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ソニー、なぜ存亡の危機に?失敗繰り返される構造改革と、楽観的な収益重視路線の行方(Business Journal)
http://www.asyura2.com/14/hasan91/msg/822.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 11 月 27 日 09:27:25: igsppGRN/E9PQ
 

ソニー、なぜ存亡の危機に?失敗繰り返される構造改革と、楽観的な収益重視路線の行方
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141127-00010001-bjournal-bus_all
Business Journal 11月27日(木)6時0分配信


 ソニーはいったい、どこまで漂流を続けるのだろうか。

 同社は、5月14日の2014年3月期決算発表において、1283億円の赤字を計上した。3年連続の赤字の計上で、電機業界「一人負け」の構図である。それから、4カ月後の9月17日、同社は緊急記者会見を開いた。

 実は緊急記者会見の連絡を受けた時、一瞬「平井一夫社長辞任か」と頭をよぎった。私に限らず、ジャーナリストの少なからぬ人がそう思った。平井氏はその席上、15年3月期の業績見通しを大幅下方修正した。同社は今期の業績について当初、「エレクトロニクス事業の回復の遅れにより、中期目標には遠く及ばず、徹底した構造改革を進めることもあり、500億円の最終損失となる見込み」と説明していた。ところが17日の会見では、最終赤字は当初見込みの500億円から2300億円へと拡大することが発表された。不振が続くスマホ事業の減損処理で1800億円の損失を計上したためである。また、1958年の上場以来、初の無配を決めた。同社は「存亡の危機」に立たされているといっていい。

 考えてみれば、業績見通しの下方修正は平井氏が社長に就任した12年4月以来、実に6度目で、いまや“恒例行事”となっている。しかも、同社CFO(最高財務責任者)の吉田憲一郎氏は会見の席上、「本日発表した連結業績見通しの修正は、モバイルコミュニケーション分野の減損以外は、7月に発表した数値をそのまま使っており、減損以外の要因は織り込んでいない」と語った。つまり、今回の下方修正には人員削減に伴う費用が含まれていないということだ。であるならば、今後リストラ費用が膨らめば、もう一段の下方修正が行われるシナリオすら考えられる。

 この会見の席上、モバイル事業に携わる社員の15%にあたる約1000人の削減が発表されたが、同社は今年2月、国内外の本社・販売会社で約5000人の人員削減計画を打ち出したばかりである。日本企業の癖ともいうべき構造改革の小出しも、相変わらずといわなければならない。

●果たされない「経営責任」

 緊急会見で「経営責任」を問われた平井氏は、次のように語った。

「今年度に構造改革をやりきり、業績を回復させることが経営陣の責任だ。私としては、不退転の決意で業績を回復していき、早い段階で復配、ソニーを立て直すことが一番の責任だ」

 同社の記者会見で、この種の「経営責任」問答は何度聞かされてきたかわからない。答えはいつも一緒だ。ソニーを立て直すのが、経営責任を果たすことだ――である。

 しかし、その「経営責任」が、今のところ果たされたことはない。結果、終わりのない構造改革が続くことになる。果てもない構造改革が続けば、組織は疲弊し、社員のモチベーションは低下する。そうなれば、反転攻勢はおろか“死の谷”は越せない。同社はなぜ、同じような失敗を何度となく繰り返すのか。

●激変する世界のスマホ市場

「中国系メーカーの躍進など、外部環境が予想外に厳しく、普及モデルを中心に台数見通しを引き下げた」

 平井氏は、業績悪化の最大の原因についてスマートフォン(スマホ)の販売不振をあげた。同氏は12年に社長に就任すると、エレキ事業の黒字化を公約に掲げてテレビ事業を分社化し、ゲーム、デジタルイメージングとスマホを三大中核事業と位置づけた。つまり、同社の看板事業ながら10年間赤字を垂れ流し続けるテレビを中核事業からはずしたのだ。平井氏の英断といっていい。

 問題は、その後である。平井氏は、テレビにかわる中核事業のスマホ事業について、新興国を中心に普及価格帯モデルの販売台数を伸ばし、サムスン、アップルの二強に次ぐ世界第3位のスマホメーカーを目ざした。同社の底力をもってすれば、それは必ずしも不可能ではなかっただろう。

 ところが、それからわずか2年、世界のスマホ市場は劇的に変化した。中国のスマホメーカーの急激な台頭である。サムスン、アップルの二強でさえ、いまや中国メーカーにその地位を脅かされるありさまだ。高価格帯でこそ今なお二強の強さが光るが、普及価格帯では中国メーカーの台頭が著しいのだ。
 
 現に、世界最大のスマホ市場である中国をみてみると、14年4−6月期においては、中国の小米科技(シャオミ)がサムスンを抜いて1位に躍り出たほか、聯想集団(レノボ)や華為技術(ファーウェイ)なども勢いを増している。中国メーカーの競争力は格段に向上している。中でも低価格帯のスマホは、もはや中国の独壇場だ。例えば、小米科技がこの夏に出したスマホは、1000元(1元=18.93円、14年11月16日現在)以下にもかかわらずLTE対応だ。加えて、高機能スマホ分野でも、サムスンやアップルの地位を確実に脅かしつつある。スマホの勢力地図は、激変しているのだ。

●収益重視路線、テレビ事業の二の舞いか

 にもかかわらず、スマホ事業について平井氏は依然として次のように語る。

「市場シェアや台数など、規模の拡大ベースにした戦略から、収益性を重視する戦略に変える」
「(ウェアラブル端末など)スマホ事業をやっていく中で、スマホの後のビジネスにつなぐことも考え、ソニーとして積極的に関わっていく」

 つまり、拡大路線から収益重視路線に転換すれば、スマホ事業の立て直しは十分図れると強調したのだ。しかし、これは、あまりに楽観的かつ希望的ではないか。なぜなら、サムスンでさえ、いま大ピンチに陥っているからだ。サムスン電子は昨年の営業利益を3兆6000億円計上したが、その主力の収益源はスマホだ。ところが、中国メーカーなどとの競争激化を受けてこのままスマホの不振が続くと、今年の営業利益は1兆円以上ダウンして2兆5000億円から、最大2兆1000億円にまで落ち込むのではないかといわれているのだ。まさしくスマホ帝国の黄昏である。

 だから、ソニーが収益重視路線に舵を切り、ローエンドからハイエンドの高付加価値のスマホに経営資源を集中するといっても、まずハイエンド市場はサムスン、アップルの二強の牙城であるばかりか、今後中国メーカーの参入も予想される中で、いったいソニーに“出番”はあるのだろうか。

 というのも、ソニーは10年にわたって赤字を垂れ流すテレビ事業においても、同じフレーズ「規模から収益へ」を用いてテレビ黒字化を打ち出したが、いまだに実現していない。スマホがテレビの轍を踏まないと誰が保証できるのか。サムスンの昨年のスマホの販売台数は3億1390万台で世界シェア31.3%。これに対しソニーのスマホの今期販売目標は5000万台で、今回売り上げ不振を受け4100万台に下方修正した。もう、周回遅れもいいところだ。スマホ事業が赤字を垂れ流し続けるテレビ事業の二の舞いにならないためには、よほどの秘策が必要だろう。

 同社は11月25日、エレクトロニクス事業に関する説明会を開き、新任のソニーモバイルコミュニケーションズ社長兼CEOの十時裕樹氏がスマホ事業の今後についてプレゼンする予定だが、果たしていかなる秘策を打ち出すのか、注目される。

●危機意識の欠如

 ソニーの危機の最大の要因は、つまるところ経営トップに決定的に危機意識が欠如していることにあるのではないか。それはとりもなおさず、責任の欠如にあるのではないか。

 一例をあげてみよう。13年5月9日、12年度決算発表会の席上、私は唖然としたシーンがあった。記者から「当初約束した3つの黒字は達成されたのか」という質問が出た。3つの黒字化とは、(1)連結の最終損益、(2)エレクトロニクスの営業損益、(3)キャッシュフローの黒字化である。結果は、(1)連結の最終損益は黒字だった。もっとも、旧本社地の土地などを売却してあげた黒字である。(2)エレクトロニクスは未達、(3)キャッシュフローは営業と投資の合算で113億円のネガティブだった。

 当時副社長兼CFOで現副会長の加藤優氏は、「そういう意味で、1勝1敗1引き分けということですね」と語った。そこには、CFOとしての当事者意識のカケラも感じられなかった。ビジネスはゲームではなく生死を懸けた戦争であり、かりにも一敗すれば死を意味するくらいの覚悟で経営にあたる必要があるのではないだろうか。確かに、ファーストリテイリング社長の柳井正氏に『一勝九敗』(新潮社)というタイトルの著作があるが、それはあくまでチャレンジの話で、そのタイトルはいやしくも決算にかかわる話ではない。

 パナソニック社長の津賀一宏氏は、大赤字を出し無配に陥ったとき、「パナソニックは“普通の会社”ではないことを自覚するところからスタートしなければならない」といい切り、社員の危機意識を徹底的にゆさぶった。この発言を聞いたとき、「そこまでいうか……」と驚くと同時に、津賀氏の経営者としての覚悟を見た思いがした。サムスン会長の李健熙氏にも、経営者としての覚悟がある。93年に「新経営」を宣言した際、「妻と子供以外はすべて変えろ」の強烈なスローガンを発信し、意識改革を促したのは有名な話だ。

 その点、「従来のビジネスを続けていると、会社がつぶれるかもしれない」という言葉を、残念ながらソニーの経営陣から聞いたことがないのだ。厳しくいえば、副会長の加藤氏に象徴されるように、当事者意識の気迫が感じられないのである。背水の陣を敷き、あらゆる手段を使って赤字を解消し、生き延びようという覚悟が感じられないのだ。いま一度、下方修正を繰り返すようなことがあれば、それこそトップは厳しい局面に立たされるだろう。

 この数年間、ソニーは奇跡の復活を起こすチャンスを何度となく逃してきた。もしかすると、すでに正念場を越えてしまっているのかもしれない。もっというならば、“次”がないところまで追い込まれているかもしれない。その自覚があるのかどうか、今こそ問われている。

片山修/経済ジャーナリスト・経営評論家


 

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コメント
 
01. エリック・カートマン 2014年11月27日 10:34:15 : T4maj2bRinWc2 : rGdFPHp0AA
外国人CEOが未来への投資である研究開発費を大幅に削って
その分現在の利益を水増しし、自らの報酬を釣り上げ食い潰した。


02. 2014年11月29日 00:38:08 : ytIWoEzSFI
今のソニーには情熱がない。今やソニー伝説の社長と呼ばれる井深大氏。彼は経営者である以前に、ラジオのマニアであった。世界の放送を受信して楽しむBCLであったのだ。いかに遠くのラジオ放送を聴けるラジオをつくるか。それに持てる力の全てを投入した。採算度外視なのだ。会社の規模を考慮せず、よりよい部品から取り組んだ。これらの情熱ある技術開発により、ソニーのラジオは他社製品に比べて高感度であり、難局であっても聴くことができたのである。

ソニーの短波ラジオは、他社製品と比べて一クラス上の性能を誇っていた。それがために、NHKの海外特派員は1960年代、ソニーのラジオを支給されて世界に飛び立ったのである。ソニーのラジオは、日本からのNHK国際放送、ラジオ日本を確実に聴くことが出来たのである。

井深大社長の時代のソニーの短波ラジオを見て下さい。

Sony TFM-8000W 6 Band Short Wave Radio
http://www.youtube.com/watch?v=m7J8fW-g0Ag

ソニーのラジオの進化は留まるところを知らず、遂に1975年夏、ライバルの西ドイツ・グルンディッヒのお膝元のハノーバー国際見本市に、CRF-320を出品したのである。

Sony CRF-320 Testing & Operation
http://www.youtube.com/watch?v=eoNI80s79O8

1980年代、遂にCRF-V21として、頂点に達するのである。

Sony CRF-V21 rebirth and operation (HD)
http://www.youtube.com/watch?v=mIAFxhEp7rE

●しかし、この優秀なソニーの短波ラジオは、出井が儲からない理由で全部、切ってしまったのである。これにより、今では中国大陸のTecsunにも負ける始末である。あの出井が、ソニーをダメにしてしまった。

もうソニーは、かつての西ドイツの名門、ITT Schaub-Lorenzのように、過去のメーカーになってしまうのかも知れないな。


03. 2014年12月01日 08:14:14 : t2KknvSzKY
SONYのガン出井の罪は万死に値する。地下で盛田、井深が泣いている。

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