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円の実力、40年で最低 追加緩和やアジア通貨台頭で:自国通貨の弱体化(円安)を喜ぶ不可思議な日本支配層
http://www.asyura2.com/14/hasan92/msg/150.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 12 月 07 日 02:41:42: Mo7ApAlflbQ6s
 


 経済成長を遂げることで自国通貨を強化し、それを条件に国民生活を向上させることで、自国通貨の強さを抑制するというサイクルが通貨政策の本道である。

 弱い通貨は、金融・経済政策の自由度を低下させる。強い通貨であればこそ、インフレを抑制しながらの財政支出拡大もできるし、金利の引き下げも悪影響をミニマムにできる。
 インフレや低金利は通貨の外国為替レートを押し下げる(弱体化する)作用をするため、弱体化した通貨を手段として持つ国家は、財政・金融政策にタガをはめられることを意味する。


 記事の中に、「東大の伊藤教授は「実質実効相場も名目の円相場の反転や物価の上昇によって、いずれ上向きに調整するはずだ」と予想している」とあるが、交易主要対象国に比して高い物価の上昇=インフレ率は円安(名目円相場下落)の要因であり、物価上昇が実質実効相場を高めることはない。

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円の実力、40年で最低 追加緩和やアジア通貨台頭で[日経新聞]
2014/12/7 1:23

 円相場が急落している。日銀によると、日本の貿易相手国通貨に対する円の総合的な価値を示す実質実効為替相場は1973年1月以来、約42年ぶりの弱さになっている。当時の円相場は1ドル=約300円で、73年2月の変動相場制移行後で最低となる。対ドルやユーロ、アジア通貨も含めた円相場の歴史的な全面安といえ、輸出には近年ない好条件となる半面、輸入や海外への旅行には強い逆風となりそうだ。

 円相場は10月末の日銀の追加金融緩和以来、下がり続けている。5日のニューヨーク市場で一時1ドル=121円69銭まで売られ、約7年4カ月ぶりの安値をつけた。2010年を100とした円の実質実効相場も11月中旬時点で70.88で、73年1月の68.88以来の低い水準だ。その後の円安の進行でさらに弱くなっているとみられる。

 対ドルの円相場の見かけ以上に実質実効相場が安いのは「貿易関係が強まる中国をはじめとしたアジアの通貨価値が高まっていることを反映している」(学習院大の清水順子教授)ためだ。名目の相場は投機的に動きやすいという面もある。
 世界の通貨をみわたすと、ドルと連動性の強い中国の人民元も上昇している。日本との貿易関係が強い米国や中国の通貨の価値が高まると円の実効相場を押し下げる。

 円の「実力」の低下は何を意味しているのか。
 輸出企業にとっては円安や低インフレで海外との競争条件が歴史的にも有利なことを示す。それでも輸出が伸び悩むのは日本企業の海外での現地生産比率の高まりなどの構造要因とみられる。
 日本への外国人旅行者はこのところ急激に増えており、高額品の消費などを積極化している。円安に物価の違いを加味すると、外国人が日本で買い物するには過去四十余年で最も有利といえる。

 原材料などを輸入する企業にとっては負担の重さを示す。足元の対ドルの円相場は07年ごろとほぼ同水準だが「当時よりも円安の負担は実感として強まっている」(みずほ銀行の唐鎌大輔氏)。東大の伊藤元重教授は「実質実効相場を見ると輸入環境は歴史的にも悪い。海外から原材料を輸入する業界には特に厳しい動きだ」と指摘する。

 実質実効相場が歴史的な安値でも、円が底値に近いとは必ずしもいえない。「日米の金融政策の違いや、日本の貿易赤字転落など円を取り巻く構造が大きく変化しており、円安は一段と進む」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作氏)との見方が多い。
 行き過ぎた円安もいずれは円高方向に巻き戻すとみられる。東大の伊藤教授は「実質実効相場も名目の円相場の反転や物価の上昇によって、いずれ上向きに調整するはずだ」と予想している。


 ▼実質実効為替相場 通貨の貿易上の対外競争力を示す指標。数値が小さいほど輸出に有利となる。物価の変化を消費者物価指数などで「実質化」し、対ドルや対ユーロ、対人民元など様々な通貨との交換レートを貿易額に比例するようにウエート付けして平均し「実効化」する。
 例えば、日本製品の価格が変わらないのに米国製品が値上がりすれば日本の競争力が増すので円の実質相場は下落する。輸出に占めるアジアとの貿易の割合が増えれば実効相場はアジア通貨の影響を受けやすくなる。
 国際決済銀行(BIS)が集計し、日銀も円の指標を公表している。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF06H0J_W4A201C1MM8000/?dg=1


 

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コメント
 
01. 2014年12月07日 06:14:57 : jXbiWWJBCA

一般に、通貨価値は、輸出業者や債務者(政府・納税者も)にとって低くなる方が望ましく
輸入企業(消費者)や債権者(国債所有者、貯金保有者も)にとっては高くなる方が望ましい。

また通貨価値を何の犠牲もなしに金融政策や財政政策で自由にコントロールできるわけではない。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141207/t10013777231000.html
今年度の税収 1兆円以上増える見通し
12月7日 5時46分

今年度の国の税収は、企業の賃上げの動きによる所得税の税収の伸びなどで、去年の予算編成時点の見込みよりも1兆円以上増加して51兆円を超える見通しになり、政府は増収分を年内にまとめる予定の経済対策の財源に充てることにしています。

政府は、去年12月に予算を編成した時点で、今年度の税収は、ことし4月の消費税率の8%への引き上げなどによって、およそ50兆円になると見込んでいました。ただ、その後、企業の賃上げの動きに伴った給与所得の増加による所得税の税収の伸びや、企業業績の改善で法人税の税収も増える見通しとなったことなどから、今年度の税収は当初の見込みよりも1兆円以上増加して、51兆円を超える見通しとなりました。
国の税収は、平成21年度には、リーマンショックによる世界的な景気後退などで38兆7000億円にまで落ち込んでいましたが、51兆円を超えれば、平成19年度以来となります。
今年度の増収分について政府は、年内にまとめる予定のエネルギー価格の高止まり対策や、地方活性化の促進などを柱にした、景気を下支えするための経済対策の財源に充てることにしています。


02. 2014年12月07日 06:17:16 : jXbiWWJBCA

http://synodos.jp/newbook/11949
2014.12.06 Sat
消費税増税を延期しなければ、この国は瓦解していた
『日本経済はなぜ浮上しないのか』著者・片岡剛士氏インタビュー

急転直下の解散劇――7〜9月期の実質GDP速報値の発表をきっかけに、突然吹き始めた「解散風」に慌てるニュースや新聞各紙。おそらく誰にとっても、消費税再増税の延期と解散総選挙は想定外のことだったに違いない。また、大方のエコノミストにとって「2期連続マイナス成長」という事態も、明らかに想定外だっただろう。

二つの想定外の直前、11月10日に刊行された『日本経済はなぜ浮上しないのか アベノミクス第2ステージへの論点』(幻冬舎)では、再増税を延期しないと日本経済は再び低迷してしまうことと、2014年度のマイナス成長もありうることが明確に指摘されていた。さらに必要とされる追加の金融緩和についても、10月末に発表された日銀の追加緩和とほぼ同じ規模で提案されている。

「大義なき総選挙」を控えて、現在の日本経済と政局をどう見ればいいのか。著者、片岡剛士氏の冷静な分析から、現実解を探ってみたい。(聞き手/柳瀬徹)


まさかの「マイナス成長」はなぜ起こったのか

―― 刊行直後の11月17日に発表された7〜9月期の実質GDP速報値は、対前期比成長率0.4%、年率換算で−1.6%という衝撃的な数字でした。『日本経済はなぜ浮上しないのか』では「2014年度の実質GDP成長率はゼロ成長の可能性が高い」「在庫増の悪影響(…)を考慮に入れれば、マイナス成長も十分にありえる」(157ページ)と試算をもとに予想されていましたが、その悲観的な読みすらも下回る推計が出てしまいました。そこからばたばたと政局が進行し、再増税の延期と、「アベノミクスの是非を問う」という触れ込みの解散総選挙が決まりました。帯には「消費税増税でこの国は瓦解する。」とありますが、なんとか「瓦解」は回避できたと考えていいのでしょうか?


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この本で詳細に分析していますが、まずは2013年からのアベノミクスによる好循環を整理してみましょう。アベノミクスの「三本の矢」は金融政策、財政政策、成長戦略なのですが、実体は一本の矢なんですよね。大胆な金融緩和の力によって、まだ十分とはいえないまでも、景気回復の糸口が見えてきたのが2013年の1年間でした。

回復の糸口を掴んだというだけですので、まだまだ国民全員の収入が上がるという段階ではありません。「私には恩恵が来ていない」「庶民には無関係だ」という批判はこれからもついて回るのでしょうが、データを見ている限りでは、所得階層の一番上と一番下の層には、着実に景気回復の恩恵が遡及していることをこの本でも指摘しています。その恩恵が今後、中間層に行き渡っていくかどうかが問われる、それが2014年の1年間だったのです。

この流れのなかで気の早い方は、経常収支や貿易収支が赤字になっているのを見て、「円安で日本は貧しくなる」「日本の競争力が失われている」といった批判を強めていったわけですが、この本では貿易赤字と我々の豊かさとはまったく関係ないことも、国際収支統計の基礎から噛み砕いて解説しています(巻末付録「よくわかる! 国際収支統計の仕組み」や、第2章「円安なのになぜ輸出が増えないのか」など)。

安倍政権については、私には経済政策以外で支持できるところは多くありませんし、家計負担を軽減する政策の少なさや再分配の弱さも批判もしています(第5章「増税を延期し、アベノミクスを再機動せよ」の179ページ以降など)が、いま再び高まっているアベノミクス批判の大部分は、もともと安倍首相を嫌いな人が何でもかんでも批判しているように映ります。

好循環に逆行するかのような流れが起こった分岐点は、今年4月の消費増税であることは各種のデータを見ても明らかです。増税に賛成していた方々は「増税による景気の落ち込みは大きくない」と言い続けていていましたが、増税反対派の私のような人間の予想さえも超えるレベルの悪化が起こってしまった。それが7〜9月期の実質GDP速報値だったわけですね。


消費税とアベノミクスの関係

―― この景気悪化が増税の影響なのか、そもそもアベノミクスの誤った政策によるものなのか、政権内部でも見方が割れているように映ります。

いまの経済状況は良い流れと悪い流れがごちゃ混ぜになっています。アベノミクスを経済政策として支持していた人の多くは増税に反対していて、とにかく安倍首相の政策だからという理由で金融緩和や財政出動に反対していた人は増税に賛成している、という構図があります。これは奇妙な好対照ですが、アベノミクスという政策パッケージと消費税増税にはまったく関係がありません。

消費税増税が必要だという認識が強まったのは、民主党政権時代に始まった「社会保障と税の一体改革」の議論からです(注)。

(注)社会保障と税の一体改革:2010年11月9日に行われた「社会保障改革に関する有識者検討会」以降、政府・与党社会保障改革本部による検討や会合が継続的に行われ、2012年8月に関連8法案が成立している。

社会保障の維持・充実を図るためには消費税を5%から10%に上げる必要があるという議論は、民主党政権下で強固なものにされていきました。この時期、安倍さんは自民党の総裁ですらなく、政権交代の空気もなかったわけです。谷垣総裁から安倍総裁に代わったことで急転直下し安倍政権が誕生して、そこでアベノミクスという経済政策の枠組みができたわけなので、成立過程がまったく別のものなんです。

2013年からの安倍政権の経済政策がなんとか機能した状況と、前政権からの遺産を引き継ぐかたちで進行してしまった一体改革の流れが混ざって、未整理に議論されてしまっています。

GDP速報値のニュースを受けて、これまであまり発言していなかった人たちまで「金融緩和のせいで円安になり、物価も上がって庶民が苦しんでいる」「アベノミクスは崩壊した」と言い始めているわけですが、長期の円高であれほど苦しい思いをしてきたことをもう忘れてしまったのですか? と言いたくなりますね。


追加緩和の目指すもの

―― この本の第5章「増税を延期し、アベノミクスを再機動せよ」ではいくつかの具体的な提案がされていますが、刊行直前に日銀が大規模な追加緩和を発表し、その後に増税延期が決まるなど、現実が本の内容を追いかけてきているかのようでした。

この本で提案したのはアベノミクスの良い面をさらに強化し、ダメなところを是正することなのですが、強化策については二つは実現されたと理解しています。

一つは10月31日の追加緩和です。年間60〜70兆円規模だったマネタリーベースの拡大を、年間80兆円規模に増加させることが表明されました。つまり10〜20兆円の拡大ということになりますが、これは私が本のなかで試算の結果として提示した2015年末までの25兆円の拡大(176ページ)と、かなり近い線だったといえるでしょう。とはいえ、その直前まで追加緩和はされないのではないかと私は見ていたので、むしろ驚きました。

追加緩和の額が提案とほとんど同じだったことは、予想が当たったかどうかといった話ではなくて、とても大事なことを示しています。つまり、現在の日本銀行は勘で適当に緩和額を決めているわけではないということです。このことを、いわゆる民間エコノミストの方々はほとんど理解していないのではないでしょうか。インフレ目標2%に対応した名目GDP成長率は3%になる、これを根拠として金融政策を行っているからこそ、適切な金額の緩和が行われる。政府が中長期的にめざしている名目成長率3%が、政策の前提になっているのです。

足元の実質成長率は0%、GDPデフレーターでみた物価上昇率は消費税増税の影響でだいたい2%ぐらいになります。単純計算して、今年度の名目成長率は2%あたりに落ちつく可能性が高くなる。そうなると成長率を1%持ち上げなければならないわけです。日銀としてできることは金融緩和しかありませんので、成長率を1%持ち上げるために必要な追加緩和は10〜20兆円の規模感でやるべきだということが決まってくる、非常にロジカルな政策運営なんです。

ただ、日銀の黒田総裁は国会で「再増税を念頭に金融緩和をした」という発言をしていました。金融政策決定会合後の記者会見でもかなり突っ込まれていましたね。黒田総裁と、再増税を延期した政府あるいは安倍首相との間には、少なからぬ齟齬があるのかも知れません。ここは一つの論点だと思いますね。本で提案しているように、政府と日銀の共同声明を強化し、日銀法に定められた「アコード(政策協定)」にする必要があると思います。さらには物価安定と雇用安定を日銀の明確な目標にするための日銀法改正が必要だと考えます(174ページ)。


増税延期という政治判断

もう一つ実現されたのは、消費税の増税延期です。これは「財政健全化を増税ではなく経済成長によって実現するのだ」というコミットメントが、首相によってなされたことを意味します。

私は再増税のための有識者点検会合の4回目(11月17日)に出席しましたが、10名の参加者のうち増税反対は若田部昌澄先生と私の二人だけ、あとはみなさん増税に賛成でした。それだけ、今の景気状況を憂慮している人が少ないということでもあります。

「小さな痛みに耐えれば日本経済はまた伸びる」という、小泉政権の頃によく聞いたような話に終始してしまう。中長期的な財政健全化の前では「小さな痛み」なんだ、というわけです。

それでも延期されたことは本当に喜ばしいことですが、景気判断条項が削除されたことは残念です。ただ、経済的な観点からみた最適解と、政治のせめぎあいの中で最低限の目標を達成することは次元の異なるところもありますので、それをもって全否定するのもナイーブ過ぎると思います。与野党も新聞各紙を見てもこれだけ増税に傾いていたなかで、延期を決断したことは安部首相の確かな成果ですし、そこは評価すべきだと考えます。

増税を1年半延期するということは、現時点から2年半後です。2年半経てば、状況はずいぶん変わると思いますし、もしかしたら安倍政権はなくなっているかもしれません。国民的な世論としても、財政健全化についてもうちょっと違った理解が広がっている可能性もあるでしょう。足元の経済状況は良いとはいえませんが、2020年には東京オリンピックも開催されるわけで、景気が良くなる材料はあります。景気判断条項がなくても大丈夫になる可能性はある。将来を悲観しすぎずに、最低限のところを死守できたことを足がかりにして何をやっていくのかが今問われています。

もちろん、再増税が可能になるほど景気が回復していない可能性もありますが、消費税法の関連法案をすべて廃案にすることも選択肢としてはありますし、その時の政権が新たな延期法案を作ることもできる。ここで増税していたらそもそもそんな選択肢もなくなってしまいますから、大きな決断だったと思います。

そもそも景気判断条項などなくても、増税といった景気に大きな影響を与える政治判断は、足元の景気を見て判断するのが当然です。3%から5%への増税は、村山政権下で決まった方針に沿って、橋本政権により実行されました。その時も経済状況は十分に良いとはいえなかったのですが、将来は良くなるはずだ、消費税増税の影響は一時的だという期待の下で行われたわけです。これは今にしてみれば明らかに誤った判断だったわけですが、歴代のどの政権であっても同じ判断が下されたのかも知れません。今回、当初の増税方針が覆ったことは、初めての経験といえます。

点検会合などでも、とくに経済の専門家は経済状況を見ながら最適な経済政策を提案する責務があると私は思うのですが、足元の景気よりも「決めたことはやるべきだ」とおっしゃる方が非常に多い。2期連続のマイナス成長という状況をしっかりと判断して、解散権も使いながら、増税一辺倒のなかでの延期を実現したことは、歴代の政権と比べても評価できる点だと考えます。【次ページにつづく】

「良きバラマキ」をさせるために

本の中で行った提案で実現していないのは経済対策です。3兆円規模の経済対策を行うという話が出ていますが、本では最低限2.5兆円の経済対策が必要だと書きました(182ページ)。ただちょっと注意しなければいけないのは、いま経済対策として挙がっているパッケージの中には、私が提案していない政策や、むしろやってはいけないと思う政策が入り込む可能性が高いことなんです

3兆円を何に使うべきかといえば、4月に5%から8%に消費税が増税された影響を抑制するために使うべきなんです。つまり家計の所得を直接的に持ち上げるために使うべきです。定額給付金や減税、社会保険料の一定期間の減免など、さまざまな手段はありますが、とにかくできる限り早く家計に還元することです。実効性のある政策で、安心感を与えることが急務なのであり、その規模は最低でも2.5兆円が必要なのです。

ところが現実に上がってきている案は、1999年に行われた地域振興券のような「地域商品券」であったり、中堅・中小企業の対策として基金を立ち上げてそこから補助金を出す、といったものです。これは正直言って、いらないと思います。余計なものがごちゃごちゃと付いてしまって、結果的に低所得者の方への給付がまた数千億円程度になってしまっては、元も子もないからです。


―― 振興券や商品券は、お金を配るのと何が違うのでしょうか?

商品券構想の詳細はまだわからないのですが、一定期間内に特定地域での使用に限定させる方式かも知れません。現金給付であれば消費か貯蓄かという選択肢がありますし、どの場所であっても必要なものに使える。できる限りシンプルにお金で配ってしまったほうが、受け取る側には助かりますよね。増税で困っている方は、所得が少なくて困っているわけですから、使い道を限定されてもあまり助けにならないんです。


―― 所得制限を設けて、所得の低い人に限定して配布するという話も出てきていますが、近所の顔見知りの店で使うのは勇気がいりますね。

所得階層を明示するスティグマになる可能性がありますよね。また、所得の捕捉の問題もあります。

「消費をしてもらう」ことを優先して考えるのが間違いなんです。負担を軽減するために最適な方法をシンプルに実行するのが、もっとも効率的なんですね。金融緩和でインフレ期待を作る、所得を増やして消費できる環境を作る、政府にできるのはせいぜいここまでなのに、余計なことばかりを細々とやってごちゃごちゃした状況を作ってきたのが、これまでの日本の政治なんですね。

選挙戦のなかでこういった部分がどう変わっていくのかを、国民は注視しないといけないと思います。こういった政策はしばしば「バラマキ」という言葉で批判されますが、特定の色のついていないものであればバラマキは悪いことではないし、状況に応じてむしろやるべきです。ただ、それが正しいバラマキであるかどうかを見ないといけません。

消費税の影響を抑制するために経済対策をするのであれば、消費税で誰が一番困っているかを見て、そこに一対一対応するような政策を打つのがもっとも合目的です。アベノミクスの財政政策で問題なのは、目的に応じたことをシンプルに行うという視点が欠けていることなんです。

たとえば、5%から8%に消費税を引き上げた際の影響を除去するために、5.5兆円の経済対策をやることになり、その中身として公共事業も行われました。この公共事業も、7〜9月期のGDP統計ではほとんど効いていなかったことが明らかになっています。つまり公共投資の伸びそのものは大きいのですが、GDPの落ち込みに対しては焼け石に水であったことがはっきりしています。それなのにまた従来型を踏襲した経済対策のパッケージを作って、いかにも効果があるようなことを喧伝しながら進めるというのは、やめたほうがいいんじゃないかなと思いますね。


―― これまでのような特定業界への還元の意味合いの濃い経済対策は、もう効かなくなってきているということですね。

そうです。むしろポール・クルーグマンの言うように「政策イノベーション」をしないといけない。2013年に安倍政権がリフレーション政策を採用したことは、画期的なイノベーションだったといえます。世界の経済学では主流でも、日本の学会では少数派でしかない政策を、政権が具体的な数値目標ともに取り入れ、中央銀行と協調した。デフレこそが問題なんだと20年以上も主張し続けて、日銀を批判してきた岩田規久男先生が、副総裁というポストに就き日銀の内部に入り込んだ。これは驚くべきことです。

いくら「リフレーション政策が大事だ」と叫んだところで、政治の側がそれを評価しない限りは、何も変わりません。


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政治という場での闘い

―― 点検会合のメンバーを見ても、ほとんどのメンバーは増税賛成派です。ごく一部のリフレーション政策にも賛同している方が、増税への反対を表明されているという構図でした。政治勢力として見た場合、いわゆるリフレ派はいまだ少数派なのでしょうか?

私も若田部先生も、内閣府や財務省の事務方が決めたメンバーではありません。当初案のメンバーには増税反対派は一人もいませんでした。私たちが後から入ることになったのは、何も正しいことを主張していると認められたわけではなく、官邸が何とか押し込んだ結果なんです。悲しいことですが、政治力学の問題なんですね。


―― 再増税派の「大義」になっているのはやはり財政再建だと思いますが、再増税しても財政健全化にはつながらない(184ページ)と指摘されています。

増税をしないで、2015年度にプライマリーバランスの赤字を半減させるという目標をどう達成するのかという疑問に、私なりの答えを示しています。

経済成長がしっかりと継続できれば、つまりアベノミクスがきちんと完遂できれば、赤字半減は確実に達成できます。もちろん不測の事態が、首相が増税延期時に「天変地異」とか「リーマンショック級の危機」と言ったのと同じようなことが起きれば、100%達成できるとはいえませんが。

他方で、では消費税をきちんと上げていれば達成できるかといえば、これは確実に達成できません。足元の経済状況から推計して、スケジュール通りに2015年10月に消費税を上げていたら、政府が見通しているような経済成長率はとうてい達成できません。政府が想定していた「成長率を維持しながら消費税を上げて、財政を健全化する」という話は、もとより達成不可能だったんです。そもそも両立しないんです。

必要なことは、まずは成長を重視しながら国民生活をより豊かなものにして、その過程で税収を増やして、財政健全化目標を達成できるような枠組みを作っていくことです。来年以降の消費税や財政、社会保障をめぐる議論の主戦場は、成長の可否になるのではないでしょうか。

ポイントは3つです。まずは日銀法改正などを行い、政府のリーダーシップで日銀がより適切な金融政策を行うために枠組みを構築すること。さらに経済政策の中身をより合目的な、効率的な政策に変えていくこと。成長と財政健全化の関係性を明確にして、社会保障の財源もしっかりと確保すること。このように考えています。【このつづきは明日!】

(2014年11月21日 三菱UFJリサーチ&コンサルティングにて収録)

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日本経済はなぜ浮上しないのか アベノミクス第2ステージへの論点
著者/訳者:片岡 剛士
出版社:幻冬舎( 2014-11-11 )
定価:¥ 1,728
Amazon価格:¥ 1,728
単行本 ( 239 ページ )
ISBN-10 : 4344026756
ISBN-13 : 9784344026759


片岡剛士(かたおか・ごうし)
応用計量経済学 / マクロ経済学 / 経済政策論
1972年愛知県生まれ。1996年三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)入社。2001年慶應義塾大学大学院商学研究科修士課程(計量経済学専攻)修了。現在三菱UFJリサーチ&コンサルティング経済・社会政策部主任研究員。早稲田大学経済学研究科非常勤講師(2012年度〜)。専門は応用計量経済学、マクロ経済学、経済政策論。著作に、『日本の「失われた20年」−デフレを超える経済政策に向けて』(藤原書店、2010年2月、第4回河上肇賞本賞受賞、第2回政策分析ネットワークシンクタンク賞受賞、単著)、『円のゆくえを問いなおす−実証的・歴史的にみた日本経済』(ちくま新書、2012年5月、単著)などがある。


03. 2014年12月07日 06:40:05 : jXbiWWJBCA

地銀中間決算 利益は僅かに増加
12月6日 4時28分

地銀中間決算 利益は僅かに増加
全国の地方銀行のことし9月までの中間決算は、前の年の同じ時期に比べ最終的な利益は僅かに上回ったものの、競争の激化によって本業に当たる融資などによる利益は減少傾向が続いていて、地方銀行にとっては今後の経営戦略が課題となっています。

金融庁がまとめた全国106の地方銀行などのことし4月から9月までの中間決算は、最終的な利益が合わせて5840億円と、前の年の同じ時期に比べて57億円、率にして1%増えました。
これは、景気の回復傾向を反映して不良債権の処理に伴う費用が前の年の同じ時期の8分の1程度に大幅に減少したことに加えて、投資信託の販売による手数料収入などが増えたことによるものです。
ただ、本業に当たる融資などによる利益は、合わせて2兆164億円と、銀行どうしの競争の激化などで前の年の同じ時期を合わせて450億円、2.2%下回っており、減少傾向が続いています。
地方経済を巡っては、人口減少を背景に規模の縮小が懸念されているため地方銀行の間では再編の動きも出ており、各行にとっては今後の経営戦略をどう描いていくかが課題となっています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141206/k10013762641000.html


04. 2014年12月07日 06:57:04 : jXbiWWJBCA

2014.12.07 Sun
リベラルで経済も重視したい有権者は一体どうしたらいい?
『日本経済はなぜ浮上しないのか』著者・片岡剛士氏インタビュー

日本型リベラルの憂鬱

―― 将来見通しから、目前の解散総選挙に視点を移したときに、リベラルでかつ経済のことも真摯に考えたい人は、まさにジレンマそのものの状況だと思います。端的に、安部首相という人が嫌いとだいう方は少なくないと思います。

安倍政権に嫌悪感を持つ方は、人の痛みを考えられる、優しい方が多いのだろうと思います。いわゆるリベラル層ですよね。

もともと「景気を良くしよう」という主張は、リベラル層が言うべきことであったはずです。よく言われることですが、欧米諸国では金融緩和はリベラル政党の主張であり、武器です。富裕な保守層ほど金融政策や景気対策には冷淡な傾向があります。ところが日本では保守とみなされる勢力が、金融政策を武器に政権を奪還してしまいました。

日本のリベラル層が経済政策に弱かったというのは、20年来の停滞の一つの要因だと思います。誰からも見落とされてきた場所にうまく入り込んできたのが、安倍さんのうまさだと思うんですよね。岸信介、安倍晋太郎の系譜で培われた勘のようなものがある方なのでしょう。国民に求められているものに敏感である、政治家として大成するために必須の特徴を備えていると思います。

逆にいうと、安倍さんにあるそういった感覚が、いわゆる知識人層のリベラルには決定的に欠けている。TPPや集団的自衛権も重要な論点であることは言うまでもありません。ただ、そういった論点だけを問題視して、いま生活に困っている人に手を差し伸べなくていいのか、国民全体が問題視していることにどこまでタッチできているのかという疑問が拭えません。自身の関心事のフレームだけで議論してきたのが、この国のリベラルだったように思えます。

「人はパンのみにて生きる者にあらず」も真実ですが、パンさえなければ、現実問題として生きられないのも真実なんです。「同情するより金をくれ」と言わざるを得ないリアリティを認識して、その上で「パンのみ」ではない社会をつくっていくための提案をするべきだと思うんですよね。


―― 主張そのものは文句のつけようのないくらい立派なものであっても、「いまの俺の生活はどうすればいいのか」という問いには答えられない。「これは新しい経済システムへの移行期的混乱なんだ」と答えるだけでは、「痛みに耐えて構造改革を断行する」と言っていた人とコインの裏表に思えます。

同じことが民主党にもいえると思います。民主党の言っていることは非常に立派なことです。税収を増やして社会保障を厚くしていかないといけない。お年寄りが一人きりで困るのでなく、できるかぎり国の関与を強める、これは正しいと思います。

だけど、それだけではきれいごとなんですよ。現実問題として財源がなければダメで、そこで増税をしてしまったら、いま困っているお年寄りはもっと困ることになるんですね。増税で取られた税金が仮に100%本人に戻ってきたとしても、状況は変わっていません。

状況を変えるためには、成長して、分配するパイを増やさなければただの分捕り合戦になってしまいます。どこかの困っている人に大きなパイが分配されると、どこかでもっと困った人が出てきてしまう。そのリアリティが決定的に欠けていると思います。


消費税と社会保障を切り分ける

―― 安倍政権の経済面での問題は、再分配や社会保障への冷淡さのように思うのですが、社会保障と税の一体改革により消費税が社会保障の財源にされてしまったことで、「消費税増税やむなし」という意見もよく見かけます。しかしこの本では「消費税増税による増収分をすべて社会保障費にあてるとしても、高齢化の進行により急増する社会保障費の財源を満たすのは不可能」(185ページ)と明言されていますね。


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ええ。マイルドな成長の持続があって初めて、増税分をどうやって撒くのかという話ができるようになります。消費税はパイが拡大するか縮小するかに関わらず、全員から均等に取るという性格の税ですが、それは低所得者の負担を重くします。

この本でも触れている通り、再増税以降の家計消費の推移を総務省「家計調査報告」で見ても、悪化が深刻なのは最も世帯所得の低い第一分位と第二分位で、さらに非正規労働者の悪化度合いが深刻なのも確認できます(180ページ)。それなのに再増税を行い、それを原資に社会保障を行うということは、低所得者から厚く取ってもう一度低所得者に戻すのと変わりません。さらに消費税の引き上げが、もともとあったパイを縮ませることにもなるので、多くとって少なく戻すことにもつながる可能性があります。

これでは困っている人が陥っている状況は、永遠に解消できません。社会保障には将来への支えという側面もありますが、現役世代が貧しくなれば、将来の老年世代はより縮小された社会保障の下で生きていかざるを得ません。これは矛盾の拡大生産に等しいのではないかと思います。

たとえば子育て支援はとても重要です。子育て支援の財源が消費税に紐づけられているから増税に賛成だという人もいますが、率直にいえばその主張は非常にナイーブだと思いますね。

子育て支援が本当に重要なのであれば、それは消費税という逆進性の高い税収を財源にするのではなく、いついかなる状況でもしっかり支出させることを、国に約束させるべきなんです。

国は経済成長を安定的にしていれば、税収は毎年きちんと担保できます。そもそも税収は経済成長のパイが膨らめば膨らむほど多くなります。増税をしなくても取れる、つまりそれは安定財源なんですよ。もっとも今までは政府がしっかりと経済運営をしてこなかったから、安定財源たり得ないわけですけれども。【次ページにつづく】

「日本は消費税の低い国」の誤り

―― 「日本は先進国よりも消費税率が低い」という論調もよく見かけます。

それも正確ではありません。国の税収に占める消費税の割合は、すでに欧米諸国のそれと同じくらいなんですよ。

たしかに欧州の多くの国は、消費税率を20%以上に上げています。8%の消費税率で、なぜそんなことが起こってしまうのか。

それは、法人税や所得税がしっかりと取れていないからなんです。問題にすべきは法人税や所得税です。けれども悲しいことに日本では、欧州の20%超の消費税率に対して8%しかないので、まだ消費税で取れるはずだと言われているんですよ。それをすれば所得税や法人税の税収は縮まってしまうので、たしかに消費税の比重はぐんと上がります。でも全体の税収は低くなる。これは明らかに非効率です。


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―― 所得税などの直接税の比率を下げ、所得税のような間接税の比率を上げる、いわゆる「直間比率」の是正は日本経済の宿願のように言われてきました。それがいまだに宿願でありつづけているのは、どのような理由によるのでしょうか?

富裕層であれ低所得者であれ、高齢者であれ、みんなが等しく負担することが公平なんだという発想が根強い気がします。

また、高齢化が進むということは現役世代が減るということなので、勤労者が減ってしまいます。そうなると、働いていない人からも安定して徴税したい。ならば消費から取るのがわかりやすいだろう、そういう要請があったのだろうと思います。でもこれは、大きな間違いの元だと私は思います。さらにそれを社会保障の財源にすることは、もっと大きな間違いでしょう。

直間比率の是正と社会保障がリンクされるようになったのは、細川政権での福祉目的税構想がまず挙げられます。そのときも目的税構想ではありましたが、頓挫したわけですよね。

その後、少子高齢化が現実化していくなかで、民主党政権下で社会保障と税の一体改革が始まり、巧妙に目的税というアリバイが潜り込まされた印象です。

しかし、そもそも社会保障の基幹財源に消費税をあてている国など、日本以外にありません。もともとそんな国はないんです。

いわゆる社会保障四経費と呼ばれている年金、医療、介護、少子化対策などの給付の半分が、日本では税で賄われています。これは世界に類のない特殊事態です。日本の社会保障はいわゆる社会保険方式なので、保険料を払わなければ給付を受けられない。そのバランスが崩れていることを政府は長らく放置してきて、それを税金で手当てしていくと言っているわけですよね。

税金でやるということは、たとえばそれによって財政赤字が膨らめば、将来の方の負担につながるわけです。現行の年金は、大企業のトップに対しても等しく給付されていて、その財源はみんなの消費への課税で賄われている。これは理不尽です。

むしろたくさん所得のある方は、もらった年金を戻すような仕組みもあって然るべきです。なおかつ相続税や資産課税をより強化していくことも必要です。資産の把握は現状のシステムでは難しいのですが、そこにかけるコストは十分に元が取れるのではないでしょうか。

所得税についても、経済停滞が長く続くなかで、「所得の高い人から多く取る」という累進性が弱くなってしまっています。こういったところを是正する改革を行えば、まさに豊かな人から貧しい方へ、困っている方への再分配ができるんですね。

再分配のための基幹財源を消費税で確保するのはおかしい。この点は具体的に野党のほうから追求されて然るべきだと、私は思いますね。実行可能な形での改革案も作れるはずです。

税金は消費税だけではありません。どの税制を使ってどこに再分配すればもっとも効率的なのか、まずそこから考えてみるべきです。仮に資産課税をあてることになって、官僚が「資産の捕捉は困難だ」というのであれば、何が困難なのかを示させた上で、どういう調査を行えば可能なのか、あるいはどのような機関を設ければ可能になるのかを議論すべきです。金融資産への課税もひとつのアイデアだと思います。

こういった可能性は八田達夫先生や岩田規久男先生といった、政府に対して遠慮なく主張をされてこられた専門家がずっと主張されてきたことです。けれども、なぜか資産課税による財政健全化という方向性はほとんど忘れ去られてしまっています。消費税を上げないと社会保障が維持できないという思考が、受けとめるべき良識として広まっていることに違和感がありますね。【このつづきは明日!】

(2014年11月21日 三菱UFJリサーチ&コンサルティングにて収録)

■あわせて読みたい

消費税増税を延期しなければ、この国は瓦解していた 『日本経済はなぜ浮上しないのか』著者・片岡剛士氏インタビュー

知のネットワーク – S Y N O D O S -
http://synodos.jp/newbook/11952/2


05. 2014年12月07日 19:25:06 : RQpv2rjbfs
ここ30年から40年役人と自民党の政治家が自らへの利益誘導の為に営々と築いてきた借金1200兆円に一言も触れていないが忘れたのか。

政府債務が無ければ増税も緊縮財政も必要ないだろうが。更に言うと政府債務の殆どが金融機関の資産につけ変わっているように見えるのは気のせいか、金融機関のトップは殆ど日銀、財務省の天下りだよね。


06. 2014年12月07日 20:50:43 : Dj9XCodIV2
マイナス成長を全て消費税増税のせいにして、自らのリフレ論のお粗末さを糊塗する恥知らずのエコノミスト、その代表がこの片岡某だ。

実質長率はすでに13年4Qにマイナスの落ちていた。増税前の駆け込み需要の恩恵で、14年1Qはプラスになったが、増税後2期連続でマイナス。駆け込み需要の1Qと反動の2Qをならすと、実質4期連続でマイナスだぞ。

恥を知れ、リフレ論者。


07. 2014年12月08日 12:09:23 : YylixLkL5Y
安倍の取り巻き評論家のヨイショ文をコピペしているコメント者がいるようだな。

給料が上がらず物価が上がり、消費がズル下がりになって喜んでいるアホがいるようだ。


08. 2014年12月08日 18:22:39 : f5wCgWXG2k
  本来は大きな政府と小さな政府、財界中心の共和党的政策と労働者中心の労働党的政策がほぼ十年毎に政権交代で入れ換わることにより、パイの再配分が上手く循環することになるのではないか。
  そのような理想的な状態にならなかったのは、政財官に司法を巻き込み、かつまた記者クラブで囲いマスコミを巻き込み、最終的に労働者団体をも連合という財界御用組合のような形で巻き込んだ、一大護送船団政策を取ったのが原因だろう。
  とにかく経済大国に、とにかく小さな政府で、という強い意志で世界第二位の経済大国の地位を獲得したものの、経済の好循環となる大きな政府と小さな政府の交代、共和党的政策と労働党的政策の交代、よってパイが上手く上から下へ、いわゆるトリクルダウンとは言っても施し的に滴り落ちるというより、必然的に内需の拡大へと政策が変わることによって、富が財界の利益から労働者の利益へと上手く転換し、社会に満遍なく成果が満ちる、ということが無かったのである。
  日本国はあくまでも内需の拡大を否定し、富は財界が留保し、その財界と共に官僚機構が歩きやはり予算と保管金の引き継ぎを使命とし、議会は単に彼らに都合の良い法案を法制化するための挙手要員としての機能しか果たさなかったと言えるのではないか。
  本来はこれに理不尽を感じる労働側によって訴訟が頻発しても良いものを、司法人事を官僚機構が担っていたために99%労働側の敗訴があり、次第に訴訟は縁遠いものとなって行き、記者クラブで待っていれば適宜な情報が官から入り、政財官と共に酒席に付くような状態に甘んじたために、マスコミもリベラルな記事は書けなかった。行政訴訟にて記者席が用意されているものの、殆ど空席で有るのがその証拠であろう。
  大きな政府と言っても、金融緩和は財官にのみ利益をもたらし、小さな政府であれば当然財官がその利潤を庶民、労働者にもたらす福祉政策は取らない。どちらであっても、富の好循環が全く無かったのである。政財官に司法、マスコミを巻き込んだこの画期的な護送船団方式というのは、資本主義国としても完全に異質というか、全く異様な国家運営ということになるだろう。

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