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格付け会社(ヨーロッパ大手銀行50行の4分の3はネガティブ) (NEVADAブログ)
http://www.asyura2.com/14/hasan92/msg/198.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 12 月 09 日 16:11:25: igsppGRN/E9PQ
 

格付け会社(ヨーロッパ大手銀行50行の4分の3はネガティブ)
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/archives/4790914.html
2014年12月09日 NEVADAブログ


格付け会社は、ヨーロッパの金融市場に対して厳しい見方をしていることが明らかになっており、欧州50大手銀行の4分の3の格付けを「ネガティブ」として、格下げ(ウオッチ)対象にしているのです。

これだけの格下げ候補がいるというのは異例ですが、今のヨーロッパの金融市場が如何に脆弱かこれで分かります。

このヨーロッパですが、FT紙によれば、実質賃金の推移を一面で掲載していますが、異常な状態になっているのが分かります。

リーマンショックが起こりました2008年を100とした場合、実質賃金が「上昇」しているのは、【ドイツ】しかなく、
イギリスは7.5%減少、スペインに至っては25%も減少しているとしているのです。
*アメリカはドイツと並びわずかながら上昇しています。

ロンドンでは家賃の上昇、物価の上昇が著しく、まともに暮らしていけない若者が多く出てきていると言われていますが、実質賃金が7.5%も減少していれば、食べていけなくなるのも頷けます。

リーマン後には、『金融機関を救えば国民の生活が良くなる』とされ金融村の救済がされてきましたが、結果は、金融機関は救われましたが国民は犠牲になったというのが、この実質賃金の推移が示していると言えるのです。
勿論、ドイツ・アメリカは実質賃金は増えており、それなりの効果はあったことは確かですが、その増え方は5%程であり、2008年から5%しか増えていないのであればそれは効果というには値しません。

株・国債・債券は高いですが、いつまでこのような金融緩和ゲームが続けられるでしょうか?


 

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コメント
 
01. 2014年12月09日 16:24:48 : nJF6kGWndY

生産性が高く高賃金の製造業雇用が先進国から失われ、生産性が低く不安定な中小内需企業の労働者が多くなれば、必然的に実質賃金は下がる

共産圏、特に中国の膨大な人口が市場に加わり、豊かになったのが大きい

グローバル化で南北問題が改善した成果とも言える。

日本にとっては、デフレで実質賃金が上がり、雇用劣化と失業の悪化を無視できている間は良かったが、

今は、異次元QEと中国バブル崩壊で、その巻き戻しが起こっていると言ってよいだろう

http://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2012_12/ilo_01.htm
国際労働機関(ILO)は12月7日、「世界賃金報告2012/2013―賃金と公正な成長」と題する報告を発表した。それによると、世界平均の実質賃金の対前年上昇率は2011年に1.2%を記録し、2010年の2.1%に比べて落ち込んだ。欧州経済危機の影響を直接に受けた先進国の伸び悩みが影響している。

実質賃金上昇率はわずか0.2%

世界全体の平均から、大きな比重を占める中国を除くと、実質賃金の上昇率は0.2%に落ち込み、世界経済危機直後の2008年、2009年の数字よりも低かった(図1)。


02. 2014年12月09日 22:30:07 : jXbiWWJBCA

ギリシャ支援、15年2月末まで延長 ユーロ圏財務相会合
2014/12/9 11:48 
 【ブリュッセル=御調昌邦】ユーロ圏財務相会合は8日、ギリシャへの金融支援を2015年2月末まで2カ月延長する方針で一致した。ギリシャは構造改革などを進めているが、ユーロ圏や国際通貨基金(IMF)は同国の財政状況を依然として注視している。ユーロ圏は現在の金融支援終了後も、ギリシャへの予備的な信用枠を設定し、金融市場の動揺などに備える方針だ。

 ユーロ圏とIMFは10年と12年の合意時点で計2400億ユーロの金融支援策をまとめた。ユーロ圏からの新規融資は今月で終了する計画だった。ギリシャ政府は国民から不人気の財政緊縮策を強いられる金融支援の早期脱却を目指してきたが、ユーロ圏は時期尚早と指摘してきた。

 デイセルブルム議長(オランダ財務相)は会合後の記者会見で「できる限り早期ということで(延長期間が)2カ月となった」と説明。ギリシャのサマラス政権は国内の政治基盤が弱く、国内の有権者に対して金融支援から早期脱却するとの方針を掲げている。ユーロ圏では今回の対応について「技術的な期間延長」として、ギリシャ政府のメンツを立てた。

(ここに注目)ユーロ圏財務相会合(8日) (2014/12/8付)
欧州中銀、景気に危機感 量的緩和へ前進 (2014/12/5 0:48)
ギリシャへの予防的信用枠を検討 ユーロ圏財務相会合 (2014/11/7 9:49)
ギリシャに財政改革の強化求める ユーロ圏財務相会合 (2014/1/28 9:31)
ユーロ圏財務相会合、ギリシャに改革強化求める (2013/12/10 10:04)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM09H0H_Z01C14A2EAF000/

ロンドン株10時 続落、スーパーマーケット株が安い
2014/12/9 19:19 
 【ロンドン=欧州総局】9日午前のロンドン株式相場は続落。FTSE100種総合株価指数は午前10時現在、前日終値に比べ73.19ポイント安の6598.96で推移している。6銘柄を除くすべての銘柄が下落している。

 スーパーマーケットのテスコが10%安。通期業績見通しの下方修正が響いている。同業のWMモリソン・スーパーマーケッツも5%超、セインズベリーも4%近く下落している。

 最近の原油安の影響で、BPやロイヤル・ダッチ・シェルなど石油株は全面安。ポンプ製造のウェアー・グループも5%近く下がっている。鉱業株も売られている。BHPビリトンとアングロ・アメリカンの下げが目立つ。

 バークレイズなど銀行株とオールド・ミューチュアルなど保険株も安い。携帯電話サービスのボーダフォン・グループも売られている。

 半面、アナリストが投資評価を引き上げたセキュリティー・サービスのG4Sは上昇。鉱業のランドゴールド・リソーシズも高くなっている。
http://www.nikkei.com/markets/kaigai/summary.aspx?g=DGXLASB2IILB1_09122014000000

10月の英鉱工業生産:前月比0.7%減、予想外−回復へのリスク 

  12月9日(ブルームバーグ):英国の10月の製造業生産 は予想に反して前月から減り、5カ月ぶりに落ち込んだ。景気回復へのリスクがあらためて示された。
英政府統計局(ONS)が9日発表した10月の製造業生産指数は前月比0.7%低下した。9月は0.6%の上昇(改定)。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の中央値では0.2%上昇が見込まれていた。
同時に発表された10月の鉱工業生産指数 は前月比0.1%低下。エコノミスト予想は0.2%上昇だった。
原題:U.K. Manufacturing Unexpectedly Shrinks for First Time Since May(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Jennifer Ryan jryan13@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Fergal O’Brien fobrien@bloomberg.net
更新日時: 2014/12/09 18:43 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NGB6UN6K50YF01.html


死に体の米債券市場は来年の新たな「かんしゃく」の温床

  12月8日(ブルームバーグ):米国債市場は静かになっている。米連邦準備制度理事会(FRB)のデータによれば、ウォール街の大手金融機関による10月末以降の債券取引は前年同期を8%下回った。
FRBによれば、プライマリーディーラー22社の10月29日以降の取引額は1日平均4900億ドル(約59兆円)と前年の同時期の5310億ドルに比べ減っていた。
取引が低調 な市場は大抵の場合、銀行の利益を圧迫するが、今回はもっと大きな意味を持つ。クレディ・スイス・グループの米金利ストラテジー責任者アイラ・ジャージー氏は4日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「少しの売りが一斉に起こるだけでボラティリティ が大きく高まりかねない。ディーラーはマーケットメーカー(値付け業者)の役割を果たせなくなり、価格変動が大きくなるだろう」と話した。
FRBが大量の国債を買い入れてバランスシート を膨らませ、市場の流動性が低下したことも、取引低調の一因だ。もう一つの理由は、銀行のリスクテークを制限する新規則だ。ボンドディーラーはこのため、機会を見て売買するための在庫を減らしている。
大手行はトレーディング勘定に持つ債券と通貨、証券資産の規模を2009年のピーク時に比べ6000億ドル(約30%)以上減らしているとクレディ・スイスのアナリストらが4日のリポートで見積もった。この結果、銀行の債券デスクを介して大量の債券を売買することが難しくなった。
来年はどっちだ
過去2年には、米国債利回りの乱高下が世界の市場を揺るがすことがあった。13年5、6月には米当局の債券購入縮小(テーパリング)の始まりを意識した市場の「テーパー・タントラム(かんしゃく)」が、米国債保有者に3.2%の損失をもたらした。今年10月15日には10年債の利回り が09年以来で最大の低下を演じた。
来年、債券市場がどちらへ向かうのかをめぐり緊張が高まり始めている。近い将来に利回りが大きく上昇することなどないと考える大勢の買い手がいる一方、ウォール街のアナリストや投資家の一部は来年のある時点で当局が利上げを開始する見通しを理由に債券相場の下落を予想している。
誰かが間違っている。金融当局が来年、自らの行動プランを明らかにした時、投資家は恐らく「ユーリカ(見つけた)!」と叫ぶことになる。その時、市場の取引が薄いほど、痛みは大きくなるだろう。
原題:Dead Bond Market Creating Ideal Conditions for Tantrums in 2015(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Lisa Abramowicz labramowicz@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: David Papadopoulos papadopoulos@bloomberg.net Caroline Salas Gage
更新日時: 2014/12/09 17:23 JST


 
ロンドン外為:円ほぼ全面高、株安で逃避−対ドル119円台後半 
  12月9日(ブルームバーグ):ロンドン時間9日午前の外国為替市場で円はほぼ全面高。欧州とアジアの株価下落で質への逃避が再燃した。日経平均は8営業日ぶりに下落で終了。欧州のストックス600指数は続落している。
ロンドン時間午前9時54分現在、円は対ドルで0.6%高の1ドル=119.95銭。今週に入り1.2%上昇し、このまま行けば2日間の上げとしては10月6−7日以来の大きさとなる。対ユーロは0.4%高の1ユーロ=148円08銭。ユーロは対ドルで0.2%高の1ユーロ=1.2343ドル。
原題:Yen Gains Amid Haven Bid as Aussie Drop Extends Streak to Record(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Eshe Nelson enelson32@bloomberg.net;東京 Kevin Buckland kbuckland1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net Nicholas Reynolds, 山崎朝子
更新日時: 2014/12/09 19:15 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NGB80V6K50Y301.html


 


03. 2014年12月10日 07:31:20 : jXbiWWJBCA

豊かなドイツの社会保障費に群がるEU外国人
EU統合で複雑化した経済格差と難民問題
2014年12月10日(Wed) 川口マーン 惠美
 それはルーマニア人の女性だった。子供を連れて、ドイツのライプツィヒ市に引っ越してきた。

 児童保護の見地から、EU市民(2国間協定により、スイス、トルコ、アルジェリアの国民も)は、EU内ではいつでもどこでも滞在国で児童手当を受けることができる。ルーマニアはEU加盟国なので、この女性も例にもれず、最初の日の分から、ドイツの児童手当(月184ユーロ)と子供の養育費(月133ユーロ)を支給された。

 しかし彼女は、それだけでは足りないと思ったらしく、職業センターに生活保護を申請した。ドイツの生活保護は、2005年より、失業者に対する失業手当と、貧困者に対する生活保護が一括にまとめられている。申請者は、職業センターに行き、職を探している旨を届けなければならない。つまり、働く意志のあることが条件だ。

 しかし、職業センターによれば、そのルーマニアの女性は、就職口を探していなかった。ルーマニアでも一度も働いたことがなく(つまり、失業保険を払い込んだことがなく)、また、これからドイツで働くつもりもなかった。

 そこで、職業センターはこの女性の申請を受け付けなかった。すると、彼女はそれが差別であるとして、社会裁判所(社会保険・失業保険などの係争事件を扱う地方裁判所)に訴えたのだった。

 裁判所は、職業センターの対応を是とし、それをルクセンブルクのEU(欧州連合)司法裁判所に上げて、その意見を求めた。

 EU裁は、ドイツの社会裁判所の判断を全面的に支持した。「ドイツは、社会保障を受けることだけが目的のEU外国人に対して、社会保障費の交付を拒否することができる」という判を下した。

 ここで日本人に注目してほしいのは、現在、EUの加盟国は、多くの案件を国内法だけで決められなくなっているということだ。EU裁の判決が、各国の国内法よりも高位に位置づけられている。今、進みつつあるTPPは、いずれ日本にもこういう状況をもたらすに違いないと思う。

手厚いドイツの児童手当

 さて、現在、EU外国人のうち、誰がドイツで生活保護を受けられるかというと、ドイツで働いていた人のみだ。

 また、今も働いているが、収入が低くて、最低の生活を営むことができない場合、あるいは、3歳以下の子供がいて、働くに働けない場合も受けることができる。支給額は、過去に働いていた年数(=過去に失業保険を支払った年数)で違ってくるが、扶養家族の無い場合、1人月300ユーロ弱。

 ただし、無一文でドイツに来ても、3カ月の間は生活保護は受けることができない。つまり、職探しをするにしろ、しないにしろ、少なくとも3カ月間の生活費は、自分で都合しなければならない。

 このルーマニア女性は、それを持たずにドイツへやってきた。だから、そもそもドイツに留まる権利も、生活保護を受ける権利もないという。

 ドイツでは現在、急速に増えているEU外国人の問題がある。たとえば、EU市民なら、どこでも、すぐに必ず、職の有無に関わらず貰える児童手当だが、ドイツのそれは、第1子、第2子が184ユーロ、第3子190ユーロ、第4子215ユーロと高額で(いずれも月額)、子供が増えるにつれてさらに上がる。

 しかも、季節出稼ぎ労働者の、故郷に置いている子供たちにも支給される。子だくさんの外国人にとっては、非常に魅力的な制度だ。だから狙われやすい。

 ドイツの児童手当は、世界一お金持ちの国ルクセンブルクと並んで、ずば抜けている。EUのしんがりのギリシャでは、1子5.87ユーロ(月額)。ドイツの30分の1よりもまだ少ない。児童手当目当てでギリシャへ行くEU外国人はいないだろう。

「速やかに滞在、速やかに送還」を図る新法案

 12月3日、内務省が外国人の滞在を規定し直す新法案を提出した。中身は、具体的には2つに分かれる。

 1つは、すでに長くいる外国人の滞在を速やかに認めるようにすること、そして、もう1つは、不法行為を行う外国人を速やかに送り返すことである。「速やかに滞在、速やかに送還」と見出しを付けたメディアもあった。

 まず、前者の「速やかに滞在」だが、ドイツには現在、10万人もの外国人が、難民資格なしに、滞在容認という形で留まっている。審査の結果、難民資格にも亡命資格にも該当しないが、様々な理由により送り返すこともできないというケースだ。

 新しい法案は、このような外国人が一定の条件をクリアしていれば、滞在許可を与えようというもの。極端な場合、そういう中途半端な状態ですでに10年もドイツで不便をかこっている外国人もおり、彼らにとっては大いなる朗報だ。

 また、自国で教育を受け、手に技術を持ち、職を探すためにドイツに来た外国人に対しては、これも条件付きだが、18カ月の滞在許可が与えられることになる。ドイツの産業界は常に技術者不足に悩んでいるので、これでよい人材が集まれば、有難い話でもある。

 そして、後者の「速やかに送還」の方は、不法行為を行う外国人に対する規定を厳しくすること。ドイツで懲役2年以上の判決を受けた者、自由民主主義の基本的概念に抵触する行為を行う者、テロ組織に加わるなどしてドイツ国の安全を脅かす者は送還される。

 また、虚偽の口述をした者や、偽造、あるいは、不完全な書類を提出した者も退去を命じられ、少なくとも5年は再入国できない。犯罪者の場合は10年。

 なお、難民の拘束も可能になる。これまでに何度も逃亡し、あちこちの役所で難民申請を繰り返している外国人、あるいは、身分証明を紛失したなどとして身元を特定できなくしている者、難民斡旋業者にお金を払って不法入国してきた者も、逃亡する可能性が高い場合、拘束し、速やかに国外退去となる。

 つまり、この新法案の主な目的は、本当に困っている人と、そうでない人との区別を明確にすることと言えるかもしれない。同法はクリスマス前にも議会を通過する予定だ。

自国の激しい差別から逃げて来るロマの流入

 ただ、この背景には、難民の増加だけでなく、前述のように、EU外国人による違法な社会福祉費の取得問題もある。EU外国人は域内の移動が自由で、就業も自由、ケースバイケースで生活保護を受ける権利もあるのだから、社会保障費についても合法と不法の境目が曖昧になりやすい。

 ルーマニアとブルガリアがEUに加盟したのは2007年。EU各国は、新加盟国の国民に対して、最初の7年間、就業の自由に若干の制限を掛けることができる。自国の労働市場を保護するためだ。ドイツはルーマニアとブルガリアに、その制限を掛けていた。

 つまり、これまでドイツで働いていたブルガリア人とルーマニア人は、原則的には就労許可を持つ人たちであった。その数は多く、たとえば、ドイツの病院や老人ホームの介護などでは、この2カ国の女性がすでに大きなシェアを持っている。

「仏政府のロマ人送還は違法」、欧州委が法的措置も検討
フランス北部で公園にテントを張って暮らすロマの一家〔AFPBB News〕

 ところが、7年間の制限の外れた2014年1月より、職を持たないルーマニア人とブルガリア人が大挙してドイツに流れ込み始めた。

 この2国がなぜ問題視されるのかというと、グレーゾーンのところで社会保障費を狙っているロマが、たいていこの2国の出身であるからだ。

 その他の、真面目に働いているルーマニア人とブルガリア人は迷惑しているだろうが、その根本のところには、ロマに対する壮絶な差別問題がある。

 ロマは、自国で徹底的に差別されている。そのため、多くは教育も受けていなければ、技術もない。しかし、EU市民であるため、合法にドイツにやってきて、招かれざる客となっている。

 2014年1年で、新参のルーマニア人とブルガリア人は、12万から13万人に達すると見られている。そのうちのどれだけがロマかは、統計がない。

国境は無いが国益は存在するEUの矛盾

 ドイツは今、違法行為を働く外国人は、EU外国人であっても退去させ、至近の再入国を防ごうとしている。これは、当然の権利だが、しかし、ヨーロッパは一つではないということの証明でもある。

 国境は無くなったが、貧富の格差はもちろん存在するし、各国は今でも自国の利益のために動いている。

 たとえばドイツが、EUの優良な技術者や、不足気味の職種の就労者だけを受け入れていくと、貧しいEUの国は、頭脳流出、技術者流出、労働力流出で、さらに空洞化していくだろう。問題は山積みだ。

 逃げ惑ってドイツに辿り着く難民、そして、ドイツの経済力に惹きつけられて続々とやってくるEU外国人。来年は、ドイツ人が、速やかな滞在と速やかな送還を巡って、様々な外国人と格闘する年になると思う。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42391
 


04. 2014年12月10日 07:32:28 : jXbiWWJBCA

リトアニアとユーロ:奇妙な仲間
2014年12月10日(Wed) The Economist
(英エコノミスト誌 2014年12月6日号)

ユーロ圏の最新メンバーは苦しい戦いに直面することになる。

空飛ぶピアノ・コンサート!? リトアニア首都上空
リトアニアの首都ビリニュス〔AFPBB News〕

 リトアニアは来年1月1日に19番目のユーロ圏加盟国となる。

 バルト海沿岸の小国で人口300万人のリトアニアは、欧州で最も急成長を遂げている経済国の1つだ。ユーロ圏は景気後退とデフレの瀬戸際に立たされている。では、リトアニアはなぜ単一通貨を導入したいのか?

 ユーロバロメーターの最近の調査によれば、ユーロ導入を望んでいるリトアニア国民は全体の半数に満たない。だが、ユーロ創設後に欧州連合(EU)に加盟したすべての国と同様、リトアニアはユーロ導入の義務を負っている。

 2002年以降、リトアニアは通貨リタスをユーロにペッグ(固定)してきた。2007年にもユーロ導入を目指したが、リトアニア経済がユーロ圏経済とずれているという理由で却下された。

ユーロ圏の低迷を横目に堅調な成長を遂げるリトアニア

 その状況は今も変わらない。2011年以降、ユーロ圏は停滞している。一方、リトアニアの国内総生産(GDP)は年間4.3%のペースで成長した。対GDPの政府債務はEU加盟国の中で最も低い部類に入る。

 さらに、この見事な実績は、大半のユーロ圏諸国が避けてきた類の抜本的な改革の結果だ。2009年の国内金融危機――信用バブル崩壊の後遺症で、その間、GDPが15%縮小し、失業率が18%に達した――を受け、リトアニアは即座に緊縮財政に踏み切った。

 2009年から2013年にかけて、政府はGDP比10.5%相当の支出を削減した。どのEU加盟国をも上回る規模だ。リトアニアは財政赤字もGDP比9.3%から同2.6%に減らした。

 リトアニアの政策立案者たちは、それでも同国はやはりユーロを必要としていると主張する。いつも憂鬱な表情を浮かべ、ベストを身に着けているビタス・バシリアウスカス中央銀行総裁とリマンタス・シャジュス財務相はともにユーロをほめそやす。両氏は、ユーロのおかげで政府がより安価に資金を借りられるようになると考えている。

 やはりバルト海沿岸国のエストニアが2011年にユーロを導入した時、同国の信用格付けは数段階引き上げられた。まるでタイが台湾に姿を変えたしたようなものだ。

 格付け会社は、エストニアの市中銀行と中央銀行が緊急時に欧州中央銀行(ECB)の資金供給へのアクセスを得たことに留意した。さらに、ユーロ圏の財政規則は政府の行き過ぎに二重の抑止機能を加えた(もっとも、ユーロ圏の財政規則は、少なくとも大規模なユーロ圏諸国に関しては、違反行為で目立つケースの方が多い)。

 中央銀行の予測によれば、リトアニアも同様の処遇を得られると仮定すると、政府が借り入れを行う平均金利が0.8ポイント低下する可能性がある。

 ユーロは貿易も促進させると、バシリアウスカス氏は言う。ユーロ圏はすでにリトアニアにとって最大の輸出市場だ。リトアニア企業は今後、リタスの価値の変動から身を守るためにお金を使わなくてもよくなる。企業は借り入れコストの低下からも恩恵を受けるだろう。

 総合的に見ると、ユーロ導入によって長期的にGDPが1.3%程度拡大すると中央銀行は予測している。

ユーロ導入が役立つかもしれない地政学的な理由

 ユーロ導入が役に立つかもしれない地政学的な理由もある。リトアニアは旧ソ連圏の国で、首都ビリニュスはモスクワから飛行機ですぐの距離に位置する。また、ロシア語を話す人――ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が「保護」を誓ったグループ――が人口のおよそ5%を占めている。

ユーロ導入迫るリトアニアで「世界最大」の硬貨ピラミッド披露
リトアニアのリタス硬貨を積み上げたピラミッド〔AFPBB News〕

 ロシアの武力的な威嚇はリタスを不安定にさせる恐れがある。それよりはユーロの方がうまく持ちこたえるはずだ。

 だが、ユーロがリトアニア経済の弱点の1つを悪化させる可能性もある。同国は世界で最も輸出集約的な経済の1つだが、リトアニアの労働者の生産性はユーロ圏平均の3分の1に過ぎない。

 安価な労働力はリトアニアの輸出品に競争力を持たせる助けになっている。だが、実質賃金は今年5%上昇し、約1%というユーロ圏のペースを大きく上回った。

 実質賃金の大幅な上昇は、昨年行われた最低賃金の25%の引き上げが一因だ。だが、リトアニアの奇妙な労働市場に負うところもある。同国では、もう何年も前から、特に若者の海外移住が多い。人口は1990年から20%減少した。そのうえ、リトアニアの成人の10人に1人は基本的なスキルさえ欠くために働くことができない。

 国内にとどまる有能な労働者は手厚く報われる。そのため、スキル向上のためにEU基金を利用するという政府の公約にもかかわらず、今後数年は賃金が生産性を上回るペースで拡大すると見られている。

 賃金上昇は物価上昇を招きかねない。国際通貨基金(IMF)はリトアニアのインフレ率が今後数年、ユーロ圏のそれを上回ると予測している。つまり、リトアニア製品がやがて相対的に高くなっていく可能性があるということだ。

歴史が繰り返す恐れ

 懸念されるのは、歴史が繰り返されることだ。リトアニアは徐々に競争力を失うかもしれない。まさに、ユーロ危機前のギリシャやポルトガルのように、だ。大手銀行のDNBによると、リトアニアの経常赤字は2016年にGDP比2%に達し、2013年から3.5ポイント悪化することになる。

 ユーロ圏への加盟とそれに伴う安価な債務は、リトアニアの弱点を減らすどころか、増幅させるかもしれないのだ。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42411
 


05. 2014年12月11日 08:03:04 : jXbiWWJBCA

ドイツ:孤独で不本意な欧州覇権国
2014年12月11日(Thu) Financial Times
(2014年12月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

数千の光の風船、ベルリンの夜空に 壁崩壊25年式典
11月9日、ドイツ・ベルリンのブランデンブルク門前で行われた「ベルリンの壁」崩壊25年の記念式典で、夜空に放たれる風船〔AFPBB News〕

 2014年は第1次世界大戦の開戦から100周年、ベルリンの壁崩壊から25周年を記念する年だった。

 前者は第2次世界大戦というさらに大きな惨事につながり、欧州は西側と共産圏に分断されることになった。後者はこの分断に終止符を打ち、完全かつ自由な欧州の誕生のしるしとなった。

 我々は今、歴史の大きな皮肉を見て取ることができる。ドイツは、かつて武力で手に入れようとした地位を平和的な手段で獲得したのだ。

 好むと好まざるにかかわらず、ドイツ連邦共和国は今や欧州の中心に位置する大国となっている。

否応なしに欧州の覇権国となったドイツ

 この世の中には、偉大さを持って生まれた人もいれば、生まれてから偉大さを勝ち取った人もおり、偉大さを否応なく身につけた人もいる。ドイツは今、この3つ目のパターンをたっぷりと経験している最中だ。

 では、ドイツはこの卓越した地位とどう折り合いをつけているだろうか。この問いの答えは、悪くはないが十分とは言えない、というものになるだろう。

 ドイツは、国としての規模や地理的な位置だけで傑出しているのではない。製造業で力を蓄えたというだけでもない。ドイツが欧州の大国の中でも際立っているのは、最も安定した大人の民主主義国家であることだろう。ほかの国々とは違い、この国は外国人嫌いのポピュリズムに悩まされていない。またアンゲラ・メルケルという非常に分別のある、責任感も強い指導者もいる。

 このような成功を収めてはいるものの、何もかもがうまくいっているわけではない。

 ユーロ圏の経済は不況と超低インフレに陥っているが、ドイツの政策立案者の多くは、この状況の改善を目指した取り組みに抵抗している。その結果、非常に多くの人々にとって、鳴り物入りで宣伝された欧州プロジェクトはより良い生活への希望ではなく、その正反対を意味するものとなってしまっている。

 また東方では、失地回復を狙うロシアが気の毒なウクライナを不安定化させ、かつて旧ソ連を構成していたほかの国々も不安定化させるぞと脅しをかけている。

 経済の場合と全く同じように、この脅威も、戦後ドイツの反射的な行動パターンに揺さぶりをかけている。ドイツはこれ以上攻撃的な姿勢を取ることは避けたいと思っているのだが、そういうわけにはいかない状況になってしまっているのだ。

「小国」の視点と覇権国としての役割に大きなズレ

 新たな役割を担うにあたってドイツが苦慮していることは理解できる。

 単一通貨ユーロは、ドイツが望んだものではなかった。ユーロはほかの国々が東西ドイツ統一を支持する見返りとして、愚かにもドイツに導入を求めたものだった。ドイツの政策立案者は、通貨同盟が政治と経済にどんな影響を及ぼすかを理解していた。通貨同盟に参加しようとしていた国々はほぼすべて、これを理解していなかった。

 このほかにも、ドイツはさらに大きな困難を抱えている。戦後ドイツの成功を支えた経済運営方針を、ドイツよりも規模が大きく中身も多様なユーロ圏にそのまま持ち込むことはできないという困難だ。ドイツは、経済運営に失敗していると多くのドイツ人が考えている国々と妥協しなければならないのだ。

 ドイツの常識にとって重要な経済運営方針は、小国開放経済のそれである。これは地政学についてもほぼそのまま当てはまる。世界の秩序を守る責任は、ほかの国々に委ねられていた。その筆頭は米国であり、欧州域内で言うならフランスと英国だった。

 どちらのケースでも、「小国」の視点からものを見ることは、昔のドイツが「偉大さを勝ち取ろう」として大惨事を引き起こしたことに対する自然な(実を言えば強制された)対応にほかならなかった。しかし、そのような反応は今となっては適切ではなく、ドイツにしか埋めることのできない真空地帯を生じさせた。

ユーロ圏経済が置かれた状況

 ユーロ圏については、ユーロ圏経済をひとつのかたまりと見なすところから始めなければならない。

 まず、この地域ではコア・インフレ率が前年比0.7%という非常に低い水準にとどまっている。2014年第2四半期の内需は、名目ベースでは金融危機前のピークを1.7%しか上回っておらず、実質ベースでは5%も下回っている。失業率は11.5%に達している。従って、端的に言えば、欧州中央銀行(ECB)はその任務を遂行できていないことになる。

 ドイツ連邦銀行(ブンデスバンク)のイェンス・バイトマン総裁は、先日行った講演でこの現実に言及し、「一国の潜在成長率は金融政策のツールで持続的に引き上げることができるという考えは幻想だ」と語った。確かにその通りだ。

 しかし、金融政策は、潜在力が発揮されるようにする状況を目指さなければならない。加盟国の競争力にかなりのバラツキが見られる単一通貨圏内でそれを進めることが、非常に難しいことは明らかだ。

 しかし、それでは別のポイントを強調することにしかならない。ユーロ圏の国々がそれぞれに賃金水準を引き下げて競争力を獲得しようとしても、繁栄が圏内で広く共有されることにはならないということだ。賃金引き下げ競争はゼロサム・ゲームなのだ。

覇権国として成功するためにドイツがしなければならないこと

 ドイツが覇権国(ヘゲモン)として成功するためには、視野を広げなければならない。ドイツは内需が重要であることを認識しなければならない。広く共有されているドイツの見解は、危機のムチがなければ改革は行われない、というものだ。

 この見解には一理ある。だが、それとは別の真理もある。窮地に立たされた国々は、合理的な政策を真っ向から否定する政府を選ぶかもしれないということだ。

 欧州の未来にとっては、その方が大きな惨事となりかねない。危機に対処する際には、依然として、「毛を刈り取られたばかりの子羊には風を和らげよ」というのが賢明なモットーなのだ。

ECB、主要政策金利4.0%に据え置き、経済成長率は下方修正
ドイツはECBの取り組みを支持する必要がある〔AFPBB News〕

 現時点では、これは何を意味するのか。2012年当時、ユーロ解体のリスクを取り除こうとするマリオ・ドラギECB総裁の取り組みをドイツが支持したことが正しかったように、ドイツは今、需要促進とデフレ回避を図るドラギ総裁の取り組みを支持する必要がある、ということだ。

 また、ドイツは債権国として、何に、どう資金供給するかということについて責任を負わなければならないことも意味している。

 ギリシャを皮切りに、債務再編を検討課題にしなければならない。同様に、アイルランドは、国内銀行の愚かな外国債権者を救済する大きな負担から解放されるべきだ。何にもまして、これはドイツが危機後のマクロ経済の調整の責任を分担しなければならないことを意味する。

 賢明な覇権国にとっての疑問は、以下のようなものになるだろう。私の行動によって、私もまた恩恵を享受し、私が多分に責任を負っているシステムの安定と成功がいかに決まるのか――ということだ。

地政学にも当てはまる論理

「世界一影響力ある女性」はメルケル独首相、4年連続
ドイツのアンゲラ・メルケル首相は欧州を代表する指導者として、大きな責任を負っている〔AFPBB News〕

 この問いは、経済学の問題と同じくらい地政学でも生じる。

 ウラジーミル・プーチン大統領のロシアに対し、相互利益のアメと抑止のムチを組み合わせる対応策を練る責任は、同盟国と共同で取り組むことになるとはいえ、ドイツの肩にかかっている。そのためには、ドイツは西側の価値観を守るうえで積極的な立場を取る必要がある。

 ドイツは不本意な覇権国だ。それを理解するのは、いとも簡単だ。だが、新たな運命を避けるには、ドイツの力と重要度はあまりに大き過ぎる。

 政治的、経済的に脆弱な欧州の未来がドイツにかかっている。物事を小さく考える時代は過ぎ去った。ドイツは今や、大きな責任を負う大国だ。いかにその責任を果たすかによって国が判断されることになる。

By Martin Wolf
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42422


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