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欠陥エアバック タカタとの“心中”にホンダ トヨタ 国交省の焦燥
http://wjn.jp/article/detail/1764948/
週刊実話 2015年1月1日 特大号
タカタの欠陥エアバッグが自動車産業を揺るがしている。同社と資本関係が深く、その搭載率が50%と突出して高いホンダは、原因究明のための“調査リコール”を全米と国内に拡大した。2001年〜'11年にかけて製造した車両が対象で、これまでのリコール分と合わせると1200万台を超える。
トヨタ自動車、日産自動車、マツダ、三菱自動車などの各社も調査リコールにかじを切った。このままだと米国で「日本車叩き」に発展しかねないと危惧した国土交通省が「各社の背中を押した」(情報筋)ことが背景にある。というのも、日本のリコールは不具合の原因が判明したものを対象に無償で修理する。これに対して米国では、欠陥が不明な段階でもメーカーが自主的に車両を回収し、不具合の原因を突き止める。調査リコールと呼ばれる手法がこれだ。
太田昭弘・国土交通相は12月9日、閣議後の会見で「原因特定を待っていては時間がかかり過ぎる」と、各社を強力にプッシュした理由を釈明した。なぜ異例の措置に踏み切ったのか。前出の情報筋が続ける。
「2010年に全米が掻乱したトヨタの大規模リコール騒動では、豊田章男社長が米国の公聴会に呼び出された揚げ句、米国トヨタの社員の前で涙を流した。タカタの欠陥エアバッグが米国のナショナリズムを刺激すれば、今度は日本車が軒並みターゲットになる。だから国交省が率先して日本では制度として整備されていない“超法規的手段”に打って出た。トヨタ騒動の二の舞いは御免というわけです」
かのトヨタ・バッシングは、世界販売台数でGMを抜き去って世界一に躍り出たことが米国の反発を買った、と“怪説”する向きが多い。ところがタカタの場合は、トヨタとはいささか事情が違う。米上院の公聴会(12月3日)に呼ばれた清水博・品質保証本部シニアバイスプレジデントと議員の間で、概要こんなやり取りがあったことが好例だ。
「(ここまで来る前に)全米規模でのリコールを実施する考えはなかったのか。イエスかノーかで答えよ」
「必要があれば対応する」
「質問に答えていない。それはノーという意味か。誠心誠意リコールをしないタカタは大きな間違いを犯している」
実際には「もっと激しい応酬があった。これを聞いた米国民の目にはタカタの堂々たる開き直りに映ったようだ」と、複数の関係者は口をそろえる。
まして同社のエアバッグをめぐっては、破裂した衝撃で内部から金属片が飛び出し運転手など5人が死亡しており、うち4件が自動車社会の米国で起きている(いずれもホンダ車)。これでは米国メディアが「タカタは議会による全米でのリコール要請を無視した」「リコール要請を拒否」などとセンセーショナルに報じたのも無理はない。
繰り返せば日本とは対照的に、米国では調査リコール制度が定着しているのだからなおさらのことだ。
悩ましいのはエアバッグの世界シェアで2割を占め、業界で2位にランクされるタカタの命運である。同社は既に特別損失450億円を計上したことから来年3月期に250億円の最終赤字に陥る、と発表している。しかし、リコール問題の広がりや米国で相次ぐ損害賠償請求の影響については、11月6日の中間決算発表の時点で「見積もりは困難」としており、最終的には膨大な金額に達する可能性がある。
実際、ホンダはリコール費用を200〜300億円と想定、正式リコールに発展すればタカタに請求すると表明している。これに各社が追随すればリコール台数はトータル2000万台の大台を超えるのは確実とあって、タカタの屋台骨は大揺れする。それゆえ株価は急落し、市場では早くも同社の倒産確率を論じる軽口が騒々しい。
「問題はタカタ1社だけではありません。日本の自動車産業が米国から狙い撃ちされた側面も無視できないのです」と大手証券マンは指摘する。
「12月1日、米国の格付け会社ムーディーズが日本国債を格下げしました。消費増税を先送りしたことで財政再建に消極的との理由ですが、真意をいぶかる向きも少なくないのです。国債を格下げすれば、どんな優良企業でも国債以上の格付けは許されません。トヨタといえども例外ではなく、今後はトヨタを含め日本の自動車メーカーの資金調達コストが嫌でも膨らむ。これで誰が喜ぶかは、おのずと明らかです」
そのトヨタにせよホンダにせよ、たとえタカタが延命にこぎ着いたところで、同社との“心中”回避の道を探るのは確実。となれば米国の自動車部品メーカー、TRWの出番が到来する。
真相はどうであれ、米国を騒然とさせるリコール騒動には秘めた裏事情がありそうだ。
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