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異常な姿を示す日銀短観(NEVADAブログ)
http://www.asyura2.com/14/hasan92/msg/279.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 12 月 15 日 23:14:15: igsppGRN/E9PQ
 

異常な姿を示す日銀短観
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/archives/4794135.html
2014年12月15日 NEVADAブログ


日銀短観が発表されていますが、その詳細を見ますと今の日本経済が如何に悪化しているのが一目瞭然となっています。


              大企業                         中堅企業
        2014年9月     2014年12月        2014年9月    2014年12月
        現在  先行     現在      先行     現在  先行     現在     先行
製造業   +13  +13   +12(−1)  +9(−3)  +5   +5    +7(+2)  +1(−6)
非製造業  +13  +14   +16(+3) +15(−1)  +7   +7    +7(+0   +4(−3)

大企業と中堅企業をみますと先行きを悲観している姿があります。
現状は満足している数字となっていますが、先行きは悲観しており、特に、以下の中小企業は大幅な水面下に沈むとなっています。

              中小企業                        
        2014年9月     2014年12月        
        現在  先行     現在      先行    
製造業   −1    +0    +1(+2)  −5(−6)  
非製造業  +0    −1     −1(−1)   −4(−3)

これを見ますと、中小企業の<先行き>は製造業も非製造業も水面下に沈むとなっており、今の末端の景気の悪さはこの先行きの悪化を暗示しているとも言えます。

このような中、大企業・中堅企業は上記の通り「まだ」好調となっていますが、その中身をみますと意外な数字が並んでいます。

自動車
          現在      先行
大企業    14( −6)    9( −5)
中堅企業    6(−11)  −4(−10)

現在も先行きも大幅な悪化を示しているのです。
自動車は円安の恩恵を最も受けている産業ですが、上記の通り物凄い悪化を示しており、中堅企業では<−4>と水面下に沈む状態になっています。

日本の経済は株を見ていれば好調ですが、日銀短観やその他の政府発表の統計を見れば、リセッション入りを
示唆しており、今後円安が更に進めば、中堅企業も水面下に沈む状態になりかねません。

選挙結果を受けて、「アベノミクスが信任された」と財務大臣は述べていましたが、「リセッション入りが信任されたという言い方が正しいと言えます。

円安でも景気が悪化しており、今後円高には間違っても戻せない以上、日本の企業は軒並み厳しい状況に追い込まれることになるのは避けられません。

上記の自動車産業の悪化を見れば、日本の景気は回復を見せることが不可能な事は誰でも分かります。
何故なら、今や自動車産業が日本経済をけん引しているとも言っても過言ではないからです。


 

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コメント
 
01. 2014年12月15日 23:35:34 : bfiJIUelwU
日本はどうでもいいほど、世界は蝕まれている。
異次元の量的緩和で言い換えた財政ファイナンスは早く止めた方がいい。

02. 2014年12月16日 05:41:33 : jXbiWWJBCA

積極的な設備投資計画 景気にどう影響
12月16日 5時37分

日銀が15日に発表した短観=企業短期経済観測調査では、景気の先行きについての企業の判断が悪化した一方で、設備投資の計画は3か月前の調査より上方修正されており、積極的な投資計画などが景気の前向きな動きにつながるか注目されます。

今回の短観では、代表的な指標である大企業の製造業の景気判断が小幅ながら悪化したほか、先行きは製造業、非製造業ともに見通しが悪化しました。
その一方で今年度の設備投資計画は、前の年度の実績と比べて製造業全体で12.2%、非製造業全体で2.2%、それぞれ増やすとしています。
これらはいずれも3か月前の調査より上向きに修正されており、投資に対する積極的な姿勢がうかがえます。
また雇用の面では、従業員の数が「過剰」と答えた企業の割合から「不足」と答えた割合を差し引いた値が企業全体でマイナス15ポイントと、人手が足りないという回答が大きく上回りました。
これは3か月前よりも1ポイント拡大して、22年ぶりの水準です。
日銀は「企業は景気の先行きに不確実さを感じているが、設備投資や社員の採用に対する意欲は衰えていない」としていて、今後設備投資の計画が着実に実行されるかや、人手不足感の高まりがどこまで賃金の引き上げにつながるかが注目されます。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141216/t10014002591000.html


政労使会議 経済好循環に向け協力の確認文書
12月16日 4時10分

政労使会議 経済好循環に向け協力の確認文書
安倍総理大臣は衆議院選挙が終わったことを受けて、経済の好循環の実現に向けた取り組みを加速するため、16日に「政労使会議」を開き、来年春の賃上げへの協力を求めることにしています。
会議では、賃上げに加え長時間労働の是正などで政労使が一体となって協力していくことを確認する文書を取り交わすことになっています。

安倍総理大臣は15日に記者会見し、衆議院選挙で自民・公明両党が3分の2を超える議席を確保したことについて、「『アベノミクスをさらに前進せよ』という国民の声をいただいた」と述べ、引き続き経済最優先で政権運営にあたる考えを示しました。
安倍総理大臣は経済の好循環の実現に向けた取り組みを加速するため、新たな経済対策などの年内の取りまとめを目指すとともに、16日に政府と経済界、労働界の代表による「政労使会議」を開き、来年春の賃上げへの協力を求めることにしています。
そして「政労使会議」では、三者が経済の好循環の実現に向けて協力して取り組むことを確認する文書を取り交わすことになっています。
それによりますと、経済の好循環を継続的なものとするには、企業収益の拡大を賃上げや設備投資に結びつける必要があるとして、政府の環境整備のもと、経済界は賃上げに最大限努力するとともに取引先の中小企業の支援などに取り組むとしています。
また、雇用の7割を占めるサービス業で、労使が協力して非正規労働者の処遇改善や正規化などを進めるほか、政労使が一体となって長時間労働を是正する意識改革を進め、休み方の改革を推進していくなどとしています。
さらに、女性が働くことで世帯所得がなだらかに上昇するよう、政府は税制や社会保障制度を見直し、配偶者手当てについても、労使がその在り方の検討を進めるなどとしています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141216/t10014002761000.html


「アベノミクス2.0」始動へ、成長潜在性の引き上げが課題

  (ブルームバーグ):衆院選で勝利を収めた安倍晋三首相は、日本経済の成長潜在性を高めるという難しい課題に「アベノミクス2.0」で取り組むことになる。
まずは最大3兆円の補正予算の編成と消費増税先送りに伴う代替法案という、財政面でやり残した課題を片付ける必要がある。
それから財政健全化を重視する陣営からの反発を抑え込み、対日投資を呼び込むための法人税率引き下げを公約通り施行に持ち込む必要がある。米国との環太平洋連携協定(TPP)交渉に対しては、中小企業が抵抗している。国家戦略特区に関しては、労組や医療産業との利害を調整しなくてはならない。
あらゆる方面から反対の声が挙がっている状況では、痛みを伴う改革を推し進めるのは容易ではないと、日本総合研究所の山田久・主席研究員は指摘する。
衆議院で3分の2を超える議席を自公の連立与党で引き続き制し、2018年までの長期政権が見通せるようになった安倍首相は、日本企業が蓄えた過去最大規模の内部留保金を設備投資や賃金に回すよう圧力をかける構えだ。
アベノミクスは株式相場 を押し上げ、円安が大手輸出企業に利益をもたらした一方で、恩恵から取り残された中小企業や地方経済では苦しい状況が続き、支援を求める声が強まっている。日本銀行の分析では潜在成長率は0.5%を下回り、公的債務は膨張を続けている。安倍首相が経済成長プログラムを導入できなければ失うものは大きい。
モルガン・スタンレーMUFGのチーフエコノミスト、 ロバート・フェルドマン氏は15日付のリポートで、「アベノミクスは成長加速をもたらす経済政策など、その結果で判断される」と指摘。「短期的な政策アジェンダは予算や消費税に絞られ、成長戦略を見込む投資家の期待には応えられないかもしれない。しかし春には成長アジェンダが再び脚光を浴びるだろう」と分析した。 
原題:Unlocking Japan Growth Potential Looms as Task for Abenomics 2.0(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 氏兼敬子 kujikane@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Brett Miller bmiller30@bloomberg.net Arran Scott, Christopher Anstey
更新日時: 2014/12/16 01:36 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NGMSH36KLVRD01.html


03. 2014年12月16日 05:54:52 : jXbiWWJBCA

稼動人口減で労働制約が強まり、円安で実質賃金が下がったため、実質所得は減り、世界経済は減速し、競合国の雇用は悪化したが、
国内の雇用や設備投資は現時点では、かなり高い水準

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0JT1Y720141215
ハネウェルが世界経済減速予想、15年の業績見通し不調
2014年 12月 16日 02:29 JST
[15日 ロイター] - 米ハネウェルインターナショナル(HON.N)が15日に発表した2015年の業績予想は市場予想をおおむね下回った。来年は世界的な経済成長の停滞のほか、米政府の防衛支出削減が予想されるとしている。

ハネウェルは2015年の売上高は405億─411億ドル、1株当たり利益は5.95─6.15ドルになると予想。トムソン・ロイター・エスティメーツがまとめたアナリスト予想は、売上高が419億2000万ドル、1株当たり利益が6.11ドルだった。

ハネウェルはまた、2015年の米防衛支出は1%減となると予想。ただ同社は売上高の半分以上を海外で稼いでいる。

主力の航空宇宙部門のオーガニックセールスは2─3%増加するとの見通しを示した。

2014年通年の利益見通しは維持したが、第4・四半期の売上高は101億─102億ドルになるとし、従来予想の103億─104億ドルから下方修正した。航空宇宙部門の奨励プログラムにかかる費用が重しになるとしている。

 

 
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NGMLM56VDKHV01.html

NY連銀製造業景況指数:12月はマイナス3.58、予想は12.4

  (ブルームバーグ):ニューヨーク連銀が発表した12月の同地区の製造業景況指数はマイナス3.58。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は12.4だった。同指数はゼロが景況の拡大と縮小の境目を示す。前月は10.16だった。
項目別では仕入れ価格指数が10.42と、前月の10.64から低下。新規受注はマイナス1.97と、前月の9.14からマイナス圏に落ち込んだ
雇用者数は8.33(前月8.51)に低下。週平均労働時間はマイナス11.46(前月マイナス7.45)に下げた。
在庫はマイナス11.46(前月ゼロ)に落ち込んだ。
6カ月先の見通しを示す期待指数は38.58(前月47.61)に悪化した。
原題:Dec. New York Fed Empire Report Falls to -3.58, Est. 12.4(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Jordan Yadoo jyadoo@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Marco Babic mbabic@bloomberg.net 千葉 茂
更新日時: 2014/12/15 23:06 JST


http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0JT1ZF20141215
ドルが対円で下落、対ユーロ上昇=NY外為市場
2014年 12月 16日 02:42 JST
[ニューヨーク 15日 ロイター] - 週明け15日中盤のニューヨーク外為市場は、ドルがユーロに対して上昇した。

16━17日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)で、米連邦準備理事会(FRB)がハト派的な政策運営姿勢を弱めるとの見方がドルを押し上げた。ただ一方で、原油安への懸念からリスク回避姿勢が強まっており、対円では比較的安全な通貨とされる円が買われ、ドルが下落した。

事実上のゼロ金利を「相当な期間」維持するとの文言がFOMC後の声明から削除されるとの見方がドルを下支えした。ユーロ/ドルEUR=は0.34%安の1.2416ドルで取引された。

ドル/円JPY=は0.35%安の118.37円。衆院選で自民、公明両党が3分の2を超える議席を獲得。安倍政権はリフレ的な経済政策を継続し、円はさらに安くなると見込まれている。しかし、この日は原油安などに伴うリスク回避志向の高まりで、ドルが売られ円が買われた。

ルーブルは下落し、1ドル=60ルーブルの大台を初めて下回った。アナリストは、米議会がウクライナに対する軍事支援を承認すると見込まれることが、ルーブルの重しになったとみている。

主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.19%の上昇となった。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NGN1YC6KLVRG01.html
米国債:軟調、5年債続落−利上げ時期見極めへFOMC注目

  (ブルームバーグ):米国債市場では5年債相場が続落。利上げに向けた金融政策のスタンスがどうなるのか、市場の関心は今週の連邦公開市場委員会(FOMC)に向けられている。
30年債 相場は下げを埋める展開。アラブ首長国連邦(UAE)から石油輸出国機構(OPEC)が減産に踏み切る可能性を打ち消す発言が出たことを受けて、原油価格は続落している。10年債利回りは1年半年ぶりの低水準から上昇。市場ではFOMCが声明に「相当な期間」という文言を残すかどうか注目されている。この日発表された11月の米鉱工業生産指数は2010年5月以来で最大の伸びとなった。 
CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債トレーディング責任者、トーマス・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は「文言がどのように変わるのかが焦点だ」と指摘。「FOMCはデータ次第だと言っているので、おそらくはその線を強調してくるだろう」と続けた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後1時50分現在、5年債利回り は5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.57%。同年債(表面利率1.5%、2019年11月償還)価格は1/4下げて99 22/32。10年債利回りは3bp高い2.11%。30年債利回りは2.74%でほぼ変わらず。
原題:U.S. Notes Drop Before Fed Meets to Review Rate-Timing Stance(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Susanne Walker swalker33@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Dave Liedtka dliedtka@bloomberg.net Paul Cox
更新日時: 2014/12/16 04:34 JST

 


 
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0JT1YT20141215
ユーロ圏の期待インフレ低下、1月の量的緩和決定も
2014年 12月 16日 02:35 JST
[15日 ロイター] - 15日の金融市場で、ユーロ圏の期待インフレ率の目安となる5年先5年物インフレスワップEUIL5YF5Y=Rが低下。10月につけた低水準を割り込み、直近では1.67%近辺で推移している。

市場では、原油安を背景に1月7日に発表される12月の域内インフレ率がゼロに鈍化するとの見方も出ており、1月22日の欧州中央銀行(ECB)理事会で量的緩和(QE)が決定される可能性もあるとみられている。


 
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NGMT0I6K50XW01.html
スペイン債利回り、過去最低−ノボトニー氏が量的緩和に言及

  (ブルームバーグ):15日の欧州債市場ではスペイン国債が上昇し、利回りは過去最低を付けた。欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのノボトニー・オーストリア中銀総裁が根強い低インフレが緩和策拡大の引き金になり得ると示唆したことが手掛かり。
ノボトニー総裁はウィーンで記者団に対し、低成長との関連で「より長期的に物価安定の目標を達成できない見通し」が量的緩和(QE)を促す条件となり得ると語った。フィッチ・レーティングスにより12日に信用下げされたフランスの10年物国債は前週末からほぼ変わらず。ギリシャ国債は5日以降で初めて値上がりした。
ラボバンク・インターナショナルの債券ストラテジスト、リン・グレアムテーラー氏(ロンドン在勤)はスペイン国債の値上がりについて、「QEへの期待の高まりが浸透しているためだ」とし、同国債の「スプレッド(利回り上乗せ幅)が大きく縮小する余地がある」と語った。
ロンドン時間午後4時49分現在、スペイン10年債利回り は前週末比9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.79%。一時は1.782%と、ブルームバーグがデータ集計を開始した1993年以降の最低を付けた。同国債(表面利率2.75%、2024年10月償還)価格は0.835上げ108.605となった。
スペイン10年債の同年限のドイツ国債に対するスプレッドは10bp縮まり116bpと、6営業日ぶりに縮小した。ドイツ10年債利回りはほぼ変わらずの0.63%。12日には過去最低となる0.618%を付けた。
原題:Spain Bond Jump Sends Yield to Record as Nowotny Comments on QE(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Lucy Meakin lmeakin1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Paul Dobson pdobson2@bloomberg.net Mark McCord, Todd White
更新日時: 2014/12/16 02:14 JST


04. 2014年12月16日 06:29:45 : jXbiWWJBCA

 

【第163回】 2014年12月16日 加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
原油安で困り顔という異常事態
必要性高まる日銀の“逃げ道”
 日米のガソリン価格の動向が、両国の中央銀行の違いを際立たせている。


夏のピーク時からガソリン価格が大きく下がった米国に対して、小幅な下落にとどまる日本
Photo:AP/アフロ
 今年のピーク時から10月までのガソリン価格の値動きを消費者物価指数で見てみると、日本は−3%、米国は−13.4%の下落だった。米国の方が圧倒的に安くなっている。日本銀行による事実上の円安誘導で、その開きは今後さらに大きくなりそうだ。

 ダドリー・ニューヨーク連邦準備銀行総裁は12月の講演で「エネルギー価格の下落はわれわれの経済にとって有益だ。これは交易条件のポジティブなショックであり、家計の実質収入を顕著に高め消費支出に拍車をかける」と語った。

 原油価格が1バレル当たり20ドル下がると、産油国から消費国へ1年で6700億ドルもの所得移転になる。他のエネルギー価格もつられて下がるので、米国を含むエネルギー輸入国にとって実際の利益はより大きい。米国内のシェールオイルなどへの投資は打撃を受けるが、同産業が米国のGDPに占める割合は小さいため、悪影響を過大視すべきではないとダドリー総裁は主張した。

 フィッシャーFRB(米連邦準備制度理事会)副議長も同様の考えを12月初めに示している。エネルギー価格の下落は米国のインフレ率が目標(2%)に到達する時期を遅らせるが、消費が活発化して経済成長が高まれば、賃金が徐々に上昇してインフレ率もやがて適度に高まっていくとFRB幹部は考えている。

 一方、日銀幹部はガソリン価格の下落を見て「困った、困った」と言っている。「2年程度を念頭にできるだけ早期にインフレ率を2%にする」と昨年春に宣言してしまったからだ。10月31日には、円安誘導を事実上強化するために追加の金融緩和策を決定した。

 岩田規久男副総裁は、エネルギー価格が下落しても、それによって浮いた購買力が他の品目の価格を押し上げるので全体のインフレ率は低下しないと、以前は強く主張していた。しかし、いつの間にか宗旨変えしたらしく、追加緩和策に賛成していた。

 追加緩和後も黒田東彦総裁は「できることは何でもやる」「薬は飲み切る」と強調して円安を推し進めたため、120円を超える円安となった。原油価格下落に大歓迎のFRBと実に対照的だ。米国よりもエネルギー輸入依存度がはるかに高い日本で、交易条件の改善を円安で相殺する政策は奇妙といえる。9月に日本商工会議所が行ったアンケートでは、120円以上の円安を望む企業は約3100社中、わずか1.3%だった。

 日銀が無理にでもインフレ率2%を早期達成することは日本経済にとって本当に良いことなのか。

 日銀が四半期ごとに実施しているアンケートでは、「1年以内に支出を減少させる」と答えた人が昨年6月以降増加中で、9月は50%を超えた。所得増加と物価上昇の好循環ができる前に、「何が何でも物価を上昇させる」と中央銀行が力んでしまうと、消費者は財布のひもを固く縛ってしまう。

 ニュージーランドをはじめ、幾つかのインフレ目標採用国はエネルギー価格など外生要因でインフレ率が目標から逸脱しても、中央銀行の責任を問わないとしている。短期的に目標達成を無理やり狙うと、経済にゆがみをもたらしてしまうからだ。

 日銀もそうある方がよい。原油安が進むたびに円安誘導を行うと、原油価格が反転上昇したときに日本経済へ深刻な悪影響を及ぼす輸入物価上昇が生じる恐れすらある。

(東短リサーチ取締役 加藤 出)
http://diamond.jp/articles/-/63770

 


【第358回】 2014年12月16日 真壁昭夫 [信州大学教授]
原油価格の下落は日本にとって福音ばかりではない?
「逆オイルショック」で回り出す負のループの正体
“逆オイルショック”到来でどうなる?
なぜ原油価格は急落してしまったか

 最近、“逆オイルショック”という言葉がよく使われている。今から約半年前の6月、代表的な原油価格であるWTI(米国ニューヨークで扱われる原油の指標銘柄)は、1バレル当たり107ドル台だった。

 ところが足もとの12月10日現在、同価格は60ドル台まで急落した。約6ヵ月間の下落率は57%を超えた。

 従来原油価格は、中東での紛争などをきっかけに急上昇することが多く、それによって世界経済に痛手が及ぶことが多かった。今回の原油価格の下落が今までの反対、つまり“逆オイルショック”と呼ばれる所以なのだ。

 原油価格の下落は、輸入国にとっては基本的に大きなプラス要因となる一方、原油を輸出している国にとっては大きなマイナス要因になる。円安傾向が続いているにもかかわらず、ガソリン価格が下落気味になっていることなど、わが国経済にとって重要な福音をもたらしていることなどがその例だ。

 しかし、原油価格が短期間にこれだけ下落すると、国際金融市場でのお金の流れ(マネーフロー)などに大きな影響を与える。ベネズエラやロシアなど主要産油国の経済状況が悪化したり、エネルギー関連株の動きが不安定になるなどの悪影響も、顕在化している。

 中長期的な原油価格の動向については、専門家の間でも様々な見方があるようだが、当面すぐに原油価格が急上昇することは考え難い。その背景と影響、さらには今後の展開を考える。

 原油価格下落の主な理由については、ロシアに対する制裁強化説など様々なものがある。ロシアに対する制裁強化説とは、ウクライナ問題の制裁を強化するために、米国やサウジアラビアなど一部の産油国が結束して、原油価格を意図的に下げているとの見方だ。

 あるいは、主要産油国であるサウジアラビアが、米国のシェールオイル産出に対抗するため、減産を見送って価格を押し下げているとの見方もある。それらは、いずれもストーリーとしては面白いのだが、それに要するコストを考えると、あまり説得力はないと思う。

 現在の世界の原油市場の構図を整理すると、まず欧州やわが国、さらには中国をはじめとする主要新興国の景気回復が遅れているため、原油に対する需要は当初の予想よりもやや下振れしている。

OPECやサウジのプレゼンス低下で
供給過剰の状況は変わらない?

 一方供給サイドはと言うと、非OPEC(原油輸出国機構)国を中心に増産が顕著になっている。特に、米国のシェールオイルの大幅な産出拡大が目立っている。こうした状況を冷静に分析すると、供給が需要を上回る状況になっている。

 また、サウジアラビアをはじめとするOPECは、原油価格の下落に歯止めをかけるために総会を開催したのだが、結果的に合意を形成することができなかった。ということは、当面供給超過が続くことになる。

 世界の原油を巡る構図は明らかに変化している。1つの変化は、OPECが以前ほどの価格決定能力を持てなくなったことだ。ロシアや米国などのシェア上昇で、カルテル機能が大きく低下している。

 もう1つは、かつての盟主であるサウジアラビアのプレゼンス低下だ。かつて同国は、原油市場の盟主としてプライスリーダーの役目を果たしてきた。しかし、アブドラ国王の高齢懸念や後継者などの国内問題に加えて、中東地域の紛争が大規模化していることもあり、盟主としての実力を果たす余裕が低下している。

 盟主の力量が低下すると、どうしてもマーケットは不安定になり易い。それは原油だけに限ったことではない。

“逆オイルショック”は大きな福音だが
日本にとってプラス面ばかりではない

 原油価格が下がることは、多くのエネルギー資源を海外からの輸入に頼らざるを得ないわが国にとっては、大きな福音だ。国内の物価上昇のペースが、賃金上昇のそれを上回って消費が伸び悩んでいることを考えると、アベノミクスには神風と言ってよいだろう。

 しかし、短期間に原油価格が大きく下落することは、世界経済にとって無視できない攪乱要因になる。まず、原油産出国には重大なマイナス要因として働く。すでにロシアの通貨であるルーブルは、過去半年間で約40%以上下落しており、今後輸出手取り代金の大幅減少により、国内経済が痛手を受けることは避けられない。

 また、ベネズエラなどでは財政の悪化懸念が顕在化している。原油価格の下落によって、それ以外の商品市況が不安定化していることも見逃せない。こうしたマイナス要因によって、国際的なマネーフローが変化するはずだ。

 たとえば、鉄鉱石などの有力な資源国であるブラジルは、国際的なマネーフローの変化によって自国通貨レアルが大きく売られた。それに対して、ブラジル中銀は政策金利の引き上げを行った。ブラジルは結果的に、景気が減速している状況下で金利を引き上げることを余儀なくされた。同国の経済は、さらに悪化することが懸念される。

“逆オイルショック”をきっかけに、ブラジルなど主要新興国の経済が減速すると、世界経済の足を引っ張る可能性が高い。欧州やわが国、さらには中国の経済回復が遅れている状況下で、ブラジルなどの新興国経済までもが減速すると、世界経済全体に“逆オイルショック”のマイナス効果が波及する可能性は高まる。

 そうしたリスクを見越して、足もとでは株式や為替などの金融市場が不安定な展開になっている。それは、大手投資家がリスクオフに走っている証拠だろう。

円安の巻き戻しで好調株価に影響も?
日本経済にマイナス効果が波及する可能性

 主要供給国であるサウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は、米国のシェールオイルとのシェア争いに言及したという。かつて同国が減産によって、国際市場でのシェアを落とした苦い経験が働いているのだろう。

 また、同国が抱える国内外の問題を考えると、短期的に減産に踏み切ることは考え難い。おそらく、エネルギー輸出依存度の高いロシアなどと同じ状況だろう。とすると、当面国際市場での需給状況は大きく変化することはないだろう。原油価格が短期間に大きく上昇することは考え難い。問題は、“逆オイルショック”がこれからも続くことだ。

 わが国に関しては、今のところ、原材料としての原油価格の下落によるメリットの方が多い。ガソリン価格の低下は、一般家計や運送費用の低下を通して経済全体にプラスの効果をもたらすからだ。

 しかし、これから徐々に、“逆オイルショック”のマイナス面が波及すると覚悟した方がよい。世界的なマネーフローの変化によって、ブラジルなどの主要資源国を中心に新興国の経済が痛手を受け、それがわが国をはじめ世界経済の足を引っ張ることになる。

 また、マネーフローの変化は投資家のリスク許容量を低下させ、ヘッジファンドなど大手投資家をリスクオフの方向へと追いやる。為替市場では、リスクオフの動きに従って円安に巻き戻しの動きが出るだろう。

 円安に修正が加わると、わが国ではGPIF(年金資金管理運営機構)や日銀に支えられてきた、官制の株式上昇のトレンドに変化が出ることも考えられる。また、原油価格の下落は、デフレからの脱却を目指す日銀にとって大きな逆風になる。

 金融市場が不安定になり、デフレ脱却のメドがつかなくなると、アベノミクスに大きな打撃になることも考えられる。原油価格が下がれば、我々にとってプラスになると単純に考えることはできない。

http://diamond.jp/articles/-/63745

 

【第1088回】 2014年12月16日 週刊ダイヤモンド編集部
為替と原油価格に翻弄される家庭用太陽光発電の前途
急激な円安の進展が、家庭用の太陽光発電普及に大きな影響を与えそうだ。給湯設備メーカーのノーリツは12月5日、太陽光発電システムの生産・販売を縮小すると発表した。産業用は継続するものの、家庭用は2015年末をめどに生産・販売を中止する。 
同社は11年から家庭用に本格参入。主力の温水機器で構築した施工・アフターサービスの体制を強みにシェアを広げたが、「市場価格が当社の想定以上に下落する一方で、急激な円安の影響でモジュールを構成するセルなどの仕入れ価格が上昇し、家庭用太陽光発電システムの収益性に大きな影響を及ぼした」(同社IR)という。 
経済産業省の出先機関、中国経済産業局がまとめたデータによれば、この5年間で家庭用は46万件から155万件まで伸びたが、普及率は全国平均で5.6%にとどまる。需要が拡大しない中で円安がこのまま続けば、ノーリツと同様の動きを見せる企業が連鎖的に出てくる可能性もある。 
拡大画像表示
その判断材料となりそうなのが、発電コストと電気料金の関係だ。発電コストは1キロワット時当たり50円から30円未満まで低減しているのに対し、家庭の電気料金は少しずつ値上げされてきた(右図参照)。 
理由として、12年に始まった固定価格買い取り制度(FIT)に伴う「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が指摘されるが、それ以上に円安による燃料価格上昇に伴う燃料調整費の影響が大きい。 
例えば、東京電力が示す平均モデルなら、電気料金が8417円の家庭では再エネ賦課金217円に対し、燃料調整費は675.5円と約3倍の負担になる。 
自然エネルギー財団は、「今の傾向が続けば、15年第2四半期には家庭用太陽光発電の発電単価と通常の電気料金が同等になる」と試算しており、そうなれば普及への壁は取り払われる。 
原油価格にも注目
もう一つの注目が、原油価格だ。今月開かれた石油輸出国機構(OPEC)総会で、産油国が減産に踏み込まなかったために、原油価格は下落の一途をたどっている。 
原油価格に連動する形で液化天然ガス(LNG)を大量調達している日本の電力会社は、本来ならば価格下落の恩恵を被ってもおかしくない。しかし、「総括原価方式」で燃料費の負担を国民に転嫁できる仕組みにより、企業努力をしにくい契約となっており、依然高値での取引を余儀なくされている。 
バーゲニングパワーによって市場価格を反映した調達ができるようになれば、円安の影響を十分相殺できる上に、電気料金の上昇も抑えることが可能になる。東日本大震災後、自然エネルギーの代表選手として大きな期待を集めてきた太陽光発電だが、為替と原油という巨大市場の動きが普及への大きな鍵を握っている。 
大根田康介) (ライター
http://diamond.jp/articles/-/63778 

 



05. 2014年12月16日 11:08:31 : J4PMRptE1Y
企業の1年後物価見通しは+1.4%に低下、インフレ期待高まらず
2014年 12月 16日 10:10 JST
http://jp.reuters.com/news/pictures/articleslideshow?articleId=JPKBN0JU03020141216&channelName=topNews#a=1
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[東京 16日 ロイター] - 日銀は16日、12月の全国企業短期経済観測調査(短観)における「企業の物価見通し」を発表した。企業が想定する消費者物価(CPI)の前年比上昇率は、消費税率引き上げの影響を除き、全規模全産業の平均で1年後がプラス1.4%となり、前回9月調査から0.1%ポイント低下した。

10月末の日銀による追加緩和後も、企業の物価上昇期待に高まりは見られていない。

1年後の物価見通しを産業・規模別にみると、製造業は大企業がプラス1.1%、中小企業がプラス1.7%とそれぞれ前回調査と同水準となったのに対し、非製造業は大企業がプラス1.1%、中小企業がプラス1.6%とそれぞれ前回よりも0.1%ポイント低下した。足元の急速な原油安に伴うガソリン価格の低下などが反映されている可能性がある。

一方、全規模全産業で3年後はプラス1.6%、5年後はプラス1.7%となり、前回調査と同水準だった。5年後までを展望しても、日銀が物価安定目標に掲げる2%に達していない。

日銀では、昨年4月に導入した「量的・質的金融緩和」(QQE)の推進で企業や家計のインフレ期待を高めることを目指しているが、これまでのところ調査からは企業のインフレ期待の明確な高まりはうかがえない。日銀が展望している2015年度中の物価2%到達も、企業の1年後の物価見通しからは、遠くなった格好だ。

同時に公表した各企業の主要な製品・サービスの販売価格見通しも、現在と比べて平均で1年後に1.0%上昇、3年後に1.7%上昇、5年後に2.0%上昇となり、それぞれ前回調査から0.1%ポイント低下した。

企業の物価見通しは今年3月調査分から公表を開始し、今回が4回目。回答企業数は1万社強だった。1万社規模で企業の物価見通しを調査するのは、世界的にも例がない。日銀では、今後も四半期ごとの短観でデータの蓄積を続けるが、統計の癖や季節性などを把握するには「少なくとも2年間程度の蓄積が必要」(調査統計局)としている。


(伊藤純夫 編集:田中志保)

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0JU03020141216?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPTopNews+%28News+%2F+JP+%2F+Top+News%29


06. 2014年12月16日 19:52:05 : RQpv2rjbfs
>>1 財政ファイナンスはやめたくてもやめれない。税収50兆円で100兆円の予算を組んでいれば国債なしには公務員のボーナスは言うに及ばず、給料すら払えない。

限界税率というのがある。タバコ税や酒税の税率をどんどん上げていくと、必ずそれ以上税率を上げても税収が伸びない時点に行き着く。

日本のように全ての消費財、サービスに一律な消費税を課せばかなり低い税率でも限界税率に達してしまう。8%ではすでに税収が落ち込んでいるのではないか。

雑巾はすでにカラカラだこれ以上絞っても水は出ない、雑巾がさけるから絞るのをやめるがよい。悪あがきせず、早めにデホルトせよ、さすがにデホルトしながらボーナスはもらえまいよ公務員諸君。


07. 2014年12月17日 03:59:46 : Jev7iq19Tk
いや、デフォルトしても公務員だけにはボーナスが行くようにする。
それが自民政権。

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