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キャリアと人生で失敗しないポイントは、28・35・45歳?適職決め、定年後の目処…
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141203-00010003-bjournal-bus_all
Business Journal 12月3日(水)6時0分配信
筆者は、学生や若手ビジネスパーソンを相手にキャリア・プランニングの話をすることがよくある。一般にキャリア・プランニングが必要な理由が3つある。
第1にして最大の理由は、自分の人材価値をつくるには時間が必要だからだ。人材価値は、
(1)ある仕事ができるという能力
(2)その能力を実際に仕事に使ったという実績
という2つによって構成されるが、仕事のスキルを身に付けるにも、能力を具体的に仕事で使うにも数年単位の時間が掛かる。そして、誰にとっても時間は有限だから、計画と戦略が必要になる。
仕事のスキルを身に付けるのにどのくらいの時間が必要かは、仕事の種類や求めるレベルにもよるが、多くの場合、「集中的な努力の下に2年」過ごすと、一人前とまでいわずともその仕事の素人とは異なるレベルに達することができると、筆者は考えている。あるいは、2年努力してもレベルが上がらない仕事は本人に向いていないともいえる。短期的な計画、あるいは試行錯誤の目処として「2年」という期間は、適当である場合が多い。
第2に、自分についても会社についても将来のことはわからないからだ。特に、学生時代に自分の職業適性を見極めることなど不可能だ。端的にいって、まずは就職してみて、試行錯誤しながら自分がどういった「職」において人材価値をつくっていくのかを見つけなければならない。しかし、この試行錯誤はいつまでも続けられるわけではない。
自分の適職は、考えて決めるものというよりは、働いてみて「出会う」ものだ。また、やりたいと思う仕事でも、チャンスが与えられない場合があるし、チェンスを得るための努力が必要だ。加えて、自分から職や機会を選ぶために、キャリアプランニングの知識の一部として転職の方法も知っておく必要がある。
●年齢的制限
第3の理由は、チャンスを得ることができる年齢的な時期に限りがあることだ。若手社員として仕事を与えられながら仕事のスキルを身に付けることができるのは、概ね20代の間までだ。また、ビジネスパーソンの能力上の全盛期は30代前半だ。仕事上の実績をつくったり、人材価値を他人に印象づけたりできるのは、主にこの年代だ。
加えて、35歳を過ぎると、個人の人材としての価値は頭打ちから下落に入る一方で、雇う側の仕事に対する要求水準が上がる。この年代までに人材価値に対する評価を引き上げておかないと、その後の転職等の選択肢が狭まる。
そして、業種や会社によっても異なるが、大半のビジネスパーソンが50歳前後から50代半ばくらいにかけて仕事のペースをシフト・ダウンさせられる。メガバンクだと大半の行員が50歳前後で「出向」だし、ある大手商社では55歳で「役職定年」だ。共に、役員ないし役員候補の一握り以外の社員は一区切りを迎え、収入も下がる。多くの会社に似た制度がある。60歳から65歳くらいで「定年」となるが、この後にまだまだ続く人生をどう過ごすか、多くの場合、事前にかなり長い準備期間が必要だ。
●適職を決め、人材価値を確立する
さて、以上の認識を前提に、筆者が考え、しばしば学生や若いビジネスパーソンに話すキャリア・プランニングのポイントをご紹介しよう。
まず、「28歳までに、自分の職を決める」。「職」は勤め先の業界や会社よりももっと狭い範囲の具体的な仕事の分野だ。例えば、銀行員であれば、個人相手なのか、法人相手なのか、国際部門なのか、市場部門なのか、あるいはシステムやコンプライアンスといった分野の専門家なのか。その分野に自分の時間と努力を投資して、プロフェッショナルとしての仕事のスキルを身に付け、実績をつくる。
「28歳まで」という根拠は、能力的全盛期で職場でもチャンスを得やすい30代前半を、仕事を覚えた状態で迎えたいからだ。仕事を覚えるのに2年かかるとして、30歳−2歳=28歳だ。28歳までは、職業・会社の選択の大きな試行錯誤が可能だ。この時期を過ぎると、分野を大きく変えるような転職はリスキーになってくるし、キャリア・プランニング的に「時間切れ」に近づく公算が大きくなる。
次に、「35歳までに、人材価値を確立する」ということが大きな目処になる。具体的に仕事をした実績がないと、ビジネスの世界では評価が上がらない。例えば、MBA(経営学修士)のような資格だけでは人材価値は上がらない。
実績は、特別なものでなく、ある仕事を十分にこなしてきたという事実で十分だ。実際に転職しなくてもいいが、転職市場で買い手から十分な値が付くような人物になることが一つの目処だ。大企業勤めなどの場合、出世等で具体的に形が表れるのはもう少し先になることがあるが、35歳前後では、個々の人材に対する会社の評価は概ね固まっていることがほとんどだ。それに本人が気付かないのは鈍いだけである。
かつてほど「35歳の壁」が意識されなくなったが、それでも、35歳を過ぎると転職の可能性が狭まる。だが、35歳くらいまでにある程度の人材価値をつくると、その後も転職できるようになることが多い。
●セカンド・キャリアに向けた準備
定年後を含むいわゆる「セカンド・キャリア」については、個人差が大きくなるが、長い期間にわたる準備が必要な場合が多い。会社から出向や役職定年を突きつけられてから後のことを考えるのでは、準備不足で十分な選択肢を持つことができない場合がある。
「45歳には、セカンド・キャリアについて目処を立てる」というくらいの心掛けが必要だ。何かを学ぶにせよ、将来の仕事の準備をするにせよ、社会貢献できる場をつくるにせよ、後の人生をより充実したものにするための準備に入りたい。会社任せ、成り行き任せでは、不本意なシニア・ライフになる可能性が大きい。
場合によっては、自分から仕事のペースを落としたり、プライベートな時間を取ることができるような環境をつくったりするような、ライフ・スタイルに合わせた仕事の変更や調整が必要になる場合もある。
「28歳」「35歳」「45歳」。画一的に誰にでも、どんな仕事でも当てはまるというわけではないが、考え方としてご参考になるのではないかと思う。人生にあって最も貴重な資源は「時間」である。
山崎元/楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表
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