http://www.asyura2.com/14/hasan92/msg/348.html
Tweet |
需要の低迷で原油価格が下落?
“逆オイルショック”は日本経済に好影響と考えるのは早計である
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41485
2014年12月19日(金) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」 現代ビジネス
原油価格の下落が止まらない。これだけ短期間に原油価格が下落すると、投資家をリスクオフの方向に向かわせることになる。投資家のリスクオフの動きで、世界的に株式や為替市場が不安低下している。特に為替市場では、円は121円台から一時は117円台にまで買い戻された。
問題は、原油価格の動きをどう解釈するかだ。それが新興国の軟調な景気を示唆するのであれば、世界のリスクマネーのフローが変化する可能性は排除できない。新興国発の相場調整のリスクは上昇している可能性がある。
■“逆オイルショック”の背景
原油価格の原因は何か。一部では、ロシアへの経済制裁の影響、産油国が減産を見送り米国産シェールガスへの対抗姿勢を強めている等、様々な観測がある。ここで、説得力ある論点を挙げるなら、それは需要の低迷だろう。
原油価格の下落はわが国や東南アジア諸国にはプラスと言われる。だが、資源国の景気にはマイナスだ。そして、需要や期待収益率の低下が原油価格を下落させているという点を考えると、世界経済にとってのマイナス面は大きいといえる。
特に、新興国の軟調な景気動向は、世界経済の需要を低迷させるファクターだ。原油価格が低迷しているにもかかわらず、ブラジルやインドネシアなどでインフレリスクが高まっている。この動きが広がれば世界経済の先行きは弱気な展開になる可能性は否定できない。
■原油価格下落と米国の長期金利の動向
原油価格の下落の影響は、軟調な米国の金利動向からも読み取れる。短期金利が緩やかに上昇する反面、長期の金利は低下している。これは、中長期的な期待収益率が低いことを示唆する。実体経済が徐々に強含むのならば、資金需要を受けて金利はするはずだ。
原油価格の下落、米長期金利の低下は、実体経済の軟調さを見込んでいるといえる。加えて、サウジアラビア等は現行の産出水準を維持するだろう。原油価格の動向は、実体経済、需給面の両面でリスクオフに関連したマネーフローにつながる可能性を孕んでいる。
“逆オイルショック”が、わが国経済にプラスの影響のみをもたらすと考えるのは早計だ。わが国の景気回復期待は、政府の財政政策や日銀の異次元の金融緩和策に支えられている。
官制相場への期待はもろいと心得るべきだ。原油価格の下落が新興国への懸念を高め、それが、為替レートの調整等を通して投資家のリスクオフの圧力を高める可能性を念頭に置くべきだろう。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。