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12月日銀短観について
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52669243.html
2014年12月15日 在野のアナリスト
昨日の衆院選、最終的には次世代の一人負け、草刈場となっただけという結果です。しかし比例票をみると、自民は大敗した2009年から下がっており、組織票頼みが鮮明です。安倍ノミクスと言ってみたところで、浮動票は離れたまま。これは民主、公明も同様で、逆にいえば基礎票で選挙をすると小選挙区制の下ではこうなる、というシミュレーションの確認だったのでしょう。
しかし唯一、憲法改正を掲げた次世代が崩壊し、掲げていない自民が選挙で勝ったから憲法改正、というのは甚だ違和感をもちます。それならきちんと公約に書けばいい。演説で語ればいい。「謙虚に」という言葉は、党内にむけて安倍下ろしを始めるなよ、という牽制であって、国民にむけたものではない。国民は騙まし討ち、公約に書かなくても選挙で勝利すれば何でもやってよい、という考えが透けてみえます。次の世論調査ではご祝儀もありそうですが、その次の世論調査で、内閣支持率がどうなっているか? 問題閣僚も留任ということですから、国会というより、週刊誌などが活況を呈しそうな状況となり、それが新たな風となって永田町に吹き荒れるのかもしれません。
12月日銀短観が出てきました。大企業製造業DIは12、前回より-1ですが中身は衝撃です。石油・石炭製品が-27、前回が0なので急落です。原油安でロシア、ベネズエラが苦しい、などと報じられますが、国内産業も高い在庫を抱えてかなり苦しい。これは鉄鋼、金属製品なども同様で、資源関連がかなり悪影響をうけています。中小企業製造業DIは1、前回より+2ですが、これは悪かったものが資源価格の下落で小康を得た形です。しかし先行きは大企業、中小企業とも-3、-6と悪化をみこむので、製造業に関しては右肩下がりが止まらない、ということが短観から分かります。
大企業非製造業DIは16、前回より+3、中小企業非製造業DIは-1、前回より-1ですが、建設と情報通信という二本柱で支えた形です。先行きは大企業、中小企業とも-1、-3と悪化をみこみますが、小売は改善するものの年末商戦期待、という面があって、実態がどうなるかは分かりません。しかも全体、先行きはすべてマイナスであり、改善傾向はこの短観からはまったく確認できません
気になるのは売上高の計画は微増、もしくは微減という中、経常利益はほとんどの業種で計画より増加する見こみです。ただし、売上高経常利益率という数字があって、今年度の上期は小幅上昇であるものの、下期は軒並みダウン。これは純利益も同様で、上期は上昇するものの、下期の計画はダウン。今年度の下期は、回復どころか企業は悪化するとみていることになります。
為替が103円台と保守的であるものの、逆にみれば円安の悪影響がじわりと企業を襲っていることが窺えます。設備投資計画は上期はほとんどが計画よりダウン、下期に改善する見通しを立てていますが、計画だけで未達になる可能性が高い。それは消費税増税の悪影響が抜けない中で、国内投資計画が不透明であることによります。日銀の短観でみる限り、全国の津々浦々まで安倍ノミクスの恩恵をとどける、どころか、ほぼグラグラ。下期の方がより悪化する、という結果になっているのです。これでは、これまで好調だった業種でさえ悪化していくことになりますから、津々浦々どころの騒ぎではなく、即手当てしないと景気後退が深刻化する怖れすらあるのです。経済はすでに風邪をひき、慢性化しかねない症状を呈している中、永田町で笑っている人たちは本当に実情が分かっていない、ということになるのでしょうね。
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