http://www.asyura2.com/14/hasan92/msg/300.html
Tweet |
原油安で痛手を被るオーダーは、
1)対米輸出の“消滅”で既に危機的になっているベネズエラやナイジェリア
2)ロシア及び中東産油国といった1)以外の資源輸出依存国家
3)対露経済制裁を超える対露輸出不振が予想されるとともに利益を減らす石油メジャーを抱えるEU諸国
4)資源と製品のバーター的交易や普及価格製品で輸出拡大を進めてきた中国
5)石油メジャーを抱えるとともにシェール開発が金融及び経済の回復を支えてきた米国
※ インドネシアは、原油を輸出する一方でガソリンなど石油製品を輸入していることで輸入超過状態になっているので、原油安がことさら悪い影響を与えるという状況にはない。マレーシアも工業化が進み資源依存度が低いので打撃はそれほどではない。
といったものではないだろうか。
日本は、世界的な購買力減少のため輸出量の増加を望めないが、円安傾向のなかで生じた原油・ガスなどの輸入価格上昇が解消されていくメリットのほうがしばらくは大きい。
輸入事業者が1ドル=80円台や90円台で組んだ先物為替予約が順次終わっていく段階に入っているので、表面的なメリット以上に内実のメリットが大きいと言える。
ロシアの国際購買力の劣化は、最近揺り戻しがあるとはいえ、円安水準で国際価格競争力が高まっている日本企業がユーロ圏諸国を抑えて対露輸出を拡大する好機とも言える。
※ 関連参照投稿
「ロシアルーブル急落、最安値更新 利上げ効果限定的:ソ連崩壊やデフォルト騒動の要因と類似の様相:ロシア経済に対する打撃は?」
http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/649.html
「原油価格、なお底値見えず NYで60ドル割れ:ウクライナや中東で争乱を続け原油価格を支えるのは愚かな戦術」
http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/645.html
「立ち往生必至のキエフ政権:寒さと停電で国内から怨嗟の声:シェブロンがシェールガス開発から撤退:独仏も金融支援引き延ばし」
http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/648.html
===============================================================================================
原油安が金融市場揺らす ロシア通貨急落、利上げきかず[日経新聞]
2014/12/17 2:01
原油価格の急落が金融市場を揺らしている。資源国ロシアのルーブルが急落したほか、エネルギー関連の株や社債の価格が下落した。投資家心理の悪化が幅広い金融資産に波及し、16日には日経平均株価も344円下落。外国為替市場では一時1ドル=115円台まで円高が進んだ。原油安は先進国の景気を下支えするが、急激な変動は市場に摩擦をもたらす。世界経済に悪影響を及ぼすリスクが出ている。
ロシア中央銀行は16日、6.5%の大幅利上げに踏み切ったが、資金流出は止まらなかった。利上げ前に1ドル=67ルーブルだった相場は、利上げ後には78ルーブルまで下げた。利上げによる通貨防衛の思惑が外れた形だ。
「原油価格が1バレル60ドルなら15年の成長率はマイナス4.5%に落ち込む」(ロシア中銀)。国際決済銀行によると、ロシアへの海外からの融資は約2000億ドル。「ロシア向け融資の返済が滞るリスクも出てくる」(野村証券の吉本元氏)との見方も浮上した。
ロシアをはじめとする産油国通貨を売る動きは16日、新興国通貨や株式を売る動きに発展した。アジア市場ではトルコリラやインドネシアルピアなどが下落。資源国ではないタイの株式市場は4%下げた。動揺した投資家が資源国に加え新興国株も売る構図だ。
市場の焦点となっているのは産油国や新興国だけではない。米国ではシェールガスの開発企業が発行する債券の価格が急落している。低格付けのエネルギー企業の社債だけでも残高は約2000億ドルに上る。BNPパリバ証券の中空麻奈氏は「エネルギー企業の破綻が相次げば、投資家心理の悪化が金融市場全般に広がりかねない」と話す。
原油安は企業や家計の負担減につながり、世界経済には恩恵が大きい。11月はこうした面を楽観的に捉え株価が上昇していたがその反動が起きている。日経平均もこの1週間の下げ幅は1000円を超え、10月末の追加緩和後の上昇分の半分を打ち消した。
原油安は底値が見えない。米国のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油は16日、一時1バレル54ドルを下回り5年7カ月ぶりの安値をつけた。月初からの下落率は約2割だ。
投資リスクが高い金融商品が売られる一方、安全資産とされる円は買われ約1カ月ぶりとなる1ドル=115円台をつけた。先進国の国債価格は軒並み上昇し金も買われた。過度の楽観論の修正が進んでいる。
日米欧の中央銀行は金融緩和に伴い大量のマネーを供給している。現時点では、新興国が資金繰りに詰まる金融不安に発展するとの見方は少ない。米国株は16日に小幅安で始まった後、一時上昇に転じる場面もあった。欧州株も小幅に上昇しており、不安が増幅する状況にはなっていない。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF16H1W_W4A211C1MM8000/?dg=1
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。