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金融フレンドリーな相場が継続
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52669689.html
2014年12月20日 在野のアナリスト
経団連が冬のボーナスの平均妥結額が前年比5.26%増、と発表しました。しかし従業員500人以上、157社の集計ですから、全体像でないことは云うまでもありません。しかも伸びているのは公共事業で潤う鉄鋼、セメント。円安で潤う自動車産業などですから、安倍ノミクスの恩恵をもっともうける業種です。逆に、公的年金の支給総額は前年度比0.2%減。人数は増加しているので、この減少はもらいすぎの削減分、つまり1人1人に換算すると受給額は大きく下がった、となります。中小企業の従業員や年金受給者の生活はインフレで苦しくなる、これが安倍ノミクスです。
日銀が政策決定会合を行い、現状維持を決めました。下がる消費者物価に対して、追加緩和なりの示唆がある、と見こんでいた層もいましたが、会見でも言及はなく、拍子抜けといったところ。しかしサプライズ好きの黒田総裁だけに、あえて示唆するようなことをするはずがありません。問題は「日本でインフレは2%でアンカーされていない」と述べますが、本当にアンカーされる日が来るのか? それこそインフレ期待が漂流する懸念すら最近では漂います。
18日の米株市場は2日続けての大幅上昇でしたが、露国ルーブルの落ち着き、とも語られますが、その原因はボルカールールの適用除外の拡大、が米金融市場を刺激した面が否めません。ローン担保証券以外にも猶予期間を設け、来年以降も取引ができる、とFRBが発表しました。ヘッジファンドやプライベートエクイティなど、これで来年も安心して相場を転がすことができます。来年にはボルカールールにより、銀行部門の自己勘定取引は停止されますので、激変緩和措置にはなりますが、2017年までは米国の金融は猶予を得た形になる、それが相場を押し上げたのです。
日本でも同様ですが、経済が本当に堅調なら、これほど金融フレンドリーな政策を並べる必要はありません。今の経済が如何に金融で支えられた歪な構図か、ということに政策担当者は気づいています。来年の景気について、強気な見方をする向きもありますが、個人的には来年は、かなり厳しい状況が待っている、そう感じています。来年の予想はいずれ出したいと思いますが、予言者ではないので、限定するのもおこがましいですが、9月頃に異変が訪れる気がします。
仮に、FRBが6月に利上げすればそこから3ヶ月、ボルカールールの適用で7月に自己勘定が禁止されてから2ヶ月、米予算の年度切替え時期、日本では自民党総裁選が予定されるなど、イベント盛り沢山。しかもそれまでに、米国では自動車サブプライムローンなど、懸念される資産担保証券も増えることになります。まさに弾ける直前まで、歪が溜まるタイミングが9月、とみられます。それまでに露国、中国の経済の動向も気になりますし、欧州、日本の景気も気がかりです。
金融フレンドリーを続けるのも、もう限界に近づいています。日銀とて、黒田バズーカ第二弾の効果はほぼ株式市場に限定され、原油安がインフレに影響する、と認めています。これで追加緩和などを打ち出せば、恐らく日本の資産の多くを日銀が買い占める、という形になり、それを市場が好感するかは分かりません。現状からみると、追加緩和するかどうかは夏までに何らかのアクションもでてきそうです。金融フレンドリーなこの時期、一生懸命稼ごうとして、株式は年末のドレッシングの思惑も絡めて加速しています。昨年は「今でしょ!」が持て囃されましたが、今年は「今のうち…」が市場のコンセンサスになっており、来年は「今はもう…」にならないことを祈るばかりなのでしょうね。
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