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http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NFZQC36JIJV801.html
12月4日(ブルームバーグ):
日本を仮想通貨ビットコインの起業家のオアシスにするため奮闘を続けてきた自民党IT戦略特命委員会資金決済小委員会の福田峰之氏 (50)は、11月下旬の寒い夜を支持者に囲まれて過ごした。
国会議事堂にほど近い中華レストランの小さな個室。集まった7人のITの専門家らを前に、福田氏はビットコインの政策を担うに至った経緯を説明していた。
日本の政府関係者の多くは9カ月前までビットコインの私設取引所を運営するマウントゴックス はもちろん、ビットコイン自体も耳にしたことがなかった。サイバー攻撃でマウントゴックスが保有していた4億7300万ドル(約564億円)相当のビットコインが消失する事態となって初めて、政府はようやくその実態や規制の在り方について問い掛けを行わざるを得なくなった。
財務省も経済産業省も対応に消極的だと知った福田氏は、ビットコインの仕組みや実態を知るためにトレーダーやプログラマーに会って聞き取りを行った結果、法制化に動くのではなく自主規制のルールづくりとその実施を業界に働き掛けることを決めた。
マウントゴックスの一件以来、一般の日本人にとってはビットコインという舶来の奇妙な代物は、息も絶え絶えになっている。福田氏が地元で有権者に新たな政策課題として訴えかけても、反応は鈍いという。
「価値記録」
中華レストランでは、ウーロン茶や中国酒で酢豚などをつまみながら、ビットコインをめぐる議論が進んだ。福田氏が、ビットコインは単なる通貨の一形態というだけでなく、ビットコインの取引履歴を記録する「ブロックチェーン」の将来に関心があると発言すると、同席者から賛同の声が上がった。
例として、今は財産権は政府が記録を管理しなければならないが、ブロックチェーンを使えば、誰が何を保有しているか全ての当事者が把握できるようになり、政府の関与は必要なくなるとも主張した。
ビットコインの規制は各国によってまちまちだ。英国政府は静観しているのに対し、米国や中国は投機取引を制限したり資金洗浄の禁止したりする決断を素早く下した。ビットコインの位置付けは通貨かコモディティ(商品)としている国が多いが、福田氏は日本の既存の規制の対象にならないよう、通貨でも商品でもない「価値記録」という曖昧な定義をあえて与えた。
コールドウォレット
ゴールドマンサックス証券のトレーダーをやめ、自らビットコインの取引所を創業、業界団体である日本価値記録事業者協会の会長を務める加納裕三氏も会食に参加した1人だ。協会の目的の一つは、ビットコインビジネスに基本的な業界標準を導入することにある。例えば、ビットコインをインターネットに接続しない「コールドウォレット」に保存してハッカーから守ったり、口座保有者に運転免許証による身元提示を求めたりすることが考えられる。
夕食会での議論は行きつ戻りつし、ビットコインの普及に足並みを揃えるのが簡単ではないことも浮き彫りになった。自ら取引プラットフォームを創設した20歳代のデビッド・チャン氏は顧客は自分の顔写真を提供することは望まないと思う、と述べた。これに対し加納氏は、政府の規制から自由になるためには何らかのルールが必要だと発言した。
衆院議員を2期務め14日の総選挙で審判を受ける福田氏は会合の最後に、ビットコインを普及させるためには、自分が次の選挙で当選する必要があると訴えた。出席者の1人がスマートフォンを取り出してビットコインで寄付の手続きをした。本来なら数秒で送金が済むはずだったが、福田氏はとまどった様子で携帯を取り出しこう述べた。ビットコインの口座は別の携帯の方だった−。
原題:Meet the Man Who’s Making Japan an Oasis for Bitcoin Startups(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 Pavel Alpeyev palpeyev@bloomberg.net;東京 Jason Clenfield jclenfield@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Teo Chian Wei cwteo@bloomberg.net; Michael Tighe mtighe4@bloomberg.net 笠原文彦
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