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銀行の稼ぐ力、消失の危機 異次元緩和で「逆ざや」11行に[日経新聞]
2014/12/22 2:00
銀行の稼ぐ力が落ちている。国内での収益力の目安である「総資金利ざや」は2014年9月中間期で全国112行のうち11行が逆ざやになった。資金需要が伸び悩むなか、日銀の異次元金融緩和で貸出金利や国債利回りが急低下し、住宅ローンなどの顧客獲得競争も薄利に拍車をかける。地域の人口減と並び、収益力の低下は地方銀行に再編を促している。(奥田宏二、小川和広)
総資金利ざやは、貸出金利と国債など有価証券の運用利回りから、預金金利や経費などの資金調達原価を差し引く。資金運用で得る収益は企業の売上高に相当する経常収益の約6割を占める。マイナスは銀行が本業で損をする「逆ざや」になっていることを示す。
東京商工リサーチの調べでは14年3月期時点で逆ざやだったのは8行。9月中間期に3行増えた。総資金利ざやが同年3月期から低下した銀行も約7割に達した。
利ざや悪化の最大の要因は、資金運用利回りの低下だ。全国銀行協会の調べでは、13年度の資金運用利回りは1.10%。5年前から0.55%低下した。金融緩和で預金金利がほぼゼロに張り付く一方、貸出金や国債など資金運用利回りの低下幅の方が大きいためだ。
もう1つの要因は「薄利多売」の競争にある。かつて高い利回りを期待できた住宅ローンも、主流の変動金利の相場は0.7%台後半。13年度の資金調達原価(0.96%)を大きく下回る。さらに高収入など条件の良い個人客の争奪戦では相場より金利が低くなる。首都圏の住宅メーカーによると「今年になって0.6%台前半を提示する銀行があった」という。
県境を越える地銀の競争も激しい。日銀によると地域外での貸出比率は過去10年で約5%上昇し、30%に迫る。域外の貸出金利は本拠地の貸出金利を下回っており、地銀が互いに越境して利ざやを削り合う構図だ。全国の銀行の貸し出しは11月末まで39カ月連続で増えているが、収益改善にはつながっていない。
逆ざや11行のうち、最もマイナス幅が大きいのはあおぞら銀行だ。資金運用利回りの低下に加え、事務部門の経費が重く収益の足を引っ張る。
一方、総資金利ざやが1.30%と最も高いスルガ銀行は、9月中間期の貸出金利回りが3.46%と平均の2倍以上だ。外国人や独身女性など、他行では借りにくい個人にも比較的高い金利で住宅ローンを提供し、厚い利ざやを確保している。
3メガ銀行では三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行は逆ざやで、「下期も金利低下を伴う利ざやの縮小を想定する必要がある」(三菱UFJフィナンシャル・グループの平野信行社長)。運用利回りに反映されない手数料ビジネスなどの経費が資金調達原価に含まれることも影響している。
一方、三井住友銀行は9月中間期で0.61%の総資金利ざやを確保した。同行は大企業よりも高めの貸出金利を確保できる中小企業融資の比率が他のメガより高い。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO81183680R21C14A2NN1000/?n_cid=TPRN0003
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