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森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 消費税凍結・解散総選挙へ
http://wjn.jp/article/detail/4785259/
週刊実話 2014年12月4日 特大号
安倍総理が消費税再増税の凍結を発表し、解散総選挙に向かう可能性が高まってきた。
一つの理由は、消費税増税の判断基準となる7〜9月期のGDPが非常に悪いということだ。本稿執筆時点で統計は未発表だが、日本経済研究センターが発表している月次GDPによると、実質GDPの前月比伸び率は、7月+0.1%、8月+0.1%、9月▲0.3%となっている。
もともと御用エコノミストたちは、消費税引き上げ前の駆け込み需要の反動が和らぐ7〜9月期は、年率で4〜5%の成長を見込んでいた。それが、マイナス成長に陥る可能性さえ出てきたのだ。
だが、いくら安倍総理が消費税を凍結しようと考えても、政府・与党内には、財務省シンパの増税容認派がゴマンといる。彼らを完全に黙らせる手段は、解散総選挙に打って出て勝利することしかないのだ。
安倍内閣は、低下したとはいえ、まだ50%強の支持率を維持している。その一方、野党はバラバラで共闘態勢が整っていない。さらに選挙に決定的な影響を与えるのが、消費再増税への賛否だ。
実は、民主党の中でもリベラル派は、4月からの消費税引き上げが大失敗だったことを認識している。ところが、党内でそのことを言い出せない。なぜなら、消費税引き上げを主導したのが、野田佳彦前総理をはじめとする民主党右派だからだ。彼らは、いまだに民主党内で強い権力を握っている。そして自分たちの過ちを認めたくないために、これだけ消費税増税で景気が落ち込んでいるのに、失敗だったとは口が裂けても言わないのだ。もし安倍総理が消費税凍結を発表したら、彼らは「アベノミクスの失敗」と非難するだろう。もちろんアベノミクスが失敗したのではない。消費税増税が失敗だったのだ。
ただ、民主党が自らの過ちを認めない状況下では、解散総選挙になった場合、民主党=消費税再増税、自民党=消費税増税凍結という対決の構図となる。どちらが勝つかは、火を見るよりも明らかだろう。
もちろん、消費税増税を凍結したからといって、今の8%の税率が続くということだから、すぐに景気が回復に向かうとは思えない。しかし、来年度には景気が底を打つのではないか。もし、消費税増税を凍結すれば、今年4月に行った消費税8%への引き上げに伴う物価上昇は、来年3月で終わる。そのため来年4月以降は、物価上昇の要因が日銀の金融緩和だけになるから、2%程度の緩やかな物価上昇率が見込めるのだ。
2%程度の物価上昇率のときに経済が最も順調に動くというのが、多くの国で実証された経験則だ。だから、来年度は少なくとも景気後退は止まるだろう。
こうして考えてくると、失敗の本質が見えてくる。今年度、景気が後退に転じてしまったのは、消費税増税と金融緩和を同時にやったことで、4%という高率のインフレを招いてしまったことだ。本来であれば、消費税の影響込みで2%という物価上昇率目標を立てなければならなかった。安倍総理が消費税引き上げを凍結すれば、その間は物価上昇率2%の実現が可能になる。そこで初めて、経済成長の必要条件が満たされるのだ。
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