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GDP改定値と景気ウォッチャー調査
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52668579.html
2014年12月08日 在野のアナリスト
7-9月期GDPの二次速報値が出てきました。実質、名目とも前期比0.1pt下方修正の0.5%減、0.9%減。年率換算では実質が0.3%減の1.9%減。名目が0.5%減の3.5%減でした。ほとんどが法人企業統計をうけ、上方改定されると見ていた中で、期待された設備投資が期待値よりも低かったこと、及び中小零細企業を含めると、大きく落ち込みました。公共投資も前倒し執行が見込まれていていたところ、下方修正されました。しかも国民総所得(GNI)も0.1%下方修正と、速報からは悪いことずくめです。
同時に発表された2013年度のGDP確報値も、実質、名目ともに下方修正されて2.1%増、1.8%増です。安倍氏は国内企業の設備投資『計画』が、今年は2桁にのぼる、と選挙戦で述べていますが、未だに昨年度の計画の話をもちだすところに、実態との乖離があります。前半を終えて進捗率をみればマイナスを続けており、2桁どころの騒ぎではなく、昨年並みの維持すら困難です。円安で企業が国内に投資する、などというのは幻想であり、まったく的を射た話ではありません。
11月景気ウォッチャー調査も発表されましたが、こちらも衝撃です。現状判断DIは先月大きく落ち込んだ飲食関連が若干もどしたものの、雇用関連も含めてすべてマイナス。しかも『良くなっている、やや良くなっている、変わらない』が、軒並みダウン。変わらないが49%、やや悪くなっている、悪くなっているを合わせて39.1%。ほとんどの人間が現状の景気が悪い、と考えていることになります。先行き判断DIは全滅。マイナス幅も拡大傾向で、構成比をみても現状と似ており、やや悪くなる、悪くなる、が伸びており、リセッションが顕著に数字で現れています。
地域別でも、先行して落ちていた中国、四国地方は改善傾向ですが、先行きは東海地方が僅かにプラスであるものの、ほぼ全国で下落。日本は全国津々浦々までリセッション、というのが現状です。10月の国際収支も発表されていますが、第一次所得収支が大きく延びて黒字転化しましたが、今後もGPIFが外債、外国株投資をすすめるため、この分野が伸びる可能性がある一方、今回は円安で嵩上げされた面があり、今後も黒字を維持できるかは微妙なところがあります。
これほど悪い数字が出ても、市場は上昇して引けています。円安と、自民大勝をすでに織り込んだ、とされますが、今週はメジャーSQの週であり、ロールオーバーがすすんでいますが、いつもと比べて規模が小さい。動きだしが鈍い印象があります。景気悪化と株高と、市場関係者でも見方が異なり、2万円までいくと語る人もいれば、ダウ越え後の変動を意識する向きもあります。しかし一つはっきりしているのは、日本のリセッションは疑いようもない、ということです。
来年には税効果が剥落し、実質賃金が改善する、といった見方もありますが、現状をみる限りでは賃金に回復傾向はありません。労組は恩恵を労働者に、といってみたところで、これだけ大きく落ちこむ国内で、賃上げをすすめるメリットがないのです。景気の好循環どころか、すでに崖を下り始めている。安倍自民が大きく勝利すれば、それこそ成長戦略がすすむ…という意見にしても、その大勝の理由が組織票であるなら、その組織に阿った政策になるのが必定で、支持母体を潤している限り、成長戦略にまわる予算などないのです。そもそも、来年度の予算はすでに省内で決しており、今から政治で左右できる問題でもないのです。それでも市場は、有りえないシナリオを実しやかに語る。市場と現実の乖離は、落ちつづける安倍政権の支持率と、自民への政党支持、という結果と異なる占拠予報と同時に、国民が首をかしげる水準まで大きくなってきた、ということになりそうですね。
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