01. 2014年12月12日 11:06:13
: nJF6kGWndY
堅実経営も悪くはないが、フロンティアの開拓は難しそうだなhttp://krs.bz/softbrain/c?c=4202&m=43118&v=bd793956 1. トップは育てるものではない(論長論短 No.231) 2. 男性不遇の時代だ。(社会学者古市憲寿さん連載2「男はつらいよ」) 3. ソフトブレーングループからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 1. 論長論短 No.231 トップは育てるものではない 宋 文洲 水槽の中を泳ぐ魚群。リードする先頭の魚を水槽からすくい出すと魚群がどうなるか。 これが前回の宋メールの質問です。 「二匹目の魚が先頭に出てきてリードするだろう」と密かに考える人が多いと 思います。あるいは「魚群が混乱するだろう」と予測するものの、 「じゃずっと混乱のままですか」との質問に困ってしまう方も多いと思います。 実はリーダーの魚を取ってしまうと確かに群れが混乱します。しかし、やがて 魚群がまた秩序を取り戻し、群れをなして泳ぐのです。問題はそのリーダー役 ですが、決してそれまでのナンバー2やナンバー3ではありません。見たことの ない魚です。正確にいえば、「旧体制」の中で目立たない魚なのです。 この自然現象は何を意味するか。それはナンバー2やナンバー3がトップになる ことは自然ではないということです。トップが後継者を選ぶことは自然界では 殆どあり得ない現象です。 では自然界と我々人間がどう違うか。それは厳しさの違いです。トップは年功 でもなく人気でもないのです。厳しい自然環境や激しい生存競争に勝ち残る ための群れの道具に過ぎないのです。 誰かに従うことで才能を発揮することは決してトップの才能ではありません。 未知の環境の中で独自の戦略で生存し、且つ他人に影響を与え続ける能力です。 このような能力を持つ人や動物は既存体制の中で能力を発揮できません。能力 を発揮すればするほど現在の体制の邪魔になり、組織の効率を低下させて しまうからです。 現体制のリーダーもそんな人を偉くする訳がありません。これは単なる傲慢や 嫉妬だけのためではありません。運営効率の悪化を防ぐためです。 独裁体制はなぜ脆弱か。それは後続リーダーの誕生に常に危機を孕むからです。 スターリンが指名した後継者はすぐその後の政治闘争に負けてしまいます。 毛沢東が指名した後継者もすぐトウ小平にとって代わられました。後継者を巡る 混乱を心配する声に対して危篤中の毛沢東が「平和的に権力交代できないならば、 混乱の中で権力交代が進む。それも良いだろう」と言ったそうです。 日本ではカリスマ経営者が後継者を育てるのは難しいとよく言われますが、 それは別にカリスマ経営者に限る話ではありません。平凡な経営者も後継者を 育てることができません。なぜならば真のトップは育てられるのではなく、 自力で勝ち抜くものだからです。 面白い経営者はだいたい混乱や困難な時期に予定されていない人が社長になった 場合が多いのです。一番の本物は事件で旧社長が突然に居なくなって混乱の中から 自力で社長になった人です。これは多くの日本人が最も嫌うリーダーの 誕生プロセスでしょう。 幸い、宋メールの読者は経営者が多いので嫌われても敢えて言います。 後継者で悩まれる方はもう後継者を育てたり探したりするような面等なことを 考えないことです。お好きなように経営し、好きな時に会社を辞めてしまえば いいのです。ただし、普段からなるべく異色の社員でも働きやすいように 心がけておきましょう。 本物リーダーになりたい人は上司や社長に媚を売るのにあまりエネルギーを 使わないことです。抜擢と出世に人生をかけないことです。リーダーが植物で あれば、責任は土壌です。覚悟は水です。家族は光です。組織と立場がなくても リーダー力を身につけることができます。後は運とタイミングだけです。 今回の論長論短へのご意見はこちらへ↓ http://krs.bz/softbrain/c?c=4200&m=43118&v=2d1f1f0b
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男性不遇の時代だ。 古市憲寿 たとえば中高年男性。仕事だけに打ち込んでいると家族の気持ちは離れていく。 だけど目の前にやるべき業務は山積み。しかも気を抜くとすぐに部下から お荷物扱い。世間では「能力のない中高年男性が会社に守られすぎているのが 日本の閉塞感の原因だ」なんて囁かれている。そこで「誰が日本の経済成長を 牽引してきたんだ」なんて開き直ることもできずに、ついつい若者にこびを 売ってしまう。「おじさんも大変なんだよ」とか言って。 若年男性も大変だ。正規雇用に就ける割合はどんどん減っている。うまく 大企業に入れたとしても、いつ倒産するかわからない。自分一人さえも養う 余裕もないにも関わらず、女の子の専業主婦志向は復活しつつある。 山田昌弘の調査によれば7割近くの女性が結婚相手に400万以上の年収を求めるが、 400万以上の年収の独身男性はわずか25%。「俺についてこいよ」なんて 今時の男の子は言いたくても言えない。 男性の大変さを最も象徴するのは、自殺率の高さだ。男性の自殺率は女性の 約2倍以上。2011年には、約2万人の男性が自ら命を絶った。特に「男は一家の 大黒柱」という規範の残っている中年男性だと、経済問題での自殺が多い。 あなたの身の回りでも「男はもうダメだね」「優秀な社員は女性ばかりだ」 といった話をよく聞かないだろうか。 その指摘はおそらく正しい。男はもうダメだ。何も女性が生物学的に男性よりも 優越しているという話ではない。もちろん男が絶滅して女性だけの時代が来る という話でもない。 今、起こっているのは社会の「女性化」だ。日本全体が「女性化」しているが ゆえに、「女性が優秀」であるように見えてしまうのである。 (つづく)
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