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http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NH4SKD6K50XX01.html
(ブルームバーグ):2014年の海外投資家 による日本株買いは、リーマン・ショック以来の冷え込みになりそうだ。日本銀行の追加金融緩和を受けた11月に月間で1兆円以上買い越したが、昨年の相場急騰の反動や新興国経済への懸念、アベノミクスへの信頼が揺らいだことなどで、年前半に大幅に売り越したことが尾を引く。
東京証券取引所が公表する投資部門別売買動向によると、1月から12月第3週(15−19日)までで海外勢は現物株を8369億円買い越している。東証が統計算出を始めた1982年以降で過去最高の買越額(15兆1196億円)だった昨年からは94%減少。年内残り2週で年間買越額が09年の1兆7775億円を超えるのは厳しい状況で、サブプライム・ローン問題やリーマン・ショックの影響で3兆7085億円を売り越した08年以来の低迷になる公算が大きい。
三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケットストラテジストは、「金融緩和に支えられなくても成長できる体制、生産性が伸びるような形が見えてくればまた変わるが、今はそういったものが見えない」と、金融政策、財政政策、成長戦略の3本の矢を打ち出した安倍政権への期待感の限界を指摘。また、米国金融当局が量的緩和策第3弾(QE3)を終了、利上げ時期を模索し始めた中で、金融相場で世界の株式市場全体を持ち上げられる状況も「終わったとみるべき」と言う。
セゾン投信運用部の瀬下哲雄ポートフォリオマネジャーは、ことしは「海外投資家が積極的に買える相場ではなかった」と回顧。昨年は円安評価、デフレ脱却期待が先行、「そこまでは良かったが、『第3の矢』が出てこないまま消費税増税だけが先に来て、完全に景気が腰折れしてしまった」と指摘した。
12年12月の第2次安倍政権誕生を受けて、13年のTOPIX はプラス51%、99年以来の上昇率を記録した。昨年の日経平均株価 の上昇率は57%で41年ぶりの大きさとなり、主要国で突出したパフォーマンスを見せたが、一転14年は26日時点でそれぞれプラス9.6%、プラス9.4%にとどまる。特に為替が年初の1ドル=105円から12月には7年ぶりの1ドル=121円台まで15%円安が進んだ影響で、ドル建て日経平均は現在148ドルと年初からマイナス4%と一段とさえない。
追加金融緩和とGPIFで一変
ことしの海外勢は、1−3月に日本株を1兆8000億円強売り越した。昨年11−12月で4兆円以上買い越した反動に加え、アルゼンチンなど新興国懸念の浮上、消費税増税の駆け込み需要の反動が警戒され始めた影響があった。その後、企業業績の堅調を見直す動きが広がった夏場にかけ買い姿勢が戻り、累計で6000億円ほどの売り越しだった10月までの状況が11月に一変する。
11月に1兆2586億円を買い越し、年間でも買い越し転換したきっかけは、10月31日に日本銀行が追加金融緩和策を発表、長期国債の買い入れを年間約80兆円に相当するペースに拡大し、指数連動型上場投資信託(ETF)の購入額も従来比3倍にするなどデフレ脱却への姿勢を強化したためだ。
また、日本の公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も同日、運用資産の新たな構成比率を示し、国内債券を大きく減らす半面、国内株式の比率を12%から25%に倍増、外国株と外国債券も増やし、リスク資産選好の姿勢を明確にした。ブルームバーグ・ニュースの当時の試算では、日本株比率の引き上げは9.8兆円分の買い余力に値する。
仏運用会社コムジェストの日本株ポートフォリオ・マネジャー、リチャード・ケイ氏も「GPIFのみならず、かんぽやゆうちょも比率変更を行うと想定しており、日本株の需給バランスがかなり改善する」と国内機関投資家の姿勢変更に期待感を示す海外投資家の1人だ。公的年金の株式投資の積極化が話題になった14年、年金基金の動向を映すと市場で言われる信託銀行 は約2兆3500億円を買い越し、損益確定と持ち高調整の売りで約4兆円売り越した前年から一変、年間買越額は08年の4兆5000億円以来の高水準になりそうだ。
海外勢の日本株注目変わらず
米バンク・オブ・メリルリンチが毎月行う世界のファンドマネジャー調査によると、12月のグローバル投資家による日本株の配分状況はオーバーウエート比率がプラス40%と前月から5ポイント低下したものの、前回の海外投資家の日本株買いブームだった05−06年時に匹敵する高水準を維持している。今後オーバーウエートしたい市場でも欧州に次ぐ2位、企業収益見通しでも米国に次ぐ2位となお評価は高い。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、15年末のTOPIXは1680ポイントと現在より18%高い水準を見込んでいる。日銀やGPIFなどの買いに加え、円安による企業の利益率押し上げ、日本企業の資本効率の上昇などがプラスに働くとみるためだ。
特に円安の業績押し上げ効果は、12月の日銀短観による14年度の想定為替レート1ドル=103円36銭に対し現在は120円台。大和証券の塩村賢史シニアストラテジストは、「今期業績で言うと、修正していなかった分がこれからされてくる」とし、さらに15年も円安方向での推移が続き、「外需企業中心に追い風」との見方を示す。三菱モルガンの予想では、14年度の東証1部3月決算企業(金融除く)は純利益で13%増、15年度は14%増となるもようだ。
クレディ・スイス証券の株式営業部ディレクター、ステファン・ウォラル氏は大型の海外投資家が15年前半に日本株市場に戻ってくるだろうと予想。年金や生保など長期資金は「ことし1年かけ日本に対するエクスポージャーをゆっくり減らしてきた。14年はあまり良くない年だったが、衆院選も予想通りの結果が得られた今、15年は日本を再評価できる年になるのではないか」とみている。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 竹生悠子 ytakeo2@bloomberg.net;東京 Yuji Nakamura ynakamura56@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net 院去信太郎
更新日時: 2014/12/29 00:00 JST
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