★阿修羅♪ > 経世済民92 > 432.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 円安は何を意味するのか(週刊実話)
http://www.asyura2.com/14/hasan92/msg/432.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 12 月 23 日 13:42:05: igsppGRN/E9PQ
 

森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 円安は何を意味するのか
http://wjn.jp/article/detail/8539258/
週刊実話 2015年1月1日 特大号


 12月5日のニューヨーク外国為替市場で、'07年7月下旬以来、対ドル為替が7年ぶりに1ドル=121円台に突入した。円安も、ここまでくると弊害が目立ってくる。

 例えば、帝国データバンクの調査によると「円安倒産」が今年1月から11月までの累計で301件となり、前年の2.7倍に達した。円安は、輸出企業にとっては同じドル建て価格で売っても為替差益が生じるためにメリットがある。しかし、中小企業にとっては輸入の原材料価格が上昇する一方で、製品価格の引き上げが難しいから経営が厳しくなってしまうのだ。

 ただ、7年ぶりの円安ということは、7年前はいまと同じ為替だったということになる。いまから7年前、'07年の日本経済は絶好調だった。輸出が14.0%も伸び、実質GDPは2.4%という高成長になっている。

 私は、国際競争力の大部分は為替で決まると考えている。例えば、産業革命で大量生産システムを確立したイギリスは、その圧倒的な国際競争力で世界の工場として君臨した。ところが、イギリスポンドが基軸通貨としての地位を確立するにつれ、世界中がポンドを欲しがったためにポンド高になった。そのことで、イギリスの工業製品の国際競争力が落ちていき、経済の没落につながっていったのだ。

 2年前に日本を襲った1ドル=70円台の超円高は、日本をイギリスの二の舞にする非常に恐ろしい事態だったのだ。ところが、2年前の円高について、京都大学名誉教授の伊東光晴氏が今年出版した『アベノミクス批判 四本の矢を折る』(岩波書店)の中で、興味深い指摘をしている。安倍内閣で生じた円安は、為替介入の結果だというのだ。

 安倍政権は、為替市場への大規模介入をしていないのだが、伊東教授によると、民主党政権時代に調達した為替介入資金を先物取引で先送りして、安倍政権になってからドル買いに使ったことが円安をもたらしたと主張しているのだ。

 ほとんどの経済学者は、日銀の異次元金融緩和で資金供給を大幅に増やしたことが、円安の原因だとしている。私もそう思っている。しかし伊東教授は、紫綬褒章を受章した偉大な経済学者だ。この主張が妄想やウソであることは、ちょっと考えにくい。

 伊東教授の主張が真実だとするならば、恐ろしいシナリオが浮かび上がる。

 為替市場への介入は日銀介入と呼ばれるが、介入の指示を出しているのは、財務省国際金融局だ。民主党政権時代に、日本が沈没するような円高が襲ってきているのに介入したふりをして実際には介入せず、安倍政権になってからドル買い介入をしたのであれば、民主党政権を倒すために財務省が焦土作戦を採ったということになる。

 2年前の超円高で日本の製造業が廃業したり、海外に移転することで、日本の製造現場は焼け野原になってしまった。だから今回の円安局面でも、簡単に輸出は増えない。おそらく海外に展開した日本の製造業が国内に戻ってくるには10年程度の時間がかかるだろう。

 だから、私はこの為替介入の問題を国会で徹底的に追及すべきだと思う。そして、もう二度と円高に戻さないように金融緩和を続けていく。それが、焼け野原となった日本経済を復活させる最重要の条件なのだ。


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2014年12月23日 14:20:02 : nJF6kGWndY

>国際競争力の大部分は為替で決まる

それは、あくまでも短期的な話

為替水準が変化しても、賃金や物価が、それに応答して変化するから

輸出産業の競争力自体は、そう変わらないことを、過去のオイルショック時の日本経済は実証したと言える


つまり、より重要なのは、国内に高効率な産業集積があるかどうかだ

そして、それを可能にする要因として、税制や、人口構成・教育水準、競争国に対しての実質賃金の低さ、
そしてイノベーティブな企業家が多いかどうかも効いているが、それらは全て相互に関係し合っている


>伊東教授によると、民主党政権時代に調達した為替介入資金を先物取引で先送りして、安倍政権になってからドル買いに使ったことが円安をもたらした
>伊東教授は、紫綬褒章を受章した偉大な経済学者だ。この主張が妄想やウソであることは、ちょっと考えにくい

老人の妄想だな

現実の市場での売買主体を見れば明らかな話

https://globalethics.wordpress.com/tag/%E4%BC%8A%E6%9D%B1%E5%85%89%E6%99%B4%E6%B0%8F%E3%80%8C%E5%AE%89%E5%80%8D%E3%83%BB%E9%BB%92%E7%94%B0%E6%B0%8F%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%82%82%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%8D%EF%BC%88/
伊東光晴氏「安倍・黒田氏は何もしていない」(「世界」8月」)の概要

 伊東光晴氏(京都大学名誉教授)の論文の概要は、次の通りです。
 阿久津
<安倍・黒田氏は何もしていない>
       ーー第一の矢を折るーー
1. はじめに
 新聞、海外のメディアは、安倍内閣による「大幅な金融緩和や財政出動は株価上昇と円安につながった」
と述べている。批判者もこのことを前提にして論じている。
 しかし、私は株価の上昇も円安も別の要因に基つ”くものであると断言できる。
 アベノミクスの第一の矢という通貨供給量の大幅な増加とは、銀行が所有している国債等を日銀が買い取り、
その代金を各銀行が日銀に保有している当座預金勘定に払い込むことである。
 2013年4月末の貨幣供給量は155.3兆円で、1年前に比べ、26%、約32兆円増加している。
 他方、各銀行が銀行間の決済のために日銀に開設している当座預金勘定は、全銀行で66兆円と、
この1年間に82%、約30兆円増加している。
 つまり日銀の貨幣供給量の増加は、その大部分が日銀にある各銀行の当座預金の増加となっており、
設備投資に充てられるなど、実体経済の活況化をもたらすものにはほとんどなっていない。
 銀行は当座預金を引き出し、企業に融資し、利子を稼ぎたいが、現状では借り手企業が見つからない。
 1990年代末から2000年代にかけては、ゼロ金利の日本から高金利の海外へ円を移して利子が
稼げた(円キャリー)。今は海外の金利もゼロに近ずき、貨幣供給量の増加は海外に出ず、日銀にある
当座預金勘定に積み上がっている。
 これは白川日銀時代、あるいはそれ以前と同じである。違いは当座預金勘定の金額の量的増大のみで、
質的変化はない。

2.株価の上昇
 株価は2012年11月13日から上昇に転じ、2013年5月7日にはリーマンショック前の水準に達した。
金融の大幅緩和は2013年4月4日の日銀金融政策決定会合で決定した。従って、政策決定の数か月以前、
黒田総裁就任よりはるか以前から株価の上昇は起こっている。従ってその原因は別に存在する。
 日本の株価は、株式の約25%を保有する外国人筋の動きで決まる。その背後には投資ファンドがある。
投資ファンドは、分散投資の大枠として、米国株何%、ヨーロッパ何%、アジア何%と決めている。
世界の株価は、米国、ヨーロッパで2012年前半にはリーマンショック以前に戻していて、米、欧で買う
余地もなくなり出していた。2012年6月にはアジア株、その中心の日本株に向かわざるを得ないと
予想されていた。
 2012年10月から海外の投資家の行動が変わる。9月まで売り越しであったものが、一転、買い越しに
変わる。従って11月13日からの株価上昇は、政権交代と何の関係もない動きから始まっている。
外国人の買いが4月まで続き、その他の人は売り越していく。その動きは5月に株価15000円を
超えてから、乱高下へと変わっていく。ファンドが利益を得るためには株価が変動することが望ましい。
 このように安倍内閣の「大胆な金融緩和」と株式市場の活況とは何の因果関係もない。株価上昇への
力は、民主党が衆議院で多数を占め、解散の声が起こる以前に動き出したのである。

3.円安を解剖する
 円安の進行は為替介入に行きつく。
 為替への政府の介入はかっては公表されていなかった。しかし種々のことから推測できた。
 財務省財務総合政策研究所の「フィナンシャル・レビュー」はその一例である。
 最近の介入は円安のための円売りードル等の買い、そのほとんどが米国債である。
 アメリカは現在、バーナンキFRB総裁が退任前に、累積した国債を減少させたいので、
日本の円高是正のための円売りドル買いがアメリカ国債購入となるならば、日本の為替介入を
黙認している。この介入は、勿論現在の財務官が行うのであって、元財務官の黒田氏とは何の
関係もない。
 為替介入ーそのための短期国債の大量発行ーその回収ーセットオフのための金融大幅緩和。
こうした一連の政策の輪が安倍首相のあずかり知らないところで進行した。円高から円安への
急速な以降も安倍首相の政策とは無関係の動きなのである。

4.アベ・クロノミクスの評価
 安倍・黒田氏による「大幅な通貨供給」という政策は、彼らが自画自賛するのと異なり、
株価上昇や円安とは何の関係もない。既述のように、その変化はその政策以前から
起こっている。動かした力も、彼らのあずかり知らない株式市場での海外投資家たちの
プレーであり、複雑な為替介入であり、通貨政策とは直接関係ない。またそれは問題解決の
正攻法でもない。それゆえに、ゆがみを生む。
 株式市場は株高株安を繰り返している。外国人筋の投資家は、株価の変動によって利益を
得たいからである。1990年代の経験から、利益を得たのはプロ、損失は個人であったことに再度
注意しよう。金融市場の混乱。これがこの政策の帰結の第一である。
 黒田総裁も、通貨量の増加というこの政策を主張しているマネタリストも、このような政策が人々の
期待を動かして株価上昇や円安をもたらすという。
 しかし期待は一様ではない。現実を見れば人々の行動は一様でないことがわかる。期待が一様で現実を
動かす。この主張が誤りであることが第二である。
 第三の批判点は、不況対策としての経済政策についてである。マネタリストの経済学者も安倍首相も、
不況からの脱却のために思い切った金融緩和を主張する。だが、金融政策はインフレ対策には有効で
あるが不況対策には無効である(金融政策の非対称性)。紐を引っ張ると同様に中央銀行の緊縮政策
によって銀行貸し出し量を減らし、それにより貨幣供給量の増加を押しとどめ、貨幣供給量を減らすことはできる。
しかし、紐を押して効果がないのと同様に、銀行貸し出し及び貨幣供給量を増やすことはできない。
安倍・黒田氏は紐を押しているに過ぎない。

5.複合不況
 長い間日本経済を覆っている不況の原因は、国内市場の縮小と深く関係している。これに通貨政策は近付く
ことすらできない。
 トヨタ自動車の決算をみるとわかりやすい。営業利益、1兆3288億円のうち、円高の是正の影響は全利益の
11%に過ぎない。利益の大部分は自己努力で(販売増49%、コスト削減34%)、政策と何の関係もない。
販売増、それは海外市場である。豊田社長も「日本の国内市場は縮小している」と述べている。
 日本市場の縮小について切り込んでいるのは、私の知る限り藻谷浩介氏(日本総合研究所調査部)だけである。
(「金融緩和の罠」集英社新書)
 日本の生産年齢人口は1995年をピークに、2010年までに7%減っているという。その影響が不況
だという。劇的な人口減少が始まるのはむしろこれからだという。
現在の経済状態を「デフレ」と呼ぶのが正しいかどうか、同氏は訝っている。このような指摘に通貨供給量
の増加論者は答えることができない。
 民主党の政権の下でも株価上昇と円安への動きは同時進行した。政権が民主党であろうと自民党であろうと
生じた経済を、安倍政権の政策の帰結とする愚かさから、我々は解放されなければならない。
 「安倍政権の第二の矢」国土強靭化政策については、「都市問題」2013年6月号で批判を加えた。



02. 2014年12月23日 21:06:55 : 8EQpUQ1u3Y
為替がすべてだとか単純無比な認識。
そうだとすればアメリカの製造業は壊滅することになる。
今でもアメリカ経済に占める製造業の比率はかなり小さくなっている。
それでも人口3億人が、金融やパテント料で食っていけることはない。

販売や小売りは国内に残るがそこは貧困ビジネスの巣窟。


03. 2014年12月24日 11:38:35 : nJF6kGWndY

おまけ

>民主党政権時代に調達した為替介入資金を先物取引で先送りして、安倍政権になってからドル買いに使ったことが円安をもたらした
>安倍・黒田氏による「大幅な通貨供給」という政策は、彼らが自画自賛するのと異なり、株価上昇や円安とは何の関係もない

>もう二度と円高に戻さないように金融緩和を続けていく

いろいろ矛盾してる

森卓が紹介した伊藤による為替介入説が妄想でないなら、現状で金融緩和を続けても円安にはならないはずだ

まあ、森卓だから、仕方がないかw


04. 2014年12月24日 13:31:26 : Fg4tg1weJ2
民主党 安住財務大臣は、やはり操り人形。

安住のアホは、財務官僚に完全に、なめられていたようだ。
面従背反されていた、真相がわからん大臣だから騙しやすいのだな。
全くの素人を大臣に据える、こんな人事をやると、ろくなことがない。

”え!俺が財務大臣?”と任命時に言ったらしいわ。そうだよな、わかるわ。

それにしても、任命した野田ブタ野郎が一番のワルだ。
自民党協力者だ、と言われている民主党の売国奴政治家よ。


05. 2014年12月25日 23:45:53 : 5aI56T6iSI
円安デフレは国民財産を減らすことになる、だから金融緩和でやってはならないこと
最低時給を上げて円安に、最低時給を上げ内需増てインフレにすべきだ

最低時給をどんどん上げて、対外純資産を減らし、360円/ドルに戻そう

DGP/人は世界トップに、財政赤字も解消します、日本にはエコノミストがいないのですね


06. 2014年12月26日 08:22:01 : UxDZ3UX0ns
だいたい食料自給率が50%未満の国で、インフレが起こる理由がない。

つまり、食料需要があることが100%わかっているのに、工業生産する企業しか存在しない。

これが日本のデフレの最大要因だ。

すべての企業が、国民需要を無視し、設備投資および経営革新を拒否し、既得製品を製造し続けることしか頭にないことが問題で、それに投資する資本の役割を果たす銀行が、国債を抱いて資本の役目を放棄していること。

日本の問題はこれである。

全企業の役員・株主を入れ替え、経営と資本の分離を進め、オーナー経営者を排除して、国民に株主としてオーナー選別任命資格を開放していかねばならない。

それには、年金の確定拠出を株式に変換することの促進、ならびにTPP加盟しかない。

特定行政法人は、国際金融資本からコンサルティングの役割を評価されれば生き残れる。

評価されねば、すべての天下りの受け皿は消え去る。


07. 2014年12月26日 16:51:02 : Q52tdrhoKA
1000兆円円以上の国の借金を帳消しするために金融、財政当局のギャンブラーたちが一か八かの焦土作戦に出たと私は理解している。食品や生活必需品の値上がりは庶民の首を真綿でジワジワと絞め殺すようなもので許せない。金持ちや大企業など1%の人間のクズたちは熊本市には「年収2千万円以下の客はお断り」という「ローストビーフ店」があるそうだ」0兜町ヤウオール街の連中は0黒田―安倍路線で0喜んでいるようだが庶民の怒りは徐々に爆発臨界点へ近ずきつつある。

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。) ★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民92掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民92掲示板  
次へ