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市場の話。今年の反省と来年
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52670205.html
2014年12月25日 在野のアナリスト
明日が経済発表の集中日ですが、今年一年の反省もこめて、市場の話をします。昨年の12月、今年の日経平均の株価予想を16000円から14000円、中国などでクラッシュがおきると5000円まで下げる、としていました。しかし今年の株価は現状、18000円をつける勢いで、ここまで上がっています。残念ながら、大きく外してしまいました。大きな原因は想定以上に円安がすすんだこと、及び黒田バズーカ第二弾で一気にはねたこと、などが挙げられます。
さらにGPIFが年後半から、本格的に買い主体として浮上したことも影響します。毎年、外国人が休みに入る時期か、3月の年度末が活発に売買するタイミングでしたが、今年は株式の比率をあげるため、動きだしが早かった印象があります。逆に、債券の比率は下げていますが、金利は0.31%をつけるなど、損をしても国債買いという流れもあり、債券市場に崩れがありません。
一部では、地銀も債券取引を縮小させ、高リターン投資を模索する話もあります。債券利回りの低下で、収益性の悪化が懸念されており、一部を株式で運用するというのです。しかし信託に運用を委託するとしても、どこまで収益が確保できるかは微妙です。何しろ今年、ファンド勢もピンきりで、しかも悪いものの方が多い。株式市場は上がっても、商品市場は悪いですし、債券市場もここに来て利回り低下が目立つ。それは世界的にそうであり、全体的にかなり運用成績が悪いのです。来年、株価の上昇とは相反して、金融機関の収益性は相当悪化しそうです。
来年は前半に欧州で、ECBの量的緩和が意識されており、金融緩和が意識されて市場は堅調でしょう。ただし、今年の前半もそうだったように、ECBの緩和後に欧州市場が弱含みましたが、来年も起こることが予想されます。ドラギマジックは、期待を煽るだけ煽るので、必ず出尽くしとなってしまうためです。その後、日銀の追加緩和が意識されますが、それはFRBの利上げと軌を一にするタイミングとなるため、半ばでしょう。恐らく1〜2月で一山、4月ごろにもう一山つけにいくかもしれません。FRBの利上げも、それだけ米経済が強い証拠、とむしろ好感するはずですが、問題は市場の期待とは異なり、実体は相当にその影響が出て、9月頃に谷が襲うと判断しています。
難しいのは、株式市場は今、資金流入で湧きますが、それがそう長くは続かない点です。むしろ上がりきった後、逃げだし始めると支える要因を失います。日銀とて、来年分の市場介入資金に手をつけ始めており、早期に使い切ってしまう恐れもあります。年金も持分を増やした後は、売り買いをくり返すだけ。買い上がる主体は外国人頼み、という構図です。消費も外国人旅行客頼み、株価の上昇も外国人投資家頼み。両者が手を引いた時点で日本株の上昇は終わりです。
恐らく、ふたたび安倍ノミクスに厭きるのはかなり早いでしょう。今年の秋、外国人は逃げ出し始めていたところ、黒バズ2で盛り返しただけで、安倍政権の継続でも繋ぎとめるのはかなり苦労します。そうなると、上値は重くなると想定されます。業績の伸び具合からみて18500円を上に、13000円程度を想定しておくのがよいのでしょう。ただし、この下値は中露などの変調がない、という前提ですし、米国も7-9月期をピークに、一旦は調整に入るとみられることから、今後は追加の金融緩和次第で、さらに上値を追えるかが決まるものです。むしろ金融相場は、中央銀行の腹づもり次第という意味において、もうその腹の探り合いということになりそうです。ただその腹づもりでは、お腹いっぱいになるところが少なく、来年の市場は中央銀行の材料出尽くし、という飢餓感との戦いになってくるのかもしれませんね。
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