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台湾人の旅行に関するデータ(「日本政府観光局 HP」より)
アジア中で沸騰する日本旅行熱 外国人客争奪戦激化、早くも勝敗鮮明に
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141224-00010004-bjournal-bus_all
Business Journal 12月24日(水)6時0分配信
近年、外国人旅行者向けのビジネスシーンは飛ぶ鳥を落とす勢いだ。日本政府観光局(JNTO)によれば、訪日外国人数は10月に前年月比率37.0%増の127万人を記録し、年間でも1100万人超と、共に過去最高値を叩きだした。
日本政府が訪日外国人の取り込みを目的として2003年に掲げた「ビジット・ジャパン・キャンペーン」は、2008年頃から落ち込みを見せたが、12年頃からは円安に伴い順調に回復。現在では、各地方自治体や企業にとって重要な資源となっている。
格安航空の発着地のひとつである関西国際空港の所在する大阪や、豊かな観光資源を持つ京都、兵庫などの関西地方は旅行地として外国人からの人気が高い。今、関西で訪日外国人向けのビジネスはどのような動きを見せているのか。その動向を探る。
●ツアー客から、個人旅行客へ
日本でも指折りの歓楽街のひとつである、大阪のミナミエリア。ミナミを歩くと、英語はもちろん、中国語、韓国語、タイ語と、あらゆる言語の看板が目に入ってくる。特にその傾向が顕著なのが、心斎橋だ。
「現在、心斎橋の飲食店は、梅田のキタヤード開発、あべのハルカス開発などの影響もあり、一部の店を除くと壊滅的な状態。そんな中でもしっかりと売り上げを上げているのは、外国人を取り込めているお店です。特に最近、台湾と香港からの旅行客が急増しており、各企業も注目しています。中国本土や韓国と違い、国際情勢の影響を受けにくいのが魅力です。それに台湾・香港の人は、団体客以上に個人の旅行客が多いのです。ちなみに当店の場合は、売り上げの40〜45%程度が外国人で成り立っています」(大手飲食チェーン店エリアマネジャー)
「ここ2〜3年で、訪日外国人の旅行スタイルの中心が、団体から個人へと移り変わりました。その恩恵を受けているのが、関西では特に難波・心斎橋エリアのホテルです。団体客は特定のホテルと提携していることが多いですが、個人客に対しては自由競争の原理が働きます。そして個人客がホテルを選ぶ際に、京都はホテルや宿の絶対数が少なく、神戸は他のエリアに行く際に少し遠いです。また、梅田などのキタエリアは少し値段が高くなります。消去法的ではありますが、外国人のミナミエリア利用が増加している背景には、そういった理由があると分析しています。当社の場合、年間平均で稼動客室の35%を外国人が占めています。近辺のホテルに話を聞いても、多少の差こそあれ、宿泊者の20〜40%程度は外国人客というのが今のミナミの事情です」(心斎橋のホテルマネジャー)
●旅行バブルの台湾で一番人気は日本
11月7〜10日に、台湾で世界各国の旅行会社、自治体、航空会社などが一堂に集まる「台北國際旅展」が行われた。同イベントは、4日間で35万人超を動員するアジア有数の旅行博だ。広々とした会場を見渡すと、日本ブースの人だかりは際立っていた。東京、大阪、北海道など、旅行者に人気の高いエリアはもちろん、山陽、東北、九州、北陸などの各地方からも個別に出展。特に奈良県は、日本から知事も視察に訪れる熱の入りようだった。また、海鮮料理専門店のかに本家や、総合リゾート運営会社の星野リゾートなど、企業単体での出展も見受けられた。台湾人旅行客の誘致に対する日本の力の入れようは、旅行会社、航空会社、政府の3セットの出展が大半の他国に比べて、明らかに異なっていた。
「現在の台湾は旅行バブルの真っただ中で、特に人気の高いのが日本です。理由は、さまざまなニーズに応えることが可能な観光資源の豊富さと、リピート率の高さです。例えば、台湾で人気のある徳川家康・武田信玄の軌跡を巡るツアーやアニメの関連地を巡るツアー、紅葉・桜を巡るツアー、伝統工芸の体験ツアーなど、その数を正確に把握するのが困難なほどバリエーションがあります。初めは東京をはじめとする関東エリア、次に関西、3度目に北海道や沖縄、4回目は広島や岡山、和歌山、福岡、熊本、鹿児島と、何度も訪日する人が本当に多いです。台湾人の日本旅行への関心の底はまだまだ見えておらず、しばらく旅行者は増え続けるでしょう」(台湾の大手旅行会社)
●新興国からの旅行客急増
訪日旅行客が堅調に伸びている台湾、香港だけではなく、タイ、マレーシア、ベトナムといった新興国の勢いも見逃せない。新興国の訪日数を見てみると、タイは10月単月の前年同月比が29.5%増の7万9400人、マレーシアは35.1%増の2万4000人、ベトナムは34.6%増の1万5200人と爆発的に増えている。単月で26万人を超える台湾と比較すると、絶対数は少ないが、今後さらに伸び続けると予測されている。
「大阪の繁華街の状況でいうと、台湾・香港・中国本土・韓国のお客様への対応はできて当然という認識があります。英語、韓国語、繁体字、簡体字のメニュー、商品説明のPOPの設置や語学力のある外国人スタッフの登用など、環境面の整備はどんどん進んでいます。また、既存国に加えて、東南アジアの国の方々の需要が増えてきています。宗教の違いなど、対応の難しい部分もありますが、動きの早い企業はすでに東南アジア各国のリサーチを進め、サービスを調整しています」(国内大手旅行会社)
外国人観光客向けインフラの整備は、旅行者にとっては歓迎すべき動きであるが、一方ではサービスの画一化といった弊害も生み出しているようだ。
「旅行者からは、『日本ならではの接客や文化に触れたい』という要望をよく聞きます。昨今は、多くの国の旅行者へ対応することを重視するあまり、接客をマニュアル化している店舗や量販店も増え、サービスが均一化している感もあります。東京では、ロボットが接客するお店などユニークな試みを行っている企業もあり、人気が高いようです。増え続ける訪日客を取り込みながら、どのように独自色を出していくかが、成否の分かれ目となるでしょう」(同)
今や関西の経済において、外国人観光客の存在は無視することができないほど大きくなった。インバウンド事業(国内に入ってくる旅行者へのアプローチ)に注力する企業は、ここ数年増加の一途をたどっている。数多の企業の中で“勝ち組”となるには、サービスの向上は当然のこと、自社ならではの試みを実行し、いかに他社との差別化を図れるかがポイントとなりそうだ。
栗田シメイ/ライター
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