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中韓は安倍ノミクスで苦しいのか?(在野のアナリスト)
http://www.asyura2.com/14/hasan92/msg/164.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 12 月 07 日 23:45:05: igsppGRN/E9PQ
 

中韓は安倍ノミクスで苦しいのか?
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52668515.html
2014年12月07日 在野のアナリスト


安倍ノミクスが始まって以来、中韓は苦しい。円安で苦しめられている、という報道が為されますが、その理由として日本が円安で輸出競争力が増し、シェアを奪っていると語られます。しかし日本からの輸出数量は増えていませんし、海外でシェアを奪うほど値下げ合戦を繰り広げている、という話はとんと聞きません。実際、安倍ノミクスで中韓が苦しんでいる、というよりは中韓それぞれの事情によって、経済が谷を迎えているというのが実体のようです。

中国は不動産バブルの崩壊が愈々懸念される事態であり、かつ国民の不満をそらすため人件費が高騰するので、投資資金が逃げています。人民銀が利下げを開始し、通貨安競争に参入するばかりでなく、将来の金融不安に備えて量的緩和も視野に入れ始めた、とも噂される。過剰投資で支えられてきた成長だけに、金融不安に陥ると、一体どれぐらいの不良債権が出てくるか、わからないともされています。安倍ノミクスそのものと、これらの動きは関係ありません。

韓国も、企業の不祥事が相次いで発覚。米国での信用が失墜し、中国でもブランド力の低下と、元々の韓国嫌いが重なり、売上げが落ちた。そこにセウォル号の事故など、国内でも安全、安心に対する疑義が勃発。元々、家計の負債が多いお国柄だけに、消費が減退を始めると止まりません。外需に頼りたくとも、落ちたブランドを支えるだけの抵抗力はないのが現状です。

恐らく、安倍ノミクスで関係するのは日本への輸出です。それでも日本は消費大国、日本でモノを売れば、円高で人民元、ウォンに換算したときには大きく見せかけることができました。しかし円安だと見かけの業績が悪化する。日本の輸出企業でうけている恩恵が、そのまま中韓では逆になり、その分が苦しい。それでも、日本製の部品が安く買えるのでその分は相殺もできますが、数ヶ月、もしくは数量で契約する部品の原価安効果が現れるのは数ヶ月先、それよりは単純に最終製品の売上高が、円安で大きく目減りしてしまった。これが現状の中韓の苦境です。

そこに、上記したようにそれぞれの事情が加わる。一部で通貨安は自国から投資資金を引き上げられる、という論調をとり、中韓が通貨安に誘導できない、といった話もありますが、間違いです。ナゼなら、その論調なら今、日本からは外資が続々と引き上げられねばならないからです。通貨安だから逃げ、通貨高だから投資する、などといった行動は有りえない。それこそ金融機関の営業拠点なら、その程度の判断で動きますが、製造業のような分野ではそう簡単に動けないのです。

安倍ノミクスで中韓が苦しい、と書けば、中韓を敵視する保守系にはウケもよいのでしょうが、円安でシェアを奪う、という旧来の円安効果でまとめてはいけません。今は、日本からの輸出は増えておらず、明確にシェアを奪った証拠はないのですから。海外で中韓のシェアが下がった分は、復活した米企業や欧州企業に喰われ、未だに日本製品は増えていない。全体が増える中で、日本企業もその御相伴にあずかる、と云った程度の効果しか確認されてはいないのです。

更なる問題は、日本の内需が急速に縮小していること。日本でモノを売りたいなら、外国人旅行者が集まる、百貨店しかない。しかし中韓は、それらへの販路がない。中韓から来た人が、日本で自国製品を買う、という矛盾を知って行動するはずもない。この点で、中韓は何重もの意味で、日本でモノを売ることに苦痛を感じているのでしょう。円の実力が過去40年で最低、という話もありますが、自分を貶めてまで勝負に勝っても、喜べるかは甚だ疑問です。むしろ日本でモノを売りたい、という企業が減ることは日本にとって損失ともなるでしょう。国内企業が、国内でのシェア回復ということであっても、その国内企業が海外で生産している現状は、どっちが勝っても内需への寄与が少ない、という時点で国民には感心がないことなのかもしれませんね。


 

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コメント
 
01. 2014年12月07日 23:55:16 : DKhwYBOUus
中国は国内問題で苦しんでいるのであって日本は関係ないです。

韓国が苦しいのは世界第3位の経済大国である日本が、韓国に嫌気を刺して韓国からの輸入量を減らしているからなので自業自得です。

日本へのキムチ輸出量が減っただけでも大騒ぎをするのが韓国の経済規模であり、東京都の財政規模より小さな国家です。
韓国人が自国を過信しすぎているのと同じく、日本も韓国を大きく見過ぎています。


02. 2014年12月08日 06:42:33 : jXbiWWJBCA

金融市場異論百出
【第162回】 2014年12月8日 加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
近隣国との距離感に惑う台湾に
「日本ブランド」の商機あり
 台湾ドルは円に対しては上昇しているが、対米ドルでは12月初めに過去4年の最安値を更新した。

 米国でFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げをするという観測に伴って、エマージング(新興国)経済から資金が流出しているのに加え、台湾の統一地方選挙で与党の国民党が大敗した衝撃が表れている。海外投資家にとって台湾経済の魅力の一つは、政治の安定にもあったからだ。

 与党大敗の理由は馬政権に対する有権者の強い不信感と、同政権が推し進めた中国大陸との経済関係強化への警戒感にあるだろう。テレビや新聞が香港の民主化運動を連日報じていたことも心理的に影響したものと思われる。

 近年の中国政府は台湾政府および同財界に手厚い対応を示してきた。中国本土で、あるトラブルに悩まされていた日本企業が中国に対応を要請してもらちが明かず困っていたところ、台湾政府関係者に口利きを頼んだら問題が即解決した、という話さえある。

 しかしながら、中国政府が台北のエリート層や大企業に“優しい”態度を取り続けても、台湾国民の間での親中感情はなかなか改善しない。そこで中国側では「三中一青」を狙えという議論が起きていた。経済発展の恩恵をあまり受けていない中流層、中南部地域、中層企業、そして世代的には青年層を懐柔すべきという戦略である。

 しかし、その効果が出る前にそういった人々が今回の選挙で与党にノーを突き付けた。


台湾の統一地方選挙で与党・国民党が大敗したことによる最大の敗者ともいわれる、鴻海精密工業(フォックスコン)のテリー・ゴウ会長
Photo by Naoyoshi Goto
 台湾の新聞には、この選挙での最大の敗者は実は台湾最大の企業で中国とのパイプが太い鴻海精密工業(フォックスコン)の会長、テリー・ゴウではないか、といった記事が載っている。彼は四つの地方政府の首長選で与党候補者を全面的に支持し、もし当選したら地元に投資を行うと宣言した。

 ところが、それらの候補者は大差をつけられて落選。所得格差の拡大にうんざりしている人々には、その戦略は逆効果だったようだ。

 とはいえ、台湾国民の心境は複雑だ。中国との経済関係が悪化したら、台湾の成長率は真っ逆さまに落ちてしまう。そして、台湾の人々は韓国を強くライバル視しているので、中韓FTA(自由貿易協定)が決まったことで焦りを感じたビジネス関係者は多い。

 また、選挙前の11月後半に台北に出張したが、中国大陸からの観光客の多さには驚かされた。2008年は30万人台だったのが、昨年は287万人だ(2位は日本人観光客の142万人)。旅行収支の面からも、台湾の政治が極端に反中に傾く可能性は低いだろう。

 ところで、出張時にあらためて実感したが、台湾の人々の親日感情は大事にする必要がある。日系メーカーの家電販売のシェアがこんなに高い国は今どき貴重だ。

 また、台北には日本の外食チェーンが多数進出している。興味深いのは価格設定だ。例えば和定食の「大戸屋ごはん処」の場合、税抜きで東京の店と比較すると約4割高いが人気がある。「吉野屋」は台北で居酒屋を開いている。刺し身7品のお造りセット4人前は円換算で約3400円なので安値競争をしているわけではない。定番の牛丼もあるが1杯600円強だ。

 台北は屋台などでのB級グルメ文化が発展しているだけに、低価格帯での勝負は厳しい。しかし、幸いなことに「日本ブランド」という付加価値をうまくアピールできれば、価格競争が厳しい日本よりも利益を厚くできるチャンスが台湾にはある。

(東短リサーチ取締役 加藤 出)

http://diamond.jp/articles/-/63341
 


03. 2014年12月08日 07:21:35 : jXbiWWJBCA

「知られざる韓国経済」
韓国財政破綻論の誤り

国際的な基準に照らせばきわめて健全

2014年12月8日(月)  高安 雄一

 OECDが公表している一般政府債務の対名目GDP比を見ると、日本は228.0%であり、金融緩和だけでなく債務も異次元のものとなってしまった感があります。もちろんこの数値はOECD加盟国で最も高く、財政危機に陥ったギリシャをも大きく引き離しています。

 一方で、韓国では37.6%にとどまっており、30カ国中、低い方から5番目の数値です(OECD Factbook 2014)(図1)。この数値から、韓国の国家債務は小さく、財政状態は健全であると判断できます。

図1 OECD加盟国における一般政府債務の対名目GDP比

出所:OECD Factbook 2014により作成。
(注)2012年の数値。ただし日本、イスラエル、スイスは2011年の数値
 ただし国家債務の大きさは、国家の範囲をどこまでとるか、どのような債務まで含めるかによって異なり、当然のことながら対GDP比も異なった数値となります。OECDが公表している一般政府債務は、国家の範囲が中央政府、地方政府、基金であり、債務を金額が確定しているものに限定しています(例えば保証債務は、国家が最終的に負担しなければならない金額がわからないので除かれます)。

 この一般政府債務を国家債務とするならば、韓国の国家債務の対GDP比は37.6%ですが、国家の範囲などを広くとった国家債務については、GDPの60%に近いとの数値もあります。さらに民間のシンクタンクである韓国経済研究院のレポートでは、韓国の国家債務の対GDP比は166.9〜167.8%といった数値まで出ています。

 では韓国の国家債務の大きさを国際比較する際には、どの数値を使うべきなのでしょうか。以下では、韓国の国家債務の大きさを示す数値の“真実”について見ていきましょう。

国家債務の指標には3種類ある

 まず韓国政府は国家債務に関する3種類の指標、すなわち「国家債務(D1)」、「一般政府債務(D2)」、「公共部門債務(D3)」を公表しています。この中で、国際比較のために世界共通の基準に合わせて算出されているものが「一般政府債務(D2)」です。

 この「一般政府債務(D2)」は、2012年末で504兆6000億ウォン、対GDP比で39.7%です。「一般政府債務(D2)」は冒頭で紹介したOECDが公表している一般政府債務の対名目GDP比とほとんど同じものと考えられます。日本の統計でこの数値に対応するのは一般政府総債務であり、2012年度末で1142兆円、名目GDPの241.6%です。

 国家債務の数値を判断する時には、債務に何が含まれているのか、その範囲を見なければなりません。韓国の「一般政府債務(D2)」の範囲は、世界共通の基準であるSNA(Systems of National Accounts:国民経済計算)の一般政府の債務残高を合計したものです。

 この一般政府とは、大きく中央政府、地方政府の2つから構成されます。中央政府には一般会計、18の特別会計、65の基金(国民年金基金など)、165の非営利公共機関(中小企業振興公団、韓国労働研究院など)が含まれます。また、地方政府には244の一般会計、1927の特別会計、251の直営公企業特別会計(上水道、下水道など)、17の教育費特別会計、2395の基金(老人、青少年、文化など)、87の非営利公共機関が含まれます。韓国の一般政府の範囲は、SNAの基準を順守しており、日本の範囲とも同様と言えます。

 このように、韓国の「一般政府債務(D2)」の対GDP比である39.7%と、日本の一般政府総債務の対GDPである241.6%は比較できる数値なのですが、これを見ると、日本の財政状態は韓国よりはるかに悪いことになります。

「公共部門債務」には韓国電力公社の債務も

 次に韓国の国家債務にかかわる他の数値について見ていきましょう。

 韓国の国家債務について、「GDPの60%に近い」という数値が出ているようです。これは韓国政府が公表した「公共部門債務(D3)」の対GDP比で、2012年の「公共部門債務(D3)」は821兆1000億ウォンで、GDP比は64.5%に跳ね上がってしまいます。

 しかしこの数値には一般政府のみならず、非金融公企業(中央政府123、地方政府50)の債務も含まれています。非金融公企業とは、政府によって支配されており、生産する財・サービスを市場で販売する事業体のうち、金融サービスを提供するものを除いたものです。

 中央政府の公企業で負債が大きなものとして、韓国土地住宅公社、韓国電力公社、韓国ガス公社、韓国道路公社、韓国石油公社があります。2011年における、それぞれの負債規模は表1のとおりですが、この5つの公企業で全体の90%近くを占めています。

表1 中央政府公企業の負債額(2011年:上位5社)
(単位:兆ウォン、%)
負債額 比率
韓国土地住宅公社 130.6 40.3
韓国電力公社 82.7 25.5
韓国ガス公社 28.0 8.6
韓国道路公社 24.6 7.6
韓国石油公社 20.8 6.4
出所:韓国租税研究院『公共機関負債の潜在的危険性の分析と対応方案』による
(注)比率は2011年の中央政府公企業の負債総額に占める比率である
 「公共部門債務(D3)」の対GDP比は64.5%ですが、先に示したOECDが公表している一般政府債務の対名目GDP比とは当然のことながら比較できません。なぜなら前者には非金融公企業の負債が含まれている一方で、後者には含まれていないためです。

 OECDのデータは、IMFの「財政統計作成のための指針(GFSM:A Manual on Gov't Finance Statistics)に基づいています。GFSM 2001基準によれば、国家債務は、一般政府が直接的に元金と利子償還義務を負っている確定債務であり、企業的活動を行っている公企業の債務は一般政府に含まれていないため、国家債務ではないとされているのです。

 韓国の場合は、前述のように「一般政府債務(D2)」がGFSM 2001に基づく国家債務です。ではなぜ韓国はより包括範囲の広い「公共部門債務(D3)」を公表しているのでしょうか。

より広い範囲の債務状況を公表している理由

 2008年に発生したグローバル金融危機以降、国家の財政的、対外的持続可能性に対するより幅広い範囲を包括する指標に対する関心が高まりました。20カ国財務大臣・中央銀行総裁会議(G20)で採択された「金融危機と情報ギャップに関する提言(2009年10月)」においても、財政データが勧告事項の1つとして掲げられました。

 2012年6月には世界銀行、OECD、IMFが共同で「公共部門債務作成指針(PSDS:Public Sector Debt Statistics Guide for Compilers and Users)」(以下、「新国際基準」とします)を発表しました。新国際基準は、公共部門を一般政府に非金融公企業を加えたものとして、公共部門の債務を算出するための方法を示しています。これによって非金融公企業の負債も含めた国家債務を国際比較するための条件が整ったと言えます。

 韓国は2014年2月に「公共部門債務(D3)」を公表しましたが、これは以上で示した国際的な動きにいち早く対応したものです。OECD加盟国で、非金融公企業の債務も含めた公共部門債務を公表している国は少数であるため、韓国の公共部門債務の対GDP比64.5%という負債が、国際的にどの程度に位置するのか明らかではありません。

 といっても、非金融公企業の債務を含めない一般政府債務の対GDP比(公共部門債務の対GDP比より必ず低い数値となります)が64.5%より低いOECD加盟国は、韓国を除いた29カ国中13カ国しかありません。このため公共部門債務の対GDP比で見ても、韓国が国際比較の上で財政が健全な国であるという事実が揺らぐことはなさそうです。

国家負債「GDP比166.9%」という数値とは何か

 では、冒頭で述べた韓国経済研究所のレポート「国家負債の再構成と国際比較」(2014年4月)が示したGDP比166.9〜167.8%という数値について見てみましょう。

 「公共部門債務(D3)」と大きく差がある背景には、金融公企業の負債として290兆ウォン(対GDP比21%)、年金および退職手当充当負債として467兆ウォン(同34%)、未積立負債として450兆ウォン(同33%)が計上されていることがあるからです。これら3つの負債について以下で見ていきます。

 第一の金融公企業の負債です。公企業は大きく非金融公企業と金融公企業に分かれます。金融公企業は、預金などの負債を活用して貸出、投資などの金融活動を行っています。他方、非金融公企業は、実物経済活動を行うために必要な資金を、債券の発行などを通じて調達しています。

 金融公企業の負債については、それに対応して流動性が高い金融資産があるなど、非金融公企業の負債と性格が大きく異なるため、最も範囲の広い公共部門債務でさえ金融公企業は対象外としています。しかしながら、韓国経済研究所のレポートは、中小企業銀行、産業銀行、韓国政策金融公社、韓国輸出入銀行など11の金融公企業の負債(借受金を除く負債)が、国家債務に加えられています。

 第二の年金および退職手当充当負債については、韓国では毎年の国家決算報告書に国の貸借対照表を掲載しており、負債として年金引当負債と退職手当充当負債が計上されています。韓国経済研究所のレポートは、これらを国家債務と見なしています。このうち、圧倒的に金額が大きい年金引当負債とは何でしょうか。

 年金引当負債には、公務員年金および軍人年金にかかる引当負債が計上されています。年金引当負債とは、現在の受給者と在職者に対し、退職後、長期(2013年から2093年までが予想されています)にわたり支給しなければならない年金額のうち、政府が負担する部分です。

 具体的には、退職率、死亡率、年金選択率、物価上昇率、割引率など保険数理的仮定を置いた上で算出し、現在価値に直した金額となっています。公務員年金や軍人年金は、保険料方式で運用されていますが、現在のところは保険料収入が年金支給額に追い付かず、不足部分は政府の一般会計より補填金として支払われています。このため、長期的に発生すると考えられる補填金を一定の仮定の下で算出し、貸借対照表の年金引当負債としています。

 「2012会計年度国家決算報告書」では、年金引当負債は437兆円とされています。ただし、年金引当負債の規模は、保険数理的仮定の変化によって毎年変化しているなど、不確実な潜在負債として国民負担と直接つながっている国家債務とは性格が異なっています。

将来の年金支給額が保険料収入を上回る

 最後の未積立負債ですが、国の貸借対照表には国民年金については引当負債を計上していません。国民年金は完全な保険料方式で運営されており、現在のところ保険料収入が年金支給額を上回っています。2044年以降は収支が逆転しますが、積立金がありますので、そこから赤字分は補填できます。

 しかし2060年には積立金がなくなるため、現行の保険料や支給水準を維持する限り、2060年以降は政府からの赤字補填が必要となります。韓国租税研究院のパクヒョンス博士などのグループが2007年に公表した報告書によれば、2005年基準で152兆ウォンの国民年金の引当負債が国の貸借対照表に計上されていないと主張しています。

 さらに国会予算政策処は2012年に公表した報告書で、パクヒョンス博士の方法を延長した結果、2012年基準で397兆ウォンの国民年金の引当負債が計上されていないとしています。

 韓国経済研究所のレポートでは、国民年金の引当負債に、私立学校教職員年金の引当負債を加えた450兆ウォンを未積立負債として国家負債に算入しています。しかし、未積立引当債務については、政府が公表している国の貸借対照表にもその数値は出ておらず、あくまでも試算の域を出ません。

通貨安定債の急増が意味すること

 このように、韓国経済研究院のレポートでは、「公共部門債務(D3)」に、金融公企業の債務、年金および退職手当充当負債、未積立負債を加えているため、国家負債が巨額になっているとしています。

 しかしながら、金融公企業の債務、未積立負債のうち国民年金の引当負債は、新国際基準においても国家負債に含めないこととなっています。よって当然のことですが、これらを加えた国家負債を公表している国はありません。

 また新国際基準では、職域年金の引当負債は国家債務に入れることを勧告していますが、現在のところこれを含めた国家負債を公表している国もありません。

 これらの負債を加えれば、OECD加盟国の国家債務の対GDP比は、現在国際比較のために使用している一般政府債務額に基づくものから跳ね上がることとなります。

 韓国経済研究院のレポートは、国際基準では把握できない国家債務も勘案すればこの程度になるといった一つの試算に過ぎず、この数値をもって韓国の財政状態が国際的に見て悪いと言うことはできません。

 なお、さすがの韓国経済研究院のレポートでも国家債務に含めていませんが、通貨安定債の残高が急増しており、これを根拠に韓国の財政が悪化しているといった主張を耳にすることもあります。

 確かに韓国銀行が発行している通貨安定債の残高は、2012年末で163兆ウォン(対GDP比の12%)に達しています。このような主張をする人は、政府が韓国銀行に借金をさせて、財政の悪化を隠していると考えているようです。

 しかしこれは全くの誤りです。通貨安定債は、その名のとおり、マネーサプライをコントロールするために発行される債券です。日本であれば日銀が保有している国債の売買によりマネーサプライをコントロールします(買いオペ、売りオペ)。しかし韓国では財政が健全であるため、発行された国債が少なく、市中に出回っている国債の量も多くありません。このため、しかたなく、韓国銀行が通貨安定債を発行して、これの売買によってマネーサプライをコントロールしています。

 通貨安定債の発行残高が増加している理由は、売りオペにより資金を回収する局面が増えているからであり、通貨安定債の発行により韓国銀行の発券量がその分減っているに過ぎません。

 韓国銀行の負債は、通貨発行額と債券発券額です。よって通貨安定債を発行すれば、債券発行残高は高まりますが、通貨発行残高は減少するため、韓国銀行にとっては負債の構成が変わるだけで負債総額は変わっていません。

 国家債務の大きさは、国家の範囲をどこまでとるか、どのような債務まで含めるかによって大きさが異なり、韓国の国家債務の対GDP比も、30%台といった小さな数値から170%に近い大きな数値まで様々なものが出回っています。

 しかし現在のところ国際比較が可能なものは「一般政府債務(D2)」しかなく、この数字については、対GDP比は40%に満たない水準です。韓国の国家債務については色々な数値が独り歩きして、韓国の国家負債は大きいとの錯覚に陥りがちです。

 しかし、国際比較できる数値で見れば、韓国の財政状況が非常に良好であることは揺るぎがなく、この根底にある財政規律を守ってきた政府の姿勢は評価すべきでしょう。

参考文献
企画財政部報道資料「2012年会計年度国家決算結果」(2013年4月9日).
企画財政部報道資料「12年末公共部門負債算出結果」(2014年2月14日)および「報道参考資料」.
国会予算政策処(2012)『政府財政危機管理現況および改善方案研究』.
キムヨンシン・ホウォンジェ(2014)「国家負債の再構成と国際比較」韓国経済研究院.
大韓民国政府(2013)『2012会計年度国家決算報告書』.
パクヒョンスほか(2007)『財政危険測定および管理に関する研究』韓国租税研究院.

このコラムについて
知られざる韓国経済

韓国経済の真の姿を、データと現地取材を通して書いていきます。グローバル企業がめざましく躍進し、高い経済成長率を誇る韓国。果敢に各国と自由貿易協定を結ぶなど、その経済政策は日本でも注目されています。一方、格差、非正規、雇用、農業保護政策、少子高齢化などの分野では、さまざまな課題を抱えてもいます。こういった問題は日本に先駆けている部分もあり、韓国の政策のあり方は、日本にとって参考にすべき点が多くありそうです。マクロとミクロの両方から視点から描きだす、本当の韓国経済の姿がここにあります。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20141202/274576/?ST=print
 


04. 2014年12月08日 07:37:03 : EwoYODPdfE
単純な話だ。

中国や韓国が破たんするとかに記事は嫌韓、反中を社是とする産経や読売が願望を記事にしているだけなので、中身はゼロ、考えること自体が無意味。

願望を唱えてかろうじて精神の安定を得ているようだ。
しかし日本の新聞は世界で最低だな。


05. 2014年12月09日 20:37:30 : QwpYl8eoGo
どこも雇わん盆暗やから「在野」なんやろなw。
アベノミクスでも日本の輸出は増えてへん。
な〜んも中国と競合してへんがなw。
そもそも中国はもう世界一の経済規模になってもうたんで。

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