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コンビニ、積極新規出店で人手不足深刻化 各社対応に奔走、一部零細は大手の草刈り場に
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141218-00010006-bjournal-bus_all
Business Journal 12月18日(木)6時0分配信
コンビニエンスストアチェーンの人手不足が深刻化している。
「店長のなり手がいない。人手不足はコンビニだけでなく、建設現場でも外食産業でも同じようなことが起こっている。人件費が急騰し、特に夜間のアルバイト店員を集めるのには頭が痛い。時給800円ぐらいだったところも今では1100円を超えている。大手の外食チェーンなどでは人手が足らずに店舗を閉めるところもある」(コンビニ業界関係者)
そんな中、セブン-イレブン・ジャパンは2014年度内に1600店、ローソンは1100店、ファミリーマートは1300店の出店を予定している。コンビニは1店舗当たり平均20人ぐらいの従業員が必要となる。大手3社だけで4000店新規出店するとすれば、わずか1年で8万人の新規雇用が生まれるわけだ。
これだけの人員を、どのように確保するのか。セブンでは都心の店舗で外国人採用なども目立ってきており、店舗によっては1時間単位の勤務でアルバイトを募集しているところもあるという。
「人手不足といっても地域差があり、必ずしも全国的に不足しているわけではない。また、外国人のためのマニュアルを開発したり、本部が一括してアルバイト募集をして各店舗に紹介するためのコールセンターを設置するなどしている。福岡県では県と包括提携して県が運営する『70歳現役応援センター』で説明会などを開き、高齢者などの雇用を進めている」(セブン広報担当者)
ローソンは首都圏などに34店舗を運営する加盟店企業、フュージョンズと人材紹介の会社ローソンスタッフを設立。ローソンスタッフがパートやアルバイト店員の採用を行い、フュージョンズが運営店で研修して希望に合っ店舗に紹介する。
「ローソンスタッフは、外国人留学生や高齢者を積極的に受け入れている。外国人には履歴書の書き方や言葉の使い方なども指導している。言葉の不自由な人には、弁当工場なども紹介している」(ローソン関係者)
またファミマは、人材派遣会社アイズ・インターナショナルと協力し、ファミマの店舗で働くことを前提とした派遣窓口を設けている。
「アイズはファミマとフランチャイズチェーン契約を結んで店舗運営も行い、店舗へ派遣される店員に1週間かけて調理やレジ打ちなどを教えている。1日数時間単位から店員の派遣を受けられ、首都圏5000店舗を対象としている。このほかホームページに『ファミJOB』のページを設けて人材を募集している」(ファミマ広報担当者)
●大手にのみ込まれる中小零細
それでも人材確保はまだまだ難しいと、あるコンビニ業界関係者は嘆く。
「どこも新しい取り組みは、まだ始まったばかり。1000店舗を超えるような新規出店には、ほとんど追いつかないのが実情。人材確保は結局、今まで同様、店舗ごとでやっていかざるを得ないのが現状だ」
しかしそれでも大手チェーンはまだいいほうで、地方の中小零細のコンビニは厳しい競争の中で売り上げが減少して設備投資が思うようにできず、人材確保もままならない。「閉店に追い込まれたり、大手の草刈り場と化している零細コンビニも多い」(業界関係者)という。
すでにセブンは今年、四国旅客鉄道(JR四国)と提携し、駅構内にある全36店のコンビニエンスストア・売店を順次「セブン-イレブン」に転換すると発表し、8月から転換が始まっている。
「セブンは12年末にサンクス東四国をグループに取り込み、四国での店舗展開を開始した。そのような中でサークルKサンクスはこれまでフランチャイザーだったサークルK四国の株式を取得し傘下に収め、グループからの流出を抑えました。サークルK四国とサンクス四国の合併を検討していているようですが、グループ全体ではまだまだブランドの統一ができていない。親会社のユニーグループ・ホールディングスも経営が厳しく大きな支援は望めない。このような中で前期は10%を超える大幅な減益に苦しんだ。新規出店目標を当初の1600店舗から1300店舗へと大きく引き下げた業界3位のファミマとの、生き残りをかけた経営統合の可能性が、ますます強くなってきた」(同)
大手各社の積極的な新規出店による店舗増加や深刻化する人手不足の中、コンビニ業界は再編含みの激しい戦いが続く。
松崎隆司/経済ジャーナリスト
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