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11月経済統計の集中発表日
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52670288.html
2014年12月26日 在野のアナリスト
理研の調査委員会が、STAP細胞とされたものはES細胞だった、と認定しました。陰謀説なども囁かれますが、まず重要なことはES細胞なり、STAP細胞なりの管理があまりに杜撰である、ということです。ごく一部の人間だけで、極秘にすすめられたプロジェクト、と紹介されていましたが、誰でもすり替え、混入できる可能性があった、とします。世界最先端の研究だったのでは? それがこんな管理をしているようでは、科学立国の看板にもキズがつきます。日本は性善説に基づき、科学者が不正するはずない、という認識でいるようですが、常にロックをかけてごく一部の人間のみ、扱えるなどしないと今後も理研のデータは信用ならない、となるのでしょう。
今日は11月の経済指標の集中発表日でした。全国消費者物価指数は前年同月比2.7%増、前月は2.9%上昇でしたので、インフレ率の低下がみられます。しかも先行指標ともされる東京都区部の12月分は2.3%の上昇ですから、さらに下がるとみられます。原油安の影響ともされますが、家計調査をみると実質消費支出が、前年同月比で2.5%減ですから、明らかに消費減退により価格転嫁がすすまなくなっている傾向がうかがえます。小売販売額は前年同月比0.4%増ですが、消費増税分、物価上昇分を除くとマイナスですから、消費減退という話とも整合します。
毎月勤労統計をみると、さらに深刻です。所定内給与は前年同月比0.2%増ですが、現金給与総額は1.5%減、実質賃金は4.3%減です。総実労働時間が下がっていますから、仕事がなくて残業代がでなかった、とも読みとれます。しかも、産業別でみると建設業の『特別に支払われた給与』が前年同月比124%も伸びており、この下支えがなければさらに大きな下落だったはずです。
労働力調査では、完全失業率3.5%ばかりが注目されますが、11月は正規雇用が9、10月と合わせて43万人増と改善傾向をみせましたが、11月は29万人減。一方で若干減ってきていた非正規雇用が48万人増。しかも9月から減少傾向にある自営業主・家族従業者が、11月には20万人減でした。正規と自営業者で減少した人数が、そのまま非正規雇用に置き換わった形です。しかも相変わらず伸びはスマホ関連の伸びる情報通信、介護職の増える医療・福祉、後は建設業などですから、雇用情勢の変化は少なく、ただ非正規ばかりが増えて行く構図がつづいている状況です。
しかも安倍政権では、介護報酬の減額を決定しましたから、デフレマインドをさらにすすめるつもりのようです。大企業には賃上げ要請し、公務員も震災以後、下げていた報酬をもどしたのに、介護職員の給与は下げるという。その理由が、介護事業者が内部留保を蓄えているから、というのですが、企業だって同じ構図のはずです。それで法人税減税は決めているので、政策に一貫性がないとも言えます。むしろ今後も増える、介護職員の賃金が上がって行く、という期待があれば、インフレマインドの醸成にも役立つはずなのに、そうした意識もないようです。
安倍政権は脱デフレを掲げますが、それがうまくいかなくとも、その責任をある程度日銀におしつけられる、という側面があります。そうして安全地帯にいて、逆行する政策を平気でする。地方で30万人の雇用といってみても、地方で多い自営業者がこれほどばたばたと倒れていく中で、都市部からの移転を促すばかりでは、日本全体でみて雇用は増えていない、ということでもあります。その矛盾が、来年はさらに大きくなりそうであり、この経済統計を信じる限り、リセッションの深化がより問題を大きくしそうな、そんな状況にもなってきたのでしょうね。
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