02. 2014年12月04日 07:58:36
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原油価格の急落に万歳二唱 2014年12月04日(Thu) Financial Times (2014年12月3日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ロンドン原油、一時1バレル=55ドル割れ 原油価格が大幅に下落している(写真は米カリフォルニア州カルバーシティーで稼働する石油掘削装置)〔AFPBB News〕 原油価格の下落は世界経済にとって何を意味するのか? その答えは、原油価格が下落した理由と原油安が続く期間によって変わってくる。だが、総合的には、原油安は注意事項を伴うとはいえ、世界経済にとって有益なはずだ。 とりわけ重要なのは、石油純輸出国に与える影響かもしれない。脆弱な生産国の中には、弱体化が切に望まれる政権が含まれる。その筆頭格がウラジーミル・プーチン大統領のロシアだ。 だが、ここでも、良いことがあれば悪いこともある。モスクワのガイダル研究所のキリル・ロゴフ氏が指摘している通り、原油価格の下落はプーチン氏の失地回復主義を激化させる恐れがあるのだ。 6月下旬から今月初めにかけて原油価格は38%下落した。これは大幅な下落だ。だが、それ以上に大幅な原油安が1985年の春から1986年の夏にかけて起きた。1980年代の初めから半ばにかけての原油急落――偶然ではなく、ソ連崩壊に先行して起きた出来事――は、2つの事態の展開に起因していた。 1つは、1970年代の2度の「石油ショック」が引き起こした消費と生産のエネルギー強度の低下。もう1つは、メキシコや英国など、石油輸出国機構(OPEC)非加盟国の著しい生産の出現だ。 大きく変わる世界の石油生産 今回の物語もそれほど大きく異ならない。供給サイドでは特にそうだ。国際エネルギー機関(IEA)の最新の「世界エネルギー展望」によると、OPEC非加盟国の石油と天然ガス液の供給量は2013年の日量5050万バレルから2020年の5610万バレルへ増加する可能性がある。そうなれば、世界の生産に占めるOPEC非加盟国のシェアが58%から60%に上昇する。 増加分の最大64%が北米から生じると予想されている。北米の生産拡大の背景にあるのが、米国の非在来型石油――いわゆる「タイトオイル」――とカナダのオイルサンドだ。一方、OPECの生産量は概ね一定のままだと予想されている。 非在来型石油の生産の画期的進歩はすでに、生産にかなりの変化をもたらした。米国の石油・天然ガス液の生産量は過去4年間で日量400万バレル増加した。HSBCによると、米国の生産量は今年、日量140万バレル増える見通しだ。リビアの生産も回復している。最後に、ユーロ圏と日本と中国の予想外の経済的な弱さは、今年の世界需要の推定量を日量50万バレル減らした。 原油価格を維持するためには、OPECは生産を日量100万バレルほど削減する必要があった。だが、OPECは――より正確に言えば、サウジアラビアは――減産を拒んだ。これが最近の価格下落の引き金を引いた。 こうした低価格はずっと続くのだろうか? あるいは、原油価格は一段と下がるのだろうか? 筆者は原油価格を予想するほど無謀ではない。価格弾力性が極めて低く、供給と需要の差があまりに微妙なため、間違った予想をするのがいとも簡単だからだ。 原油安が一時的なもので終わると考える根拠は、多額の設備投資を必要とする非在来型石油の生産を妨げたいというサウジアラビアの願望が速やかに成就するということだ。さらに、原油価格の下落と待望の景気回復と新興国経済の継続的な高成長は石油の需要を押し上げる可能性がある。 加えて、「世界の余剰生産能力は歴史的な標準と比べるとまだ極めてタイトで、大部分がサウジアラビアに集中している」とHSBCは主張する。自国の主張を通したサウジアラビアは、この先減産する可能性があるということだ。 原油安がもたらす6つの結果 現段階では、我々が原油価格の構造的なダウンシフトを目の当たりにしているのかどうかは、はっきりしない。だが、原油安がかなり続くと仮定してみよう。その結果はどんなものになるのか? 以下、6つある。 第1に、原油価格の40ドルの下げは、毎年ざっと1兆3000億ドル(世界の国内総生産=GDP=合計の2%近く)を生産国から消費国へ移転させることを意味する。これは重大だ。全体的には、生産者よりも消費者の方がすぐにお金を使う傾向があるため、世界の需要に多少の押し上げ効果をもたらすはずだ。 第2に、エネルギー価格の下落はすでに低い物価上昇率(総合指数)をさらに引き下げる。これは相反する2つのリスクを生む。1つは、これが超低インフレの予想を定着させかねないこと。反対のリスクは、中央銀行に基調インフレの上昇の脅威を無視するよう促してしまうことだ。総合的には、現時点では前者の方が後者よりも大きな脅威だ。 第3に、エネルギー価格の下落はエネルギー集約型の生産の収益性を高める。同時に石油生産者の利益と設備投資を減らしている。これはエネルギーセクター、特に借り入れの多い石油生産者の間で大きな破産リスクを生みかねない。それが金融機関にどれだけ打撃を与えるかは不透明だ。 第4に、価格下落は純輸出国から純輸入国へ所得を再配分する。後者に入るのはユーロ圏、日本、中国、インドだ。米国は今では純輸出国だ。だが、重要な純輸出国は、こうした収入に大きく依存している国々だ。そこに入るのが、イラン、ロシア、ベネズエラだ。もっといい政権にはこんなことは起きようがないのだ! だが、独裁者が窮地に陥った時には危険もある。 第5に、エネルギー価格の下落は資産価格に変化をもたらす。すでにロシアルーブルの急落に見て取れるように、エネルギー生産国の為替レートは下落圧力にさらされる。原油安から直接的、間接的に恩恵を受ける企業の株価は上昇する。これは新たな株式市場のバブルを生むかもしれない。 最後に、原油安は経済の炭素強度を高くし、エネルギー効率を下げる恐れがある。だが、原油安は石油の税金を引き上げる、あるいは少なくとも石油消費に対する無駄な補助金を永遠に削減するチャンスも与えてくれる。これは賢明な政府なら絶対につかむ好機だ。言うまでもなく、そのような政府の数はかなり少ない。 喝采せずにはいられない石油専制国家からの所得移転 原油価格がどこまで下がるのか、原油安がどれほど長引くのかについては、多くの不確実性が残る。だが、原油安が需要減退よりも堅調な供給を反映している限りにおいては、世界経済に歓迎すべき後押しを与える。 また、原油安は魅力のない石油専制国家からの歓迎すべき所得移転も意味している。たとえ補助金削減と増税のチャンスが再び無駄になったとしても、これを喝采しないのは難しい。 By Martin Wolf http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42370
ダウとS&Pが終値で最高値更新、景気循環株が高い 2014年 12月 4日 07:45 JST [ニューヨーク 3日 ロイター] - 3日の米国株式市場は、ダウ工業株30種とS&P総合500種が終値で過去最高値を更新した。朝方発表された米経済指標がサービス部門の改善を示したことを好感し、景気循環株に買いが入った。 ダウ工業株30種.DJIは33.07ドル(0.18%)高の1万7912.62ドル。 ナスダック総合指数.IXICは18.66ポイント(0.39%)高の4774.47。 S&P総合500種.SPXは7.78ポイント(0.38%)高の2074.33。 エネルギー株.SPNYは3日連続の上昇で、この期間に3.2%上がったが、依然として全業種の中で今年唯一のマイナスとなっている。 石油・ガスの探査・生産を手掛けるシマレックス・エナジー(XEC.N)は5.1%高となり、ダイヤモンド・オフショア・ドリリング(DO.N)も3.6%買われた。 USトラスト・プライベート・ウェルス・マネジメントの首席マーケットストラテジスト、ジョセフ・キンラン氏は「エネルギー株は相場の中で過小評価された業種だが、原油価格の下値を予測する試みは、落ちるナイフをつかもうとする(急落中の銘柄に手を出す)ようなものだ。持つべき価値はあるが、この先にさらに痛みが伴うかもしれない」との見方を示した。 米サプライ管理協会(ISM)が発表した11月の非製造業景況指数は雇用指数が前月を下回ったが、市場予想を上回った。マークイットが発表した11月のサービス業景況指数(PMI)は前月より鈍化したものの、業況の拡大を示した。 オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが発表した11月の民間部門雇用者数は20万8000人増で市場予想を下回ったが、市場の反応は控えめだった。ただ、統計は世界経済の減速が国内活動に与える影響は限定的なことを示唆した。 米連邦準備理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、米経済が10月から11月にかけて引き続き拡大し、ガソリン価格の値下がりが消費支出を後押ししたと指摘した。 欧州中央銀行(ECB)が4日開く理事会で、低迷する域内経済を下支えするために国債買い入れプログラムに踏み切る可能性が高まっている。キンラン氏は「何であれ刺激策を期待しており、追加的な行動がなかった場合の方が市場への影響の反応は大きい。ECBがより積極的な姿勢を示せば、グローバルな見通しに一段と自信を持てると感じるだろう」とみている。 騰落銘柄数はニューヨーク証券取引所が上げ2012で下げ1079(比率は1.86対1)、ナスダックは上げ1674で下げ1036(1.62対1)だった。 BATSグローバル・マーケッツのデータによると、米取引所の合計出来高は約61億株だった。 (カッコ内は前営業日比) ダウ工業株30種(ドル).DJI 終値 17912.62(+33.07) 前営業日終値 17879.55(+102.75) ナスダック総合.IXIC 終値 4774.47(+18.66) 前営業日終値 4755.81(+28.46) S&P総合500種.SPX 終値 2074.33(+7.78) 前営業日終値 2066.55(+13.11) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0JH2K820141203 |