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ドル/円は12月に急激な上下動を経験した後、1ドル=120円近辺での年末を迎えた。2015年のドル/円の見通しを外為どっとコム総合研究所の取締役調査部長兼上席研究員、神田卓也氏に聞いた。(写真はサーチナ撮影)
ドル・円は2015年前半に1ドル125円越えをめざす=外為どっとコム総研
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141229-00000108-scn-bus_all
サーチナ 12月29日(月)12時1分配信
ドル/円は12月に急激な上下動を経験した後、1ドル=120円近辺での年末を迎えた。2014年は約15%のドル高・円安になった。外為どっとコム総合研究所の取締役調査部長兼上席研究員、神田卓也氏は、2015年のドル/円の見通しとして「基本的な流れはドル高・円安で変わっていないが、ドル高のペースは緩むだろう」と語っている。(写真はサーチナ撮影)
――12月に1ドル=121円台の高値から116円割れの安値まで大きく値動きしたドル/円ですが、2015年明けの動きは?
12月の乱高下は、あくまでもポジション調整の範囲内と見ており、2015年も引き続きドル高・円安の流れが継続すると思います。ただ、2013年にドルが20%値上がりし、2014年も15%値上がりしたようなペースは維持できないだろうと考えています。
2年間で進んだ円安によって日本の貿易赤字は徐々に縮小する傾向にあり、対外直接投資も2前年比で微減になる見通しなど、国内のデータは、今後円安圧力が弱まる可能性を示唆しています。
円安圧力が弱まると、ドル/円の上昇はドル高の度合いにかかってきます。これからはドル高の力がどれだけ強いかということが試される局面になると言えます。その点では、米国が2015年に利上げのタイミングを計っていることが、ドルを押し上げる公算が大きいと考えています。しかし、過去の利上げ局面を振り返ると、実際に利上げが始まるとドルが反落するという展開が度々見られており、今回もその可能性を意識しておくべきでしょう。
たとえば、2004年から2006年の利上げ時期には、利上げ直後から半年間ほどはドル安局面になりました。利上げ前までは、期待先行でドル高になるのですが、利上げが発表されたところで材料出尽くしとなって相場が反転したのです。もっとも、その後は、米国経済が順調に拡大していることを確認して、ドル高の基調が戻るという展開になっています。
12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)の定例会合後の声明で、「初回利上げまで辛抱強くなれる」という文言を使いました。この「辛抱強く」という言葉は、2004年の利上げ時に使われたキーワードで、当時はこの文言が出てから5カ月後に、初回の利上げを実施しています。この経験を当てはめると、2015年4−6月期には1回目の利上げが実施されると予想されます。
このような見通しを背景に、ドル/円は4月から5月に向けて上げ足を強めていくと思います。高値は1ドル=125円を越えて、ドル高の度合いによっては127円〜128円程度もあり得るのではないかと思います。
欧州においては、1−3月にもECBが国債買い入れ(量的緩和)を開始するという見方が根強くあります。これもドル高/ユーロ安を通じてドル/円を押し上げると思います。
一方、リスク要因として警戒しておきたいのは、原油安によるロシアへの不安の再燃です。原油相場については需要減退と供給過剰の双方から価格下落圧力がかかっているので、なかなか原油安の終焉が見えない状況です。再び急激なロシアルーブル安が起きれば、リスクオフとなってドル安・円高の局面が起こる可能性があります。
したがって、年明けのドル/円のレンジは、1ドル=122円〜117円程度で予想します。ロシアの混乱が大きくなれば、一時的に115円という場面があるかもしれませんが、基本シナリオは2007年の円安ピークである1ドル=124.14円を目標にしたドル高局面を堅持します。
――原油安に絡んで豪ドルが売られる場面もありました。豪ドル/円の見通しは?
オーストラリアにとって原油安が直接の悪材料という訳ではないのですが、主要な輸出品目である鉄鉱石の価格が原油とともに下落している影響を受けています。これまでの資源ブームは終了したとみていいでしょう。当面は鉄鉱石の価格下落などの資源安がオーストラリア経済の成長を阻害する要因になりそうです。
また、豪中銀の総裁が、「1豪ドル=0.75米ドルが相応しい水準」と発言していることも、豪ドルの下落圧力になっています。豪ドル/ドルは1豪ドル=0.8ドル以上の水準にありますから、依然として豪ドルの下げ余地があるとう見方につながっています。
豪ドル/円は、足元では互いに弱い通貨どうしのペアになっています。豪ドルと円のどちらがより弱いかということになりますが、オーストラリアについては2015年に国内景気を刺激するため利下げがあるという見方が一部で出てきました。こうした見方が今後も広がって行くようだと、豪ドル/円の下押し圧力になりそうです。ただし、現状ではオーストラリアの景気に大きな落ち込みは見られず、豪中銀の次の一手は利上げと見る参加者も少なくありません。今後、どちらの見方が優勢となるのかという点において、豪雇用統計などの経済指標の結果も重要になってくるでしょう。オーストラリアの金融政策を巡って市場の見方が真っ二つに分かれているという極めて特殊な状況なので、豪ドル/円相場は「弱さ比べ」の中でボラタイルな動きが続きそうです。
当面の予想レンジは、1豪ドル=0.75ドル〜0.85ドル。豪ドル/円は、1豪ドル=92円〜100円でみています。
――その他、新年に注目されている通貨ペアは?
ユーロ/ドルの動きに注目しています。現在のメインシナリオは、米国の4〜6月利上げに対し、ユーロ圏は1月〜3月に国債を購入を開始して量的緩和に踏み出すとみられています。順当に行けば、ドル高・ユーロ安に見えるのですが、ECBの動きは一筋縄ではいかないところがあり、波乱の展開も予想されます。
ユーロ圏では、ドイツが国債購入に強烈に反対しています。ドイツ経済はユーロ安の恩恵もあって回復基調にあるため、国債購入の不要論を声高に展開しています。ドラギ総裁らがドイツ連銀の説得に手間取り、議論が進まないという事態も容易に想定されるところです。仮に国債購入に漕ぎ着けても、買入れ金額の面などで制約が大きければ「骨抜き」との評価は免れないでしょう。
ECBの理事会は1月22日に開催された後、次は3月まで開催されません。このため、1月に動きがなかった場合は、3月までに様々な思惑でユーロの価格が動く可能性があり、一方的にユーロが下落する展開にはならないと見ています。
予想されるレンジとしては、ユーロ安が一段と進んだ場合は、1ユーロ=1.1874ドルというギリシャ危機の時の安値がメドになる一方、を1ユーロ=1.25ドル程度への反発もあり得ると思います。
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