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70年代の銀座の歩行者天国/(C)日刊ゲンダイ
実質1ドル300円 40年ぶり円安水準で日本の富が搾取される
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/155910
2014年12月20日 日刊ゲンダイ
1973年――。41年前の年末には、ぴんからトリオの「女のみち」が街中で流れていた。沢田研二「危険なふたり」、かぐや姫「神田川」もこの年のヒット曲。山口百恵のデビューも73年だ。
こんな古い話を持ち出したのは、日本の生活実感が、当時に逆戻りしている可能性があるからだ。安倍政権と黒田日銀はデフレ脱却を掲げ、円安を加速させた。株価こそ上昇したものの、庶民は輸入インフレで苦しみ続けている。
10月末の追加金融緩和“黒田バズーカ2”で円安は一段と加速し、12月半ばに1ドル=121円台まで下落。市場関係者は「7年4カ月ぶりの円安水準」と指摘したが、“真の円安水準”は、そんなレベルではなかった。
「通貨の実力を測る指標に実質実効為替レートがあります。米ドルだけでなく、複数の通貨を対象とし、各国の物価上昇率などを調整したうえで算出する数値です。この指数を見る限り、現在の円の実力は約40年前と同じなのです」(第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏)
■オイルショックで物価上昇
日銀の統計によると、14年11月の実質実効為替レートは「70.25」(2010年の平均を「100」とした数値)。安倍政権発足時の12年12月は「93.11」だった。
驚いたことに00年代、90年代、80年代と統計表をさかのぼっても「70.25」を下回る数値はなく、73年1月にようやく「68.88」とあった。ドル円相場が変動制に移行したばかりで、1ドル=300円前後だったが、世相は今と似ている。
オイルショックで庶民は物価上昇に苦しめられ、店頭からトイレットペーパーや洗剤が消えた。小松左京氏の「日本沈没」が大ベストセラーとなり、「ノストラダムスの大予言」も出版された。巨人軍「V9」もあったが、翌年にはミスターこと長嶋茂雄氏が引退し、一時代が終わった。
「当時と違うのは訪日客の増加でしょう。1200万人を超す外国人が来日し、観光や買い物を楽しんでいます。日本の消費を刺激するものの、見方を変えると、日本の富が訪日客に搾取されていることになります」(市場関係者)
富の搾取とは聞き捨てならないが、通貨の実力が下がる(円安)とは、そういうことなのだ。
「日本がバブル経済を謳歌していたころ、海外旅行でアジア諸国に行くと、現地の物価がものすごく安くて、日本人は得した気分になった。海外から見ると、今の日本は当時のアジア諸国と同じです」(金融関係者)
世界が感じている円の価値は40年前の「1ドル=300円」なのかもしれない。
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