05. 2014年12月10日 18:53:11
: jXbiWWJBCA
アングル:LNGブームに幕、焦る中国勢の「投げ売り」始まる 2014年 12月 10日 16:26 JST [ミラノ/シンガポール 10日 ロイター] - 中国の需要急増を背景にこの5年間続いてきた液化天然ガス(LNG)ブームに、とうとう幕が下りようとしている。中国国有エネルギー会社の中国石油化工(シノペック)が、長期のLNG輸入契約の一部を売却しようとしていることは、ブームの終えんを告げる象徴的な出来事だ。LNGは今世紀に入って燃料源としての注目度が高まり、資源国では「ダッシュ・フォー・ガス」と呼ばれる開発ブームが巻き起こった。 ところが、ここにきて中国経済が失速。需要が減退し、中国国内のガス価格も下落が予想されることから、輸入の採算性が悪化している。 コンサルタント会社のウッド・マッケンジーでアジアのガスに関する調査責任者を務めるガービン・トンプソン氏は「LNGは生産量が増えすぎている。中国はいわば、LNGで窒息しかけているようなものだ」と話す。 アナリストは、6月以来およそ40%下落している原油価格も、中国のガス価格を圧迫しているもう1つの要因、との見方を示している。 バーンスタイン・リサーチは「最近の原油安を踏まえると、(中国で)天然ガスの価格が初めて下落するリスクが高まっている」と指摘。 コンサルタント会社チャイナ・マターズのディレクター、マイケル・メイダン氏は「(中国の)経済成長の鈍化と(これまでの)価格上昇が(LNGの)需要を押し下げている」との見方を示した。 <投げ売り始まる> 事情に詳しい複数の関係筋によると、中国石油化工(シノペック)(600028.SS)は、オーストラリアのほか、パプアニューギニアの新プラントから調達したLNGを英BP(BP.L)に売却しようと計画している。 シノペックはそのほか、余剰LNGのスポット市場での売却や、長期の輸入契約の一部を他社に売却することなども検討しているという。 関係筋によると、シノペックは、豪オリジン・エナジー(ORG.AX)との間で締結した、年間430万トンのLNGを20年間輸入するという契約について、その一部を売却するための初期交渉に入っている。 ただし、エネルギー価格が下落するなか、LNGの転売も難しいかもしれない。中国だけでなくアジアのほかの消費国も余剰分の売却に動いているため、供給がますます過剰になるという悪循環に陥っている。 LNGには手ごわい競争相手もいる。それはパイプライン輸送ガスや水力・石炭発電、中国のシェールだ。トレーダーの1人は「(LNGは)石炭や水力発電に価格面で劣る。ロシアや中央アジアのパイプラインも参入するうえ、いつの日か中国のシェールも競争相手に加わる」と指摘した。 *カテゴリーを追加しました。 (Oleg Vukmanovic記者、Henning Gloystein記者 翻訳:吉川彩 編集:加藤京子) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0JO0IQ20141210 焦点:デフォルト懸念のベネズエラ、原油依存で深まる苦境 2014年 12月 10日 18:03 JST [ニューヨーク 9日 ロイター] - 世界的な原油安が、産油国のベネズエラ経済を脅かしている。デフォルト(債務不履行)懸念に市場が身構える中、9日の取引で債務保証コストは急上昇。国債価格も急落し、ベネズエラの苦境は一層深まっている。
市場は警戒を崩していないが、デフォルト転落を先延ばしする選択肢が政府にはあるとの指摘も多く聞かれる。マドゥロ大統領は、これまで対外債務の支払いが遅れたことはなく、今後も責務を全うすると強調する。 ベネズエラは重債務国ではないというのがアナリストの見解。経済が輸入に大きく依存する中、問題の核心はむしろ通貨ボリバルの下落にある。厳しい規制の影響で、企業はドル不足に陥っている。 ジェフリーズの中南米戦略責任者、シオブハン・モーデン氏は「企業の生産が滞り、輸入に依存する中でのデフォルトとなるだろう。債務のほかに、構造的にドル建て負債を多く抱える状況を彼らは作り出してきた」と指摘。輸出関連の歳入のうち石油が占める割合は96%で、代金は米ドル建てとなっている。 ウェブサイト「ダラートゥデー・ドット・コム(dolartoday.com)」 によると、ボリバルは外国為替の闇市場で1ドル=約175ボリバル。3つの公定レートのうち最高値は1ドル=6.3ボリバルで、闇市場でのレートはその27倍だ。 ベネズエラは多額の国債を、原油関連収入で裏付けており、それによって財政を均衡させ、数百万人を貧困から救うための社会保障費をまかなってきた。 9日に米原油先物CLc1は1バレル=63.82ドルで5年ぶり安値を付け、6月以降の原油価格の下落率は40%となった。こうした原油相場の急落で、ベネズエラの経済モデルは立ち行かなくなっている。 指標となるベネズエラのグローバル債(償還期限2027年)VENGLB27=RRの価格は2ドル以上下落して48.646ドル。利回りは過去最高の20.887%に上昇した。 <構造改革でデフォルト懸念払しょくへ> インフレ率は高止まりし、通貨が急落する中、マドゥロ大統領は自国の政策を顧みず、苦境の原因は他国の敵対的な対応にあるとの見解を示しており、市場の懸念は絶えない。 ムーディーズ・インベスターズ・サービスの分析では、ベネズエラの1年予想デフォルト確率(EDF)は13.07%と、5年ぶり高水準となった。 バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの世界経済調査共同責任者でGEM債券戦略を統括するアルベルト・アデス氏は、今年だけでなく来年に再び、為替レートが大幅な調整局面を迎えると指摘。原油安で政府が経済構造改革を実施し、歪みを解消せざるを得なくなるとの見方を示した。 デフォルトを回避したい政府の一連の行動で、最終的には成長率が現行水準よりも高まる見通しだ。 バンカメメリルは、ベネズエラの国内総生産(GDP)が2015年に1.2%増加すると予想。今年は3.3%減が見込まれている。 バンカメメリルは今年末までにボリバルが対ドルで1ドル=13ボリバルまで切り下げられると見方を示した。2015年末までには30ボリバルに、2016年末までに66ボリバルに切り下げられ、闇市場のレートに近づく見通し。 一連の動きが短期的には状況を緩和し、ベネズエラがデフォルトに向かっているとの懸念を後退させることになりそうだ。 ただ、投資家はデフォルトシナリオを捨ててはいない。弁護士事務所のクリアリー・ゴットリーブ・スティーン・アンド・ハミルトンのソブリン債務再編の専門家が主催するパネルディスカッションが先週開催され、投資家の見解が明らかになった。 アナリストの1人によると、クリアリー側はベネズエラが若干の債務のリプロファイリング(返済期限延長)を行ったとしても、ベネズエラ資産を投資家が取得した場合、資金回収は困難になるとの見方を示している。 あるアナリストは「国債がデフォルトして、(国営企業の)PDVSAはデフォルトしていない状況で、PDVSA資産買いは困難だ」と指摘した。 一方、新興市場の債券投資家の1人は、自身の勤務先ではすぐにデフォルトに陥るシナリオは想定していないと述べ、「デフォルト前にできることは多くある。(通貨)切り下げが一番簡単な方法。資産売却もできるし、補助金の削減も可能だ」と指摘した。 (Daniel Bases記者 翻訳:青山敦子 編集:加藤京子) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0JO0MJ20141210 米シェール開発でGDP1%押し上げ、原油輸出解禁はプラス 2014年 12月 10日 14:42 JST [ワシントン 9日 ロイター] - 米議会予算局(CBO)は9日、シェールオイル、シェールガスの開発で2040年の国内総生産(GDP)が1%押し上げられるとの報告書をまとめた。
エネルギーの輸出が増えれば、生産もさらに拡大すると予想。フラッキング(水圧破砕)などの新たな掘削技術で資源開発が進んでおり、景気や税収の押し上げにつながるとしている。 報告書は「実質GDPは、シェール資源の開発がなかった場合に比べ、2020年に約0.67%、2040年に約1%押し上げられる見通し」と指摘。「連邦税収は2020年に約0.75%(約350億ドル)、2040年に約1%押し上げられる」としている。 米国では現在、原油輸出が制限されているが、報告書は原油の輸出解禁や天然ガスの輸出拡大を進めれば、「おそらく国内生産は増え、価格にもほとんど影響はない」と予想。輸出を解禁しても、消費者への悪影響はないとの見方を示した。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0JO0CM20141210 |