04. 2014年12月19日 16:55:04
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コラム:中国の超高度成長は終わったか 2014年 12月 18日 15:11 JST Peter Thal Larsen and Robyn Mak[香港 18日 ロイターBREAKINGVIEWS] - 中国経済は、向こう20年の間にどのくらい成長するのだろうか。大半のエコノミストは、過去の国内総生産(GDP)伸び率をそれほど下回らない程度だと予想している。だが、世界的な観点から見れば、それは拡大解釈のように見える。 Breakingviewsの分析ツール(bit.ly/1wH1wbJ)はその理由を示している。 中国は、2000─2010年の1人当たりのGDPが年率9.85%という驚異的な成長を遂げた。同じ成長率で経済が拡大し続けるなら、中国のGDPは2033年までに65兆ドルに達する。これは2013年のGDP全体のほぼ7倍に当たる。 では、残る世界全体の1人当たりGDP伸び率が2%だとしよう。その場合、向こう20年間で、世界のGDPに占める中国の割合は35%以上となる。 大半のエコノミストが、中国の2ケタ成長は過去の話だと認めるものの、中国が2014年に目標としていた7.5%を少し下回る程度の成長率で同国経済は拡大可能だと考える人も多い。だが、これは長期的に見るとかなり野心的な数字だ。 1人当たりの中国GDP伸び率が向こう20年間で年率6.45%でも(この数字は1963─83年の日本の成長率と類似)、世界のGDPに占める中国の割合は、2013年のほぼ倍となる22%超になる見通しだ。 過去の経済成長の主な要因は、農村地帯から都市部の工場に出稼ぎに出ていた比較的若い年齢層にある。今後、中国の人口は高齢化し、労働人口が拡大することはほとんどないだろう。 世界のGDPの3分の1以上を占めるには、中国の労働者が生産性を飛躍的に向上させる必要がある。技術的な進歩がこれに寄与するかもしれない。だが、そうした技術的進歩を中国が独占することは難しいだろう。 また、中国の成長率が年率2%程度に減速するという別の可能性も考えられる。これは、ハーバード大学の経済学者、ローレンス・サマーズ氏やラント・プリチェット氏らが主張する、急成長を遂げた国の傾向と合致する。 現代史において、中国は前代未聞の40年の長きにわたる成長を遂げた。しかし現在の経済規模を考えると、持続的な超高度成長はいっそう不可能に思える。 http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0JW0CN20141218 中国が13年GDPを3.4%上方修正、14年の成長率に影響なし 2014年 12月 19日 16:41 JST [北京 19日 ロイター] - 中国国家統計局は19日、2013年の国内総生産(GDP)を3.4%上方修正し、58兆8000億元(9兆5000億ドル)としたことを明らかにした。2014年の経済成長率への影響は基本的にないとしている。 マレーシアのGDPにほぼ匹敵する1兆9000億元(3050億ドル)の上方修正となった。 サービス部門の上方修正などが背景。サービス産業がGDP全体に占める割合は46.1%から46.9%に上方修正された。製造業・建設業など第2次産業の比率は43.9%から43.7%に下方修正した。 統計局は過去のGDPの改定作業を進めており、2013年以前の経済成長率が修正される可能性もあるとしている。 GDPの改定は、全国経済調査の手法改定を受けて行われた。過去には、2004年のGDPが16.8%、2008年が4.4%上方修正されたこともある。 統計局は声明で、「2013年のGDP改定は2014年のGDPの規模に影響する可能性はあるが、2014年のGDP伸び率には基本的に影響しない」とした。 一部のアナリストからは、約7.5%という成長率目標を達成しやすいようにGDPを改定するとの指摘も出ていた。 統計局は、GDPに研究開発費が加算されたのか、「住宅サービス」の換算方法を変更したのかは明らかにしなかった。中国では、GDPの約2%に相当する研究開発費が、投資ではなくビジネス関連の費用として分類されている。 中国の統計をめぐっては、信頼性が低いとの声が出ており、政府は統計制度の改善を目指している。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0JX0KM20141219 日本復活の処方箋 競争激化も人口減も無関係 2014/12/18 7:00日本経済新聞 電子版 forbes すでに知られている通り、日本は最近、国内総生産(GDP)という見かけの統計に基づくと「景気後退」に突入した。重要なのは、困惑するケインズ信奉者のマスコミと歩調を合わせて、占星術師のように経済状況を語る専門家が主張する景気の下降は、本当は景気後退ではないということだ。
足元の円安や原油安により、景況感に開きがでてきた。物価上昇に賃金が追いつかないと感じる日本の消費者は増えている=ロイター 足元の円安や原油安により、景況感に開きがでてきた。物価上昇に賃金が追いつかないと感じる日本の消費者は増えている=ロイター インターマーケット・フォーキャスティングのリチャード・サルスマン氏が指摘した通り、日本の「景気後退」は直感的に、よく知られている景気後退であることがめったにない。政府は経済成長をつくることはできない。成長のスケジュールを変更できないのと同じだ。GDPはそもそもケインズ信奉者たちの創造物。消費に焦点を合わせているのだから、テクニカルな意味で景気後退が形作られるのは驚くに値しない。 日本政府が消費税率を3%引き上げると通知したとき、日本の消費者は増税前に消費を増やした。このタイミング調整は、増税前に「成長」を増大させ、その後消費を縮小させた。ケインズ信奉者は消費税率が引き上げられると、成長と思っていたものはどうなったのかと混乱に陥った。日本経済のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)はほんの少ししか変わっておらず、GDPは日本の消費者が消費時期をずらしたという分かりやすい事態を見逃している。 ■「政策では日本を救えない」の見方に反論 にもかかわらず、日本は景気が下降しているという説に経済評論家は予想通りとびつき、毎日毎分毎秒、消費の意思決定をしている何百万人もの日本人の行動に、自分の占星術のような理論をあてはめようとする。評論家たちはGDPという作られた数字上で見える変化をもとに、世界有数の経済大国が何に苦しんでいるのかを理解しようとしている。 ここで注目したいのは、ブルームバーグ・ビューのコラムニスト、ミーガン・マッカードル氏が登場し「政策では日本を救えない」と題して解説した内容だ※。マッカードル氏は、他の輸出国との競争激化に(少子高齢化という)人口動態の要素が加わった、まるで「介護付き住宅」のような状況のため、政策は骨抜きになると主張する。そんなでっちあげは無謀だ。 マッカードル氏の反論では、世界的な生産(つまり輸出)が成長を減退させる事態が、記事を書くずっと以前から評論家を混乱させているという。彼女や彼女の見解のベースになっている他の評論家たちの考えは、検討に値しない。それどころか、世界経済という「閉じた」世界のなかで、日本に関していえば世界的な生産(繰り返すが、要するに輸出)は良い意味しかもたない。 ※アベノミクスの3本の矢により、景況は好転するはずだった。ところが7〜9月期に2四半期連続のマイナス成長となったことを受け、マッカードル氏は、日本は競争激化と少子高齢化に直面し、金融政策や構造改革をもってしても「限界がある」と論じた(ブルームバーグ・ビュー掲載「Better Policy Can’t Save Japan」) マッカードル氏は、人は消費するために生産するという経済の単純な事実を見落としているようだ。もっというと、「輸出主導の成長」という経済学的には破綻した考え方に夢中な人たちに言いたいが、輸出と輸入は表裏一体である。当たり前だ。マッカードル氏のような考え方では、中国のようなまだ貧しい国々には、輸出のためにあくせく働くだけで、反対に自分の生活を充実させるために物資を買ったりしない人が住んでいるということになる。 このような考え方の問題は、客観的に現実をみれば信用できない点だ。状況を理解するために、わざわざ中国へ行って、中国の町中に米国や日本など世界中で生産されたモノを売るきらびやかな店がどんどん増えていることを確認する必要もない。確かにかつて中国人は、貧しい米国人でもぞっとするような最貧国の生活水準に甘んじていたが、今ではアパートや一軒家が国中にどんどん建設されている。輸出した分、そのご褒美のように、より良い生活水準を「輸入」しようとする需要にこたえているのだ。 ■競争は日本にとって販路拡大の機会 横浜港で。国内乗用車8社によると、10月の生産・輸出・販売実績は、4カ月連続でマイナスになった。消費増税による買い控えがある。また、海外への生産移管で、国内生産が減っていることも原因にある=ロイター 横浜港で。国内乗用車8社によると、10月の生産・輸出・販売実績は、4カ月連続でマイナスになった。消費増税による買い控えがある。また、海外への生産移管で、国内生産が減っていることも原因にある=ロイター 自由度の高まっている世界経済で、競争が必然的に激しくなる一方、これは日本にとっては製造業の販路となる市場が拡大していることを示している。繰り返しになるが、これを信じないというのは、かつては貧しかった国々の国民は自分が働いて得た稼ぎを他の国で製造されたモノと交換する発想もなく、世界のためにモノ作りに励んでいると信じることに等しい。 でもちょっと試しに、マッカードル氏が描いているようにモノを作り輸出する側は反対に何も買う気がないと仮定してみよう。中国やポーランド、ブラジル(ここでは3カ国だけ挙げよう)のような以前は貧しかった国の国民が稼いだ賃金をきっちり銀行に預金しているとしても、このような行動で需要が縮小することはない。銀行は預金をそのまま抱えた状態で利子を払うわけではない。銀行が預金に利子を払うのは、預かったお金を、近い将来に消費の予定がありそのために金利を支払ってもいいと考える人に貸せるからだ。つまり、中国の輸出産業のお金が預金に回っても、国内外の需要が減衰することはない。預金は、あちらからこちらへ消費や投資をする人の手を変えていくだけのことだ。 もう一度、日本と世界の位置関係を考えてみよう。マッカードル氏は、アジアや世界の他の国々が怠惰で、何もせずぶらぶらする人が住んでいるほうが、日本の国民が経済的にみてより豊かに暮らせると本当に思っているのか。競争は和らぐだろうが、日本の輸出業の需要も減退する。マッカードル氏がこれまでに聞いたこともないような経済学の新理論でも創りださない限り、経済にかかわる人は誰でも、まずモノを作らなければ消費できない。世界的な生産の拡大は明らかに、日本の製造業が作った分も含むモノへの需要の拡大を示している。 日本と米国の関係を考えてみよう。第2次世界大戦後、日本が復活し自動車やテレビを製造し、米国人が米国製ではなく日本製を選んだからといって米国の経済見通しが弱含みになったか。それは絶対にない。日本が自動車製造に入り込んだことで、米国人はより利ざやの大きい産業に移行できた。経済学者のリカードはこれを「比較優位」と呼んだ。テレビ産業でも、日本のメーカーの台頭で多くの米国メーカーは間違いなく淘汰された。しかし、日本が作ったテレビのおかげで、米国のエンターテインメント分野の複合企業は製作したソフトを世界中に供給する能力を大いに伸ばした。 世界貿易やそこで発生する競合関係は、マッカードル氏の論評が指摘するような経済を弱体化させる戦いではない。それは参加する人が鍛えながら、それぞれが自分のスキルに最適な産業へ移行していくという満ち足りた過程で、この結果、利幅も拡大するのだ。こうした状況が米国でも見事におきたし、日本も同じだ。貿易はいつも価値がある。 戦争についていえば、第2次世界大戦は日本にとって人口動態上の災難だとするのは多数派の見解ではない。2つの都市が原爆で破壊され、他にもたくさんの町ががれきと化した。最も大きな悲劇は、日本が、輝く才能を持った人々を10年分か20年分、殺し合いという意味のない「競争」で失ったことだ。 ■保守派がこだわる「低出生率」に問題なし 経済コメンテーターが「出生率」について深刻そうに考えるのがささいなことにみえるほどの人口動態上の悲劇にもかかわらず、日本経済は戦後、急成長した。米ドルとの固定相場制で円相場が安定していたことと、日本政府が戦後、毎年の減税をノルマにしていたおかげで、日本経済は立ち上がり、数十年後には世界で最も豊かな国の一つになった。 もし日本が戦後のように実際に人口バランスが崩れてもしっかりと立ち直れるのなら、マッカードル氏や他の保守派がとらわれているように、低い出生率のせいで経済成長が難しいという考え方を、読者は真剣に受け止めるべきでない。「低出生率」に保守派が奇妙にもこだわるが、実は問題ではない。ちょうど、「地球温暖化」の脅威に左派がこだわったのと同じだ。 経済の自由度と充実した政策は出生率対策に勝るのだが、これらが適切でないとするマッカードル氏は、より大きな理由――自身の解説記事をせっせと書くために自分のコンピューターの電源を入れるということに気づいていない。同氏が米国だけでなく世界中の読者に自分の主張を疑うこともなく広めているのは、インターネットのおかげだ。自分の考えを世界に届けられるということは、物書きを生業にしない人々にとっても経済的にプラスの意味をもたらす。 実際、アマゾン・ドット・コムや中国のアリババ集団、ハイヤーやタクシーの配車サービス、ウーバーなどインターネット企業の躍進が示すように、技術の進歩により起業家は世界市場向けへの販売を拡大できる。ウーバーはグローバルな商品を武器にグローバル企業になり、モノとサービスの世界的な需要を広げた。 未来の日本のジェフ・ベゾス氏(アマゾン最高経営責任者)が、日本に子どもが十分に生まれず起業家的アイデアを実現するためのコンピュータープログラマー不足に陥ったらどうするか。これも問題にはならない。アマゾンを世界ブランドに押し上げたのと同じテクノロジーのおかげで、起業家は、米ワシントン州スポケーンから中国の上海まであらゆる町からコンピューターの技術に秀でた人材を見つけ出すビジネスを手がけるイーランス・オーデスクのような会社を通じて、仮想的にプログラマーを採用し働くことができる。 つまり、現在ならベゾス氏は「介護付き住宅」にいてもアマゾンを始められた。マウスを1クリックするだけで世界中の才能ある人材にアクセスできるのだから。 ■かつて人口流出に苦しんだシアトル 注目に値するのは、ベゾス氏はアマゾンをワシントン州シアトルで始めたこと。シアトルは1970年代に人口流出に直面したことで知られる。人口流出はあまりに深刻で、シアトル・タコマ国際空港のそばには「最後にシアトルを後にする人、どうか電気を消していただけますか?」と書かれた看板が立てられたほどだ。 シアトルは出生率を上昇させて生き返ったわけではない。シアトルが生まれ変わったのは、2人のシアトル出身者、ビル・ゲイツ氏とポール・アレン氏がマイクロソフトの本社をつくったためだ。マッカードル氏がみなすように出生率が成長を促すのではない。大切なのは有能な人材と経済の自由だ。 もしそうなら、マッカードル氏の説とは真逆だが、より優れた政策こそ日本を救う。現在の日本の相対的な弱体化は競争のせいではない。常にどこでも、競争があれば生産性の高い企業はより高い利益率を求めるようになる。日本の弱さは出生率とも無関係だ。日本を苦しめるものは、世界中が苦しむものでもある。多くの政治家が国の経済を構成する企業などに、中央銀行のばらまき(量的緩和)のようなあまりにもひどい処方箋を出しすぎる。 日本の課題への答えは非常に単純。すべては政策にかかっている。政府支出の削減、減税、円相場の安定、静かな日銀――これで経済を前進させる力となる生産性のある企業を自由にできる。第2次大戦後にうまくいったことが、今回も機能するはずだ。経済を成長させるのは単純で、政府がつくった障壁を削減すれば実現する。残念なことに、政治家や経済評論家たちはこんな基本的なことを理解していない。日本の有権者が早く政治家や評論家の言うことに耳を貸さなくなりますように。そうすれば、日本の復活は近い。 By John Tamny, Forbes Staff (2014年12月10日 Forbes.com) http://www.nikkei.com/article/DGXMZO81016450X11C14A2000000/ 11月の全国百貨店売上高、前年比1.0%減 8カ月連続で前年実績下回る 日本百貨店協会が19日発表した11月の全国百貨店売上高は5581億円(全店ベース)だった。既存店ベースでは前年同月比1.0%減と、8カ月連続で前年実績を下回った。ただ減少率は10月(2.2%減)に比べ縮小した。商品別では衣料品が3.2%減となったほか、家庭用品も振るわなかった。一方、訪日外国人の購入などで化粧品が伸びた。 同時に発表した11月の東京地区百貨店売上高は1459億円。既存店ベースでは0.3%増。2カ月ぶりに前年実績を上回った。〔日経QUICKニュース(NQN)〕 http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL15HCL_V11C14A2000000/
粗鋼生産量、11月は1.1%減 3カ月連続減 自動車向けなど低迷 2014/12/19 14:40 日本鉄鋼連盟(鉄連)が19日発表した11月の粗鋼生産量は、前年同月比1.1%減の917万5000トンだった。マイナスは3カ月連続。生産・販売が低調な自動車向けや、消費増税の影響で落ち込みが続く住宅向けの鋼材が振るわなかった。
鋼材別では自動車や家電などに幅広く使う主力の広幅帯鋼が1.6%減の約366万トンで、2カ月ぶりのマイナス。自動車車体向けなどが用途の亜鉛めっき鋼板は7.4%減の約95万トンと4カ月連続で減少した。自動車の足回りや産業機械の部品に使う特殊鋼熱間圧延鋼材も0.9%減り、微減だが15カ月ぶりのマイナスになった。 粗鋼生産が3カ月連続でマイナスになったことについて、鉄連は「経産省の10〜12月見通しに近い水準で推移しており、状況は悪くない」との見方を示した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕 http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL19HGY_Z11C14A2000000/ 原油安続けば、円ショートが溶け出すリスクも=来週の外為市場 2014年 12月 19日 16:12 JST [東京 19日 ロイター] - 原油安に端を発する金融・商品市場の不安定に配慮して、今年最後の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場の不安を煽らない工夫がなされた。 しかし、年末・年始で流動性が細る中、原油安が一段と進行したり、新興国市場が何らかのショックに見舞われれば、ドル高トレンドが顕著になる公算が大きい。 ただし、「根雪」のように円売りポジションが堆積しているドル/円では、ショックで根雪の一部が溶解し、円高が進むリスクも潜んでいる。 <ドル/円はドル高トレンドの蚊帳の外にも> 過去の歴史を振り返れば、市場の不安が増幅すると、過剰に膨らんだポジションが巻き戻されている。外為市場で目下その蓋然性が最も高いのは円のショート・ポジションだ。 米商品先物取引委員会(CFTC)が発表した国際通貨市場(IMM)の非商業(投機)部門の取組(12月9日時点)によると、主要6通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル)に対する投機筋のドル買い越し額は10週連続で400億ドルを上回った。中でも、円ショートとユーロショートの存在感が顕著だ。 円ショートは10万4136枚と、ユーロショートの13万6912枚の次に規模が膨らんでいる。 IMMで把握しうるものは、投機的なポジションのごく一部とされるが、ユーロについては、「見かけほどショートは溜まっていない」と複数の市場関係者は指摘する。 なぜなら、今年半ばから始まったユーロ安は、下落と反発を繰り返しながら進行してきており、このようなプロセスを経ていれば、一方的なポジションの偏りはできにくいからだ。 他方、アベノミクス下の奇襲金融緩和が推進力となった円売りは一方的で、ポジションが解消される前に新たなポジションが積み増されるという、雪だるま式の膨張を遂げてきた。 「根雪のように積み重なった円売りポジションが一度も解消されずに、(ドルが)130円、140円を目指すとは考えにくい」(国内ファンドマネージャー)という。 今後、ロシア、中国、他の新興国などで何らかのショックが起きれば、ドルが全般に買われる余地が大きいが、根雪が積もったドル/円では、方向感が出ずボラティリティのみ大きい展開や、根雪が一部溶解して円高が進む展開も予想される。 <ロシア、新興国> 今回の市場の不安定の元となっている原油相場の軟調地合いは継続しそうだ。 原油の下落は、「過去数年の金融・商品バブルのツケだけではなく、世界的な需要減退の現れであって、一時的なものとは到底思えない」(前出のファンド・マネージャー)という。 市場が不安視するロシアでは複合的要因が経済のかじ取りを困難にしている。 「経済制裁で外貨繰りが苦しくなっているところへ、原油安と輸出先の縮小で外貨収入が減り、マイナス成長予想のもとでルーブルの信任が低下し、さらに米国のドル高容認策で新興市場のマネーが米国に逆流している」とグローバル・エコノミストの斎藤満氏は分析する。 そのなかで来年末までに償還すべき外貨建て債務が1300億ドル以上あるので、当該企業は必死にドルを手当てしている。 「ロシアだけでなく、ベネズエラ、メキシコ、そして中国になんらかのショックが発生すれば、米国も利上げにそう簡単にはたどり着けない可能性がある」と斎藤氏は予測する。 <市場の不安を煽らない配慮をみせたFOMC> 17日のFOMC声明文では、ロシア経済や原油安、ドル高についてはあえて触れなかった。イエレン議長は、利上げの決定には「忍耐強い」アプローチをとるが、経済状況を踏まえて対応すると表明した。結果的に、来年6―9月の米利上げ開始を織り込んでいた市場の予想に影響はなかった。 ただ、9月段階での2015年末のFF金利見通しは1.375%だったが、今回はそれを1.125%へと下方修正し、「利上げの継続性に対して、弱気になっていることがみてとれる」(三井住友銀行チーフストラテジスト、宇野大介氏)。 22日から始まる週において、ドル/円の予想レンジは、115.50―120.25円。ユーロ/ドルの予想レンジは、1.2100―1.2350ドル。 22日から始まる週に市場が注目する経済指標は、国内では26日の消費者物価指数、鉱工業生産。海外では22日のシカゴ地区連銀全米活動指数、23日の米第3四半期GDP確報値、米コアPCE価格指数確報値、ミシガン大消費者信頼感指数(12月分)など。 (森佳子) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0JX0HK20141219 日銀総裁、景気先行き「緩やかに回復」継続 2014/12/19 15:45 関連速報 ◆日銀総裁「中長期的な予想物価上昇率は維持され、目立った低下していない」16:20 ◆日銀総裁、ロシア「石油ガス関係企業で破綻の懸念はあまり出ていない」16:14 ◆日銀総裁、原油安「少し時間がかかって物価上昇率を引き上げていく」16:09 ◆日銀総裁、原油安の景気プラス効果「早く出てくる」16:09 ◆日銀総裁「日本の潜在成長率引き上げる必要性は一層増している」16:04 ◆日銀総裁「需給ギャップは基本的に縮んでおり、いずれプラスになる」16:03 ◆日銀総裁、政府の第3の矢「構造改革を着実に進めること期待」16:03 ◆日銀総裁、ルーブル安「日本経済への直接的な影響はあまりない」15:52 ◆日銀総裁「原油安は経済活動に好影響で、基調的に物価押し上げ要因」15:50 ◆日銀総裁、原油安「来年前半に物価上昇率が加速していくこと考えにくい」15:49 ◆日銀総裁、原油安「前年比で見た物価影響はいずれ剥落」15:48 ◆日銀総裁「原油の下落は足もと短期的に物価押し下げ要因」15:48 ◆日銀総裁、予想物価上昇「企業・家計の物価観や行動変化捉えることが重要」15:46 ◆日銀総裁、追加緩和「日銀の決意はしっかりと伝わったように思う」15:43 ◆日銀総裁、円安「輸入コスト上昇で非製造業、中小企業、家計を押し下げ」15:42 ◆日銀総裁、円安「輸出増や国際企業の収益改善、株高のプラス効果」15:41 ◆日銀総裁「デフレマインドの転換は着実に進んでいる」15:38 ◆日銀総裁「上下双方向のリスク点検し必要な調整を行う」15:37 ◆日銀総裁「2%の物価実現を目指し、必要な時点まで緩和継続」15:37 ◆日銀総裁「量的・質的金融緩和は所期の効果を発揮している」15:36 ◆日銀総裁「15年度を中心に物価2%に達する可能性が高い」15:36 ◆日銀総裁「鉱工業生産は先行き緩やかな増加に服していく」15:35 ◆日銀総裁、生産「下げ止まりつつある」15:34 ◆日銀総裁「所得から支出への前向きな循環はしっかりと作用」15:33 ◆日銀総裁、輸出「持ち直しの動きがみられている」15:32 ◆日銀総裁、景気「駆け込み需要の反動の影響、全体に和らいでいる」15:32 ◆黒田日銀総裁の記者会見が始まる15:30 日銀の黒田東彦総裁は19日の金融政策決定会合後の記者会見で、国内景気の先行きについて「緩やかな回復基調を続ける」との従来見通しを改めて強調した。鉱工業生産について「在庫調整が進み、下げ止まりつつある」と、これまでの「在庫調整が続くもとで弱めの動きが残っている」との見方から上方修正。輸出についても「横ばい圏内の動き」から「持ち直しの動き」に判断を引き上げた。10月末の会合時に決定した「マネタリーベース(資金供給量)の年間約80兆円相当ペースでの増加」などの金融緩和策を、2%の物価安定目標の実現を目指し安定的に持続できるまで継続するという前回までの姿勢を維持した。 足元の国内景気は「基調的に緩やかな回復を続けている」との判断を継続。前回の会合で言及した「生産面を中心に弱めの動きが残っている」との見方をやめ、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の判断などの影響も「全体として和らいでいる」とした。個人消費は「雇用や所得環境が着実に改善し、基調として底堅く推移している」との見方を維持。設備投資の判断も「緩やかな増加基調にある」と変えなかった。この結果、家計や企業とも「所得から支出への前向きな循環メカニズムが機能している」と強調した。 これまで駆け込み需要の反動減が続いてきた住宅投資は「足元では下げ止まりつつある」と、「下げ止まりに向けた動きも見られている」としていた前回の見方よりもやや上向きに変えた。物価面では生鮮食品を除く消費者物価が、前年比で消費税率引き上げの直接的な影響を除くベースで1%程度と、従来の見方を継続。「15年度を中心に、物価は2%に達する可能性が高い」とした。 衆院選について直接のコメントは控えたが、「質的・量的緩和は所期の効果を発揮している」と述べた。 日銀は今回の金融政策決定会合で、長期国債の保有残高が年間約80兆円に相当するペースで増加するよう買い入れることなどの金融緩和方針の継続を賛成8・反対1(反対は木内登英委員)で決めた。会合では木内委員が、10月末の追加緩和前の金融市場調節や資産買い入れ方針が適当と指摘。量的・質的緩和政策を2年間程度の集中対応措置と位置づけるとの議案を提出したが、反対8・賛成1(同木内委員)で否決された。 〈黒田日銀総裁発言のポイント〉 ・景気「駆け込み需要の反動の影響全体に和らいでいる」 ・輸出「持ち直しの動きがみられている」 ・「所得から支出への前向きな循環はしっかりと作用」 ・生産「下げ止まりつつある」 ・「鉱工業生産は先行き緩やかな増加に服していく」 ・「15年度を中心に物価2%に達する可能性が高い」 ・「量的・質的金融緩和は所期の効果を発揮している」 ・「2%の物価実現を目指し必要な時点まで緩和継続」 ・「上下双方向のリスク点検し必要な調整を行う」 ・「デフレマインドの転換は着実に進んでいる」 ・円安「輸出増や国際企業の収益改善、株高のプラス効果」 ・円安「輸入コスト上昇で非製造業、中小企業、家計を押し下げ」 ・追加緩和「日銀の決意はしっかりと伝わったように思う」 ・予想物価上昇「企業・家計の物価観や行動変化捉えることが重要 ・「原油の下落は足もと短期的に物価押し下げ要因」 ・原油安「前年比で見た物価影響はいずれはく落」 ・原油安「来年前半に物価上昇率が加速していくこと考えにくい」 ・「原油安は経済活動に好影響で基調的に物価押し上げ要因」 ・ルーブル安「日本経済への直接的な影響はあまりない」 ・政府の第3の矢「構造改革を着実に進めること期待」 ・「需給ギャップは基本的に縮んでおり、いずれプラスになる」 ・「日本の潜在成長率引き上げる必要性は一層増している」 ・原油安の景気プラス効果「早く出てくる」 ・原油安「少し時間がかかって物価上昇率を引き上げていく」 ・ロシア「石油ガス関係企業で破綻の懸念はあまり出ていない」 〔日経QUICKニュース(NQN)〕 http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL19HDS_Z11C14A2000000/?dg=1 |