ、日本海(Sea of Japan)を泳いで渡ろう」という表現にかなり引っかかっている。 また、犬肉を食べない国へ帰ろうとか、金正恩の葬儀に側近だった人たちが大泣きしていることなど、細かいところに引っかかっている様子だ。 特に、日本海の表現に関しては、制作会社がソニーピクチャーズなだけに引っかかるという人たちが多い。 日本では「日本海を日本海と表現して何が悪い?」と思うかもしれないが、韓国ではこの表記に関しては、ずっと国際的に日本海の呼び名をやめて、東海(トンヘ)という呼び方にしたいと呼びかけており、韓国人にとっては竹島問題と同じくらい敏感な問題である。 話がそれるが、今年12月にやっと韓国にオープンした家具大手のIKEAが販売している世界地図に日本海表記があったことから、韓国人の逆鱗に触れ、IKEA商品に対し不買運動が起こるほどだった。 さらに、SPAブランドのユニクロでは、海外のショップを案内するために使っていた地図で「日本海(Sea of Japan)」表記があったことに対しても具体的な行動はしていないが、それとなくニュースになっているくらいだ。 特に、ソニーピクチャーズは米国の会社であっても、元が日本の会社というイメージからか、日本海表記に対しては様々な憶測まで出回っている。例えば、わざと韓国を困らせるために日本海というセリフを入れたのではないかなど・・・。 だが、多くの韓国人の感想は、低俗なB級映画で、お茶の間で家族と一緒に見るには忍びない。笑いのツボが同じなら笑えるが、そうでないなら面白くないということらしい。 韓国人ミュージシャンの楽曲を一部無断採用 つまり、ノイズマーケティングや愛国マーケティングがなければ、ひっそりと幕を下ろしていたかもしれない映画だというのが全体の評価である。 それより、この映画では、韓国のミュージシャンTashaことユン・ミレが映画の中で「Pay Day」の一部が無断で使用されたとソニーピクチャーズを訴えるとしている。 声明文によると、「Pay Day」を映画内で使用することについて話し合いはあったが、ある時点で議論が途絶えていたので、これ以上話が進むことはないと考えたらしい。 しかし、映画が公開された後で、この曲が許可も法的な手段や契約もなしに使用されていたことを知ったという。 公開される前は北朝鮮がしきりにソニーピクチャーズや米国を威嚇したが、いざ公開されると、武力での対処はしないとおとなしくなった。一息ついたソニーピクチャーズはお金の勘定より、こうした著作権問題に早めに対処した方がよさそうだ。 http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/42572
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