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社員が失敗したら“はしごを外す”ダメ企業 ヤマトやコンビニ、革新的行動で成功する企業
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141226-00010003-bjournal-bus_all
Business Journal 12月26日(金)6時0分配信
どうやら世の中には、革新を生み出して成長する企業と、革新できずに停滞する企業があるようです。皆さまが所属する組織や企業はどちらでしょうか?
今回は組織の革新度を定めてしまう「恐ろしい」枠組みに着目します。「駄目」と「していい」の枠組みです。組織の中で行なわれている日々の行動とそれに対する意思決定や反応の蓄積が、組織や企業の有り様を決めてしまうのです。
上図に示したように、組織を「標準的な企業」「変革を阻止する企業」「革新的な企業」の3タイプに分けてご説明します。横軸は「現時点での行動」を示し、「現時点でしてよい行動」「現時点では駄目な行動」に分類します。一方の縦軸はルールや慣習、規則など「現状での縛り」を表します。それを「現状で容認される行動」「現状では許可されない行動」に分けて分析します。
標準的な企業の場合、縛りのあること、ルールや慣習に即さないことは「行動してはダメ」と判断されます。逆に縛りのないこと、ルールや慣習に沿っていることは「してよい」と判断されます。したがって、標準的な企業で遂行されている行動は、右上の象限の中に並びます。一方で、遂行されていない行動や実施してはならない行動は、左下の象限にプロットされます。
では左上と右下は何を意味するのでしょうか。これが「駄目」と「していい」の枠組みを使って考察するポイントです。
左上のプロットは、現状のルールや規則、慣習としては「行ってよい」のですが、実行してみたらはしごを外されてしまったというようなケースが該当します。新規事業を提案し上司が承認したにもかかわらず、その事業が失敗したら推進したこと自体を上司に叱責され、さらに責任を取らされ人事評価を下げられた。そうしたケースです。これは、明らかに組織の活力を削いでしまいます。
一度でもこういう目に遭ったら、その社員や周辺の社員は新たなチャレンジに向かわなくなるでしょう。新たな行動に対して、それはそれは慎重になってくるものです。これは変革を阻害する企業の典型的な例で、左上の要素がどんどん下に落ちてきて、左下のウエイトが非常に大きくなります。行動してはいけないことが、どんどん増えてくるのです。
新しい試みにブレーキをかける側には、
「それはコンプライアンス上の問題がある」
「既存のお客様に損害を与える」
「そんなことをやって失敗したら株価が下がってしまう」
などと発言する人たちはたくさんいます。行動させない方向に、いくらでも圧力がかかってしまうのです。
ある意味、組織の活力を削ぐことはそれほど難しくありません。個人の行動を規制すれば革新は生まれなくなるのですから。色々な理屈をつけて、行動を起こさせなくすればよいのです。また失敗した行動に対して、もっともらしい理屈をつけて、その失敗を叱責すればよいのです。
●革新的行動で規制を破る企業
逆に革新的な企業では、現時点の規則ではやってはいけないことでも、行動することが許される土壌があります。ルール上はダメでも、やってみたら新しい事業が生まれることがあります。そうした企業では図の右下が大きく、現状を変える活力が革新の源泉になっています。
アメリカでは自動車の自動運転が許可されている州がありますが、これも革新的な企業が実行した成果といえるでしょう。アップルの音楽配信事業「iTunes」も、音楽業界の著作権問題に切り込んだ意味で、この例に挙げられます。可能な限り左上を小さくして、右下を大きくすることが革新的な組織をつくる土壌になるといえます。
そのほかにも、ドローン(無人で飛行する飛行機やヘリコプター)は既存の規制に直面していますが、その利用可能制は広く、アマゾンや宅配業者がその利用実験を進めています。また何かと話題性があり物議をかもしているUber(ネットを使った高級車の配車サービス)も、既存のタクシー業界との戦いが繰り広げられています。
かつて日本の宅配便事業は、運輸業界の規制に阻まれていましたが、ヤマト運輸は地域ごとの運送免許を取得することから始めて、戸配ができるようになりました。革新的な行動が規制を打ち破ったのです。コンビニエンスストアの共同配送も、業界のしがらみを打ち破った例です。米国のグーグルやアマゾン、アップルなどから学ぶだけでなく、日本企業にも革新的な例はいくらでもあります。
社員の立場から見ると、変革の芽はすでに組織の中にあるものです。例えば2010年に会社更生法が適用され実質的に破綻した日本航空の場合、経営再建のために同社会長に就任した稲盛和夫氏(京セラ名誉会長)が「予算をもらえるのが当然だと考えている社員には1円も予算を与えない」と宣言したことで、組織がガラリと変わりました。稲盛氏は図の右下の活動を奨励して、左上の活動を撲滅したのです。
プロ経営者がトップに就任することにより、「標準的な企業」や「変革を阻止する企業」が革新的な企業に生まれ変われることを示す好例といえるでしょう。
皆さまには、冒頭の「駄目」と「していい」の枠組みを使って、所属する組織や企業で行なわれている行動をプロットしてみてください。左上の変革を阻止する行動や反応が複数見えてきたら要注意です。右下の革新的な行動例があったら期待が持てます。
長い年月をかけて、社員による日々の行動や、上司による反応や意思決定が積み重なって組織の土壌をつくり上げていきます。ですから、「変革を阻止する企業」から「革新的な企業」へ変貌させるには、経営者の考え方から社員の行動様式まで一貫した改革が必要で、時間もかかるのです。単なる経営目標の立て直しや事業戦略のつくり直しだけでは、「革新的な企業」への変貌は実現できないのです。
森秀明/itte design group Inc.社長兼CEO、経営コンサルタント
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