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北京市内のマンション建設現場。販売不振は深刻だ(共同)
中国、住宅価格の“暴落隠蔽” 不動産市場深刻 止まらぬ経済崩落
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20141125/frn1411251532009-n1.htm
2014.11.25 夕刊フジ
中国経済の崩落が止まらない。金融大手HSBCが発表した11月の中国製造業購買担当者指数(PMI)速報値は50・0と半年ぶりの低水準になった。住宅価格も下落が続くなか、中国人民銀行(中央銀行)は金融機関の貸し出しと預金の基準金利を引き下げたが、経済成長を維持できるかは不透明だ。
景気動向を占う指数として注目度が高い製造業PMI。11月の数字は、10月の50・4から大幅下落、景況感の節目となる50・0ギリギリまで落ち込んだ。
HSBCの中国担当エコノミストは「今後数カ月、不動産市場と輸出の不透明感が続く」と指摘、「経済成長は大きな下押し圧力に直面している」と警鐘を鳴らす。
不動産市場も深刻だ。中国国家統計局が発表した10月の新築住宅価格指数は、主要70都市のうち69都市で前月より下落し、1都市が横ばいとなった。前月と同様に上昇した都市はゼロだった。
住宅価格下落は、需要を無視した建設による供給過剰で「鬼城(ゴーストタウン)」と呼ばれる空き家だらけのマンションが目立つ地方都市だけでなく、北京や上海、広州などの大都市でも深刻化している。
ただ、これでも生ぬるい数字だとみるのは、週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏だ。
「中国政府当局は、住宅価格の暴落をひた隠しにしているとしか思えない。貸出の伸び率が国内総生産(GDP)成長率を上回る伸び率を示しており、不動産会社の経営破綻を表面化させないように、ひそかに“追い貸し”をしている様子がうかがえる」と指摘する。
そんななか、人民銀は利下げに踏み切った。金融機関の1年物の貸出金利を0・4%引き下げて5・6%に、預金金利を0・25%引き下げて2・75%にした。
地方政府は世帯当たりの住宅購入制限策などを相次いで緩和、金融機関も住宅購入資金貸し出しに力を入れるなど再びバブルをふくらませようと必死だ。
しかし、前出の勝又氏は、こうした対策も効果が期待できないとみる。
「庶民は住宅市況の先安観を見通しており、住宅在庫を競売しても買い手がつかないほど混乱している。中国経済はもはやデッドラインに踏み込んでいるのに、貸出と設備投資は増加基調だ。大山が崩れる形で息の根を止められることになりそうだ」
製造業が伸び悩み、住宅投資も低迷するが新たな成長産業は見当たらない。中国経済は持ちこたえられるのか。
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