01. 2014年12月18日 12:43:34
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今年度税収上振れ、51.7兆円と17年ぶり水準=政府・与党筋 2014年 12月 18日 11:25 JST [東京 18日 ロイター] - 2014年度の国の税収は51.7兆円程度と、当初見込んだ50.0兆円から1.7兆円上回る見通しであることが18日、わかった。政府・与党筋が明らかにした。税収は、リーマン・ショック前の07年度(51.0兆円)を超え、1997年度以来17年ぶりの水準となる。 企業業績の回復で法人税収が伸び、賃上げの動きも所得税収を押し上げた。上振れした分は、経済対策を裏付ける補正予算案の財源となる。 今月27日の閣議決定を目指す経済対策は、地方活性化や家計支援、災害・防災対策を柱に、総額3兆円超となる見通しだ。
米FOMC、利上げ決定には「辛抱強さ」必要:識者はこうみる 2014年 12月 18日 10:59 JST [18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は16─17日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)に発表した声明で、事実上のゼロ金利を「相当な期間」維持するとしていた文言を修正し、利上げ決定には「辛抱強い」アプローチが必要との表現を採用した。 市場関係者のコメントは以下の通り。 <大和証券 ストラテジスト 弘中孝明氏> 「be patient」との表現を採用したことは、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策に対するスタンスを変更したというよりも、6カ月間とひも付けされていた「相当な期間」から焦点をずらし、景気動向次第で利上げなどの政策を行っていくという姿勢を強く示したと受け止めている。今冬の米景気動向を見極めてから、6月の会合で利上げ、もしくは声明文の表現の大幅な変更をしてくるとみている。年内のFOMCは良い形で終え、市場は米株高・ドル高で反応した。日本株もこれを好感する形で戻りを試すだろう。ただ年末にかけて市場参加者が乏しくなり、ボラティリティが高くなる可能性がありそうだ。原油安やギリシャ大統領選などに対する不安要素も依然くすぶっている。 <みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト 上野泰也氏> フォワードガイダンスのキーワードを差し替えたことは、予想外だった。政策運営の柔軟性をさらに確保しようとする狙いがあると思うが、声明文で前のフォワードガイダンスと一貫性があることを強調したので、ハト派寄りの基本姿勢は変わっていない。 インフレ圧力がグローバルに弱い。原油価格の下落という一時的なものだけではなく、世界的に賃金が上がりにくくなっており、これまで以上に利上げに向けたハードルを高くしている。加えて、米国の住宅バブル崩壊後の調整局面の中で、グローバルに政治・経済の不安定な要因が数多くみられるので、市場の不安定な状況も利上げに対してはハードルになってくる可能性が高い。今回のキーワードの差し替えだけで、利上げが前倒しになったと見るのは早計だ。利上げの時期については2015年末ごろという見方を個人的に変えていない。 マーケットへの影響は声明文の解釈が為替はややタカ派的に受け止め、株式はややハト派的に受け止めており、温度差がある。 当面の最大の材料は1月の欧州中央銀行(ECB)理事会だ。ここで、どのような形の量的緩和が示されるのかが焦点になる。今後のカネ余り度合の認識が変わる可能性があるほか、欧州の長期金利を起点にして、日米の長期金利の水準も変わることになるだろう。 <ウィルミントン・トラスト(米メリーランド州ボルティモア)の債券ポートフォリオマネジャー、ウィルマー・スティス氏> ややタカ派的な内容だった。地政学的な問題には触れていない。「相当な期間」の文言を外し、原油価格下落に伴う消費への影響について語っている。市場では(来年)半ばの利上げ観測が一段と高まった。 <ウェルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメントの首席ポートフォリオストラテジスト、ブライアン・ジェイコブソン氏> 米利上げ時期が来年6月もしくはそれ以前になるかどうかをめぐる不透明感は後退した。利上げは6月、もしくはそれ以降となる可能性が高い。これは金融緩和がより長く続くことになり、リスク資産にとっては好材料だ。 <スクエア1フィナンシャル(米ノースカロライナ州ダラム)のバイスプレジデント兼債券ポートフォリオマネジャー、デービッド・シャウェル氏> FRBは、最近のインフレ期待とエネルギー価格の低下について、一時的なものと認識しており、気にかけてはいないようだ。「辛抱強い」との文言を導入してはいるが、経済指標が改善を続ければ利上げに向けて動く意向であり、声明はタカ派的な内容だったと言えるだろう。 <ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの首席投資ストラテジスト、スコット・クレモンズ氏> FRBはこれ以上望めないほど良い状態にある。金融政策を正常化する必要性を認識しながらも、インフレ圧力が存在しないためにそれを待つ余裕があるからだ。 私の考えでは、FRBはとっくの昔に市場とのコミュニケーションを政策手段に据えており、今回「辛抱強く」という文言を選んだのは そうした「言葉の細工師」ぶりを発揮したものといえる。 市場は「なるほど、了解だ」という反応を示した。FRBは市場を混乱させるつもりはなく、金融政策を据え置き、資産価格を支え続けるということだ。 <RBCキャピタル・マーケッツのシニア米国エコノミスト、ジェイコブ・ウービナ氏> FOMC声明の修正はまさに、2003─04年の利上げ前の期間にFRBが行ったものだ。今回の声明は03─04年の文言とぴったり一致する。前回の声明で言及した部分を残したことでかなりの不明瞭さは加わったとはいえ、文言は変わり03─04年の戦略をもう一度繰り返すことになる。われわれはFRBが利上げを始めるのだと確信している。今後はかなり大きなショックが起きないと、こうした定まったように見える路線から逸脱することはないと思う。 <アリアンツの首席経済アドバイザー、モハメド・エラリアン氏> 決定に反対した委員の数と文言の修正の両方に、難しい政策バランスが反映されている。連邦準備理事会(FRB)は広がりを見せる国内景気の強さと、低インフレおよび将来の金融不安定化に対する懸念との間で難しい均衡をとろうと努めている。 <岩井コスモ証券 投資調査部副部長 有沢正一氏> 基本的な流れは変わらない。利上げの時期も従来通り、来年半ばぐらいになると予想している。米国は利上げへの道筋を着々と進むこととなる。今回、「be patient」という文言が採用されたが、利上げにまい進するという印象を与えたくなかったのだろう。ここに来て原油安があり、目先で不透明要因が出てきたことから、米連邦準備理事会(FRB)は柔軟な対応を取ったとみている。 原油安を材料にした短期筋の動きは、連邦公開市場委員会(FOMC)を通過したことで、一段落しそうだ。ロシアのルーブルの動向にはなお注視が必要な部分があるものの、基本的に外貨準備が潤沢な国。プーチン大統領の会見が控えているが、経済問題に関しては断固とした措置をとるはずだ。米国株式市場は業績相場の基調を保ちながら上昇を続けるとみている。 きょうの日本株については、400円高となったことで、この辺りでさすがに落ち着くとみているが、企業業績は好調に推移している。当面は株高基調が続くだろう。 <三井住友信託銀行 マーケット・ストラテジスト 瀬良礼子氏> 米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文とイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見には、株式、債券、為替の各市場がそれぞれ好きなところを好きなように解釈して反応している。株式市場は米国経済が強いとし、為替・債券市場は早期利上げがあり得ると受け止めた。声明文や会見ではっきり色が出ると市場が混乱するので、当局者は恣意的にそこを狙ったという印象だ。 イエレン議長は来年1月と3月のFOMCでは動かないと会見で明言した。逆に言えば、早ければ4月にも利上げがあり得るということだが、実際には記者会見のない回に利上げするとは考えづらいので、6月の利上げがメーンシナリオというコンセンサスが市場で形成されそうだ。ただ、私自身は、そんなに早くはできないだろうと思っている。 株価が上がったので事なきを得ている感じはあるものの、ここから先、米国の利上げがより現実味を増して意識されるようになってくる。ドルが急上昇して新興国通貨が急落するなど、どこで何が起こってもおかしくはない状況となった。来年は波乱含みの展開になりやすく、ドルのレンジは110─125円程度と予想しているが、相場の振れ幅はもっと広くなる可能性があるとみた方がいいだろう。 *コメントを追加します。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0JV2RQ20141218
コラム:FRBを「辛抱強く」するインフレ圧力の不在 2014年 12月 18日 09:50 JST James Saft [17日 ロイター] - 「忍耐」であろうが、7つの美徳のうち他のどれであろうが構わないが、要するにインフレが存在しないのだから米連邦準備理事会(FRB)は利上げできないということだ。 FRBは17日、利上げについて「辛抱強くいられる」とし、これは「相当な期間」という文言を用いた従来の政策ガイダンスと同じ意味を持つと強調した。 イエレンFRB議長の記者会見はかなり率直な内容だった。今後2回の連邦公開市場委員会(FOMC)、つまり4月より前の利上げはないと。議長はFOMCの「参加者ほぼ全員」が2015年中の利上げを予想していると述べた。今回の政策決定に3人の委員が反対したことを踏まえると、この見通しは確固たるものといえる。 しかし、それでは2015年のいつ利上げするのかという具体的日程となると、FOMCが開かれる度に先に延びているのが実情だ。トレーダーの予想はこれまで9月だったが、FOMCのハト派的な声明を受けて10月に後ずれした。 FRBが声明と併せて公表した経済見通しは、実際に何が起こっているのかを知る上で良い手掛かりになる。2015年から17年にかけてのインフレ予想が1カ月前に比べてすべて下方修正された(エネルギー価格の急落に照らせば無理もない)だけでなく、長期的な見通しも2.0%にとどまっている。FRBは、賃金の上昇を原動力としてインフレ率が近い将来、目標の2.0%に戻るとは見ておらず、いわんや2%超えなど見据えていないということだ。 この見通しは、石油価格の下落が一時的現象に終わるという観測に背くものといえる。 FRBの経済見通しを示すチャートにも目を向けよう。2015年の消費者物価指数(CPI)上昇率の予想中央値は1.75%から1.3%へと大幅低下し、17年分も1.95%から1.9%に下がった。 つまりFRBはインフレ上振れの脅威を感じておらず、逆に低過ぎるインフレ率が長期間続いて忍耐力を試されることを恐れているのだ。 FOMC声明では予想物価上昇率に対する言及があった。今後5年間の予想物価上昇率は急速に下がっており、人々の脳裏にディスインフレマインドが根を下ろすシナリオが浮かぶ。 <失業率下振れも看過> FRBはまた、完全雇用を超える労働市場と根強い低インフレが併存すると予想している。FRBによる16年と17年の失業率予想は、長期的な「自然失業率」を下回っている。 イエレン議長によるとこれは「インフレ率がわれわれの目標を下回って推移しており、FOMCは将来的にこれを目標値に戻したい」ゆえであり、「失業率が短期間、非常にわずかに完全失業率を下回るなら、インフレ率を目標値に戻すスピードをわずかに速める効果がある」という。 議長は「最大雇用の定義がはっきりしない状況において、失業率の下振れは非常にわずかなものにとどまる」とも付け加えた。 インフレタカ派はこの発言を見て次のように結論付けるだろう。FRBはインフレ率を押し上げ、消費者のディスインフレマインドを払しょくするためには、多少の労働市場の過熱は看過する構えだと。 そうかもしれないが、次のような可能性も考えられる。すなわち就業を待機する人口が多いのに対し、創出される雇用は非常に低賃金であるゆえに、「正常な」賃金上昇スパイラルが根付かない、という姿だ。本当に賃金が上昇し始めればFRBは素早く路線変更するだろうが、賃金の力強い上昇を確信する理由は乏しい。 こうしたことを踏まえると、労働市場が堅調であってもFRBは間もなく、あるいは「相当の期間」、利上げできそうにない。 金融市場にとっての結論はずばり、リスクオンだ。株式市場は喜びに沸き、高利回り債やクレジット市場にさえ追い風が吹くだろう。FRBが近い将来、意図的にこれらの市場の価格を押し下げることはないのだから。新興国市場もまた、恩恵に預かる筆頭候補となる。 http://jp.reuters.com/article/%20jp_column%20/idJPKBN0JW02B20141218
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