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廃虚寸前のリゾートマンションが“再生”したワケ
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20141214/ecn1412140830002-n1.htm
2014.12.14 本当は教えたくないマンション業界の秘密 榊淳司 夕刊フジ
あるリゾートマンションのお話。都心から車で数時間ほどの景色がいい丘の上に数十年前、建てられた物件で、規模は100戸超、分譲時、大浴場と屋外プールがあるのがウリだった。
平成バブルの時期で当時、築10年以上が経過。50平方メートルくらいの住戸が3000万円から4000万円で取引されていたという。今はせいぜい100万円から200万円。この手の物件で値段が付くだけよいほうだ。
実は数年前、ほぼ値段が付かずに廃虚寸前まで追い込まれた。管理費の滞納率が5割を超えてしまっていたのだ。
管理会社は入らない、いわゆる自主管理で、滞納者への督促は管理組合が行わなければならなかった。
リゾートマンションだから、組合の理事たちはほとんどが近県に住んでいる。当然、理事会の開催もままならないから、組合の運営にも支障をきたす。とても滞納者への督促まで手が回らない。
困った理事長が、ある弁護士に相談した。
「それでは、一つ一つやっていきましょう」
まず、管理業務を引き受けてくれる管理会社を探した。幸い見つかり、滞納者に対する初期的な督促は、管理会社が担当することになった。
次に、管理組合を法人化した。法人になると訴訟を起こしやすいし、区分所有者にもなれる。
管理費を滞納している住戸への積極的な督促が行われるようになった。しかし、払ってくれない区分所有者が大半で、なかには所在不明のケースもあった。
所在が特定できる区分所有者には順次訴訟が申し立てられ、競売や公売が行われるようになった。
廃虚寸前のマンションだから、競売や公売が行われても入札する者はほとんどいない。そこで法人となった管理組合が落札する。落札額は50万円程度。落札した住戸はリフォームをかけて一般に売り出した。そこで多少の利益が得られ、未収だった管理費の全部または一部が回収された。
新しい区分所有者には、管理費関係を銀行口座からの自動引き落としにしてもらった。自動引き落としだと、滞納になりにくい。
地味で煩雑な回収作業を弁護士が中心になって数年続けた結果、滞納住戸の比率が全体の2割台まで下がった。あと1年で1割台まで下げられる見通しという。
マンションの状態も廃虚寸前だった数年前に比べて見違えるようになった。大浴場もきちんと運営されている。
管理費滞納から廃虚化へ向かっているのは、このようなリゾートマンションだけではない。郊外で資産価値が数百万円まで落ちた普通のマンションにも、その危機が迫っている。滞納や無主の住戸が増えているのだ。
滞納率が3割を超えれば、廃虚へのレールが敷かれたも同然だが、回復手段はある。管理組合の地味な活動と専門家への依頼である。
■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。1962年、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。不動産会社の注意情報や物件の価格評価の分析に定評がある(www.sakakiatsushi.com)。著書に「年収200万円からのマイホーム戦略」(WAVE出版)など。
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