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世界の株式市場は天井をつけたのか?(闇株新聞)
http://www.asyura2.com/14/hasan92/msg/223.html
投稿者 五月晴郎 日時 2014 年 12 月 11 日 05:41:05: ulZUCBWYQe7Lk
 

http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-1302.html

2014年12月11日

 本日(12月10日)の日経平均は400円安の17412円となりました。

 今週月曜日(12月8日)早朝に18030円と2007年7月以来の18000円台となりましたが、同日発表の7〜9月期GDPが年率マイナス1.9%に下方修正されたことや、翌9日に上海総合指数をはじめ欧米株式が下落したことなどから「かなりの急落」となりました。

 日経平均をはじめとする世界の株式市場は天井をつけたのでしょうか?

 為替も12月8日早朝に一時1ドル=121.84円、1ユーロ=149.76円の円安となりましたが、本日午後9時現在は1ドル=119.35円、1ユーロ=147.63円とやや「円高」となっています。

 また本日は10年国債利回りが一時0.395%まで低下し、原油価格も続落してWTIが62ドル台となっています。

 これらの中で最も注目しておくべきは長期金利(10年国債利回り)の低下です。日本の長期金利がここまで低下するということは、日本における期待投資収益率や期待事業収益率が低下していることに外なりません。

 しかし長期金利の低下は世界的な傾向です。

 量的緩和が終了して景気が最も順調に回復していると考えられる米国でも、長期金利(10年国債利回り)が2.22%と本年初めの3.0%から大きく低下したままです。

 さらに本格的な量的緩和が行われておらず景気が低迷しているユーロ圏では、ドイツ10年国債利回りが0.69%、(以下「10年国債利回り」を省略します)フランスが0.97%、財政問題が再燃する可能性もあるイタリアが2.04%、同じくスペインが1.84%、実際に財政支援を受けたポルトガルでも2.79%と、大きく低下しています。

 つまり中央銀行の量的緩和や、景気の回復度合いや、財政問題が再燃する恐れや、また日本のように実際の格下げなどに関わらず、長期金利は世界的に低下していることになります。

 さらに長期金利が低下すること自体が期待投資収益率や期待事業収益率を押し下げ、結果としてますます長期金利が低下してさらに期待投資収益率や期待事業収益率を押し下げる「負のスパイラル」に陥ります。

 かくして世界的にデフレ圧力が増大することになります。原油価格をはじめとする資源価格の下落も、世界的なデフレ圧力の結果です。

 これはリーマンショック以降、世界的な金融緩和による景気回復効果を「過大評価」して、世界的な過剰設備・過剰生産・過剰資源開発を進めてしまった結果でもあります。

 今のところ世界の株式市場は、世界的な金融緩和・量的緩和の恩恵で投資資金が潤沢であり、世界的な期待投資収益率の低下で株式の価値が相対的に増大して「上昇」しています。

 そのうちどこかで世界的な期待事業収益率の低下と実際の景気低迷に影響される「臨界点」に達するはずです。

 しかしその「臨界点」が「すぐそこ」であると考える必要もありません。

 世界各国とも株式市場はその国を代表する優良銘柄のパッケージなので、その国全体の期待収益率以上の収益が上がるはずだからです。

 ただ先進国の中で日本(日銀)だけが「異次元」量的緩和をさらに「もっと異次元な」量的緩和にしてしまい、その結果は長期金利がますます低下して前述の「負のスパイラル」が加速され、ますますデフレ圧力が増大することになります。

 そうすると日本の株式市場だけが、世界でもっとも早く「臨界点」に到達してしまうことになります。

 繰り返しですが、日銀の「もっと異次元な」量的緩和はデフレ圧力を加速し、株式市場における「臨界点」を近づける「亡国の政策」となります。  

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コメント
 
01. 2014年12月11日 07:17:34 : Qk0z0gVGLY
そろそろ次の経済システムとはどんなものか、議論を始めていかんとな。
この記事は別にいいんだけど、もう少し踏み込んだ議論をしていかんと、
けっきょく同じことの繰り返しだからな。

天才の出現を待つのではなくて、われわれ庶民がこういう場所でどんどん
議論していけばいい。意外とそういうもんだ。


02. 2014年12月11日 07:38:54 : jXbiWWJBCA

原因と結果を取り違えている。

元々、潜在成長率が低下し、投資に対するリターンが期待できない状況では、金融緩和・量的緩和を行っても、簡単には投資は増えないというのが現実だろう。

つまり「長期金利が低下すること自体が期待投資収益率や期待事業収益率を押し下げる」のではなく、
金融緩和・量的緩和によって金融抑圧を行い、生産性の低い企業(主に中小零細)の倒産や解雇を抑制し、生産を刺激することで、企業と雇用が維持される。

その結果として、先進国の投資を長期にわたって抑制するデフレ圧力を長引かせる金融抑圧になるというのが正しいだろう。

もちろん、リセッションや通貨安競争の敗北による失業の痛みや金利上昇による財政緊縮を全体で引き受け、生産者の保護を行わないのであれば、このような金融抑圧は必要ないが、
それを国民が否定し、政治的に困難であるために、超富裕層を利する金融政策は先進国では一般化したと言える。

ただし、日本のように労働人口の減少と財政赤字の膨張がある場合、財政ファイナスに等しい強い金融抑圧は、通貨安圧力も高めるので、際限ないデフレとはならず、いずれ供給制約によるインフレへと転換する。


03. 佐助 2014年12月11日 08:59:02 : YZ1JBFFO77mpI : 439YTZK3Rc
1929年の米国と2015年の日本の株大暴落の見えない時刻表
1929年のニューヨーク株式市場大暴落と2007年の東京株式市場大暴落を比較しておこう。株式相場は、資本主義経済の信用膨張と収縮のインジケーターである。それが、先見性をもつように錯覚されるのは、人間が収縮を認識するのに最低三年半の時間が必要だからである。そのため、騰貴と収縮の仮定では「相場は相場に聞け」との逃げ口上しか言うことができない。

1929年末のニューヨーク株式市場大暴落の前後を振り返った記録は沢山ある。どの記録も、経済指数が過去の記憶を塗り替えている。バブル崩壊の前兆は全く見えなかったという点で一致している。ごく少数の人たちが、企業の利益よりも、株の値上がり益の方が多いことに、不満をもらしていただけである。

世界の信用収縮恐慌のような株式大暴落を予測するには、2ヶ月半から3ヶ月ごとに、概念が反転するのを観察しなければならない。1929年末のニューヨーク株式市場も、過去一年間に、暴落を繰り返していた。だが、株式市場の取引の75%以上を占有している、モルガン銀行を中心とする銀行団の買い支えは成功し、株価は小暴落と中高騰をくり返しながら、1929年末の最高値へと移行した。

2016年前後の東京株式大暴落は、1929年末のニューヨーク株式大暴落の前後を振り返った記録と同様に、バブル崩壊の前兆は全くなかったと振り返られることになる。

そしてこれだけ自信を持って言えることは,基軸通貨のフロート化で、歯止めを失った世界の通貨は膨張し、株や土地を中心に信用膨張バブルを発生させた。その空前のバブル景気を謳歌した米国と日本が、三段階の株暴落を経験し、新基軸通貨体制に移行するまで、収束復元できないのだ。


04. 2014年12月11日 10:19:34 : nJF6kGWndY
>>01 次の経済システムとはどんなものか

持続可能経済に関しては、昔から議論されているが、これだけ世界で格差があると、簡単ではないだろう

残念ながら一番可能性が高かった欧州ですら失敗に終わりそうだ

中国で典型的なように、人の欲を満足させ、破滅的な戦乱を防ぐには、ある程度の拡大(経済成長)が必要なのが現実ということだな

http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0JO0I220141210
コラム:経済成長なき「豊かな生活」は可能か
2014年 12月 10日 17:58 JST
Hugo Dixon

[8日 ロイター] - 経済成長を抜きにして豊かな暮らしは可能なのか。その質問を投げかけること自体、所得を継続的に伸ばすことが社会の第一目標であるべきという現代の一般通念に挑むものだ。しかし西側は、特に西欧諸国は、この問いに正面からぶつからざるを得ないだろう。

欧州は景気後退の後遺症に苦しんでいるだけでなく、低成長の時代に突入したかもしれないからだ。

国内総生産(GDP)の伸び率は過去に比べて低いまま推移する公算が大きい。低成長の理由の一端は、欧州社会の急速な高齢化によるものだ。力を付けつつある発展途上国との競争激化も背景にあるだろう。環境的制約も原因になっているかもしれない。地球温暖化の防止策はエネルギーコストの上昇につながるからだ。

イタリアを筆頭として、特に高齢化が急速に進んで起業家精神が衰えている国では、GDPの年間成長率は今では実質ゼロ近辺だろう。高齢化のスピードが比較的緩やかで、活気ある起業家精神を維持している英国でさえ、GDP伸び率は2%を下回りそうだ。

低成長経済がいかに暗黒の世界をもたらすかは想像に難くない。高い若年失業率は「失われた世代」を生み出すことになるだろう。持続不可能な政府債務負担は、公共サービスの一段の削減を余儀なくさせるかもしれない。いくつもの社会階層が貧困に陥り、政治離れがますます進む可能性がある。

低成長を前提とした生き方はあるのだろうか。それに答えるにはまず、経済は社会に役立つべきと認識することが出発点となる。その逆ではない。つまり、経済の社会的役割は、人々が良い生活を営める状況を作り出すことにある。

そこで問いになるのは「豊かな生活とは何か」だ。そのヒントは古代ギリシャの哲学者アリストテレスの言葉に求められるかもしれない。アリストテレスは、豊かな生活には人間の本質に照らして自分の役割を果たすことが含まれると説いた。また人間の本質には、動物と人間の2つの側面があるとも考えた。アリストテレスの教えは、豊かな生活を考えるには2つの要素があると言い換えられそうだ。動物の側面である身体的な要素と、人間にしかない側面である精神的な要素だ。

そうであるなら、豊かな生活には、一定の物理的要素が不可欠になる。最も明らかなのは衣食住だが、その他にも、特に健康面で多くの物理的要素が必要だ。現代社会は医療や健康問題にますます注意を払うようになっている。しかし、肥満のまん延といった現象に目を向けるだけで、身体的な要素については必ずしも上手く行っていないと気づくはずだ。

精神的な要素には、価値観や創造力、美意識や知的好奇心、人生を意味あるものにするための努力など、さまざまな人間の意識が包含される。消費の多寡は必ずしもこれらの大小に直結しない。むしろ、リチャード・レイヤード氏などの経済学者による研究では、一定の金額を超えると収入の増加は幸福感につながらないことが示されている。

西側の経済成長はこれまで、そこで暮らす人々の孤独感やうつの増加を伴ってきた。このことは、物質至上主義的な価値観は人間の本質とは相いれないことを示唆している。あくなき成長を追求すれば、他の貴重なものが犠牲になりかねない。そこで損なわれるのは物理的環境だけでなく、我々の社会環境や地域社会、家族や友人の輪なども含まれる。

一部の人は、すでに裕福な西側社会なら、一段の成長がなくても豊かな生活を送る環境は作り出せると思うかもしれない。そういう人は量より質を重視している。また、経済的活力には価値を認めているが、金儲けを成功の基準にしていないのだろう。そして、社会機構を大切にしているのだろう。

しかし、経済成長にあまり依拠しない価値観であっても、失業にどう対処するかや、GDP成長なしで公的債務をどう減らせるかなどの厄介な問題は残る。長年にわたってゼロ成長やマイナス成長を掲げている「緑の党」の政策に答えがあるのかもしれないが、英国のシンクタンク「グリーンハウス」から最近出された大量の論文を見ても、説得力ある解決策は見当たらない。

例えば、グリーンハウスは失業対策の一環として、ワークシェアリングを提唱している。働きす過ぎの人は労働時間を短くし、失業者が仕事を得る余地を作るという考えだ。

ただ実際には、失業対策はそれほど単純な話ではない。まず、長時間働いている人は自分の仕事を減らしたくないだろう。仮に強制的に労働時間を短縮されたとしても(こうした強制はそもそも豊かな生活には明らかに反するが)、失業者のための雇用創出につながるとは限らない。失業者の多くは必要とされるスキルを有していないからだ。ワークシェアリングよりむしろ、職業訓練や教育にこそ重きを置くべきだろう。

膨大な公的債務に対するグリーンハウスの解決策は、各予算が国民に恩恵をもたらすかどうか、国民の同意を得られるのかどうか、監査を実施するというものだ。監査を通らなかった予算は「忌むべきもの」として拒否される。こうした案は、スペインのポデモス党やギリシャの急進左派連合(SYRIZA)など、左翼ポピュリスト政党の間で支持が広がっている。

イラクのサダム・フセインのような独裁者が債務を膨れ上がらせたのならば、その後継者がそれを拒否するのは理にかなっている。しかし、西側の民主主義社会は、この状況にはまったく当てはまらない。一方的な債務の棒引きは経済的な混乱につながり、さらなる失業者を生み出すだろう。とても解決策とは言えない。

経済成長を抜きに豊かな暮らしは可能なのか。1つだけ明らかなことがある。豊かな生活を追及するあまり、経済成長を軽んじるという考え方を変えない限り、その答えを見つけることはできない。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


05. 2014年12月11日 22:33:21 : 1EmoETZLlU
株価はどんな高値をつけようとその価格を説明する理論ができる。それを主張するアナリストとか評論家も出てくる。またどんなに下がろうともまたその価格を理路整然と説明する人が現れる。

どんな値段になろうと値段がつくということは売る者と買う者がいてそれが同数ということ。簡単にいえばその時点で上がるとみる人と下がるとみる人は同数ということ。ただしその後上がることもあれば下がることもある。

ただ、市場に金が多く供給され金を持っている富裕層や機関投資家がより有利と思われる投資先がなければその金は株式に流れ買いが増え株価は上がる。日銀の金融緩和で株が上がったのはこの理由による。あとどうなるかは個人の判断だ。


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