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2012年10〜12月期はマイナスからプラス、再びマイナスへ変わった
12月8日の改定値発表で、「GDPショック」和らぐ?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141127-00010000-shikiho-biz
会社四季報オンライン 11月27日(木)12時10分配信
先週17日発表の7〜9月期GDP(国内総生産)速報値が予想外のマイナス1.6%(前期比・年率換算、以下同)となり、大きな衝撃を与えましたが、その改定値が12月8日に発表されます。この時期は衆院選真っ只中なので、改定値の数字次第では再び、議論の的になる可能性があります。
前回、GDP統計の改定をめぐっては“驚くべき謎”があると書きました。これは同統計の成り立ちからくるもので、私たちが見る際に注意すべき点です。
そもそもGDP統計というのは、個人消費、設備投資、輸出など各分野の個別の基礎的な統計を基に推計を積み重ねて算出しているもので、「速報値」の発表までに集計が間に合わない統計もいくつかあります。
たとえば、四半期ごとに発表される法人企業統計は企業の設備投資の動向がわかる重要なものですが、公表はGDP速報値発表後です。そこで速報値の段階では他の統計で代用して設備投資を推計し、改定値には法人企業統計の結果が反映されます。
今回発表された7〜9月期速報値は設備投資がマイナス0.9%でしたが、法人企業統計についてはプラスの予想が多くなっています。「それを反映してGDPも上方修正されるのではないか」と見るエコノミストが多いようです。そうであれば、今回のGDPショックも多少和らぐことが期待できるかもしれません。
速報値や改定値のインパクトは大きい
ただ、気をつけなければならないのは、「改定値」で終わりではないということです。改定値まではニュースになりますが、実はその後も次の四半期のGDP速報値や改定値の発表のたびに、それ以前のGDPの数値もさかのぼって改定されているのです。それらの数字はもうニュースにならないので、人知れず改定され続けているわけです。
つまり、GDP数値は時間の経過とともにどんどん変化します。たとえば、2012年4〜6月期は速報値段階で1.4%増だったのに対し、改定値では0.7%増へ下方修正され、最新の改定値ではマイナス2.4%になっています。同年4〜6月期はリーマンショック以降の景気回復がいったん終わって景気後退が始まった時期ですが、速報値の段階ではまだそのような数字にはなっていなかったことになります。その結果、「景気後退」との認識が遅れた可能性があります。
一方、速報値でマイナス成長だったため、株価が急落した例も過去にはありました。その後、いつの間にかプラス成長になっていたケースもあり、「それなら株価が急落する必要などなかったのに……」と言いたくなります。しかし、それも今後はどう変化するかわかりません。
12年10〜12月期のように、速報値でマイナス0.4%だったのが改定値でプラス0.2%となり、その後さらにプラス1.0%へ上方修正。現在は再びマイナス1.2%といったケースもあります。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか。GDP統計は各分野の基礎的な統計を集めて推計を積み重ねたものなので、基礎統計自体が改定されると、それに伴ってGDPの数字も改定されます。また、新しい四半期の発表ごとに季節調整値を毎回かけ直すため、過去にさかのぼって改定され続けることになります。
さらに、基礎となる統計の一部に関しては5年に1度、国勢調査などの公表に合わせて基準の改定を行うため、そこでまた数字が変わります。こうした作業を繰り返すことで、GDPの統計は過去にさかのぼって改定され続けることになるのです。
それゆえ、速報値や改定値の数字を一発勝負のように受け取るのではなく、GDP統計の特性を意識して、少しさめた目で同統計を見ることも必要かもしれません。ただ、そうは言っても速報値や改定値の影響力が大きいのも事実で、その数字次第では株価や為替相場が大きく反応します。「たかがGDP、されどGDP」といったところでしょうか。
岡田 晃
おかだ・あきら●経済評論家。日本経済新聞に入社。産業部記者、編集委員などを経てテレビ東京経済部長、テレビ東京アメリカ社長など歴任。人気番組「ワールドビジネスサテライト」のプロデューサー、コメンテーターも担当。現在は大阪経済大学客員教授。ストックボイスのメインキャスターも務める。わかりやすい解説に定評。著書に「やさしい『経済ニュース』の読み方」(三笠書房刊)。
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
岡田 晃
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