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消費再増税延期、持続的消費回復につなげる条件とは 消費意欲底堅く、低価格離れ進む(Business Journal)
http://www.asyura2.com/14/hasan92/msg/255.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 12 月 13 日 10:14:25: igsppGRN/E9PQ
 

消費再増税延期、持続的消費回復につなげる条件とは 消費意欲底堅く、低価格離れ進む
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141213-00010000-bjournal-bus_all
Business Journal 12月13日(土)6時0分配信


 11月17日、7−9月期のGDP速報が発表され、実質GDP成長率が前期比0.4%減(12月8日発表の2次速報は同0.5%減)と2期連続のマイナスとなり、年率換算で1.6 %もの大幅減となった。この数値は株式市場に衝撃を与え、速報発表当日の日経平均株価終値は517円安となった。これを受け安倍晋三首相は18日、来年10月に予定していた8%から10%への消費再増税延期と、その信を国民に問うため、衆議院を解散することを発表した。

 では、今回の消費再増税延期は、今後の消費にどのような影響を与えるのだろうか。結論からいえば、高収入層や高資産層などの富裕層に牽引されて、消費は短期的には回復する可能性が高くなった。そして今後の消費動向を占う上では、「GDP速報ショック」と呼ばれるほどエコノミストや株式市場が驚いた背景にカギが隠れている。

●GDP速報ショックの実態

 アベノミクスを振り返ってみると、12年末の安倍政権発足後、アベノミクスへの期待感と量的質的金融緩和と呼ばれる異次元金融緩和により景気は浮上した。政権誕生のアナウンスだけで円安に振れ、輸出企業の業績が回復し、株価は上昇した。例えばトヨタ自動車は、1円の円安で約400億円営業利益が増える。株価などのリスク資産が急騰し、金融および実物資産が増加した。

 その恩恵を大きく受けた富裕層が、消費回復の牽引役となった。金融緩和による物価上昇は、自動車、家電などの耐久財を多く購入する富裕層には、将来の値上げで損するよりも今買ったほうが得という、将来の消費(貯蓄)よりも現在の消費を選好する「代替効果」をもたらした。

 例えば、2000〜3000万円の高級輸入車を購入予定の場合、将来円安による値上げや今年4月の消費増税で2〜3割高い値段で買うより、今買っておいたほうが得ということになる。都内の百貨店でも、宝飾や時計などの高額品が飛ぶように売れた。

 この消費の顕著な回復には目を見張るものがあり、500 兆円のGDPに対して、およそ10兆円の駆け込みがあったのではないかと推定される。GDP成長率寄与に換算すると約2%にも上るが、これは多くのエコノミストにとって予想外の消費回復であった。従って、多くのエコノミストは消費トレンドを上昇基調に修正した。このトレンド予測からすれば、4月の消費増税後は3カ月程度で回復すると見込んだ。そのため、4−6月期のGDP速報の落ち込みは予想通りだった。そして、7−9月期のGDP速報で消費回復が遅れ「ショック」と捉えられた(冒頭の「図表1 消費回復の過剰期待の修正―ショック」参照)。

 ショックと捉えられたのは、冷静な想定を裏切られたというよりも、「期待」を裏切られたという意味合いが強い。実際、株価下落はGDP速報値発表翌日の18日には回復した。予想外の消費回復で消費への過剰な期待が膨らみ、バブルのようにはじけた。エコノミストが利用している経済予測手法では、消費増税などの外的ショックと反動は経済モデルとして取り込みにくく、過去の延長推計で予測すれば、経済成長はプラス予想にならざるを得なかったということであろう。

 1世帯35万円の家計を200万社で奪い合い競争をしている消費の現場に近い企業やマーケターにとっては、機械的予測のショックという印象を拭いきれない。なぜなら、GDPの約60%を占める個人消費支出の指標となる家計調査では、9月以降も消費支出は減少していたからである。むしろ、前期比で0.2%の消費の伸びは予想外によかったといえる。
 
●消費の先行きの下振れ要因と上振れ要因

 消費は、短期的には振り子のように揺らいでいる。ただ、JMR生活総合研究所で10年あまり継続的に行ってきた調査結果をみると、消費者の支出意欲は足元で底堅い。消費の長期低迷の要因となっていた将来不安が、13年以降の景気回復を受けて大きく低下している。デフレ要因となっていた節約志向と低価格期待はゆるみ、緩やかなインフレ期待の下で、消費者の低価格離れが着実にみられる。

 消費の先行きの下振れ要因としては、駆け込み需要から回復する調整期間の長期化、円安に伴うコストプッシュ型の物価上昇が消費にもたらすマイナス・インパクト、インフレ下で収入が伸び悩むことによる実質収入の減少などが考えられる。そして、下振れを牽引するのは、低収入・低貯蓄の低所得層である。報道では、もっぱら下振れのほうが強調されている。

 一方で、上振れ要因として主なものを挙げると、金融緩和の下での円安進行や海外景気の回復などを契機に輸出企業の業績が回復すること、10月に発表された日本銀行の追加金融緩和による株高や地価上昇を通じた新たな資産効果、景気の再復調に伴う雇用環境の堅調さ持続などである。また、前述の通り将来の消費である貯蓄よりも現在の消費のほうが得という代替効果がある。若い世代には経験のないことであるが、持続的なインフレが続く経済では、駆け込み需要のような「今買わないと、値上がりしてから買うと損をする」という意識が強かった。そして、このような上振れを牽引するのは、高収入層や高資産層などの富裕層である。ちなみに、日本では金融資産を1億円以上所有する層は約100万人であり、人口の1%弱である。

 これら諸要因の力の均衡によって、消費は時折揺らぎを伴いつつも、バランスを維持している。人口数では低所得層が優勢であるが、市場規模の大きさでみると消費額の大きい富裕層と富裕層に追随する中流層の影響力が低所得層をしのぐ。

 今回の消費再増税延期は、それまでは消費の下振れ要因となっていたものが天秤の片方の皿から外されることで、短期的には消費を上振れさせる効果をもたらす(「図表2 消費をめぐる力の均衡」より)。しかし、住宅、自動車や家電などの選択的耐久財の回復は容易ではなく、消費財企業は消費者の品質志向をどう取り込むかが課題となりそうである。

●持続的な消費回復の条件

 再増税延期により消費回復を持続させるための条件は2つある。第1は、再増税延期により、財政不安や年金不安が高まり、将来における税や年金の負担増加予想が強まるのを防ぐことである。再び、将来不安が高まれば、消費マインドを冷やし貯蓄意欲を高め、消費の腰折れと低迷に陥る可能性もある。


 第2は、所得の再配分政策を適切に行うことである。異次元金融緩和による資産バブルは、富裕層への富の集中と偏在をさらに進める効果がある。先進諸国でみられるように、1%の富裕層が全国民総収入の20%以上を占める階層社会化が進む可能性がある。具体的には、100万人が3億円以上の年収を得て、残りの99%が年収300万円以下の社会である。アメリカ社会はこれに近い。ちなみに、現在の日本では年収が3億円を超える人はおよそ3000人と推定され、総人口の0.003%以下である。しかし、今後過度の不平等が進めば社会不安を招き、消費回復の長期持続には結びつかない。

 政府には、再増税延期を持続的な消費回復へつなげるための政策実行が求められている。

松田久一/JMR生活総合研究所代表


 

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コメント
 
01. 2014年12月13日 11:51:05 : gf4gGIfLFY
何が言いたいのかわからない。
資産家の1%で消費の20%でも持つとでも言いたいのか。1億円の高級車が100台売れても200億円残り99%(1億3000万人)が100円の消費で130億円。
99%が消費を増やさなければ意味がない。

02. 2014年12月13日 12:16:18 : IlIsGyRxB2
この記事、、、馬鹿の極み!!!

03. 2014年12月13日 15:56:47 : oBX462qug2
もう経済誌はいい加減、現実に沿った記事を書けよ

国民の消費意欲が無くなり、給料も増えず、GDPはマイナスなんだよ

全部、安倍自民の失政が原因でな

「GDPはプラスになる」と言い続けて、実際は改定値もマイナスになったことで、こういう誤魔化し記事にはウンザリしてるんだよ


04. 2014年12月13日 17:46:16 : UldRjN6Nt2
すごいよね、この論考
金持ち良ければそれで良し
貧乏人の事なんか知ったこっちゃない
そのクセ低所得者層の数が多いと言うことは認めている

05. 2014年12月14日 22:07:41 : QR4ozHs47k
2〜3千万の車が売れれば景気がよくなる。
そんな消費は趣味も悪ければ見栄だけを満たす商品。
人々の生活がよくなるわけでもない。
それでもそちらの方にばかり減税する政策の宣伝が続く。
それでよいと思う人は自民党を支持すればよろしい。

06. 2014年12月16日 07:08:37 : gs0zQIOBAg
自民党最悪

07. 2014年12月18日 07:03:17 : jXbiWWJBCA

野口悠紀雄 緊急連載・アベノミクス最後の博打
【第5回】 2014年12月18日 野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
消費税10%では財政再建の道筋はまったく見えない
本来は消費税率を30%近くにする必要がある
 選挙戦では、長期的な経済問題はほとんど議論されなかった。しかし、日本経済は中長期的に深刻な問題を抱えている。その1つが財政だ。これが極めて重要な問題であるにもかかわらず、消費税増税は延期され、野党もそれに異議を唱えなかった。

 選挙が終わったいまこそ、腰をすえて中長期的な課題に取り組む必要がある。

増税延期で1.5兆円減、
しかし自然増もある

 消費税の税率は、2014年4月に8%(消費税6.3%、地方消費税1.7%)に引き上げられた。そして、15年10月に10%(消費税7.8%、地方消費税2.2%)に引き上げられる予定だった。ところが、これを1年半先送りし、17年4月にすることとされた。

 13年10月に財務省が公表した資料によると、消費税率の3%ポイント引き上げによる税収増は、平年度ベースで国と地方を合わせて年間8.1兆円(国は6.35兆円)だ。初年度は5.1兆円(国は4兆円強)だ。2%ポイントの引き上げによる増収は、比例計算をすれば、平年度で全体では5.4兆円、国は4.2兆円だが、これが遅れるわけだ。15年度では国で1.5兆円程度減少するとされている。

 このため、15年度予算においては、消費税増収分を想定した低所得者・子育て世帯向け給付金に向ける財源の確保を含めて、歳出を大幅に見直す必要があるとされている。

 他方で、税収の伸びは順調である。14年度予算の税収額は50兆円だが、企業収益が好調なため、法人税収などの上方修正が予想されている。政府は、補正予算案を編成する際に税収の見積もりを51兆円台半ばへと、1兆円超上方修正する見通しだ。

基礎的財政収支半減目標は達成できても、
黒字化は無理

 財政再建に関する政府の目標は、「当面の財政健全化に向けた取組等について」(中期財政計画:2013年8月閣議了解)に示されている。すなわち、「国・地方を合わせた基礎的財政収支について、2015年度までに2010年度に比べ赤字の対GDP比を半減、2020年度までに黒字化、その後の債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指す」とされている。

 ここで、「基礎的財政収支」(プライマリーバランス)とは、税収・税外収入と歳出(国債の元本返済や利払いに充てる国債費を除く)との差額である。

 国・地方を合わせた対国内総生産(GDP)比の赤字は、10年度には6.6%だった。14年度の基礎的財政収支赤字は、対GDP比5.1%の25.4兆円だ(図表1参照)。


 内閣府は、14年7月、「中長期の経済財政に関する試算」において、消費税率を15年度に10%にすることを前提にして、基礎的財政収支赤字を3.2%(16.1兆円)と試算し、目標を達成する見通しを示していた。しかし、消費増税の先送りのため、目標の達成は困難との見方が強まっていた。だが、上記のように税収の自然増があるので、15年度の目標は達成できる可能性もある。

 ところで、仮にその目標が実現できても、財政再建が順調に進んでいるとはいえない。なぜなら、「20年度で黒字化」という目標は達成困難と考えられているからだ。

 上記「試算」によると、黒字化目標は達成できない(図表1参照)。これは、重要な結論である。「消費税の10%への引き上げや、現在なされている歳出抑制措置では、日本の財政は再建できない」と政府が認めているわけである。

 なお、地方の基礎的財政収支は、現在でも黒字であるし、将来も黒字が続く。問題は国である。20年度における国の基礎的財政収支の対GDP比は、「経済再生ケース」でも−2.4%、「参考ケース」では−3.2%と予測されている。

 こうした問題があるにもかかわらず、短期的景気後退を恐れて増税がなされなかったことから、日本財政に対する信頼は低下している。実際、格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは、12月初めに日本の政府債務格付けをAa3からA1に格下げした。これは、G7先進7ヵ国のなかではBaa2であるイタリアに次いで低い格付けだ。

ドーマーの定理との関係

 ところで、この問題は、さらに検討を加える必要がある。なぜなら、われわれが関心を持つべきものは、基礎的財政収支そのものというよりは、公債等残高の対GDP比だからである。この推移は、図表2に示すとおりだ。

「経済再生ケース」では、残高の対GDP比が徐々に低下している。これを根拠にして、「基礎的財政収支を黒字化できなくとも、公債等残高の対GDP比が低下するのであれば、問題はないのではないか」という意見がありうる。しかし、そうだろうか?

 この問題は、「ドーマーの定理」との関係で考える必要がある。これは、1940年代にE.D.ドーマーによって提唱された、財政赤字の維持可能性に関する条件だ。

 財政赤字の維持可能性とは、対GDP比で見た政府債務残高が膨張し続けないことである。そのための条件は、「基礎的財政収支がゼロのときに、成長率(税収伸び率)が金利より高くなること」というものである。基礎的財政収支が均衡している場合、国債の利払い分だけ債務残高が増える。しかし、それ以上に名目GDPが増加すれば、対GDP比で見た政府債務残高は膨張しないというわけだ。

 ところで、図表2の「経済再生ケース」は、基礎的財政収支が負であるにもかかわらず、公債等残高の対GDP比が低下している。それはなぜだろうか?

 原因として考えられるのは、つぎの2つだ。

(1)税収伸びを高く見積もっている。

「経済再生ケース」では、消費者物価上昇率として2%ないしはそれを超える値を想定している。しかし、これは現実の値に比べてかなり高い。このため、税収の伸びが高くなっている可能性がある。

 ただし、上記「試算」には、税収のデータが開示されていないので、直接にチェックすることができない。この点は、後で国の一般会計について検証することとする。

(2)金利を低く見積もっている。

「経済再生ケース」では、19年度まで、名目長期金利が名目GDP成長率よりかなり低いものとされている。この仮定によって、債務の対GDP比が低下する可能性が高い。

 参考ケースでは、債務の対GDP比が上昇する。これは、名目金利が名目成長率より高いと想定されているためであろう。


国の一般会計の収支の
前提は妥当か?

 われわれが通常関心を持つのは、国の一般会計である。また、「試算」において、税収等のデータも開示されている。そこで、以下では、これを見ることとしよう。

「試算」の計算結果の要点を抜き出すと、図表3、図表4のとおりである。2020年度の基礎的財政収支は、「経済再生ケース」で−9.5兆円、「参考ケース」では−13.5兆円だ。

 まず、「税収伸びや歳出伸びの想定は妥当か」という問題を検討しよう。

 経済再生ケースでは、税収が14年度から20年度にかけて38.6%増加するとされている。ただし、この中には消費税増税分も含まれている。そこで、16年度以降を見ると、税収は、16年度の60.7兆円から20年度の69.3兆円まで、4年間で1.14倍になるとされている。これは年率にすると3.37%の伸びだ。「経済再生ケース」での名目GDPの伸びは、この値あるいはそれ以上に想定されているので、弾性値はさほど高くない。つまり、名目成長が実現するかぎり、税収伸びの見通しは過大とは言えない。

 つぎに支出側を見よう。基礎的財政収支対象経費の伸びは名目GDP伸びより低いが、社会保障の自然増を考えると、これは可能だろうか?

 これに関して、財務省「財政健全化目標の達成に向けて」(14年3月)が参考になる。

 そこに歳出の「自然体」というものが示されている。それによると、「再生ケース」では年平均1.6兆円の伸びで、20年度に84兆円となる。「参考ケース」では年平均1.1兆円の伸びで20年度81.5兆円となる。20年度における歳出額は、「試算」の数字とほぼ同じだ。

 年平均1.1〜1.6兆円の増加というのは、社会保障費の自然増としてよく言われる数字である。したがって、歳出増を社会保障費自然増の範囲に抑えることができれば、「試算」の数字は実現できるだろう。

 以上を考慮すると、「試算」において債務の対GDP比が低下する原因は、税収見込みが多過ぎることや歳出伸び見込みが過少であることではなく、前記(2)の金利見込みによると考えられる。長期金利が今後どのように推移するかは、金融政策との関係もあり、見通しにくい。現在のような低金利が続けば、事態は「試算」におけるよりも好転するだろう。しかし、現在の金利水準は異常に低い。何らかの原因で高騰することはありえなくはない。そうしたことが起れば、公債等残高の対GDP比は上昇する。金利の行方は、日本財政に大きな影響を与えるのである。

EU加盟条件を満たすには、
消費税率27%が必要

 すでに述べたように、現実の問題として重要なのは、基礎的収支というよりは、国債残高である。そして、これに影響を与えるのは、図表3や4における「歳出と税収等の差額」だ。これは、国債発行額に相当する(2012年度一般会計予算の公債金収入は、41兆2500億円)。

「経済再生ケース」でも「参考ケース」でも、消費税の増税によって一時的に差額は縮小するが、また元に戻ってしまい、20年度には現在より大きな値となる。20年度の差額は、「経済再生ケース」において49.4兆円、「参考ケース」では49.8兆円だ。

 こうした状況が続けば、国債残高は増加する。そこでこれを削減する必要があるが、その際の1つの目安となるのは、EUの規定だ。EU加盟の条件としては、単年度の財政赤字(新規国債発行額)がGDPの3%を超えてはならず、債務残高がGDPの60%を超えてはならないとされている。

 債務残高の対GDP比の達成は、きわめて難しい。ここでは、単年度赤字に関する条件を目的としよう。これを消費税の増税だけで行なうとすれば、どの程度の増税が必要だろうか?

 前記のように、3%の税率引き上げによる国の増収は、平年度で6.35兆円(税率1%で2.12兆円)だ。これは、14年度の数字だが、20年度においては、参考ケースにおける名目GDPを用いて比例計算すれば、1%で2.38兆円となる。

 ただし、このすべてを公債減額に用いることはできない。なぜなら、消費税率が10%の場合の国税分は税率7.8%に相当するものだが、そのうちの1.52%に相当する額(つまり、一般会計税収の19.5%。これは16年度以降の地方交付税率である)を地方交付税に充てるからだ。したがって、消費税率1%増による税収のうち赤字削減に充てうるのは、最大2.38×(7.8−1.52)÷7.8=1.91兆円だ。

 他方で、「参考ケース」において20年度の赤字額の対GDP比を3%にするには、33兆円だけ削減しなければならない。これは、消費税率17.2%に相当する。

 つまり、今回引き上げ後の税率10%に17.2%を上乗せし、消費税の税率を27.2%にしなければならないのである。

 これは、経済的観点から言えば、不可能というわけではないにしても、きわめて困難な課題である。

 しかも、上で見たように、これは、税収がかなり順調に伸び、歳出増をほぼ自然増のみに抑えられる場合のものだ。また、長期金利が暴騰はしないことを前提としている。これらの仮定が満たされなければ、事態はもっと厳しくなる。
http://diamond.jp/articles/-/63935



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