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3.5兆円の経済対策について
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52670694.html
2014年12月28日 在野のアナリスト
来年の日本経済は、かなり大変なことになりそうですが、そんな中で政府による3.5兆円の経済対策が出てきました。しかし政府よりの某紙など、バラマキではないか? と明らかにこれまでと違う論調をとるほど、中身には疑問があります。そもそも補正予算で組むことなのか? 一般会計として、毎年計上すべき内容なのではないか? 予算をとる必要があるものか? などの問題ある項目も散見されるので、ランダムで取り上げてみたいと思います。
まず『火山観測研究基盤の整備、観測体制の強化、国立公園山岳部の安全対策』ですが、整備ぐらいは単年度の予算でできても、それ以外は補正で行うものではありません。『災害復旧』や『災害廃棄物の処理支援』も挙げられますが、これなど一般会計の予備費を充てるべきです。というより、予備費の不足を補正予算で賄うなら、一般会計を少なく見せるための操作、とすら疑われます。これでは毎年、大型の補正予算を組まなければならず、財政規律の不透明感を強めることにもなる。『学校施設等、社会福祉施設等の耐震化』という話も同様に、なぜ補正予算で対応するのか? また『〜等』とはどこまでの範囲か? これまでも市役所、庁舎の出先機関などの耐震化は率先してすすめてきましたが、今回もそちらが優先される恐れもあります。
『地方への新しい人や企業の流れの支援等』という項目など、予算の使途が不明確です。『地域における新たな産業の創出、革新を促す仕組みづくり』なども同様ですが、項目は二つに別れていても、実行することは同じです。また地域によっても異なる対応が必要ですが、項目が別れていると、担当する省庁が異なる恐れがあり、船頭多くして…ということになりかねません。『地域の魅力の情報発信の支援』など、単年度の補正ではなく、国家戦略として長期に亘って行わなければ、効果は限られますし、またほとんど意味を為さなくなってしまうでしょう。
『建設分野における外国人材活用の適正化事業』など、要するに安価な外国人労働者を招いて、公共工事を担わせる、ということですから、内需への寄与度の低下も招きます。そもそも、労働力調査をみる限り、建設分野より福祉の人材不足の方が顕著であり、一方でこれまでも看護分野に研修生をうけいれた結果、試験が難しくて研修を終えると本国に戻される、といったことも起きています。賃金がよければ人材も集まるのに、それと逆行するのは脱デフレにも反します。
原発関連の予算はもっと奇妙です。『原発周辺地域における防災対策の充実・強化』を補正予算で行うのか? 『研修用プラントシュミレータの整備事業』などもそうですし、これから原発を動かすための予算が、なぜ補正なのか? 理解に苦しみます。『水素ステーション、EV用充電ステーションの整備』が入っているのですから、これから需要の高まる水素を、爆発を起こすほどに原発の高温蒸気でつくりだす、などがあれば、経済・エネルギー対策ともなり得るでしょう。ただし、さらに原発は危険、というイメージが定着するのでしょうが、今は何とも宙ぶらりんのまま、なぁなぁで原発を再稼動する、そのための予算まで補正に入っている印象です。
全体的に『プランの推進』やら、『取り組みの推進』などは、予算をかけて行う必要性を感じません。『良好な治安の確保』なんて、まさに補正で行うべきものではないのです。法人税減税3.2%などとも報じられますが、外形標準課税の導入や繰り延べ決算の見直しなど、市場としては反応しにくい内容となっています。そもそも法人実効税率は16%ともされる中で、トータルで増税になる法人も出てくるはずですから、まさに黒字を続けている企業はさらに優遇される、というだけの話になります。方向性と中身の伴わない補正予算による経済対策。しかも金額も昨年よりも下がり、単なる一般会計の『惰性予算』になってしまっているのでしょうね。
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